リュゴスと南方
陽光に満ちた大地、半乾燥の気候を思い描いてほしい。街道は都市とオアシスの間に延びる。農夫たちはイチジク、ナツメヤシ、オリーブの果樹園を世話する。果てしない麦畑が穏やかな風にそよぐ。
宮殿、神殿、瀟洒な邸宅を思い描いてほしい。神官、学者、官吏たちが忙しく行き交う。政治家たちは法や票を巡って言い争う。商人たちは世界の隅々からの品を売り歩く。通りや酒場では幾十もの言語が飛び交う。
隊列を組んで行軍する軍勢を思い描いてほしい。槍と盾と兜が輝いている。幾千もの踏みしめる足から土煙が立ち上る。馬がいななき、馬具が鳴る。ラクダが吠える。象が咆える。
豪奢と華麗、絹と羽根、けばけばしい色に積み上げられた香辛料を思い描いてほしい。
飢えと絶望、パン一斤を盗むために手を危険にさらす浮浪児を思い描いてほしい。俗事を超越した富める者と権力者を思い描いてほしい。それだけに心を奪われる貧しく虐げられた者たちを思い描いてほしい。
名前
ギリシャ語、ヘブライ語、ペルシャ語、アラビア語を思わせる:アガッテ、アレフ、アリックス、バラズ、カナン、ダリヤ、デメトラ、エレネ、エリオス、フォティオス、ファルーザ、ゴルザ、イアソス、イオナ、キリアコス、マリカ、マアヤン、オシェル、ナタサ、ニヴォラ、リナト、スタマト、テクラ、ザレー。
問い
- 南方では深い水を恐れるか?
- 海を渡るか、それとも避けるか?
- あちらで最も広く使われる言語は何か?
- リュゴス人に特徴的な衣装/文様/特徴は何か? 南方人全般にはどうか?
- この時期、彼らはどんな祭りや祝日を祝うか?
- リュゴス人/南方人はどんな遊び/娯楽/食べ物で知られているか?
- 彼らは__を崇拝しているか? その崇拝はここストーントップとどう違うか?
- ここではあまり知られていない、誰(あるいは何)を彼らは崇拝しているか?
個人的な問い
PCが南方出身なら、以下のいくつか、あるいはすべてを尋ねる。
- リュゴス本土の出身か? それとも南方の別の場所か?
- あちらでの暮らしについて、恋しく思うちょっとしたことは何か?
- 最も恋しくないものは何か?
- 何があなたを去らせたのか?
- 誰を後に残してきたのか?
- 今も守り続けている南方の慣習は何か?
- この地方での暮らしで最も驚いたことは何か?
- ストーントップに他の南方人はいるか? 誰か?
物語に彩られた過去
乾燥した南方は長らく文明の揺籃であった。遺跡と古代の建造物が景観に点在し、都市を埋め尽くしている。誰がそれらを築き、その民はどこへ行ったのか? それはあなたとあなたのグループが決めることだが、もしかするとこれらの構造物は次のような者たちによって築かれたのかもしれない……
- 造り手よりもさらに古い、真に太古の民。
- 島の首都が海に飲み込まれる前の嵐の君(398ページ)。
- 後に北へ移住した石の君(382ページ)の祖先。
- 門の網を通じて広がった、鍛冶の君(156ページ)の分派。
- 北方では聞いたこともない、別の造り手(264ページ)の一団。
- 太古の人間――造り手と同時代の者たち、あるいはその競争相手だったかもしれない。
- 血と炎と砂から人間の文明を鍛え上げた、塚の築き手(34ページ)の分派。
- 上記の組み合わせ。あるいは
- まったく別の何か。
引き金
- 大惨事(戦争、疫病、飢饉など)が北へと難民を押し寄せさせる。
- 廃位された王族が身分を隠して北へ逃れ、暗殺者に追われている。
- PC(あるいは重要なNPC)の昔の敵/競争相手/債権者が訪ねてくる。
- 南方の好古家がやってきて、特定の造り手の遺跡(もしかしたらストーントップにあるもの)の発掘を望んでいる。
- 迫害された秘儀教団の一員たちが南方からやってくる。ストーントップが彼らを受け入れなければ、彼らは廃塔(332ページ)に住み着く。
行きて帰りし旅
リュゴスへの往復の典型的な旅には次のようなことが伴う:
- 宿代、食事代、賄賂に充てる銀貨の財布(価値2)。あるいは
- 泊めてくれて費用を持ってくれる、リュゴスの住人。
リュゴスへの旅を細部まで演じてはならない!
そんなことをすれば何十セッションもかかり、キャンペーンを容易に脱線させてしまうだろう。
あなたとあなたのグループが、ストーントップを離れてまったく違う種類のゲームを積極的に遊ぶと決めない限り、PCのリュゴスへの旅は画面の外で処理すべきである。
ラブレター(Book I、568ページ)を使って、そうした旅をさらりと済ませる。プレイヤーと協力して、次を明らかにする:
- 何を成し遂げたいのか
- どのようにそれを行うつもりか
- どんな貴重品/資源を持っていくのか
何がうまくいかないかもしれないか、何がうまくいくかもしれないか、そして彼らが後に残していく義務やくすぶる厄介事について考える。
掘り下げたい、あるいは際立たせたい設定やキャラクターの要素について考える。これらを織り合わせて、旅をする各PCへのラブレターにし、そのPCがストーントップに戻ったときに各プレイヤーに提示する。
他のPCがリュゴスへ行く一方で残ったPCがいるなら、残ったPCへのラブレターを書き、故郷での出来事をまとめてもよい。あるいは、そのプレイヤーたちだけで1回以上セッションを行ってもよい。あるいは、数セッションの間、旅に出たPCを仮のPCに置き換えてもよい。最善の方法を決めるため、グループと相談すること。
商人
毎年、数十もの商隊がリュゴスから北上してくる。典型的な商隊は次のもので構成される:
- それぞれ少なくとも1台の荷馬車か荷車を持つ、3~12人の独立した商人
- 商人1人につき2~4人の助手(多くは家族)
- 馬、ラバ、ロバ、その他の荷役獣
- 隊商の護衛(261ページ)、商人1人につき約6人
ほとんどの商隊はマーシュエッジに立ち寄って交易するが、進取の気性に富む者の中には段丘地帯(372ページ)へ逸れて丘の民(228ページ)と直接交易する者もいる。
他の者たちは北へ進み続け、マンマーチの民の丘砦(285ページ)の1つへ向かう。ごく稀な商人はゴルディン鉱山(190ページ)まで足を延ばし、その一部はストーントップに立ち寄る。
交易の機会
PCが(季節の移ろいのムーブから)交易の機会を得た場合、南方の商人は次のようなものを提供するかもしれない:
- 良い交換率――価値2の品を、余剰1につき2つ、あるいは3つも。
- 不気味なアルカナムや過去の遺物と引き換えに、1~4個の価値2の品、あるいは価値3の品すら(余波があるかもしれない)
- ひと束の竜の羽根(207ページ)、ギルグリッド草の花(207ページ)、ラゼルバエズの毛皮(209ページ)などと引き換えに、エキゾチックな交易品1単位(価値3)
- 黒鉄(307ページ)から鍛えられた一揃いの鎧か戦の武器を、失われた、あるいは盗まれた品を取り戻す手助けの報酬として(価値3)。
- 原初の力(308ページ)のアルカナム、いずれかの造り手(264ページ)に由来するもの、あるいは下なるもの(412ページ)に関わるもの。
危険
冒険者
HP 8;アーマー 1~3(技量、鎧、または盾)
ダメージ 手近にあるもの (至近、近接、場合によっては強打か凄惨)
本能:厄介事を引き起こすこと
- 機会を嗅ぎつける、あるいは明かす
- 他人を危険にさらすやり方で危険から逃れる
- 良心の呵責なく行動する
- 特有の技や技能を使う ならず者、傭兵、財宝ハンター……まっとうな暮らしをうまく送れない者たちだ。彼らはマーシュエッジやストーントップ、ゴルディン鉱山に現れ、一発大きな儲け話を探し求める。あるいは前回の儲け話の報いから逃げている。あるいはその両方だ。
彼らは折に触れて北へやってくる:
好古家
HP 12; アーマー 0
ダメージ 鉄の鍬 、不利で(近接、凄惨、扱いにくい)、または小刀 、不利で(至近)
特殊能力 しばしば アルカナ (508ページ) を所持しており、それを使うことをためらわない
本能 己の好奇心を満たすこと、あるいは次の大きな儲け話を確保すること
- ある話題について延々と論じる
- 何かを開ける、触れる、いじる
- ちょっとした呪文やアーティファクトを使う
- 一歩引いて、助っ人に危険を負わせる
南方の裕福な者たちの間では、栄光ある過去は誇りの種である。裕福な家々は御用学者を抱え、遺跡や骨董の研究を後援する。アーティファクトや遺物の取引は活発である。収集家は真の力を持つ品に気前よく金を払う。
南方は遺跡に満ちているが、同時に人でも溢れている。最良の遺跡はすでに掘り尽くされている。だが北方の、世界の果てではどうか?
なにしろ、シャベルを振るえばほとんど必ず過去の遺物に当たり、それは発掘されるのを待っているのだ。そして研究され、売られるのを。
暗殺者
HP 12;アーマー 1(技量)
ダメージ 短剣 (至近、貫通1)、または絞め紐 (至近、組み付き、アーマー無視)
本能:仕事を終わらせること(私怨ではない)
- じっくりと標的につけ狙う
- 影に紛れ、あるいは変装して気づかれずに通り過ぎる
- 誰かに毒を盛る
- 姿をくらまし、後で改めて試みる
殺しがひとつの職業として成り立つほどの需要があるのは、「文明化された」土地だけである。
隊商の護衛
HP 3;アーマー 2(盾、革の胸当て)
ダメージ 鉄の槍 (近接、投擲)、または短剣 (至近)
- 厄介事に気づく、あるいは疑う
- 分別ある予防策を講じる
- 自ら危険に身をさらす
- より安全な行動を提案する
- 武力を誇示する
- 逃げる、降伏する、あるいは依頼主を裏切る
職業上の本能:己の依頼主を守ること
臆病な本能:本物の危険を避けること
リュゴスとマーシュエッジの間の道のりの多くは、造り手の街道(270ページ)の守りのない、道なき荒野を通っている。盗賊、獣、丘の民(234ページ)はいずれも脅威であり、多くの潜在的な取引相手は、公正に取引するのと同じくらい商人の品を盗むことを厭わない。そのため、商人は護衛を雇う。そして危険が迫れば、良い者を雇えていたことを願うのである。
侵略軍
南方の軍勢は、空の星々のごとく限りなく、大森林の木の葉のごとく数え切れないと言われている。
その気になれば、世界の果て全体の人口を上回る兵士からなる軍団を展開できるだろう。幸いにも、南方の諸国は北方への侵攻に価値を見出していない。少なくとも、今のところは。
何が侵攻の引き金になるだろうか? もしかすると……
- 何らかの南方の信仰を広めよという神聖な使命。
- 南方の諸国を統一し、今や新たな征服に目を向ける皇帝。
- 造り手の技を取り戻すことに執着する、リュゴスの新たな支配者。
- 耕作地、木材、塩、あるいは単に生活空間の不足。
- 奴隷(あるいは生贄)への尽きせぬ渇望。
- 上記の組み合わせ。あるいは
- まったく別の何か。
侵攻
本能:服従させること
賭けられているもの 丘の民は南方人に対して団結できるか? マンマーチの民はどうか? PCはブレナンと同盟を結ぶか?
騎兵
HP 10;アーマー 2(盾、鉄の鱗札)
ダメージ 鉄の穂先の長槍 (間合い、強打)、または剣 (近接、強打)、または弓 (遠距離)
本能:敵の弱いところを攻めること
- 敵の周りを回り込む
- 動きながら攻撃する
- 楔形を形成して突撃する、有利で(間合い、近接、至近、範囲、強打、凄惨、貫通1)
歩兵
HP 3;アーマー 2(盾、麻の胸当て)
ダメージ 鉄の穂先の長槍 (間合い)、または短剣 (至近、近接)
本能:命令に従うこと
- 密集陣形を組む
- 敵を釘付けにする、あるいは包囲する
軍団兵
HP 7;アーマー 3(盾、鉄の鱗札)
ダメージ 鉄の短剣 (至近、近接)、または槍 (近接、投擲)
本能:征服すること
- 密な隊形で戦う
- 陣を保つ
- 容赦なく前進する
散兵
HP 3; アーマー 0
ダメージ 長弓 (遠距離)、または投石紐 (近距離、装填)、または短剣(至近、近接)
本能:正々堂々の戦いを避けること
- 一斉射撃を放ち、退却する
- 素早く距離を詰める
- 側面を攻撃する