嵐の君
彼らはおそらく、造り手(Makers、264ページ)の最初の者たちだった。彼らは海と星々を測り、地図にした。元素を己の意志に繋ぎとめた。巨大な船と空飛ぶ城を築き、故郷の島から漕ぎ出して征服した。彼らに立ち向かった者はみな、灰とガラスと鉱滓に変えられた。
嵐の君(Tempest Lords)の誇りには相応の理由があった。だがその傲慢が彼らを破滅へと導いた。彼らは故郷の土地をまるごと大地から引き剥がし、自らが支配する世界の上に浮かべようとしたのだ。
彼らは失敗した。災厄が続いた。
海は煮えたぎり、恐ろしいものどもを吐き出した。
空から火が降った。島の首都は波の下に沈み、帝国の背骨は砕かれた。内乱が勃発し、植民地は反旗を翻した。
生き延びた嵐の君は四方へ散り散りになった。帝国を再興しようとした者もいたが、対抗者や臣下となるはずだった者たちの手にかかり、非業の死を遂げた。
まもなく、残る嵐の君はわずかとなった。ほかの造り手の中にあってさえ、謎めいた存在だった。
生き残りの一人、嵐捕らえ(Stormcatcher)は、帝国の最果ての前哨地のさらに先、平原(the Flats、126ページ)へとたどり着いた。そこで、造り手の他の四つの国々に囲まれて、彼女は塔を築いた。そして下なるもの(Things Below、412ページ)の恐怖が世界に解き放たれたとき、嵐捕らえの塔——今では廃塔(Ruined Tower、332ページ)と呼ばれる——は、造り手の拠点のうち最後に陥落したものとなった。
言語と名前
嵐の君の文字は表意文字(文字が音ではなく概念を表す)であり、彼らは原初の言語を話した——それを聞いた者はみな、自らの母語として理解したのだ。そのため、嵐の
君の名前は、描写や称号や尊称として表される。
名前の例:塩水を飲む者、稲妻のごとき眼、遠きに住まう者、敵を砕く槌、稲妻は彼女の槍、彼の笑みは港、炎のごとき心、月と語る者、櫂を折る者、雨を追う者、波を鎮める者、火花を吐く者、突風と語る者、星を見出す者、帆柱より高き者、雷の声、波を裂く者、道を拓く者、風を歩む者
他の造り手が彼らについて語り、あるいは書くときは、自らの言葉を用いた。風を歩む者は、緑の君(Green Lords、210ページ)からはヴェトロドーハと、石の君(Stone Lords、382ページ)からはアヴァエルケルジャエルと呼ばれた。
きっかけ
- 恐ろしい嵐が吹き荒れ、その目の中に空の島が浮かんでいる
- ある学者が、ストーントップには嵐の君の遺物の宝庫が隠されていると信じている
- カルト信者たちが、星々を動かす力を持つ天球儀を探している。主を解き放つ合を早めるために
- 野盗が嵐の君の兵器を掘り当て、それでストーントップを脅す
- ハドゥール(hdour、234ページ)が、ガラス化した造り手を甦らせようとしている
テーマ
選ぶか、を振る。
| 1 | 元素の力と原初の力(298ページ):振るわれ、制御される——ただし不完全かもしれない |
|---|---|
| 2 | 嵐:雷と稲妻、憤怒と激情、解き放たれた力 |
| 3 | 天空:天候と雲、空の島、星々と天体 |
| 4 | 航海:海と船、航法と探検 |
| 5 | 機械と装置、エーテリウム(404ページ)と蓄えられたエネルギー |
| 6 | 好奇心/実験/発明/傲慢 |
| 7 | 制御の喪失:予期せぬ結果/狂乱の怒り/破滅的な失敗/暴走する実験 |
| 8 | 崩壊した帝国:征服の軍勢、植民地、略奪、失われた栄光、恨み |
| 9-12 | 巨人の寸法で作られている。さらにを振り直す |
遺跡
選ぶか、誰かに運命のダイスを振ってもらう。
| 1-3 | 彼らの存在の名残の痕跡(下記参照) |
|---|---|
| 4-6 | 遺構(402ページ) |
名残の痕跡
選ぶか、誰かに運命のダイスを振ってもらう。
| 1 | 抑えを失った力の傷跡(次の列)を残す場所 |
|---|---|
| 2 | 船または空の島の残骸(次ページ) |
| 3-4 | 謎めいた構造物(次ページ) |
| 5 | 空、嵐、天候などの元素の精霊(360ページ)。縛られ、繋ぎとめられている |
| 6 | 他の造り手(264ページ)や塚の築き手(Barrow Builders、34ページ)の遺跡: 吹き飛ばされ、砕かれ、ガラス化している |
抑えを失った力の傷跡
例えば:
- 閃電岩とガラスの破片がそこらじゅうに散らばったクレーター
- むき出しの岩の広がりに刻まれた、フラクタル状に枝分かれする模様
- ルーンの刻まれたメンヒル、あるいは大きな造り手のガラス(388ページ)の塊。その近くでは何らかの根本法則や力(時間、重力、空間、光など)が歪んでいる
- 奇妙な色をした、いつも温かいガラスの小石が広がる不毛の地
- 造り手、怪物、小さな軍勢などのガラス化した(408ページ)亡骸。かつての姿をほのめかす粗いガラスの形が、一瞬で時の中に凍りついている。このような力に傷つけられた場所は、放射能を帯びて(407ページ)いたり、幽霊の出る遺跡(72ページ)であったり、下なるもの(412ページ)に汚染されていたりすることも大いにあり得る。
船または空の島の残骸
例えば:
- ほとんど埋もれているが、なぜかまだ無傷の船体
- エーテリウム(404ページ)の網でできた裂けた帆。錆びた金属の十字架に括りつけられている
- 散らばり、長く埋もれていた奇妙な品々:ひしゃげた真鍮の円筒、模様の刻まれた金属の円盤、巨大な舵輪、舵など
- 周囲の地形にそぐわない岩でできた岩の露頭。奇妙な角度に傾いている
- 穀物庫ほどの大きさがあり、エーテリウムの筋が走る、ひび割れた花崗岩の板。地面から数フィート浮かび、物憂げに回転している
- 加工された石の板:割れ、埋もれ、散らばっている。ありえない高さから叩き落とされた子供の玩具のように
謎めいた構造物
例えば:
- 空洞の錆びた木のような鉄の尖塔が、大地を横切って一列に並んでいる
- 家ほどの大きさの黒い立方体。稲妻が落ちると、何マイルにもわたって大地に光る線が浮かび上がり、数分かけて消えていく
- 尾根沿いに並ぶ石の台座。そのいくつかの上には、チューリップのような高さ6フィートの彫刻が載り、風に吹かれて回っている
- 緑青にまみれた、高さ8フィートほどの銅の円筒。白く白亜質の土にほとんど埋もれている
- 星々の運行を記す表意文字が刻まれた巨石
- 石板に据えられた青銅の銘板。何マイルにもわたって唯一目立つものであり、地衣類にも侵されていない。深く刻まれた表意文字は「ここは栄誉ある場所ではない」という言葉で始まっている
遺構
テーマ(399ページ)、構造、目的、建築要素、状態を選ぶかダイスで決める。遺構はふさわしい地形に置くこと(平原については126ページ、南マンマーチ(South Manmarch)については350ページを参照。ただし嵐の君は広く遠くまで足を延ばした)。そこに嵐の君やその地域の名残の痕跡(400ページ)、アーティファクト(406ページ)、危険(407ページ)を配置する。
| 1-2 | 何らかの中心的な要素を囲む小さな建物の集まり |
|---|---|
| 3 | 単独の大きな建物(直方体、ドーム、ジッグラトなど) |
| 4 | 岩に掘られた掩蔽壕/保管庫 |
| 5 | 壇/円形劇場/テラス |
| 6 | 塔/尖塔 |
| 7-9 | 墜落した/地に着いた空の島(さらにを振り直す) |
| 10-11 | 浮かんでいるが、特定の場所の上に錨で留められた/固定された空の島(さらにを振り直す) |
| 12 | 大地の上を自由に漂う空の島(さらにを振り直す) |
| 1-2 | 住居(家、兵舎、寮など) |
|---|---|
| 3-4 | 基盤設備(貯水槽、下水道、灯台、港など) |
| 5-6 | 保管(保管庫、蓄電池、倉庫、書庫、博物館など) |
| 7-8 | 生産(発電機、工房、造船所、工場、農場など) |
| 9-10 | 研究/実験(実験室、天文台、天球儀など) |
| 11-12 | 謎(魔法の装置、芸術的な試みなど) |
| 1-2 | 金属の梁/索/格子/トラス |
|---|---|
| 3-4 | 開けた空間:縦穴、吹き抜け、穹窿天井、見晴らし台、窓、天窓 |
| 5-6 | 力の線:エーテリウムの象嵌(341ページ)、ルーン、導管、結節点、流れ |
| 7-8 | 様式化されたモザイク/彫像:幾何学模様、フラクタル、天体、天使のような存在、船 |
| 9-10 | 真鍮の器具、管とポンプ、水と蒸気、歯車とはずみ車 |
| 11-12 | 垂直性:立石、メンヒル、オベリスク、塔、尖塔、帆柱 |
造り手の遺構の多くは巨人——人間の2倍、あるいは3倍もの背丈の者——の寸法で作られている。ただし召使いのための小さな部屋や通路なども備えていることが多い。
| 1-4 | 時や災害や破壊行為によって砕かれ荒廃している。ほとんど埋もれ、草木に覆われ、崩れ落ちており、目的はもはやわからない |
|---|---|
| 5-8 | 崩れかけ、大部分が埋もれ、草木に覆われ、あるいは隠されている |
| 9-10 | 埋もれ、草木に覆われ、あるいは隠されているが、ほぼ無傷 |
| 11-12 | 完全に姿を現しており、不思議なほどよく保存されている |
さらなる例は廃塔(332ページ)を参照。
PCの一人が巨人の骨(Titan Bones、448ページ)へ向かっているので、そこに何があるのかある程度つかんでおきたい。そこには嵐の君の遺構があり、おそらくかつては嵐捕らえと今の廃塔(332ページ)に関わっていたのだと思う。
テーマで3(「天空:天候と雲……」)、構造で4(「掩蔽壕/保管庫」)、目的で3(「基盤設備」)、建築要素で11(「垂直性」)が出た。続いて状態で5(「大部分が埋もれ……隠されている」)が出る。少し考えて、次のようにまとめる:
嵐捕らえは巨人の骨に灯台のような尖塔を建て、その頂に天候を調整するエーテリウムの風見を据えた。石の君の反逆した召使いたちが襲ってきたとき、塔の管理者は風見を持って尖塔の下に隠れた。尖塔は倒れ、管理者は閉じ込められた。残っているのは散らばった石と円形の土台だけだ。そして何世紀分もの土と瓦礫の下に、鍵のかかった跳ね上げ戸がある。開ければ螺旋階段、深い縦穴、無傷の地下室、骸骨、そしてエーテリウムの風見が現れる。
エーテリウム
銅と稲妻の合金。純粋なエーテリウムは軽く、柔らかく、延性に富む(錫に似ている)。だが嵐の君と鍛冶の君(Forge Lords、156ページ)は、さらに合金にしたり魔法で操ったりして、実に幅広い性質と用途を持たせることができた。
形状と特性を選ぶかダイスで決める。
| 1-3 | 原材料(インゴット/針金の束/棒/板/薄片/破片など) |
|---|---|
| 4-5 | 謎めいた形(円環/球/管/輪/ルーンなど)。用途は不明 |
| 6-7 | ありふれた物品(道具/器/ランタンなど)。ただしそうとは気づかれないかもしれない |
| 8-9 | 美術品や装飾品(宝石/彫像/象嵌/トルク/護符/指輪など) |
| 10 | 衣服/防具(ローブ/チュニック/前掛け/胸甲/ブリガンダインなど) |
| 11 | 武器(槍/矢/剣/大槌/盾/三叉槍/杖など) |
| 12 | 建造物(アーチ/トラス/梁/扉/外板/管など)。おそらく 動かせない |
大きさや規模を決める参考にを振ってもよい。
| 1 | 息をのむほど美しい |
|---|---|
| 2 | 青銅のように硬く丈夫 |
| 3 | 元素の力を吸収/蓄積/放出/変換する |
| 4 | 特定の元素や力を抑える/退ける/導く/妨げる |
| 5 | 精霊や魔法と干渉し合う形で振動する |
| 6 | きわめて軽い/浮遊する/重力に逆らう、あるいは反転させる |
| 7 | 別の品物や場所と同調し、交信や探知に使える |
| 8 | を2回振る |
| 9 | 不安定で、放電や故障を起こしやすい(危険)。さらにを振り直す |
| 10 | 比較的柔らかい/延性がある/展性がある (粗雑) |
| 11-12 | で振り直す。ただし本格的に使うと、不安定になるか柔らかくなる(あるいはその両方、上記参照) |
エーテリウムの製法
賢いアルカナ使いなら、エーテリウムの製法を再発見できるかもしれない。そのためには……
すべての条件を満たしたなら、財布ひとつ分の銅貨(価値◇
0)と適切な薬品(価値0)を、純粋なエーテリウムのインゴットか鋳物(魔法、粗雑、場合によっては危険、◇
知る者にとっては価値1)に変えられる。この工程は危険であり、行うたびに危険に抗うことになる。
エーテリウムに上記の特性のいずれかを持たせるには、少なくとも嵐の君か鍛冶の君の知識の宝庫を利用できなければならない。その先は、GMとともに計画を立てること。
集落の改良
エーテリウムの坩堝
以下のすべてが必要::
すべての必要条件にチェックを入れたなら、資源の一覧と地図に「エーテリウムの坩堝」を加える。外の世界とエーテリウムを取引している限り、繁栄を1増やす。
以降、少量の生のエーテリウム(魔法、価値1)がストーントップでは普通に手に入るようになり、特殊な特性を持つエーテリウムの品(価値+2)を求めて交易と
物々交換する際に有利を得る。
アーティファクト
さまざまな財宝
- エーテリウムの小さな塊(たいていの者には価値0、知る者にとっては価値1)
- 大ぶりなエーテリウムの槍の穂先。◇ 鈍く柔らかい(扱いにくい、粗雑、価値1)
- 大きな真鍮のロケット。中の針が、嵐の君の特定の遺跡の方角を指す(価値2)
- 帆布が数反 ◇◇。見慣れない素材だが、非常に丈夫(価値2)
- エーテリウムで栓をした大きな造り手のガラス(388ページ)の瓶 ◇◇ に閉じ込められた雷雨(危険、価値3)
- 嵐の君の帝国の、くすんだ銀貨が数枚(たいていの者には価値1、しかるべき収集家には価値3)
- 薄い金属板を綴じた写本。◇ 星図と嵐の君の表意文字が打ち刻まれている(価値3)
- 壁ほどの大きさの青銅の銘板。嵐の君の帝国全土の地図が描かれている(動かせない、価値4)
エーテリウムの壺
蓋は、目に見える仕掛けもなくしっかりと閉じている。
こじ開けるにはかなりの力がいり、すぐにまたぱちんと閉まろうとする。
壺が開いていて空のとき、磁石が鉄を引き寄せるように、生の元素の力を内へと引き込む。蓋をしておけば、その力は安全に蓄えられる。壺が損傷したりへこんだりすれば(難しいことではない)、蓄えられた力は激しく噴き出す。
青銅の輪
◇、魔法、耐火、時間 直径約8インチ、太さは全体に1インチ。焦げ、灰にまみれている。ボタンが突き出ており、「頑固」を意味するらしい嵐の君の文字が刻まれている。
輪を見つけたとき、それには時間動くだけの力が残っている。
ボタンを押すと、輪は重力に逆らってその場に固定される。どうやっても動かない。この効果は、輪が曲がるか壊れたとき、あるいは力が尽きたときに終わる。
効果を早めに終わらせる明らかな方法はない。輪の力が尽きたとき、ボタンが飛び出して効果が終わる。
炉や窯で約8時間輪を熱すると、1時間分の使用を得る(最大3時間まで)。
浮遊の飾り帯
幅6インチ、長さ6フィートほどの青白い薄布。宙を蛇のようにうねっている。帯のようだが、あなたよりはるかに大きな者のためのものだ。
腰にしっかりと帯を巻きつけている間、それは落下からあなたを浮き支える——自分の背丈から落ちたときより速く落ちることは決してない。
銀色の音叉
この音叉を硬い面に打ちつけると、1分ほど大きな音を発する。周囲(間合い、範囲)の魔法の効果や存在が目に見えるようになる:揺れ、震え、歪んで。その音は、何マイルも先にいる精霊や魔法に通じた存在の注意を引きつける。
嵐雲の霊薬
濃い灰色の液体が入ったガラスの小瓶。液体は渦巻き、火花が走っている。
嵐雲の霊薬を飲むと、稲妻があなたの体を駆け巡る。ダメージ(アーマー無視)を受け、衰弱・朦朧・消沈のいずれかにチェックを入れる。生き延びたなら、嵐を3ホールドする。
嵐をホールドしている間、あなたは痛みも恐れも感じず、敵味方の区別がつかず、まともに話せず、辛抱も用心もできない。嵐の数をアーマーに加え、近接攻撃と投擲攻撃のダメージに+嵐を加える(+騒々しい、+強打)。
誰かや何かの HPを0にしたとき、嵐を1失う。
小アルカナム
1つ選ぶか、誰かに振ってもらう。
| 1 | 半ば埋もれた銘板(510ページ) |
|---|---|
| 2 | 豪華な刺繍の外套(522ページ) |
| 3 | 腐食した槍の穂先(531ページ) |
| 4 | 銅の帯を巻いた杖(531ページ) |
| 5 | 奇妙な乗り物(532ページ) |
| 6 | 弦のない弓(532ページ) |
大アルカナム
これらは嵐の君と関わりがあるかもしれない。
- 紺碧の手(574ページ)
- 言い表せぬ言葉(568ページ)
- 嵐の印(566ページ)
危険
怪物と存在
- エーテリウムに引き寄せられた雷竜(135ページ)やルグルフスク(92ページ)
- 嵐の君の実験や冷酷さや怒りの犠牲者である幽霊(76ページ)や甦りし者(80ページ)
- 嵐の君の何らかのアーティファクトが使われぬよう見張るアルコン(302ページ)
- 装置や仕掛けに繋ぎとめられた元素の精霊(360ページ)や根源存在(312ページ)
- ガラス化されて(408ページ)停止状態に留められた、原初の存在(298ページ)や、下なるものに堕落させられた何か(432ページ)。
放射能
時に嵐の君は、触れたものすべて——土、骨、石、金属——を毒するほどの恐るべき力を解き放った。あまりに深く毒したため、何世紀も何世紀も経った今なお、それらは近づくものすべてを毒する。
そうした毒の地は、しばしば下なるもの(412ページ)によって汚染されている。だがそうでなくとも、危険である。
- 発育が悪く奇妙な動植物を示す
- 肌を痒くさせ、気分を悪くさせる
- 消えようとしない衰弱などの不調を与える
- 被曝から数時間後や数日後に症状を出す(あるいはぶり返させる)
- 症状を長引かせたり悪化させたりする。何か月にもわたるかもしれない
そのような放射能にさらされたPCやNPCは、数か月後や数年後に、恐ろしい消耗性の病を発症しやすい。これを脅威(苦難)として書き起こすこと。
ガラス化
一部の嵐の君は、触れたものをなんでもガラスに変えてしまうほど生々しく強力な力の矢を呼び出すことができた。
それは彼らにとってさえ使うのが危険なものだったが、いかなる敵もそれには抗えなかった。
このような力を解き放てる装置が、今もどこかに残っているかもしれない。そうであれば、それを脅威(マクガフィン、本能:人々を誘惑して使わせる)として扱う。それには
膨大なエネルギーが必要で、並外れた危険を伴うだろう。
ガラス化の矢に撃たれたとき、HPを0にして+CONでロールする。10+なら、ひどい火傷を負うだけで済み、まもなく死の淵に立つ。7-9なら、あなたと所持品はぎざぎざのガラスに変わるが、元に戻れるかもしれない。6-なら、あなたは死に、さらに亡骸も魂も所持品もぎざぎざのガラスに変わる——ガラス化が解かれたなら、死の淵で6-を出したものとして扱う。
ガラス化は解くことができるが、その方法はあなたが決めなければならない。たとえば次のようなものが関わるかもしれない:
- 膨大な力と大きな危険
- 犠牲者との、あるいはそもそも彼らをガラス化したものとの共感的な繋がり
- 強力な神(178ページ)や原初の存在(298ページ)の介入
- ぎざぎざのガラスの上に、血縁者の命の血を注ぐこと
- 代わりに別の誰かがガラス化する、転移の呪文
- 霊歩きがガラス化した魂を解き放ち、ふさわしい器へ導くこと
- 犠牲者ごと、あるいはガラス化の原因ごとに異なる何か
- 上記のいくつかの組み合わせ
- まったく別の何か
元素の渦
直径6インチほどのエーテリウムの透かし細工の球を思い浮かべてほしい。中心では光る粒が渦巻いている。この装置——マトリクスと呼ばれる——は元素の精霊(360ページ)を縛り、特定の力を吸収する。精霊はその力で渦巻く渦として姿を現すことができる。
マトリクスに縛られた精霊は、嵐の君の原初の言語で与えられた命令に必ず従う。今そうした命令を下せる者はほとんどいないため、出会うマトリクスはおそらく何世紀も前の命令に従って動いている。
力と大きさ:マトリクスはそれぞれ特定の種類の力を吸収し、その渦の現在のHPが現在の力を表す。
渦がHPを得たり失ったりすると、その大きさ、アーマー、ダメージも変わる。HP0になると渦は消散し、マトリクスは地に落ちて、さらにHPを吸収するまで動かなくなる。
渦の最初の大きさ、HP、アーマー、ダメージを選ぶかダイスで決める。
| 1-4 | 1〜5 微小、アーマー1、 |
|---|
ダメージ(至近)
5-7 6〜11 小型、アーマー2、
ダメージ(至近)
8-9 12〜18 アーマー2、
ダメージ(至近、近接)
10-11 19〜23 大型、アーマー3、
ダメージ(至近、
近接、間合い、強打)
12 24〜28 巨大、アーマー3、
ダメージ(至近、
近接、間合い、範囲、強打)
マトリクスへの攻撃:マトリクスそのもののHPはわずか3。HP0になると中の精霊が逃げ出し、渦の現在のダメージを与える(+範囲、射程タグは通常より1段階遠い)。
PCが活動中の渦の内にあるマトリクスを打とうとするとき、渦のアーマーが適用される。さらに、条件や結果を告げること。たとえば:
- 斬り結ぶ/射放つ/ダメージを与える際に不利を得る
- マトリクスがむき出しになる隙を作るか、待たなければならない
- 近くまで踏み込む/渦に呑み込まれる必要がある
- より長い/重い/魔法の武器が必要になる
- 武器を失う/駄目にする危険を冒す
- 何があろうと、その攻撃を受ける
渦の性質、PCの武器、そのほかのフィクション上の立ち位置に基づいて選択肢を選ぶ。渦が大きいほど、マトリクスを打つのは難しくなる。
土の渦
ダメージ 叩き潰す(ダメージとタグはHP次第)
特殊能力 刺突や斬撃の武器からのダメージは半分(魔法でない限り)
本能 倒し、掘り崩す
- 近くの土や砂や岩から、うねる塊として姿を現す
不定形、気難しい、不器用
HP 可変、アーマー HP次第、+1(岩でできている)
• 自分より小さな敵を押さえつける(+掴み)
• 押さえつけた敵をすり潰し、有利でダメージを与える(+凄惨)
• 頑丈な物体や建造物を破壊する(HPを消費)
• 大地を揺らす(+範囲、+強打、射程は通常より1段階遠い。HPを消費)
土のマトリクスは、圧力、打撃の力、地震活動から力を吸収する。
土や石の下に1週間埋もれる、落石や落盤の底にいる、大地震(自ら起こしたものでない)の間に地面に触れている、のいずれかで HPを得る。
土のマトリクスを殴打攻撃で打つと、それはダメージを受けない。その一撃が強打であり、渦のHPが10以下なら、HPを1得る。(渦そのものにはそうした耐性はない。存分に叩き壊せ!)
火の渦
ダメージ 炎と火(ダメージとタグはHP次第、+危険)
特殊能力 耐火。魔法の攻撃、水、窒息によってのみ傷つく
本能 焼き尽くす
- 近くの燃えやすいものに火をつける
不定形、激烈、攻撃的
HP 可変、アーマー HP次第
• 近くの火、燠、煙、灰から渦として姿を現す
• 火を消し、その力を吸収する(近距離、範囲)
• 自分より小さな敵を呑み込む(+凄惨、+アーマー無視)
• 炎を投げつける(+近距離。HPを消費)
• 障壁を跳び越える(ただしHPを失う)
火の渦は熱と炎から力を吸収する。かまどの中で1日、炉や窯の中で1時間過ごすか、燃え盛る火を吸収すると、 HPを得る。
火の渦やそのマトリクスを、魔法の火や熱で狙うと、それはダメージを受けない。渦のHPが18以下なら、代わりに HPを得る。
稲妻の渦
ダメージ 電撃(ダメージとタグはHP次第)
特殊能力 飛行。魔法の攻撃によってのみ傷つく
本能 暴れ回る
- 爆ぜる稲妻の柱として姿を現す
不定形、向こう見ず、傲慢
HP 可変、アーマー HP次第
• 信じがたい速さで位置を変える(HPを1消費)
• 電撃を浴びせた相手を気絶させる(HPを消費)
• 稲妻の矢を放つ(+近距離、+強打、+騒々しい、アーマー無視。HPを消費)
• 誰も見ていないエーテリウムから稲妻を引き剥がし、 HPを得る
稲妻の渦は、ほかでもない稲妻から力を吸収する。稲妻(通常のものでも魔法のものでも)に打たれると、ダメージを受ける代わりにHPを得る。
水の渦
ダメージ 打ちのめす(ダメージとタグはHP次第)
特殊能力 魔法の武器、冷気、強打の鈍器攻撃によってのみ傷つく
本能 順応し、流れ、適応する
- 触れた水から、うねる波として姿を現す
- 水域の中に消える/水域から飛び出す
- 自分より小さな敵を呑み込む(+掴み、下記参照)
- 敵のそばを押し寄せ、足をすくって引きずる(+範囲、+強打、HPを消費)
- 水を通す面を越えて移動する(HPを消費)
不定形、容赦ない、冷酷
HP 可変、アーマー HP次第
水のマトリクスは、流れ、潮、波、落ちる水から力を吸収する。流れる小川に数日、急流の川に数時間、早瀬や大きな滝に数分いると、 HPを得る。
水の渦に呑み込まれたとき、息をホールドする。呑み込まれている間にムーブを行い、そのムーブにロールが伴うなら、ロールの後に息を1消費するか、衰弱・朦朧・消沈のいずれかにチェックを入れる。どちらもできなければ、あなたは溺れて死の淵に立つ。
風の渦
ダメージ 打ちつける砂礫や破片(ダメージとタグはHP次第。ただし不利で)
特殊能力 飛行。魔法の武器、塩、鉛によってのみ傷つく
本能 遊ぶ
- 渦巻く風と砂礫と破片の渦として姿を現す
不定形、落ち着きがない、気まぐれ
HP 可変、アーマー HP次第
• 自分より小さな敵を呑み込む(+掴み)
• 呑み込んだ敵を空中へ運び上げる(HPを消費)
• 物を投げつける(+近距離。HPを消費)
• 傷ついたり、怯えたり、退屈したりすると逃げ去る
風のマトリクスは動く空気から力を吸収する。普通の天候に数週間さらされるか、強風の中に1時間、竜巻の中に1分ほどいると、 HPを得る。
風の渦を塩や鉛で打つと、ひとつかみならダメージ、◇の品ならダメージ、◇◇の品や量ならダメージを受ける。