下なるもの
それらは世界よりも古い。それらは闇と混沌と堕落の原初の存在(primordial entities、298ページ)である。
光が初めて虚空を満たしたとき、それらは影の中にうずくまっていた。物質が凝り固まったとき、それらはそこにいて、その縁をかじっていた。最初の創造者たちが「我は我なり」と思い、自らに名をつけたとき、闇に住まうものたちはその破滅を求めた。それらは嘘を囁き、慢心を煽った。創造者たちに互いに争うよう唆した。自らの被造物を荒廃させるよう。混沌に支配させるよう。
だが最初の創造者たちは、その嘘の正体を見抜いた。最古の悪がもたらす危険を見て取った。だが同時に、そのような欺きの使い道をも見て取った。
そこで創造者たちは罠を仕掛けた。彼らは力を合わせて世界そのものを鍛え上げた:物質とエネルギー、陸と海と空、生と死。
彼らはあまりに広大で精緻で驚異に満ちた仕組みを動かしたので、囁くものたちは妬まずにはいられず、それを壊そうとせずにはいられなかった。
恐ろしきものたちが世界を壊そうと動いたとき、最初の創造者たちは罠を発動させた。
彼らは憎しみしか知らぬものたちを包むように世界を折りたたみ、岩と石の中に封じ、大地そのものに縛りつけた。世界は——この世界、のちに我らの世界となるものは——それらの係留となり、牢獄となった。
そしてそれらは、そのように鎖につながれ、下なるもの(the Things Below)となった。
大災厄の時代
完璧な牢獄などない。時代がゆっくりと巡るうちに、縛めは弱まった。下なるものは再び囁き、その囁きは聞く耳を見つけた。
石の君(the Stone Lords、382ページ)は、その囁きが解き放ちうる混沌を身をもって知った。彼らは世界の牢獄の亀裂を見つけ、その上に大いなる封印を施した。しばらくのあいだ、囁きは静まった。
だが緑の君(the Green Lords、210ページ)はその囁きと、それが約束したものを覚えていて、裏切り者のフェイ(Fae、94ページ)を押し潰すために下なるものを呼び寄せた。緑の君は最終的に打ち負かされたが、本当の損害はすでに生じていた:縛めが弱まったのだ。下なるものの囁きは戻ってきて、歌となっていた。
石の君自身の従僕たちがその歌を聞いた。彼らのなかから魔術師が現れ、信奉者を集め、やがて教団をなした。ひそかに彼らは計画を練り、嘘を広めた。時が来ると、魔術師たちは封印を破り、大災厄の時代をもたらした。
石の君の都市は沈んだ。彼らの従僕の群衆が主人に背いた。北では暗く恐ろしい遠吠えが湧き起こり、霧氷の君(the Rime Lords、316ページ)はそれを止めるために自らを犠牲にした。怪異の波が平原(the Flats、126ページ)から掘り進んで現れ、最後の嵐の君を倒した(the Tempest Lords、398ページ)。下なるものは鍛冶の君(the Forge Lords、156ページ)の妬みと恐れを煽り、互いに争わせた。
造り手の時代は終わった。
現在の時代
造り手の没落ののち、塚の築き手(the Barrow Builders、34ページ)の魔術師王を気取る者たちが世界の果て(the World's End)を支配するようになった。何世代ものあいだ、この地域は——そしておそらくはより広い世界も——恐怖と苦しみと戦しか知らなかった。
それでも:下なるものの力は衰えた。もう何世紀ものあいだ、それらは大地の中でおおむね静かに横たわっている。何がその暗黒の時代を終わらせたのか? それはあなたとテーブルが決めることだが、もしかすると……
- 神々自身(178ページ)が介入した。
- 定命の英雄たちが、大いなる犠牲の力を得て、大いなる束縛を成し遂げた。
- 勇敢な者たちと追い詰められた者たちが地のいたるところで立ち上がり、魔術師を倒し、怪異をひとつずつ退けていった。
- 世界が自らを癒し、縛めを新たにし始めた。
- 下なるものが——破壊と悲嘆に満ち足りて——ただ疲れて退いた。
- 上記のいくつかの組み合わせ。あるいは
- まったく別の何か。
何が下なるものを退かせたにせよ、その撤退は不完全だった。今もその影響に触れられたままの場所があり、心の底まで染まった生き物がいる。
力ある品々が残り、知らずにいる者を堕落させる。そしてそのなかには——いにしえの魔術師たちのように——闇の中で悪夢の調べに合わせて踊る者もいる。
近ごろ、ここ一世代ほどのうちに、世界の果てのあちこちを揺れが走っている。深みの囚人たちが、再び鎖に抗っているのだろうか?
フック
- 地元の者が知らずに堕落した精霊に生贄を捧げ、力を得る。精霊はさらに多くを求め(そして与えようとする)
- 難題がPCたちを悩ませる。黒いメンヒル(425ページ)に伺いを立てれば助けになるかもしれない
- クリンウィン(Crinwin、58ページ)が堕落した遺跡(422ページ)で崇拝を始め、自らも堕落していく
- 好古家(260ページ)がひそかに下なるものの隷属者となっており、より強力な下僕を解き放とうとしている
- ストーントップ(Stonetop)の周りの畑の一角が悪くなり、化膿した腫れ物のように膿んでいく。捨てられたアーティファクトに堕落させられたのだ
伝承
誰もが知っていること::
- 邪悪なものが大地の奥深くに縛られている
- ときにそれらは悪魔を送り出し、世界に災いをもたらす
- そのような怪異が現れる可能性が最も高いのは深い水である
- マーシュエッジ(Marshedge、274ページ)はベンディス根を絶えず燃やすことで、そのような怪異を寄せつけずにいる
知っているかもしれないこと::
- 大災厄の時代と、その後に何が起こったか
- ある下なるものの名、称号、姿、力、手下
- それらの力が場所、アーティファクト、人々、獣、精霊をどのように堕落させるか
- それらの穢れ/力/手下を縛る、清める、退ける方法
- 不浄なものはベンディス根の煙にたじろぐが、真に猛々しいものや意志の強いものはそれに打ち勝てること
- 青銅は下なるものにとって災いであり、オリハルコン(162ページ)はさらに効果的であること
- 穢れた存在と顕現の違い
ごく少数しか知らないこと::
- それらの真の本性
- それらがどのように囚われるに至ったか
- それらを真に滅ぼす方法
問い
- 子ども時代に聞いた恐ろしい話のうち、下なるものが出てきたのはどれか?
- 村人たちはそれらの注意や影響を退けるために、どんなささやかなことをしているか?
- あなたが初めてそれらの存在を感じたのはいつか? 何が起こったか? その経験の何が今日までつきまとっているか?
- 近くのどの場所がそれらの影響に穢されていると言われているか? どんな印がそれを示しているか?
- 地元の人々はそれらについてどう語るか? 声をひそめて? 恐ろしい説教で? その中間で?
- 村が最後に悪魔、教団、魔術師に対処したのはいつか?
悪魔
実のところ、悪魔などというものは存在しない。いや、「悪魔」は意味のある言葉ではない、と言うべきか。それはしばしば下なるものの顕現(436ページ)や、下なるものに穢された存在(432ページ)を指すのに使われる。だが人々はこの言葉をいくらでもある超自然の恐怖に当てはめるかもしれない。敵意があり、魔法的で、物理的な姿を持つ(あるいはとれる)なら、誰かがそれを悪魔と呼ぶだろう。
テーマ
下なるもの——あるいはもっとありそうなのは、それに結びついた遺跡、アーティファクト、危険——を登場させるときは、ここにあるテーマの表から2つ以上のきっかけを選ぶかロールする。結果を組み合わせて、どこへ行き着くか見てみること。あるいは既出の下なるもの(419ページ)のひとつを選び、そのテーマを使う。
| 1 | 闇/寒さ/絶望:光、温もり、希望を呑み込むこと(黒曜石、霜) |
|---|---|
| 2 | 否認/恥/秘密/欺瞞:真実、赦し、信頼を拒むこと(真珠、目、仮面) |
| 3 | 妄想/譫妄/悪夢:自己の喪失、心と意志の崩壊(水銀、鏡、映り姿) |
| 4 | 飢え/渇望/依存:欠乏と絶望、吠え叫ぶ欲求(風、牙、肉) |
| 5 | 残酷/拷問/暴力/激怒:傷つけ、殺し、支配しようとする衝動(赤い結晶、流された血) |
| 6 | 破壊/混沌/破滅/無知: 崩れゆく塔。不安と喪失(火、灰、塵) |
| 7 | 傷/負傷/苦痛:肉を裂き、骨を砕くこと(血、骨、鉤爪、刃) |
| 8 | 堕落/病/腐敗:力、完全さ、健やかさの喪失(害虫、毒、酸、汚物) |
| 9 | 暴食/強欲/嫉妬:もっと、さらにもっとを求めること(口、蛇、宝石、群れ) |
| 10 | 監禁/窒息/圧迫/虐待:無力さの押し潰すような重み(鎖、水、土) |
| 11 | 変異/変容/蠢く肉:肉体の可塑性(蝋、粘土、粘液、触手) |
| 12 | 死/不死/喪失/悲嘆:万物の終わり、手放すことの拒絶(髑髏、墓、火葬の薪) |
下なるものを作る
下なるものに肉付けする必要が出てきたら、そのテーマ(前ページ)を2つ以上の姿と組み合わせ、描写の着想とすること。本能を選ぶかロールするか、自分で考え出す。
下なるものがPCたちにとって継続的な厄介事の源になるなら(おそらくそうなるだろう)、名前と1つ以上の大仰な称号を与えること。それを脅威(魔法の存在)として書き起こす。
| 1 | キチン質/殻/甲皮/鎧 |
|---|---|
| 2 | 長老/老婆/腰の曲がった老人 |
| 3 | 炎/光/靄/雲/渦/虚空 |
| 4 | 角/翼/尾/蹄 |
| 5 | 動かぬものが動き出したもの/ものの寄せ集め |
| 6 | 多肢/多頭/多眼/多体 |
| 7 | 湿り気/触手/粘液/滲出 |
| 8 | 捕食者/戦士/軍閥の長/支配者 |
| 9 | 鱗/腱/しなやかさ |
| 10 | 髑髏/骨/死体/死 |
| 11 | 広大さ/途方もなさ |
| 12 | 若者/子ども/赤子 |
下なるものは生物学、物理学、現実の制約に縛られないことを忘れないこと。その姿をありえない奇妙なもの、熱にうなされた夢や薬に酔った幻のようなものにすること。
| 1 | 争い、混乱、不信を煽る |
|---|---|
| 2 | 希望/信仰/名誉/自己像を蝕む |
| 3 | 物事や考えを隠す/埋める/窒息させる |
| 4 | 他者から必要なものを奪う |
| 5 | 残酷に、無用に危害を加える |
| 6 | 価値あるものを冒涜する/損なう/台無しにする |
| 7 | 他者を驚かせる/恐怖させる/戦慄させる |
| 8 | 見境なく貪り食らう |
| 9 | 美しさ/強さ/尊厳を汚し堕落させる |
| 10 | 戦い、傷つけ、殺し、荒れ狂い、さらに傷つける |
| 11 | 支配し、罰し、押し潰す |
| 12 | ただ破壊する。それ以上でもそれ以下でもなく |
この特定の下なるものについて理解が深まるにつれ、選んだ本能を調整すること。
名前と称号
下なるものの真の名は、人間には理解することさえほぼ不可能であり、ましてや発音などできない。我々が持つ名は粗雑な近似にすぎない。それでも、その力を呼び出すには十分に役立つ。
下なるものに名をつけるには、次のどれかを試すこと:
- 不快な言葉や概念を選び、あなたもプレイヤーも知らない言語に訳す(「飢え」≫チェコ語で「Hlad」)
- 大衆文化、文学、他のゲームから超自然の存在の名を取り、少し、あるいは大きく変える(「Dagon」≫「Daagon」)
- 短くありそうもない音を組み合わせる。短い間や抑揚を表すためにしばしばアポストロフィを使う(「Hec'tumel」)
- 上記のいくつかの組み合わせ
それから、すでに定めたテーマと姿を念頭に置きつつ、それぞれの下なるものに1つ以上の喚起的な称号を与える。着想には下の一覧を参照し、必要に応じて語形を変えること(たとえば「膿む」は「膿むもの」「化膿」「膿ませる者」になりうる)。
冠詞/前置詞:~の、~なる、~する、~において、~の上に、~を通して、~とともに、~なき、おお 動詞:取引する、血を流す、壊す、もたらす、燃やす、掘り進む、埋める、屠る、噛む、食らう、這う、押し潰す、踊る、欺く、拒む、欲する、略奪する、破壊する、食べる、終わらせる、呑み込む、養う、膿む、皮を剥ぐ、凍らせる、取り憑く、隠す、溜め込む、吠える、飢える、保つ、知る、欠く、笑う、偽る、溶かす、差し出す、約束する、荒れ狂う、引き裂く、蠢く、腐る、散らす、ちょこまか走る、染み出す、形づくる、砕く、歌う、虐殺する、眠る、脱ぎ捨てる、窒息させる、吹き消す、損なう、飢えさせる、盗む、張りつめる、化膿させる、呑み下す、群がる、倒す、ほどく、転げ回る、欲しがる、織る、囁く、萎れさせるなど。
形容詞:すべてを食らう、恐ろしい、黒い、最も黒い、壊れた、深紅の、残酷な、暗い、死んだ、必死の、最古の、偽りの、四十の、果てしない、最初の、忘れられた、見捨てられた、灰色の、大いなる、隠された、百の、飢えた、執拗な、逃れえぬ、失われた、狂った、多くの、蒼ざめた、青白い、赤い、錆びた、秘密の、恐るべき、千の、無慈悲な、生なき、広大な、怒れる、黄色い 役割:子、娘、父、世継ぎ、先触れ、王、貴婦人、最後の者、君主、主人、女主人、母、王子、王女、盗人、女王、息子、暴君など。
名前の例
これらを出発点として、あなた自身の下なるものを作り上げること。
- ハズ=ライエル、悲嘆の先触れ、千の希望の盗人
- ナイエラーク、影の中の嘘つき、心を凍らせるもの
- ウンフレフク、食らう悪夢、牙持つ夢
- タル・テミン、燃える子、残酷なる赤子、激怒の王子
- フニサト、化膿、膿み続ける傷
- ハコグ、偽りの風にして欺瞞の最後の囁き
- ララチーワ、灰と悲しみをすするもの
我らは大勢なれば
下なるものは無数におり、その力も性向も、活動も野心も大きく異なる。遠く広く人々に囁かれるものもいる。それらを縛る世界のただ一本の糸をかじっている、土地の恐怖にすぎないものもいる。
以下は、あなたのゲームに存在するかもしれないし存在しないかもしれない、6体ほどの下なるものである。
深き水で待つもの、ダーゴン
- 手下を送り出して命令を果たさせる
- 力、富、不死を差し出す
- 生贄を要求する
- 下僕たちを湿ってのたうつものへとねじ曲げる
テーマ 暴食/強欲/嫉妬、蠢く肉/変異/変容 本能 地上から奪う、決して手放さない
深い水に挑むほど愚かな者たちは言うだろう:下に何かが潜んでいる。辛抱強い何か、広大な何か、決して満たされることのない腹へと開く深淵の口。その数えきれない蠢く下僕たちは、乾いて息の詰まる陸にあえて上がり、肉を集め、骨を集める。あらゆる富と美を盗むために。希望と将来に満ちた命を奪い、ぽっかりと開いた暗く湿った顎に食わせるために。
関連:黒水湖(Blackwater Lake、48ページ)、ゴルディン鉱山(Gordin's Delve、190ページ)の秘密、ダーゴンの指輪(560ページ)。
宝珠の君、多眼なるもの、エルラッシュ=オッラ
- 誰かの行い、欲望、恥をのぞき見る
- 夢/幻を通じて(望まれていようといまいと)知識を与える
- 誰かの感覚(現実の、自分自身の)をねじ曲げる
テーマ 否認/恥/秘密/欺瞞、妄想/譫妄/悪夢 本能 あらゆる醜さを暴く
ひとりきりなのに見られていると確信したなら、振り返って見ないのがいちばんだ。見てしまえば、体を持たない巨大な目が見えるかもしれないからだ。あるいはもっと悪い:銀の玉座に座り、銀の宝珠を掲げる顔のない君主が。そしてそれが立ち上がり、衣をはだけさせたなら、それは夜空のようであり、無数のまたたく目が、これまでにあった、あるいはこれからあるかもしれない、あらゆる恥と疑い、あらゆる後悔、あらゆる罪悪感と秘めた恐れを見る。見よ! それはそのすべてをあなたに見せるだろう! 喜んで、見せてくれるだろう! あなたが見たかろうと見たくなかろうと。
関連:瞼なき宝珠の杖(540ページ)。
ヘクトゥメル、蒼ざめた蛇! 闇を這うもの! 死こそがその目!
- 強い憧れ/感情を感じ取る
- 奉仕、秘密、力を差し出す
- 取引を自分に有利にねじ曲げる
テーマ 闇/寒さ/絶望、不死/死/喪失/悲嘆 本能 生命、希望、光を窒息させる
それは蒼ざめたもの、死んだもの、目があるべきところに髑髏がある長い爬虫類の生き物である。それは骨の散らばる暗い洞窟を這い進む。涙と失われた希望が滴る洞窟を。それは最初の魔術師たちを育て上げ、彼らが渇望した力を与えた。それが求めたのはささいなもの、害のないもの、彼らが決して惜しまないものだけだった。そしてそれは喜んだ、そうそう、とても喜んだのだ、自らが与えた贈り物が受け取った者たちを破滅させたときには。彼らを、そして彼らのまわりのすべてを破滅させたときには、そうそう。
関連:ヘクトゥメル写本(556ページ)。
貪るもの、永遠の顎、フラド
本能 現実を食らう
- 力、完全さ、生命を蝕む
テーマ 飢え/渇望/依存、破壊/混沌/破滅/無知
• 意志の弱い者を引き寄せる
• 強さと力を増す
永遠の顎は現実に開いた穴、破壊の吠え叫ぶ渦である。その歌を聞くことは、万物が終わることを知り、忘却の安らぎを願うことである。それを見ることは虚空を見ることであり、あがくことの虚しさを知ることである。それに触れることは、あらゆる力と勇気が萎えるのを感じ、恐ろしい選択に直面することである。あなたはその執拗な飢えに屈するのか? それとも、その無限の口のひとつとなるのか?
関連:フラドの飢えたる顎(572ページ)。
肉の蝋燭、蝋の髑髏、蠢く墓、ルビンボジア
本能 戦慄させ、圧倒する
- 悪夢で苦しめる
テーマ 蠢く肉/変異/変容、監禁/窒息/圧迫/虐待
• 誰かの肉体をその者自身に背かせる
• 恐ろしい代価と引き換えに安らぎを差し出す
夢の中で、それはあなたを見つける。恐ろしい舌の上の味蕾のようにびっしりと生えた無数の手で、あなたをつかむ。その手はあなたを水の中へ、土と石の中へと引きずり下ろし、黒い玄武岩と砕けた骨の墓へと連れていく。
それらはあなたの頭を、嫌がるのもかまわずねじ曲げ、主人を見させる:泡立ち、水ぶくれを起こし、白い炎に包まれた死体が、蠢く手足でできた椅子から横目で笑い、あなたを永遠の惨めな住処へと迎え入れる。
吠える風、肉を剥ぐもの、ヤーウカラ
- 飢え/恐れ/怒り/苦痛を感じ取る、あるいは増幅する
- 残酷さの力を差し出す
- 誰かに吠え声の呪い(492ページ)をかける
テーマ 飢え/渇望/依存、残酷/拷問/暴力/激怒、傷/負傷/苦痛 本能 苦痛と悲惨を広める
遥か北の人々にとって、ヤーウカラの声は風のように絶えることがない。なぜなら彼は怒りの言葉だからだ。彼は冬のかじるような飢えだ。彼はあなたを不当に扱った者たち、あるいはただあなたより多く持つ者たちへの復讐の夢だ。彼を迎えれば、飢えた男の体をもち、十数の傷から血を流す、飢えた狼が見えるだろう。彼に耳を傾ければ、吹雪の突風のように吠える、ぜいぜいという彼の息が聞こえるだろう。彼を招き入れよ、そうすれば二度と獲物にはならない。
関連:防壁峠(Barrier Pass、26ページ)、白牙山脈(the Whitefang Mountains、480ページ)。
堕落した遺跡
これらは下なるものの影響が根づき、その力が世界に染み出している場所である。遺跡そのものがまだ定まっていないなら、それがある地形と特徴を組み合わせること。
| 1 | 地形そのもの以外に目印はない |
|---|---|
| 2-3 | 際立った(不)自然の目印(大木、天然のアーチ、泉など) |
| 4 | 大破壊の痕跡(灰の原、クレバス、溶岩流、土砂崩れなど) |
| 5 | 獣の巣/巣穴/ねぐら |
| 6 | 地元の人々やその祖先が残した墓/塚/記念碑 |
| 7 | 地元の人々やその祖先の古い住居/集いの場 |
| 8 | 造り手(the Makers、264ページ)の遺跡、あるいは彼らがいた名残の痕跡 |
| 9-12 | 底の見えない深い水が遺跡を隠している(を振る) |
遺跡が定まったら、そのテーマ(416ページ)を選ぶかロールして、その場所を堕落させている下なるものの本性を特定する(あるいは、それが既出の下なるものだとわかっているなら、そのテーマを遺跡に当てはめる)。
堕落の原因と深刻さを選ぶかロールする。その場所を下なるものに結びついたアーティファクト(424ページ)と危険(428ページ)、さらに周辺地域にふさわしい発見と危険で満たすこと。
| 1 | 浸食/大地の変動/時の容赦ない流れ |
|---|---|
| 2 | 原初の力を振るおうとして失敗した試み |
| 3-5 | 放置されて膿んだアーティファクト/魔術師の骨/堕落した獣の遺骸など* |
| 6-8 | 肉/血/心の傷の捧げもの。意図的かどうかは問わない* |
| 9-10 | 召喚/祈願/誤った招き* |
| 11-12 | 以前の堕落を抑えていた封印や縛めが、今は弱まっている*(元の堕落についてをもう一度振る) |
* これが意図的だったかどうかを決めるか、誰かに運命のダイスを振ってもらう(1-2:
意図的、3-4:誤り、5-6:偶然/付随的)。意図的か誤りなら、誰がなぜそれをしたのか? 偶然なら、何が起こったのか?
| 1-3 | 忌避される場所:不穏と不安(428ページ)に満ちている。積極的に危険ではないが、それらの力を引き出しやすい |
|---|---|
| 4-6 | 飢えた場所:囁きと幻視(428ページ)に満ちている。不健全なものを呼び寄せ、油断した者を捕らえて食らう |
| 7-9 | 毒の場所:不自然な現象(429ページ)に満ちている。訪れる者を堕落させる |
| 10-11 | 生み出す場所:顕現(436ページ)が凝り固まり、姿を現す |
| 12 | 世界の傷:腐敗を広げ、恐怖を流し出し、悪化していく |
深刻さの低い段階の危険は、より高い段階にも見られる。飢えた場所は囁きと幻視に満ちているが、おそらく不穏と不安もある。
堕落した遺跡が継続的な厄介事の源になるなら、それが悪化していくことを反映した迫りくる破滅と不吉な前兆をつけて、脅威(マクガフィン)として書き起こすこと。堕落した遺跡を何が悪化させうるか、どんな新たな危険が現れ始めるかの着想には、原因の一覧(前ページ)を参照すること。
堕落した遺跡を清める
下なるものは世界に持つ力を手放すことを嫌うが、勇気と機知と知識によって打ち負かすことができる。PCのなかには(祝福されし者のように)場所の悪を縛ったり封じ込めたりできる力やアルカナムを持つ者もいる。そうした力がなければ、PCたちは計画を立てる必要がある。次のような必要条件を検討すること:
- 木、とりわけニワトコの木。
- 大きな石/水晶/琥珀/暗黒の氷(322ページ)の塊。
- 深く刻まれたルーンの環。
- 青銅、オリハルコン(162ページ)、あるいは黒鉄(307ページ)の杭/器。
- フェイの領域(102ページ)。
- 封じられ聖別された塚/ケルン/地下納骨所/骨壺/器。
- 永遠に燃える聖なる炎。
- しかるべく彫られ整えられた、清らかな魂の骨。
- 上記のいくつかの組み合わせ。あるいは
- まったく別の何か。
PCたちはスルース川を源流までたどっている。私は川沿いで彼らが堕落した遺跡を通り過ぎることにした。具体的な構想はないので、特徴をロールして6が出る(地元の人々やその祖先の墓/塚/記念碑)。そこで私は思い浮かべる、塚の築き手(34ページ)を。
テーマは6(「火、灰」を伴う破壊/混沌/破滅/無知)と8(「害虫、毒、酸、汚物」を伴う堕落/病/腐敗)が出る。原因は2(原初の力を振るおうとした試み)、深刻さは3(忌避される場所)が出る。
魔術師の墓にしようという最初の思いつきは捨て、代わりに川を見下ろす低い丘の上のケルンにすることにした。中には魔術師王の子の遺骸が眠っている。魔術師はその子を最後の扉の向こうから呼び戻そうとしたが、できたのは丘の斜面を邪な力で枯らすことだけだった。今日に至るまで、石は触れると熱く、雨や雪の中で湯気を立てている。何も育たず、病んだ不毛の土の帯が丘を下って川まで続き、そこで泡立つ毒の泥となっている。
赤い結晶
脈打ち、温かく、血に渇いている。残酷さが固まったかのようだ。赤い結晶は、下なるもののなかでも最も暴力的で憎しみに満ちたものと結びついている。それらが堕落させた場所に育ち、ときにおびただしい量が地面から突き出している。下なるものに堕落させられた生き物は、この結晶でできた鉤爪や牙や角を持っていることがある。
赤い結晶の効果はかすかだが、多くの用途に使える。たとえば:
- 他者を支配する力を持つ者はそれに魅了され、虐げられた者はそれを恐れる(両方を感じる者も多い)
- 癇癪を燃え上がらせ、恨みを煽り、人を衝動的に行動させる
- 触れた血をすべて吸い込み、より温かく、より明るく輝くようになる
- 魔術師はそれを強力な護符に作り変えたり、魔法の燃料にしたりできる
- 悪魔狩りはときにそれを使って獲物を罠に誘い込む
アーティファクト
さまざまな財宝
- 何かの獣をかたどった粗雑な石の小像。鉤爪と牙が誇張され、血に染まっているように見える(価値0)
- 塵のいっぱい詰まった壺◇(3使用、壊れやすい、しかるべき相手になら価値1)。ひどい咳、衰弱、ことによると麻痺さえ引き起こす
- ねじれた黒い金属でできたランタン◇(5時間、間合い、範囲、魔法、価値1)。その炎は色を奪い空気を冷やす青白い光を放つ
- 横目で笑う髑髏の形に削られた赤い結晶の塊(前の列)(しかるべき相手になら価値1)
- ◇◇ しなやかな上質皮紙の大部の書(材料の出どころは訊かないほうがいい)。古風な方言でのとりとめのない書きつけ、不穏な図像、秘術の図表でいっぱいである(価値2)
- 人間の(ような)頭蓋骨◇。ただし眼窩が6つあり、下顎から牙が突き出している。不穏な模様が彫られ、銀が象嵌されている(しかるべき買い手になら価値3)
- ねじれたニワトコの木。鹿がその樹液を舐め、脅威が近づいても気にしない様子で見つかる。樹液は精製すれば強い依存性のある薬になる
黒いメンヒル
近ごろ、このような巨石がいくつも大森林(the Great Wood、200ページ)に現れている。背の高い若者ほどの高さのぎざぎざの玄武岩の塊で、ほとんど文字とも見える精緻な模様が刻まれている。まわりの地面は割れて乱れている。苔や地衣類に汚されることもなく、若芽やつるに触れられることもない。
精緻な刻印を調べ、心をさまよわせるとき、今の状況について幻視か直感を得る。
GMがそれを描写する。だがまず、 +WISでロールする。10以上なら、1つだけ選ぶ。7~9なら、 2つ選ぶ。6以下なら、ああ、3つすべてが真となる。
- 知ったことの一部は偽りか誤解を招くものである(だが、どれが?)
- 大地の中で蠢く怪異の悪夢にうなされ始める
- メンヒルがあなたの恥、罪悪感、恐れについて問いを投げかける——正直に答えること
深く暗い縦穴
地面に開いた穴。幅はおそらく5フィート、深さは少なくとも100フィートあり、水をたたえた部屋か地底湖で終わっている。そこにはダーゴンの口(Mouth of Daagon、55ページ)がある。
縦穴のそばにとどまるとき、次のどれか1つに答える:
- あなたが最も妬んでいるのは誰か、そしてなぜか?
- あなたが何よりも手に入れたいものは何か?
- 最後に閉じ込められて無力だと感じたのはいつか?
縦穴に何かを投げ込むとき、ダーゴンはそれを跡形もなく貪り食う。誰かが縦穴に落ちたとき、その者は体も魂も消え去る。
ダーゴンの口に、愛されている誰かや何かを食わせる(あなたにだけでなく、誰にであれ愛されているもの)とき、ダーゴンはあなたに贈り物をする。
| 1 | 肉体の変化(鱗、ゴムのような肉、鰓、触手など) |
|---|---|
| 2 | 贅沢品や地位を示す品(価値2) |
| 3 | 貴重な品(価値3) |
| 4 | 「値のつけられない」品(価値4) |
| 5 | 好敵手を出し抜くか、敵を打ち負かす手段 |
| 6 | 大いなる力か長寿を得る手段 |
贈り物が何であれ、それはすぐに届く:眠っているあいだに、夢の中で、あるいは幻視や偶然や幸運な出来事を通じて。
鉄の蜘蛛
手のひらほどの大きさで、厚さは半インチ、縁は錆びつき、脚は背中に折りたたまれている。隠されたボタンを押すと脚が伸び、刃のついた先端があらわになる。ときおり、取りに行くと、置いたはずの場所から少しずれていることがある。
見つけたとき、蜘蛛は飢えている。
飢えた蜘蛛を人の肉に突き立てるとき、その者は蜘蛛が引き剥がされるまで数秒ごとに HPを失う(ダメージ、凄惨、アーマー無視)。蜘蛛がその者のHPを0まで吸い尽くしたら、蜘蛛は満ち足りる。
満ち足りた蜘蛛を人の肉に突き立てるとき、その者は1ダメージ(アーマー無視)を受け、年のあいだ歳をとらない。中年以上なら、若き日の活力をいくらか取り戻す。それから、蜘蛛は飢える。
誰かが蜘蛛を使って命を延ばすたびに、その者の顔立ちはかすかに変わり、より平板に、より蝋のように、より青白く、より特徴のないものになっていく。定命の寿命を超えたのちに死ねば、その者は血に飢えた甦りし者(80ページ)となる。
黒曜石のペンダント
ありえないほど黒い火山ガラスの塊が、ペンダントにはめ込まれ、革紐から下がっている。このガラスは近くの光源から光を吸い取り、暗くさせる(太陽と月は遠い遠いところにあるので影響を受けない)。もっとかすかに、ペンダントは優しさも吸い取り、その場にいる者たちをより冷淡で自分本位にする。
ペンダントを数分以上人目につくように身につけるか持ち歩くとき、あなたの目は慣れ、真っ暗闇以外ならはっきりと見えるようになる。だが同時に、そのセッションのあなたの本能は「冷淡:他者の気持ち、必要、幸福を顧みない」になる。
蛇の腕輪
決して曇ることのないように見える銀で鋳造され、眼窩には2つの小さなルビーのようなものがはまっている。合わないように見える——だが驚いたことに、ぴったり合う。
蛇の腕輪を誰にでも見えるように身につけるとき、NPCたちはあなたに惹きつけられ、あなたの関心を独占したがり、嫉妬するようになる。癇癪はすぐに燃え上がり、その場を離れるには危険に抗うか、他者を説得する必要があるかもしれない。
出会った各PCに、腕輪が自分にどう影響するかを尋ねること。
腕輪を身につけて他者の注目を浴びたあとでそれを外すとき、あなたは崇められるあの感覚を恋しく思う。+CONでロールする:10以上なら、乗り越えられる。7~9なら、腕輪をまたつける(そしてつけたままでいる)か、衰弱にチェックをつけるかのどちらか。6以下なら、腕輪をつけて他者の前で人目につくように身につけるまで眠れない。
絹の輪縄
数フィートの端を垂らして輪縄に結ばれた、細い紐。驚くほど丈夫だが、青銅の刃ならすぱりと切れる。ほどいて放っておくと、ひとりでに輪縄に結び直る。
誰かの首に輪縄をかけるとき、それはぎゅっと締まる——きつく不快だが、犠牲者は息ができる。
犠牲者が嘘をつくか、問いに答えることを拒むとき、輪縄は締まって首を絞め、死ぬか真実をあえぎ出すまで続く。
あなた(あるいは他の誰か)が輪縄を外そうとするか緩めようとするとき、それは犠牲者の首を絞め始める。あなた(あるいはその者)がやめれば、緩む。あなた(あるいはその者)が続ければ、たちまち犠牲者の気管を押し潰す。
犠牲者が死んだとき、輪縄は緩み、外せるようになる。
小アルカナ
1つ選ぶか、誰かに振ってもらう。
| 1 | 奇妙なペンダント(518ページ) |
|---|---|
| 2 | ぼろぼろの毛皮の外套(528ページ) |
| 3 | 不穏な仮面(529ページ) |
| 4 | 銀色のガラス瓶(529ページ) |
| 5 | 上質皮紙の巻物(530ページ) |
| 6 | 囁く……言葉?(530ページ) |
大アルカナ
これらはほぼ間違いなく下なるものと結びついている。
- 瞼なき宝珠の杖(540ページ)
- 悪魔革の外套(544ページ)
- 囁く岩(550ページ)
- 血に焼き入れた剣(552ページ)
- ヘクトゥメル写本(556ページ)
- 赤き王笏(558ページ)
- ダーゴンの指輪(560ページ)
- フラドの飢えたる顎(572ページ)
危険
不穏と不安
下なるものに触れられた場所はおかしい。たいていの人々や自然の獣はそうした場所を避け、野の精霊は逃げ出すか、自らも穢される。
環境を描写するとき、あるいは下記のGMムーブのどれかを行うとき、この背後にいる下なるもののテーマ(416ページ)と本能(417ページ)を見せつけること。
- 何か不吉なものを登場させる(冷たい場所、劇的な突風、霧/靄、ひどい悪臭など)
- 何かを実際よりも悪く見せる
- 仲間が裏切るかもしれないとほのめかす
- 彼らの恐れ/疑い/恥/敵意について尋ねる
- NPCを苛立たせる/奇妙な振る舞いをさせる/取り乱させる
- 自然の精霊がいないか、いても不快なものばかりであること、そして呼び出されることを渇望する憎しみの力があることを明かす
囁きと幻視
下なるものの影響が強い場所では、人々は声を聞き、そこにないものを見、強い感情を味わう。
環境を描写するとき、あるいは下記のGMムーブのどれかを行うとき、この背後にいる下なるもののテーマ(416ページ)と本能(417ページ)を見せつけること。
- 彼らの感覚をねじ曲げる
- 彼らをより深く/より近くへ誘い込む
- 彼らを眠らせない
- 彼らを募る恐れで満たす
- 恐怖(次ページ)で彼らを圧倒する
- 不快な感情をかき立てる(怒り、嫉妬、絶望、憎しみ、恨みなど)
- 提案や強制を囁く
- 自分を保とうと、抑えようともがくNPCを見せる
- NPCを囁き/恐れ/感情に屈させる
囁きが勧めるとおりにするとき、XPにチェックをつける。以後、囁きはあなたを強制できる。
囁きがあなたを強制するとき、命じられたとおりにするならXPにチェックをつける。抗うなら、+WISでロールする:
10以上なら、望むようにする。7~9なら、1つ選ぶ:
- 強制されたとおりに行動するが、最後の瞬間に逸らす
- 誰か/何かが正気に戻してくれるまで、自分を制御しようともがく
- 自分を傷つけ(ダメージ、アーマー無視)、ただちに制御を取り戻す
6以下なら、1つ選ぶ:
- 衰弱にチェックをつけ、 HPを失い、制御を取り戻すために何か極端なことをする
- なすがままに任せ、あとで我に返ると、神のみぞ知る何かをしでかしている
恐怖
恐怖に圧倒されたとき、逃げる、隠れる、すくむ以外の何かをするなら、1つ選ぶ:
- 自分を奮い立たせてことに当たる(そのあいだに何が起こるかGMに尋ねる)
- 軽率に無謀に行動する(追加の代価や結果を招く)
- GMが選ぶ衰弱にチェックをつけ、ただちに行動する
不自然な現象
遺跡の堕落が強まるにつれ、世界はねじれ、ほつれ始める。環境を描写するとき、あるいは下記のGMムーブのどれかを行うとき、この背後にいる下なるもののテーマ(416ページ)と本能(417ページ)を見せつけること。
- ありえない不穏なものを見せる(血を流す壁、天井に溜まる水、光が差し込まない闇など)
- 明かりを暗くする/ちらつかせる/消す
- 食べ物が腐った/飲み物が濁ったことを明かす
- 衰弱を負わせる(恐れ/寒さ/倦怠/飢え/疲労/吐き気/絶望などによる)
- 彼らの装備を蝕む、これといった理由もなく壊れさせる
- 時間/空間/知覚の迷路に彼らを閉じ込める
- 環境で彼らを脅かす/妨げる/つかむ/引き裂く
- 彼らを堕落させる(430ページ)
堕落
本能 怪物に変える
- 意図的であれそうでなかれ、下なるものに力を求めたとき
下なるものの力は人、獣、精霊に染み込み、堕落させることがある。
それは次のようなときに起こりうる……
• 毒の場所かそれ以上に悪い堕落した遺跡(422ページ)で時を過ごしたとき
• 誰かや何かから堕落を清めようとして、うまくいかなかったとき
• 下なるもののアーティファクト(424ページ)や顕現(436ページ)、その穢れを帯びた者(次ページ)、あるいは穢れた存在(432ページ)によって傷つけられた/感染したとき
苦難のGMムーブの一覧に、以下を加えること:
• 彼らに賜物(432ページ)を与える、あるいはその効力を強める
• 彼らに印(432ページ)を刻む、あるいは悪化させる
PCと堕落
PCが下なるもの(427ページ)と結びついた大アルカナムを所持しているなら、そのアルカナムの神秘と代償がPCの深まる堕落を反映する。同様に、隷属者のプレイブック別紙(第I巻、152ページ)も、下なるものに堕落させられていくPCを反映している。PCがそうしたアルカナムや別紙のひとつを持っているなら、その仕組みに堕落を進めさせること。何か別の形でさらに堕落しない限り、追加の賜物や印を与えないこと。
大アルカナムや別紙を得ることなくPCが下なるものに堕落させられたなら、プレイヤーにどう扱いたいかを尋ねること。
その堕落を自分のキャラクターへの脅威、取り除き抗うべきものと見なすか? そうなら、それを脅威(脅威の種類:
苦難)として書き起こし、ますます厄介になる印に焦点を当てること。だがプレイヤーが、今や手に入る力とその代価を探求したいなら、隷属者の別紙を着想の元にして、そのPCのためのプレイブック別紙を作ること。
その穢れを帯びた者
- たいていの不死者(46ページ)
- 霧や深い水から現れるダーゴンの下僕(56ページ)
- フォモライ(Fomoraij、136ページ)とその感染した下僕
- 緑の君のキメラのいくつか:ラムドゥル(220ページ)、スウィン(222ページ)、ズライェダク(223ページ)
- 塚のワイト(44ページ)、アナン・グロ(Anan Gllo、81ページ)、ネムルヴォヤク(476ページ)のような偽りの死者
- 沼トロル(123ページ)、スアラハンの占い師(125ページ)、ことによると沼歩き(117ページ)さえ
- 白牙とその彼方のボーカ(490ページ)とキャカーラ(493ページ)
- 迷宮(the Labyrinth、242ページ)の蒼ざめた悪魔、スラウルグウィン(247ページ)
- スーラッハ(Suileach、93ページ)と恐れの川(the Dread River、86ページ)の他の怪異
- ことによるとクリンウィン(58ページ)、クロンビル(the Crombil、62ページ)、フドゥル(hdour、234ページ)、あるいはノスガラウ(nosgalau、272ページ)
穢れた存在
穢れた存在を作るには、元のNPC、脅威、あるいは怪物のステータスから始め、それがどのように、なぜ堕落(430ページ)させられたかを考える。その存在が精霊で、ふつうなら聖地(sacred site、362ページ)を持つはずなら、代わりにそれを堕落した遺跡(422ページ)として作ること。
堕落の原因となった下なるもののテーマ(416ページ)、姿、本能(417ページ)を特定する。それから賜物と印をそれぞれ3つまで選ぶかロールする。
| 1 | 恐ろしい存在感/気配/眼差し |
|---|---|
| 2 | (特定の条件下で)気づかれずに通り過ぎる能力 |
| 3 | 特定の害への耐性(毒、病、火、寒さ、溺水など) |
| 4 | 他者に仕掛ける心理戦/偽りの感覚 |
| 5 | 常に潜んでいるか、必要に応じて呼び出される手下/精霊/生き物 |
| 6 | 再生/若返り/不死 |
| 7 | 他者に授ける偶然の幸運/運/呪い/不運 |
| 8 | 離れたところから苦しめる/縛る/傷つける何らかの力 |
| 9 | 変容/変異/成長 |
| 10 | 不気味な洞察/説明のつかない知識 |
| 11 | 不自然な強靭さ(青銅に対して以外はアーマー4、HP+4) |
| 12 | 凶悪な/恐ろしい/強大な物理攻撃 |
| 1 | 堕落の伝染/汚染/伝播 |
|---|---|
| 2 | 強制(囁きと幻視に従う、428ページ) |
| 3 | (自然な/清らかな/神聖な何かへの)不耐性 |
| 4 | 悪夢/幻視/幻覚 |
| 5 | 肉体の変異(鱗、爬虫類の目、鉤爪、ねじれた手足など) |
| 6 | 何らかの禁忌(塩の線を越えられない、嘘をつけないなど) |
| 7 | 奇妙な食欲/欲求/執着 |
| 8 | 不健康な/不自然な外見 |
| 9 | 不健全な存在感(子どもや自然の獣を落ち着かなくさせる) |
| 10 | 不自然な兆し(影がない、映らない、冷気をまとうなど) |
| 11 | 青銅への弱さ(触れると焼け、そばにあると気が散る) |
| 12 | 治りの遅い傷(ただしHPは普通に回復する) これらの賜物と印を、下なるものと元の存在に照らして考えること。堕落は彼らをかつての姿よりどのように勝るものにし、また劣るものにしたか? これらすべてを反映するよう、ステータス、タグ、能力、ムーブを改めること。堕落のタグを加える。 |
その存在が精霊なら、堕落させた下なるもののテーマと姿を反映するようにその顕れ方を変えること。青銅の武器は顕現した堕落した精霊を常に傷つけることができ、そのアーマーを無視するかもしれない。
堕落はその存在の振る舞いをどう変えたか? 彼らは主人の本能の単なる導管にすぎないのか? 自分自身であり続けようともがいているのか? 堕落は元の人格と風変わりな形で結びついたのか? それに合わせて本能を書き直すこと。
季節の移ろいのロールで、脅威が姿を現すか悪化することになった。私は、不満を抱えた村人イワンが、知らずに堕落した精霊と戯れ始めたことにする。邪悪なグラスブレン(366ページ)がイワンの恨みを感じ取り、彼に「言い寄る」という考えが気に入った。
まずグラスブレンの木を堕落した遺跡として作り上げる。特徴は4(大破壊の痕跡)、原因は11(封印/縛めが弱まった。をもう一度振る)、振り直しで4(放置されて膿んだアーティファクト/遺骸)。深刻さは9(毒の場所)が出る。グラスブレンの木立にある古木が何か邪悪なアーティファクトを縛っていたが、火事がすべてを焼き払い、グラスブレンだけが生き残ったのだと考える。それはアーティファクトによって深く傷つき、堕落している。
下なるものの名前を眺めていると、「タル・テミン(燃える子、残酷なる赤子、激怒の王子)」が目に留まる。テーマは「破壊/混沌/破滅/無知(火、灰、塵)」と「残酷/拷問/暴力/激怒(赤い結晶、流された血)」を選ぶ。姿は「炎/光/靄/雲/渦/虚空」と「若者/子ども/赤子」を選ぶ。本能は「残酷に、無用に危害を加える」を選ぶ。そうだ、赤き王笏(558ページ)こそ、グラスブレンの木立に埋められたアーティファクトだ!
賜物は「特定の害への耐性」(火)、「他者に授ける偶然の幸運/運/呪い/不運」、「凶悪な/恐ろしい物理攻撃」(燃える握り)を選ぶ。印は「奇妙な食欲」(焼かれ血に濡れた捧げもの)とする。これらの要素をグラスブレンの好奇心と定命の者と絆を結ぶ性向と組み合わせて、最終的にこのステータスができあがる:
堕落したグラスブレン
HP 19;アーマー 1(臓器がない)
ダメージ 焼けつく握り (至近、掴み)
特殊能力 自らの木に係留されている、火が効かない 本能 残酷さ、苦痛、炎を広める
- 火と焼けた木々のあいだを自在に行き来する
- 恨み、怒り、憤怒、残酷さを感じ取る
- 燃えさしと炎でできた美しい姿を現す(刺突では傷つかず、水と青銅に弱い)
- 争いの炎を煽る
- 火と血の「贈り物」と引き換えに、愛情/自信/力を差し出す
燠火の猪
HP 14; アーマー4(強靭さ)、青銅に対しては0
ダメージ 突き刺し (至近、強打、凄惨、 貫通1)
特殊能力 火が効かない、埋み火のように熱い、油っぽく息の詰まる煙を血として流す
本能 破壊する。とりわけ最も安定した人々/ものを
- 鼻を鳴らし、くすくす笑う
- ついでに火を起こす
- 何であれ、いずれはかじり抜いて食べる
- 死ぬことを拒み、道理を超えて持ちこたえる
段丘地帯(the Steplands、372ページ)がフェリアーの沼(Ferrier's Fen、116ページ)に接するあたりに、焼け焦げて吹き飛んだ場所がある。かつてそこには石の君(382ページ)の砦があった:壮大な、永遠の塔が、燃える宝石に照らされていた。だが従僕たちが反乱を起こした。封印が引き裂かれた。燃える子、タル・
テミンは宝石を砕き、塔を倒し、笑って笑って笑い続けた。その怒りは今も地表へと煮えたぎり、この廃墟で餌をあさるほど大胆な獣をことごとく毒する。その残酷さが彼らを送り出し、根こそぎにし、倒し、引き裂き、焼かせる。
モルガイス
HP 19;アーマー1(臓器がない)
ダメージ 水の触手 (近接、間合い、 掴み)
特殊能力 池の深くにある髑髏か小物に係留されている
本能 溺れた魂を集める
- 水で形づくられた若者か獣として姿を現す(青銅製でない限り、斬撃や刺突では傷つかない)
- 美しさ、歌、優美さで魅了する(下記を参照)
- 彼らを水中に引きずり込み、その忌まわしい本性をあらわにする
- 彼らが溺れるのを楽しげに笑う
浅い池の精霊でさえ、冷淡で無慈悲なことがある。ならば、定命の者の命を奪ってきた深い淵の精霊は、どれほどひどいことか?
なぜなら——望んでいようといまいと——彼らはダーゴンに捧げものをし、それを水の心に招き入れてしまったからだ。
モルガイスの歌に耳を傾けるか、その優美な姿に目を留めるとき、あなたの心は憧れで満たされる。自ら進んでそれのもとへ行くなら、XPにチェックをつける。顔を背けたいと願うなら、+WISでロールする。10以上なら、その下の醜さが見え、はっきり考えられる。7~9なら、振りほどけるが憧れは残る——消沈か朦朧にチェックをつける(あなたが選ぶ)。6以下なら、自分が何をしているか気づく前に近づいてしまう。
教団員
HP 6;アーマー0(または着用した防具による)
ダメージ (タグは武器による)
特殊能力 下なるものの印を帯びている(432ページ)
本能 どこかに属したい、自分が重要だと感じたい
- 賜物(432ページ)のひとつを使う
- 大義のために犠牲を払う
- 考え直す……かもしれない?
人は、他の誰かに勧められれば、どんな暗い行いでもやってのけることができる。とりわけ追い詰められていれば。とりわけ率いる者が、信頼し、尊敬し、憧れる相手なら。そしてその最初のささやかな暗い行いが何の報いももたらさなかったら、あるいは自分には何の報いもなかったら? ならば、次の暗い行いはそうささやかではないかもしれない、ねえ?
魔術師
HP 14;アーマー0(または着用した防具による)
ダメージ 鉄の刃 (至近)
特殊能力 下なるものの印を帯びている(432ページ)
本能 自らを大きく見せる
- 賜物(432ページ)のひとつを使う
- 研究/生贄/儀式を通じて力を蓄える
- 力を解き放つ
- 計画や備えを明かす
- 堕落を自ら求め、受け入れる者もいる。
その道を自ら選んだわけではないかもしれないが、ある時点で歩み続けることを選んだのだ。差し出された力はその代価に見合うと信じて。自分が主導権を握っていると思っている者もいる。そしておそらくそうなのだろう——今のところは。
魔術師はしばしば1つ以上のアルカナム(508ページ)を所持しており、ためらわずにそれを使う。教団員(上記を参照)を従えていることもあれば、そうでないこともある。
隷属者
HP 16;アーマー0(または着用した防具による)
ダメージ (タグは武器による)
特殊能力 主人の印を帯びている(432ページ)
本能 自らの状態を探る、あるいは自らの状態を隠す、あるいは主人の気まぐれに仕える
- 賜物(432ページ)のひとつを使う
- 主人の衝動に抗う
- 主人の衝動のままに行動する
- 恐ろしい、致命的でさえある傷から回復する
最後の扉があなたの前に開かれたとき、あなたはどうするか? カラスの貴婦人(the Lady of Crows、71ページ)に会釈して、勇敢に踏み出す者もいる。泣き叫びながらよろめき入る者もいる。また——憧れ、復讐、あるいは義務に呑まれて——運命に唾を吐き、最後の扉に背を向け、しばらくのあいだこの世にしがみつく者もいる。
だが、もし……あなたがただ生きたいと願ったら?
もし、忘却を前にして、あなたが下なるもののひとつに呼びかけ、自らを差し出したら?
もし、それが承諾したら?
惨めなもの
HP 7; アーマー4(強靭さ)、青銅に対しては0
ダメージ 歪んだ付属肢 (至近、 近接、掴み)
特殊能力 おぞましく歪んでいる、その牢獄に縛られている、青銅に焼かれる(+ダメージ)
本能 痛みを止めたい
- 呻く、囁く、泣き叫ぶ
- 恐ろしい姿をあらわにする
- 傷を癒し、手足を生やし直し、再び立ち上がる
ルビンボジア(肉の蝋燭、蝋の髑髏、蠢く墓)の犠牲者たちは……ものに変えられてしまう。家具に。
飾りに。哀れな魂のひとりがどこで終わり、別のひとりがどこから始まるのかもわからない肉の塊に。彼らは老いて死ぬことはない。
飢えることもできない。洞窟か沼か墓か、どこであれ運命に出会った場所に閉じ込められたまま、耐え続けねばならない。苦しみのうちに、誰かよそ者が来てその苦しみを終わらせてくれるよう乞いながら、存在し続けねばならない。
顕現
下なるものはまさしく完全に囚われている——大地の中に、大地に縛られている。大災厄の時代でさえ、それらが自由に歩き回ることはなかった。世界が残る限り、それらは係留されている。
だが世界には亀裂がある。それらの影響が湧き上がる場所が。深い水はその最たるものであり、だからこそそこはしばしば怪異に満ちている。だがどんな場所もその穢れを帯びうる。
下なるものの力は、たいていはすでにそこにあるものを堕落させるだけである。だがときに、それは凝り固まる。何か新しいもの、何か恐ろしいものを生み出す。自らの意志と目的を持つ精霊や存在を。
学者たちはこれらを「顕現」と呼ぶ。それらは真には下なるものの一部ではない。それらは……
排出物。残りかす。落とし子である。
顕現を作るには、それを生み出した下なるものを、そのテーマ(416ページ)、姿、本能(417ページ)を含めて特定する。それが住む堕落した遺跡(422ページ)も特定する。その起源を選ぶかロールする。
| 1-2 | 大いなる荒廃/残虐行為の余波の中で生じた |
|---|---|
| 3-4 | 力を吸いすぎた穢れた存在(432ページ)から噴き出した |
| 5-6 | 恐ろしい儀式によって呼び出された |
| 7-8 | 崇拝/崇敬/餌やりによって形を与えられた |
| 9-10 | 事故/傲慢、下なるものの力を縛る/清める/振るおうとした失敗によって世界に入り込んだ |
| 11-12 | 真に堕落した遺跡(422ページ)から自然に生まれた |
その結果として形をなす顕現を思い描くこと。それは生み出した下なるもののテーマと姿の少なくとも一部を共有し、本能も共有するかもしれない。顕現は自らの記憶を持ち、ある意味では自らの人格を持つ。生みの親と意思を通わせたり、その命令を果たしたりするかもしれないが、顕現はそれ自体で独立した存在である。
ダーゴンの手
HP 23; アーマー4(強靭さ)、青銅に対しては0
ダメージ 無数の手 (至近、近接、掴み、アーマー無視)
特殊能力 盲目、振動感知、水のように物質を通り抜けて手を伸ばす
本能 口に食わせる
- 石の中に沈む、あるいは石から現れる
- 激しい嫌悪を引き起こす
- アーマー、衣服、肉、骨を通り抜けて手を伸ばし、最も大切なものを奪う
- 戦利品を持って水へと退く
光が一度も差したことのない深い深い洞窟に、湖がある。その湖に、ダーゴンの口がある:常に飢え、常に貪欲で、差し出されるものをすべて食らう。
ではその湖のまわりの洞窟には? そこには手がいる:常にまさぐり、常につかみ、見つけた価値あるものをすべて口へと引きずっていく。
永遠の顎の声
HP 19; アーマー4(強靭さ)、青銅に対しては0
ダメージ 絶叫 (近距離、範囲、装填、アーマー無視)または不自然に大きく歯だらけの顎 (至近、凄惨、 貫通3)
特殊能力 渦に係留されており、山を離れられない
本能 さらに多くの口を、さらに多くのレイスを生み出す
- 遠くからでも囁き(428ページを参照)で誰かを強制する
- 旅人に取り憑く。とりわけ飢えた者、疲れ果てた者、くたびれた者に
- 宿主を饗宴へと駆り立てる
- 宿主を堕落させ、衰えさせ、レイス(79ページ)となる運命に置き去りにする
ハッフェル峰の南の支脈に隠れて、山を裂く峡谷がある。峡谷は絶えず渦巻く、冷たくじっとりした霧に覆われている。峡谷の底には現実の細い裂け目、渦があり、それは貪るものフラドの顕れであり、触れるものすべてを吸い込んでいる。
今ではその山と峡谷は忌み嫌われている。近くに住む丘の民(Hillfolk、228ページ)とウストリナ(Ustrina、464ページ)は近づかないだけの分別がある。だが塚の築き手(34ページ)は渦に餌を与えた。贈り物を、捧げものを、そして生きて叫ぶ生贄を運んだ。やがてこれらの捧げものが渦に声を与えた。そしてその声は今も山をさまよっている。