ダメージと治癒
プレイヤーキャラクターとその従者は、しばしば危険のただ中に身を置き、怪我や害にさらされる。彼らが傷つき、それにどう対処するかを見ることは、何が起こるかを知るために遊ぶことの大きな部分を占めている。
キャラクターが被る害には、大きく分けて4つの種類がある:
- ヒットポイント(HP)へのダメージ
- 衰え
- 物語上厄介な傷
- 死、または致命傷
キャラクター(PCでもNPCでも)が物語の中で傷つくたびに、これらの害の一部またはすべてを被る。それぞれがキャラクターに異なる形で影響する。
ヒットポイントとダメージ
すべてのキャラクター(PC、NPC、怪物)はヒットポイント(HP)を持つ。キャラクターが傷つけられたり、殴り飛ばされたり、痛めつけられたり、そのほかの形でひどい目に遭ったりすると、HPを失う。これを「ダメージを受ける」と呼び、あなたが誰かにそうするときは「ダメージを与える」と呼ぶ。
誰かが0 HPまで減らされると、その者は行動不能になり、死んでいるか死にかけている可能性も十分にある。
HPはゲーム上の要素であり、物語の中の特定の何かを表すものではない。闘志、決意、度胸、運、技量が組み合わさったもの、つまり致命的なはずの一撃をかすり傷に変える力である。HPは、キャラクターがどれだけ怪我をしているか、していないかの尺度では決してない。
ルール上、HPは主人公補正として、また展開の速さを調整する仕組みとして働く。20 HPのPCは、戦いの最初のやり取りは生き延びられると確信していてよい。だがPCのHPが5か6しか残っていなければ、どんな敵のどんな一撃でも倒されかねない——そしてそれが、すべてをより緊迫した危険なものにする。
PCはふつうNPCや怪物よりも多くのHPを持つ。それは彼らが主人公だからだ。私たちは彼らの物語を語っているのだから、彼らはより多くの幸運やきわどい回避に恵まれる。
ダメージ
ダメージを受けるとは、HPを失い、行動不能になるおそれがあるということだ。キャラクターがダメージを受けるのは……
- プレイヤー向けのムーブがはっきりそう言っているとき。
- あなたが彼らを傷つけるとき(物語上の傷とともにダメージを受ける)。
- あなたが彼らの資源を消耗させ、消耗させる資源がHPであるとき。または
- あなたが、彼らが打たれる、殴り飛ばされる、痛めつけられる、痛みを被るなどの状況を含むGMムーブを行うとき。
GMムーブを行い、そのムーブが理屈の上で普通の人を殺したり、動けなくしたり、気絶させたりしうるものなら、ダメージも与えること。ダメージを与えることそれ自体があなたのムーブになることはまずないはずだが、ムーブの一部になることはよくある。
どれだけのダメージか?
ダメージの源が準備済みの危険(379ページ)なら、その危険の能力値を使う。
たとえば、あなたのムーブが、ハグルにPCを地面からつまみ上げさせて首を絞め始めさせるというものなら、ハグルの
のダメージを与えることになる。
複数の戦闘員が同時にダメージを与えるときは、その中で最も大きいダメージダイスを1つだけ振り、追加の戦闘員1人ごとに+1する。すべての戦闘員のタグが適用される。したがって、6体のコエドウィグ(茨の精霊、ダメージ、1貫通)と1体のビルドライグ(木の精霊、ダメージ、強打)が一斉に用心棒に襲いかかれば、用心棒はのダメージ(1貫通、強打)を受ける——そしておそらく、最悪の一日を過ごしている。
ダメージが準備済みの危険と結びついていないなら、それが普通の人に対して何をしそうかを自問すること。最悪でも起こしそうなことが……
- 打ち身やすり傷、痛み、軽いやけどなら、ダメージを与える。
- ひどい切り傷、打撲、やけどなら、ダメージを与える。
- 骨折、深い/広いやけど、痛みで動けなくなることなら、ダメージを与える。
- 死や手足の切断なら、ダメージを与える。
アーマー
受けるダメージから、犠牲者のアーマーの値を引く。これによりダメージが0になることもあり、その場合はHPをまったく失わない。よかったね! 打たれた/投げ飛ばされた/何であれ、それは起きたのだが、活力も運も主人公補正も少しも消耗していないのだ。
攻撃に「[n]貫通」のタグがあれば、その攻撃ではアーマーを[n]点無視する。
つまり、あなたが5ダメージ(1貫通)を与え、目標が2アーマーなら、その攻撃に対する目標のアーマーは実質1しかない。目標は4 HPを失う(ただし、以後の攻撃に対するアーマーの値は2のままだ)。
攻撃が「アーマー無視」なら、アーマーは適用されない。ダメージをまるごと受ける。物語がそう求めるときは、その場でこのタグを当てはめること。炎に包まれているときに鎖かたびらは役に立たないし、どれほどの物理的な防具も精神への攻撃からは守ってくれない。
プレイヤー向けのムーブのいくつかは、プレイヤーに(「[n]ダメージを受ける」ではなく)「[n] HPを失う」よう指示する。この種のHPの喪失には、アーマーは決して適用されない。
ダメージを受ける
キャラクターがダメージを受けたら、現在のHPをその分だけ減らす。0 HPまで減らされたら、行動不能になる。
プレイヤーキャラクターが0 HPまで減らされ、そのダメージの源が命に関わりうるものなら、そのPCは死の淵にあり、それに従ってそのムーブを行う(245ページ参照)。ダメージの源が誰かを殺しそうにないものなら、PCは単に行動不能になる:気絶している、息も絶え絶えになっている、恐慌に陥っている、閉じ込められているなど。
どのように、あるいはなぜ行動不能になったのかをプレイヤーに尋ねることも検討しよう。こうして動けなくなったキャラクターは自力では助からない。誰かが助けるか、あなたが別のことを言うまで、動けないままだ。
NPCや怪物が0 HPまで減らされたら、その運命はあなたの手に委ねられる。ダメージの源が命に関わりうるものなら、おそらく死んでいるか、まもなく死ぬ。そうでなければ、行動不能になって戦いから外れるが、どのようにかはあなたが決める。ただし忘れないこと:NPCや怪物を守るのはあなたの仕事ではない。燃えるものは燃やせ。
従者(460ページ)はNPCなので、0 HPになったときにどうなるかはあなたが決める。ただし、プレイヤーに従者のための死の淵のロールをさせることを選んでもよい。
あなたが彼らを傷つけたなら、失ったHPは物語上の傷の一部である。そうでなければ、ダメージを受けるとは、ひっかき傷や打ち身、筋肉の痛み、歯が揺さぶられること、切れた唇や鼻血、息切れ、めまい、痛みと疲れと消耗を意味する。人をすり減らしはするが、戦いから脱落させはしない消耗なのだ。
ヒットポイントを回復する
PCや従者がHPを回復するのは……
- 療養する(328ページ)とき。
- 野営する(334ページ)ときに、HPの回復を選んだとき。
- 死の淵(245ページ)にあって10+を出したとき。
- 数日の休息期間を得て静養する(249ページ)とき。
- 別のムーブがそう言っているとき。または
- あなたがHPを回復する機会を与え、彼らがそれを受け入れたとき。
従者でないNPCや怪物は、あなたがそう決めたときに
HPを回復する。プレイヤーのムーブを目安にしよう:数分の休息と物資があれば3〜5 HPが回復する。一晩休めば最大値の半分に等しいHPが回復する。数日の休息と療養で完全なHPに戻る。もちろん、物語が優先される。超自然的にたくましく回復力のある生き物なら、もっと早くHPを取り戻すかもしれない。魔法の構造体は、誰かや何かが修理や再充填をしない限りHPを回復しないかもしれない。
覚えておこう、HPは「肉の量」ではない。
HPを回復するとは、傷がふさがったとか骨がつながったとかいう意味ではない。痛みに慣れた、出血を止めた、息を整えたという意味だ。怪我は治るまでそこにある。ただキャラクターの中に戦う力がより戻り、致命的な一撃から再び少し遠ざかったというだけである。
衰え
プレイヤーキャラクターは、最大で3種類の異なる衰えを被りうる:
- 衰弱:キャラクターは疲れ果て、くたびれ、動きが鈍く、ふらついている。+STRまたは+DEXでロールするときに不利を被る。
- 朦朧:キャラクターはぼんやりし、混乱し、頭がはっきり働かない。+INTまたは+WISでロールするときに不利を被る。
- 消沈:キャラクターはひどく苦しみ、不機嫌だったり怒っていたり、具合が悪かったり、痛みを抱えていたりする。+CONまたは+CHAでロールするときに不利を被る。
ルール上のペナルティに加えて、衰えには物語上の結果もある。消沈したキャラクターは実際に惨めな状態であり、あなたはそれを描写やGMムーブに織り込むべきだ。衰えがあるせいで、本来なら必要ないのに危険に抗わなければならなくなることもある。
衰えに印をつける
プレイヤーは、キャラクターが衰えを被っていることを示すために、キャラクターシートの衰えに印をつける。プレイヤーキャラクターが衰えに印をつけるのは、たとえば……
- プレイヤーのムーブを発動し、そのムーブが衰えに印をつけると言っているとき。
- あなたが彼らを傷つけ、あなたが与える害に衰えへの印が含まれるとき。
- あなたが欠点を示すか、代価つきの機会を与えるか、結果を告げ、その欠点/代価/結果が衰えに印をつけることであるとき。または
- あなたが、彼らが衰弱、朦朧、消沈した状態になることを含むほかのGMムーブを行い、その衰えに印をつけさせるとき。
言い換えれば、衰えに印をつけることは規定的でもあり、描写的でもある。規定的とは:
ムーブが衰えに印をつけると言い、その結果として物語の中でその状態を被るということ。描写的とは:物語の中でキャラクターを衰弱、朦朧、あるいは消沈させるようなことが起き、そのためにキャラクターが衰えに印をつけてルール上のペナルティを被るということだ。
ムーブがプレイヤーに「衰えに印をつける」よう指示するなら、どの衰えに印をつけるかはプレイヤーが選べる。
それが物語の中でどう見えるかを尋ねよう。光を掲げる者の祈願が彼らを消沈させる? なぜその衰えなのか? どんな症状なのか? ほかのみんなの目にはどう映るのか?
ムーブによってプレイヤーが特定の衰えに印をつけることになり、それがすでに印をつけられているなら、運がよかったということだ。物語の中では状態が少し悪化するかもしれないが、ルール上のペナルティは変わらない。特定の衰えに印をつけることが任意の選択肢で、それがすでに印をつけられているなら、その選択肢は選べない。
ムーブの発動条件の一部としてPCが衰えに印をつける必要があり、その衰えにすでに印がついているなら、そのムーブは発動できない。たとえば、用心棒の3つの衰えすべてにすでに印がついていれば、枷知らずは発動できない。
衰えを消す
プレイヤーキャラクターが衰えを消せるのは……
- 療養する(246ページ)ときに、その衰えをどう手当てしているかを説明したとき。
- 野営する(248ページ)ときに、衰えを消すことを選んだとき。
- 数日の休息期間を得て静養する(249ページ)とき。
- 別のムーブがそう言っているとき。または
- あなたが衰えを消す機会を与え、彼らがそれを受け入れたとき。
衰えを消すとは:キャラクターシートの印を消し、ルール上のペナルティをもう受けず、キャラクターが物語の中でその影響に積極的に苦しめられることもなくなる、ということだ。
衰えを消しても、それに伴う怪我が治ったわけではない——できる限りの手当てをして、もう積極的に妨げにはなっていないということだ。二の腕の筋を痛めたせいで衰弱に印をつけていたなら、衰えを消すとは、おそらく包帯を巻いて腕を吊っているということだろう。完全に治るにはまだ時間がかかる。
NPC、怪物、そして衰え
怪物やNPCは衰えに印をつけないし、プレイヤー向けのムーブがPCにNPCや怪物へ衰えを負わせることを許すことも決してない。
怪物やほとんどのNPCはムーブのロールをしないので、2つの能力値に不利を被ることには何の意味もない。
だから、怪物が衰弱するような影響を被っても、衰弱に印をつけはしない——ただ動きが鈍くなった、ふらついていると描写するだけだ。その結果として、もしかしたらPCたちに機会を与えるかもしれない。
従者(460ページ)はプレイヤーのムーブを発動できる。望むなら、一時的なタグ(衰弱、朦朧、消沈)として従者に衰えを割り当て、関係するロールに不利を課してもよい。だがたいていは、従者の今の状態を、あなたがその従者をどう描くか、どう振る舞うか、何ができて何をする気があるかに反映させるべきである。
厄介な傷
厄介な傷とは、物語上の影響が長く続く傷のことだ。キャラクターがそれを被るのは、あなたが彼らを傷つけるか、キャラクターが特定の、後に響く形で傷つくことを含むほかのGMムーブを行ったときである。
ただ物語の中でその傷を描写すればよい。
それで事実になる! ひねった足首は体重を支えられない。頭への一撃でふらつき、めまいがする。切り落とされた手は切り落とされていて、おそらく大量に出血している(そしてショック状態にある)。こうした厄介な傷は、凄惨な攻撃が絡むときには特によく起きるはずだ。
厄介な傷は、しばしばPCが衰えに印をつけることを伴い、常にダメージを受けること(つまりHPを失うこと)を伴う。NPCがPCの指を折れば、そのPCは拳を握れず、おそらく痛みで衰弱か朦朧か消沈しており、ダメージ(アーマー無視)を受けることになる。そのダメージで0 HPになっても死にはしないが、行動不能にはなりうる。
どう決めるか?
PCたちが攻撃を受けたところか、脅威を無視したところか、6-を出したところで、あなたは害を与えようと考えている。
ダメージを与えるか? 衰えに印をつけさせるか? 厄介な傷を負わせるか、負わせるならどれほどひどいものにするか?
決まった規則はないが、あなたの原則に従い、物語から流れ出るGMムーブを行うべきだ。多くの場合、あなたはGMムーブ(窮地に陥らせるなど)や怪物のムーブ(獲物を地面に叩きつけ、気絶させるなど)を選び、そのムーブの具体的な物語の結果として、彼らはダメージも受けたり衰えに印をつけたりする。
また別のときには、何か害になることをしたいとわかっていても、具体的なムーブは思い浮かんでいないだろう。
その場合は、プレイヤーに受けたダメージを振らせ、その結果をあなたのムーブの性質と深刻さの参考にしよう。さらなる手引きは184ページを参照。
関係する攻撃のタグを心に留めておこう。凄惨な攻撃は特に破壊的で、しばしば彼らを傷つけたり、彼らの資源を消耗させたり(盾や武器や装備を壊す)するべきだ。
強打の攻撃は犠牲者を吹き飛ばす。ダメージがなくても、戦いの勢いや位置関係を変えるべきである。
PCや従者が怪物にダメージを与えたときは、攻撃の描写、与えたダメージの量、敵に残っているHP、攻撃のタグを使って、物語上の結果を決めよう。
厄介事を予告する(未来に、または画面の外で):「アンドラスは紙のように真っ白で、あの蛇の噛み傷は赤く腫れ上がり、怒ったような赤い筋が血管に沿って腕を這い上がっているのが見える。どうする?」
歓迎されない真実を明かす:「うわっ。そうだね、ブロドウェン、あなたがギャレットの傷から包帯をはがすと……よくない。嫌なにおいがして、肉は黒ずんでいて、緑がかった膿が出ている。感染していて、これから悪化していく。どうする?」
誰かを窮地に陥らせる:「それはあなたの顔をかきむしり、あなたはそれを放り投げる。ダメージを受けて。まだ立っている? よし、それがあなたの額を切り裂いて、血が目に流れ込んでくる。よく見えないが、それがうろつき回って、また飛びかかろうと身構えている音が聞こえる。どうする?」
プレイ中の厄介な傷
厄介な傷を物語とGMムーブに組み込もう。プレイヤーが7〜9や6-を出したときは、厄介な傷をその結果の理由づけに使ってもよいだろう。
ムーブを使って、怪我を物語の前面に押し出したり、状況を複雑にさせたりしよう。
資源を消耗させる:「あなたはその峡谷を登りきって抜け出すが、脇腹の傷からはまだ血が出ている。立ち上がるとめまいの波が押し寄せる。それは過ぎ去るが、アーマー無視でさらにダメージを受けて。まだ立っている?」
欠点を示す:(危険に抗うで7〜9を出してハグルから逃げようとした後で)「言ったとおり……ハグルが丸太を振り回すのに合わせてその下をかいくぐり、体勢を立て直される前に脇を駆け抜ける。だが5歩ほど進んだところで、膝が崩れ、あなたは地面に倒れ込む。さっきの怪我だ。膝はただ燃えるような痛みのかたまりで、ハグルがうなり声をあげて丸太を引き抜き、のしのしとあなたのほうへ向かってくるのが聞こえる。どうする?」
結果を告げる:「あなたはどくどくと血を流している。すぐに止血帯を巻かないと、失血死する。もちろん、あなたの両手は——いや、片手は——震えていて、何もかも感覚がない。衰弱に印をつけて。細かい手先の動きが必要なことをするには危険に抗うことになる。どうする?」
必要条件を告げる:「その足首で歩きたいなら、添え木を当てて、杖か松葉杖を見つける必要がある。それと、痛みを和らげるものもあるといい。どうする?」
死と死にゆくこと
PCが命を奪いうる攻撃で0 HPまで減らされたら、そのPCは死にかけており、このムーブを行わなければならない。物語がそれを求めるから死にかけている、ということもある:もし
30メートル下の岩の上に落ちたなら、ダメージは受けない。0 HPで、死の淵にいるのだ。
Death's Door
あなたが死にかけているとき、最後の扉(the Last Door)とカラスの貴婦人(the Lady of Crows)を垣間見る(それらを描写すること)。それから+なしでロールする: 10+なら、あなたは生者の領域へと自らを引き戻す—— 1 HPで復帰するが、死に触れたことがあなたにどんな痕を残したかを語ること。7〜9なら、貴婦人はあなたを追い払う——もう死にかけてはいないが、行動不能になる。6-なら、あなたの時が来た——1つ選ぶ:
- 12+を出したかのように最後のムーブを1つ行い、それから最後の扉をくぐる
- 行くことを拒む。甦りし者か亡霊の別紙を得る
- 下なるもの(the Things Below)の1体を名で呼び、とりなしを乞う。隷属者の別紙を得る
望むなら、場面が締めくくられるか、ほかのPCたちに少し見せ場が回るまで、このムーブの解決を先延ばしにしてもよい。誰かが死にかけているPCを救おうとする(傷の手当てなど)なら、その者は死の淵のロールに助力している。その者が身をさらす「危険、代価、結果」は、どのように助力するか、あなたの卓でのカラスの貴婦人の捉え方、そしてロールの結果に大きく左右される。
カラスの貴婦人と最後の扉は、あなたとあなたの卓が描写するものだ。キャラクターによって違う姿で現れることさえあるかもしれない。
10+なら、彼らは行動に復帰し、もう死にかけてはいないが、心か体か魂に痕が残る。どのような痕かはプレイヤーが決めるが、ひどい傷跡、失った片目、最後の扉の幻視、いつもそばにいるカラスの群れなど、遠慮なく提案しよう。何を選んだにせよ、プレイ中にその痕をしばしば持ち出すこと。脅威(苦難、284ページ)として書き出してもよいかもしれない。
7〜9+なら、キャラクターはもう死にかけてはいないが、あなたが別のことを言うまで気を失っている(あるいはそれに近い状態だ)。
6-なら、彼らの時が来たのであり、正気の選択は最後の扉をくぐることだ。
最後のムーブを1つ行えるが、その後は死ぬ。彼らを救う手立てはない。その最後のムーブを死を免れるために使うことはできない。彼らを連れ戻せるのは、ごくまれな魔法だけだ。
行くことを拒むなら、理由を尋ねよう。亡霊か甦りし者の別紙を見て、恐るべき目的を選んでもらう。理由を言えないなら、この選択肢は選ぶべきではない。
隷属者になるには、PCは下なるものの1体の名を知っていなければならない。下なるものがどれもプレイ中に出てきていないなら、死ぬ前にそのPCが知識を語れるかもしれない。
キャラクターが「とどまる」なら、着実に下り坂をたどり、ますます不安定で怪物じみていくことになる。
恐ろしさを強調しよう。彼らの「生」がもう以前と同じではないことを見せよう。彼らの恐るべき
目的や衝動をプレイの中に押し出そう。亡霊や甦りし者なら、その恐るべき目的を苦難として作る。隷属者なら、その主を魔法的な存在として作る(脅威、277ページ参照)。
不死のPCは、借り物の時間を生きているように感じるべきだ——実際そうなのだから。ほかのPCたちは不死の仲間を警戒すべきである。
少なくとも、警戒は。
そして回復
以下のムーブは、HPの回復、衰えを消すこと、厄介な傷の手当てや回復を扱う。
Recover
あなたが時間を取って息を整え、不調の手当てをするとき、物資の使用を1消費し、 4+繁栄に等しいHPを回復する。さらにダメージを受けるまで、この恩恵は再び得られない。 あなたが衰えや厄介な傷の手当てをするとき、どのようにするかを語ること。GMは、それで手当てが済んだと言うか、そのために何が必要か(危険に抗う、物資やほかの資源を消費する、___を見つける、野営 するなど)を告げる。 どのムーブでもそうだが、それがどう見えるかを尋ねよう。傷の手当てをしているのか? 軽く食べているのか? 湿布を貼っているのか? 柳の樹皮を噛んでいるのか? 何なのか? 複数のPCが同時に療養することもよくある。 それでかまわない。挑発的な質問をするのにいい機会だし、PC同士でちょっとしたロールプレイをするよう促すのにもいい機会だ。 HPを回復するキャラクターはそれぞれ物資の使用を1消費しなければならない。あるいはほかの誰かが代わりに1使用を消費する必要がある。集落の繁栄はその物資の質、ひいては回復するHPの量に直接影響する。繁栄+1の集落は、繁栄+0の集落よりも滋養のある食べ物と効き目の強い薬草を用意できる。 あるキャラクターが療養するのムーブでHPを回復したら、さらにダメージを受けるまで再びそうすることはできない。PCが、たとえば12ダメージを受けて、ちょっとの休憩とウイスキーで完全なHPまで立ち直るということはできない。その種のHPの喪失を取り戻すには、本当の休息が必要だ。(そして、いや、もう一度療養するために「腕をちょっと切って1 HPのダメージ」ということもできない。そういう仕組みではない。) 覚えておこう、HPを回復することは傷が治ることを意味しない。打ち身やひっかき傷などはまだそこにある。 衰えや厄介な傷については、どのように怪我の手当てをするかを描写するよう促そう。それが理にかなっていて効果がありそうなら、ただ「いいね、それで手当ては済んだ」と言えばよい。 だが、ほかに何が必要かを告げてもよい。たとえば……
- どうすればいいかを知るために知識を語る。
- 危険に抗う。その危険とは……
- 痛み。
- 手当ての最中に相手がのたうち回ること。
- 傷/状態が悪化すること。
- 終える前に___がやって来る/起きること。
- ___の注意を引くこと。
- ___を使い切る/さらに使う必要があること。
- (さらに)物資やウイスキーなどを消費する。
- ___(薬草、解毒剤、真水、添え木に使えるものなど)を見つける。
- 野営する/休ませる。または
- 思い切ったことをする(焼灼、切断、野戦での外科手術など)。
これらの必要条件を、適切だと思うように「かつ」や「または」で組み合わせよう。必要条件を満たしたら、衰えは消え、厄介な傷は落ち着く(ただし、ほぼ間違いなく治ってはいない)。
彼らは洞窟の熊たちを片づけたが、カラドクはその過程でさんざん打ちのめされた。彼は9 HPを失い、朦朧している——盾ごと殴られて、洞窟の壁に叩きつけられたのだ。息が切れて体が痛むが、私は具体的な怪我を決めてはいなかった。
ほかの者たちが洞窟を調べている間に、カラドクが「療養できる?」と尋ねる。もちろん。だが私は、それがどう見えるのか、どんな物資を使っているのかを尋ねる。「洞窟の壁にぐったりもたれかかって、盾と槍を下ろし、何度か深く息をつくかな。ウイスキーを一杯やって、平たいパンを食べるかも」いいね! 彼は物資の使用を1つ消し、4 HPを回復する(集落の繁栄は今0だ)。私はそれで彼の朦朧の衰えも消すのに十分だと考える。
彼はまだ5 HP減っていて、もう一度療養できるかと尋ねる。「だめ」と私は言う。「さらにダメージを受けるまではね」
ギャレット(リアンナの部隊の一人)は、羽毛のあるドレイクに脚を切り裂かれた。まだ意識はあるが、0 HPでひどく出血している。長くはもたないだろう。
戦いは終わり、リアンナとブロドウェンは駆け寄って、彼の命を救えるか確かめる。ブロドウェンが指揮を執る。「リアンナ、傷の上を押さえて。私は止血帯を作る。それから、わからないけど、縫えばいいのかな?」
彼女は厄介な傷の手当てをしている。これは療養するの発動条件の一つだ。考えられる必要条件の一覧を見て、私は彼女がINTで危険に抗うのだと考える。その危険とは、出血を止める前にギャレットが失血死すること
だ。さらに、止血帯と縫合のために物資の使用を1消費する必要もある。「やる?」と私は尋ねる。彼女はやると答え、ダイスに手を伸ばす。
彼女は8を出し、私は代価か不完全な成功かの選択肢を与える。「あなたは出血を止めて彼の命を救うが、彼の状態はひどい。物資の使用をもう1つ消費して、何か気付け薬になる薬草で彼を持ちこたえさせてもいい。彼は4 HPで目を覚まし、ゆっくりなら動き回れるが、ひどく痛がっていて、また怪我をしそうだ。あるいは、容体は安定しているが意識が行ったり来たりで、自分では歩けない状態で置いておいてもいい。どうする?」
Make Camp
あなたが安全でない場所で腰を落ち着けて休むとき、野営地についてのGMの質問に答える。一行の各メンバーは物資か食料の使用を1消費しなければならない。◇ 炊事道具(火と水が必要)を使うなら、1使用で最大4人分をまかなえる。 あなたが存分に食べて飲み、少なくとも数時間眠ったなら、1つ選ぶ。
- 最大値の½に等しいHPを回復する
- 衰えを1つ消す
休息が格別に穏やかで、快適で、楽しいものだったなら、次のロールに有利も得る。
PCたちが打ちのめされていたり疲れ果てていたりすれば、野営したくなるだろう。時間と炊事道具と火と水があれば、◇ わずか1〜2使用の物資で多くのHPを回復したり、衰えをいくつか消したりできる。
選択をするには、食べ物、飲み物、眠りの3つすべてが必要だ。さらに ◇ 寝袋を使う者は、どの選択をしたかにかかわらず+ HPを回復する。
HPを回復したり衰えを消したりしても、厄介な傷はなくならない。PCは療養するのムーブでそれを手当てしなければならず、そうした傷が完全に治るには時間がかかる。
次のロールに有利を得るには、ただ十分というだけでなく、すばらしい状況でなければならない。これは原則ではなく、例外であるべきだ。
野営についての詳細と、夜の間に何が起きるか(起きるとすれば)の決め方については、334ページを参照。
一行はマーシュエッジ(Marshedge)へ向かう途中で、巨人の骨(Titan Bones)の近くで野営していたときにノスゴラウと遭遇し、あわや大惨事になりかけた。彼らはヴァヒドを(かろうじて)取り戻したが、彼は朦朧していて衰弱している。さらに大きなダメージを受けていて、16 HPのうち6しか残っていない。カラドクとリアンナもダメージを受けた。ブロドウェンはまったく無事だ。
野営地に戻ると、全員が数時間眠る。襲撃の前に食べて飲んでいたので、それぞれが選択をする。
ブロドウェンはすでに最大HPで、衰えもない。「じゃあ、有利はもらえる?」と彼女は尋ねる。だめ! 打ちのめされてはいないかもしれないが、彼女はやはり硬い敷石の上で外套にくるまって寝ているのだ。
カラドクとリアンナはそれぞれHPの回復を選ぶ。カラドクは最大16 HPで、残りは7しかない。彼は8 HP(最大値の半分)を回復し、15 HPになる。療養すれば最後の1 HPも取り戻せるが、そこまでする価値はないと判断する。リアンナが失ったのは最大HPの半分未満なので、完全に回復する。
ヴァヒドは難しい選択を迫られる:衰えを1つ消すか、HPを回復するか。「野営でHPを回復して、それから療養して衰えを消すのはどう?」私は、衰えをどう手当てするのかを尋ねる。「ああ、ものすごい量の食事をするよ。どう考えても食べきれないくらいの量をね」
「よし、じゃあこうしよう。最大HPの半分を回復して、HPは14に戻る。そして物資の使用を1つ食べれば、消せるのは衰弱だ。でも、また野営してぐっすり眠るまでは朦朧のままだ。それでいい?」
Convalesce
あなたが安全で快適な場所で数日間休むとき、HPを最大値に戻し、衰えをすべて消す。あなたが治療者の世話を受けながら数週間休むとき、治りうる厄介な傷をすべて治す。あなたが永続的な怪我や障害を負っているなら、引退するか、それに適応するために計画を立てる。 このムーブにより、PCたちは遠征の合間に「リセット」できる。時を過ぎさせ、季節を移ろわせる機会だ。質問をしたり、故郷のムーブ(502ページ)を使ったりするのにもうってつけの時である。 静養すればほとんどの傷は治るが、失った手足を生やしたり、砕けた膝を直したりはできない。キャラクターは引退するか、計画を立てて適応するかのどちらかだ。 PCが引退したら、プレイヤーはそのキャラクターを積極的に演じるのをやめる。そのキャラクターは、PCをPCたらしめる鋭さと度胸を失ったのだ。プレイヤーは新しいキャラクターを作り、引退したキャラクターはNPCになる。 プレイヤーが自分のPCを適応させたいなら、計画を立てるのムーブ(530ページ)を使い、目標とそれを達成するのに必要なことをはっきりさせよう。並外れたこと(ウストリナから機械仕掛けの手を手に入れるなど)が絡むこともあるが、たいていは工夫と練習と根性の問題だ。 必要条件を不当に厳しくしないこと。あなたの仕事はプレイヤーキャラクターのファンであることであり、彼らの暮らしに冒険を差し挟むことだ。怪我をしたことで彼らを罰することではない。あなたは、このたくましく、意志が固く、機転の利くキャラクターたちが挫折に適応していくところを見たいのだ。回復への道筋を与え、彼らがそれにどう取り組むかを見よう。
リアンナは三魔女会の湖(ThreeCoven Lake)で右腕を失った(それでも軽く済んだほうだ。アンドラスは生きて帰れなかったのだから)。とっさの機転で命は助かったが、この先どうやって有能な戦士や弓兵でいられるのか、彼女にはわからない。それでも、引退するつもりはない。
そこで、計画を立てる。「何を成し遂げたいの? 魔法で腕を取り替えたり生やしたりしたいの? それとも片手で射ることを覚えたいの?」リアンナは度を越して実際的で、魔法の選択肢など考えもしない。私は考えられる必要条件の一覧を見て、こう書き留める:
O 片手で弓を引いて放つための義具か道具を
設計して作らなければならない O その道具の使い方を覚えなければならない O 何か月もの練習が必要だ
弓弦に革の口金を取りつければ、引いて放てるだろうということになる。なめし革職人のソウィルの手を借りれば、簡単に作れるものだ。
後で、私はリアンナが新しい仕掛けを練習している場面を設ける。それがどう見えるのか、何に苦労しているのかを尋ねる。そこへアンドラスの母親がやって来て、息子を目にかけてくれたことをリアンナに感謝し、アンドラスが村を守っていたことをどれほど誇りに思っていたかを語る。リアンナは、ヴァヒドのいまいましい炎の宝石を探しに行ったせいで彼を失ったことに、ひどく苦い思いを抱えたまま取り残される。
リアンナが必要な何か月もの練習を積む前に秋が来て、PCたちは森をうろつく暗い存在を狩ることになる。「今のところ」と私は言う。「あなたの弓には装填のタグがつき、射放つには不利がつく。でもあと1か月練習すれば、ペナルティなしで射て、射放つことができる」