最初の冒険

自己紹介は終わった。春が芽吹いた。キャラクター、関係、背景物語の豊かなタペストリーができあがった。

最初の冒険の時だ! そのすべてをプレイに投じ、PCが活躍する姿を見よう。

最初の冒険でのあなたの目標は次のとおり:

  • 日々の暮らしを描き出す
  • 関係を掘り下げる
  • 彼らにとって何が大切かを見極める
  • 彼らを現地へ押し出す
  • 細部を確立しつつ、空白を残す
  • 日常と神秘の両方を際立たせる
  • 彼らを故郷へ引き戻す

日々の暮らしを描き出す

最初の冒険はストーントップ(Stonetop)で始まり、村に実感を与えるものであるべきだ。準備段階と最初の場面では日常のひとこまを見せ、ここがPCの故郷であること——そして守るために戦う価値のある故郷であること——を強調しよう。

関係を掘り下げる

自己紹介で確立したNPCと関係を取り上げ、スポットライトの中へ押し出そう。カラドックは恋人にどう接するのか? ブロドウェンは、自分を守るというリアナの約束をどう思っているのか?

自己紹介で明示的に確立された関係だけを掘り下げるのではなく、そこから示唆される関係も掘り下げよう! リアナはブロドウェンの母テグウェンに、ブロドウェンを守ると約束した?

では、テグウェンとリアナは

どんな関係なのか? テグウェンとブロドウェンは?

不意の発見にも目を配ろう! 自己紹介では出てこなかったかもしれないが、ガレット(リアナの部隊の一人)を演じていると、彼がブロドウェンに言い寄っていることに気づくかもしれない。すばらしい! それに乗って、どうなるか見てみよう。

彼らにとって何が大切かを見極める

危機ほど人の優先順位を浮き彫りにするものはない。キャラクターがどんな決断をし、どこに関心があるかに目を配ろう。後々、ありとあらゆる材料になる。

彼らを現地へ押し出す

何をするにせよ、ストーントップそのものであまり長く過ごしてはならない。できるだけ早く、彼らを冒険に、現地へ出そう。

「待って、何だって?」と思うかもしれない。「村を確立するのにあれだけ時間をかけたのに……それで何かをするんじゃないの?」

するとも——ただ、今ではない。今のあなたの仕事は、行動を転がし始め、彼らの暮らしに冒険を差し挟むことだ。

村とその住人は、その冒険の背景であり動機だが、(少なくとも最初は)その焦点であってはならない。

Apocalypse Worldやその関連ゲーム(Sagas of the IcelandersMonsterheartsなど)は、最初のセッションはただPCを追いかけ、相容れない利害や維持できない取り決めを抱えたNPCを確立することに費やせと言う。ストーントップでそれをやれば、PCはじきに村の仲間の血で手を汚すことになる。そうなれば、まったく違う種類のゲームになってしまう。

そうではなく、彼らを町の外へ出そう。町のために冒険させ、身内や仲間のために汗を流し血を流させよう。ストーントップそのものを大きな対立の源にしてはならない——まだ。

細部を確立し、空白を残す

村でもより広い世界でも、狂ったように質問し、ありとあらゆる具体的な細部を確立したい。環状壁(Ringwall)のすぐ外の家々には誰が住んでいる? 古いフェイの道標石のまわりにはどんな花が咲いている? ヴァヒドはあの洒落たランタンをどこで手に入れた?

だが空白も残そう。思いを巡らせる細部や、後で埋める謎をいくつか残しておくのだ。静かな双子はどうして死んだのか? 大顎(the Maw)には何が潜んでいるのか? エリオスはなぜあんなに陰気な嫌な奴なのか?

日常と神秘の両方を際立たせる

ストーントップの冒険には、日常の心配事と神秘的な要素の両方がたっぷり含まれているべきだ。冒険のフックが日常的なもの(野生の馬を捕まえる好機など)なら、冒険に奇妙さと魔法を織り交ぜよう。フックが神秘的なものなら、天候や物資、誰かの母親が心配で気も狂わんばかりだという事実といった日常の細部に気を配ろう。

彼らを故郷へ引き戻す

最初の冒険がどんなものであれ、最後は彼らがストーントップへ帰ることで終わるべきだ。それはごく自然に起こるはずだが、一行全員をどこかのフェイの領域に閉じ込めたり、奴隷商人の一団を追ってリュゴス(Lygos)まで行かせたりすることは避けよう。彼らを帰らせよう。帰るよう促そう。彼らが帰らなければ、ゲームの前提そのものが崩れてしまう。

構成

冒険の手引きを使うにせよ独自の冒険を使うにせよ、最初の冒険はプレイではたいてい次の構成をたどる:

1)まず導入から始める。文脈を与え動機を確立する、含みのある質問をたくさんする。ラブレターを1~2通含めてもいい(568ページを参照)。

2)次に場面を設定する。村の特定の場所と時間にズームインする。場面を組み立て、さらに質問し、町を見せ関係を掘り下げる故郷のムーブをいくつか行う。

3)場面が確立したら、フックを投じる。厄介事の兆しを見せる、歓迎されない真実を明かす、好機を差し出す、結果を告げるなどだ。

PCとNPCがどう反応するかを少し時間をかけて見よう。

4)PCがフックに食いついたなら、彼らは準備を整える

進路を定め、装備を整え、徴発し、同行する従者を募るなどだ。

5)彼らはおそらく冒険の焦点へ向かって旅をする。その旅自体がおそらくひとつの冒険になる。

引き返さざるをえなくなり、好機を逃したり、問題を悪化させたりすることさえあるかもしれない。

6)旅は(おそらく)冒険の決着へと彼らを導く。そもそも彼らを戸口から送り出した危険や好機だ。

彼らは探索し、NPCと話し、忍び寄り、戦い、大胆な脱出をするなどする。

冒険の手引き

冒険の手引きとは、ゲームを始めるのに使える、あらかじめ作られた最初の冒険である。キャラクターを作り、同じ1回のセッションで最初の冒険に飛び込める!

とはいえ、冒険の手引きは「はじめに」の章で説明した自己紹介の手順をすべては踏まない。手引きには独自の簡略化された導入手順があり、村と世界の細部の多くを確立するのは最初の冒険が終わってからにする。

冒険の手引きを丸ごと使わないとしても、例として、また脅威、危険、発見、地図の出典として役に立つかもしれない。

これらの冒険の手引きは www.lampblackandbrimstone.com で入手できる。

7)それから事後処理がある。帰り道、凱旋(あるいはそうでもない帰還)、友人や家族や隣人の反応、そして日々の暮らしへの復帰だ。だが答えの出ていない疑問、野放しの脅威、探索すべきさらなる好機が残る——未来の冒険の源だ!

もちろん、PCがあなたのフックに食いつかないこともある。あるいは旅の途中で起きた何かに気を取られ、あなたが焦点だと思っていたものよりそちらのほうが大事だと判断するかもしれない。どれも結構だ! あなたの課題と原則に従い、ムーブを行い、どうするかを尋ね続けよう。

背景

よい最初の冒険には準備が必要だ。少なくとも、次のことをすべきだ:

  • 中心となる脅威か好機を見極める
  • 脅威を書き起こす
  • フックを計画する

この情報を前もって計画しておけば、豊かで神秘的な世界を描き出す助けになる。理屈の上では、キャラクターに質問して空白を埋めながら、脅威とフックをその場で即興することもできる。だがこの情報を前もって準備しておけば、ずっとまとまりがあり、手触りがあり、テーマ性のある冒険になる。


自己紹介のあいだ、卓は最近のクリンウィンの襲撃、さらわれた子どもたち、そしてそれが町に与えた影響に何度も焦点を当てていた。

ヴァヒドが季節の移ろいのロールをして7を出し、「思いがけない恵み」を選んだ。だが同時に、ある脅威が現れるか悪化する。

材料はたっぷりある。どうなるか見てみよう!


中心となる脅威か好機を見極める

最初の冒険は、ひとつの好機か脅威を中心に展開する。自己紹介の終わりの「春の芽吹き」のロール(とプレイヤーの選択)が、どちらかを教えてくれる。

10以上なら、好機

季節の移ろいのロールで10以上を出したなら、彼らは「興味深い知らせ」か「貴重な洞察」か「交易の機会」を選んでいるはずだ。

3つの選択肢はどれも好機を表す。

好機は次の両方を満たすべきだ……

  • PCを集落の外へ出すために、外部にあること。だが同時に……
  • 近くにあること。ストーントップから数日以内で、そこそこの量の食料で行って帰ってこられること。

「興味深い知らせ」を選んだなら、次から選ぶ(あるいはプレイヤーに選ばせる):

  • 集落の改良とその必要条件のひとつ。あるいは……
  • プレイヤーが自己紹介で確立したほかの目標(謎を解く、財宝を見つける、アルカナムを使いこなすなど)。

さて、その必要条件や目標を手の届くところに置く何かと、PCがその好機をどうやって知りうるかを考えよう。


ヴァヒドは「小川の利用」の改良を熱心に目指している。考えられる必要条件のひとつは、水を坂の上へ流す方法を発明することだ。もし彼が季節の移ろいで10以上を出して「興味深い知らせ」を選んでいたら、好機をそれに結びつけていたかもしれない。

何がそれを手の届くところに置くだろう? そうだ、廃塔(the Ruined Tower)には古い配管と地下の貯水槽がたくさんある。ヴァヒドはそれを調べて、ポンプの作り方を学べるかもしれない。どうやってそれを耳にする? 怪しげな宝探しが町に現れるのかもしれない。廃塔を探索して、配管が地面から水をくみ上げているのを見たというのだ! 報酬しだいで、ヴァヒドに見せてくれるという……


「貴重な洞察」を選んだなら、自己紹介で出てきた脅威をひとつ選ぶ。

特に目立つものがなければ、ロールしたプレイヤーに何がいちばん心配かを尋ねよう。

その脅威について考えよう。なぜ彼らはこれまでそれに何もしなかったのか? どんな情報があれば対処できるのか(弱点、巣の場所、動機など)? PCが行動に移せる何かを選び、細部を埋め、それがどうやってPCに明かされうるかを考えよう。


自己紹介で出てきた明白な脅威はクリンウィンだった—彼らはほんの数週間前に町を襲い、その襲撃で町の若者が一人行方不明になった。

なぜクリンウィンに対して何もなされていないのか? まあ、彼らは大森林(the Great Wood)に住む、ずる賢く凶暴な生き物だ——追跡しようとするのは愚かなことだ。どんな情報があればPCは脅威に対処できる? 巣の場所だ! もしかしたら、ある狩人がクリンウィンを見つけ、勇敢にも巣まで追跡するかもしれない。


「交易の機会」を選んだなら、次のうち1つを選ぶ(あるいはプレイヤーに選ばせる):

  • 町全体の役に立つ、特別な品のリストにある何か(もう1頭の馬、ロバ2頭など)。
  • 強い象徴的価値のあるもの(アラティスの紋章を帯びた鋼の鎧一式など)。
  • 何らかの役に立つ小アルカナム、あるいは大アルカナムの秘密を解き明かす助けになるもの。
  • 珍しい素材で作られた日用品(暗黒の氷から彫り出した櫃など)。

さて、誰がそんなものを差し出せるのか? 見返りに何を求めるのか? そしてなぜ、ほかならぬストーントップにそれを差し出すのか?


ヴァヒドは、精神宝石の頭部となる精巧な兜を見つけたがっている。もし彼が10以上を出していたら、それを手に入れる好機を求めたかもしれない。ウストリナがそれを見つけ、ゴルディン鉱山(Gordin's Delve)の誰か、ヴァヒドがこの手のものに興味を持っていると知っている誰かに売ったのかもしれない。もちろん、その者はそれに大金を要求するだろうし、もっとありそうなのは、ヴァヒドにしかできない何かの奉仕を求めることだ……

7~9なら、脅威と恵み

7~9を出したなら、集落への脅威が現れる(あるいは悪化する)。だが彼らは季節の恵みもひとつ選んでいるはずだ。

最初の冒険の主な焦点は脅威になるが、それがどう現れるかは、彼らが選んだ季節の恵みの影響を受けるべきだ。

脅威を設計するときは、必ず次のようにしよう……

  • PCを集落の外へ出すために、外部にある。だが……
  • 近くにある。ストーントップから数日以内で、そこそこの量の物資で行って帰ってこられる。
  • ストーントップの問題である。村人を直接脅かし、ほかの誰も対処しないもの。そして
  • 急を要する。対処しなければ悪化するもの。

自己紹介で出てきた脅威か、(設定ガイドや、あなた自身の熱に浮かされた想像から)気に入った新しい何かを選ぼう。自問しよう。なぜこれが今、問題になったのか?

なぜ以前は問題でなかったのか、そして何が変わって問題になったのか? その理由を、自己紹介で出てきた細部のいくつかに結びつけるようにしよう。


自己紹介のとき、リアナの戦の物語は、ほんの数週間前のクリンウィンによる夜襲と、彼らが子どもたちを森へ引きずっていこうとした話だった。カラドックはウィンヴォルの面倒を見ているはずだったが、戦いで自分を「証明」しに行くためにウィンヴォルを一人にしてしまった。事態が落ち着いたとき、ウィンヴォルはいなくなっていた。捜索隊は何も見つけられなかった。それに加えて、リアナは何かがクリンウィンを駆り立て、より大胆に、より統率の取れたものにしているのではないかと心配している。クリンウィンが脅威になるのは明らかだ。

では、なぜクリンウィンは最近あれほど大胆になったのか? 私は、彼らがスウィン(大きく傲慢で、催眠術を使う、猿の頭の大蛇)の支配下に落ちたのだと考える。襲撃のあいだ、彼らはスウィンの「収集品」に加えるため、特定の特徴を持つ子どもたちをさらおうとしていた。スウィンは最近、町からそう遠くない古い造り手の遺跡に移り住んだ(あるいはそこから現れた?)。


脅威と、それがなぜ今問題になったのかを決めたら、それがどう現れ、どう提示するかを決めよう。プレイヤーが選んだ季節の恵みを指針にしよう。

「興味深い知らせ」を選んだなら、目標か集落の改良へ向けた一歩(10以上の項を参照)を選び、それを脅威に結びつける。好機を追ううちに脅威を知るのかもしれないし、好機が脅威の直接の結果なのかもしれない。

自己紹介のとき、ブロドウェンは森の民(Forest Folk)がどこへ行ったのかを突き止めることに興味を示した。彼らの古い野営地——たとえば彼らが捨て、今はスウィンの住みかになっている造り手の遺跡——を探索すれば、それについて知ることができるかもしれない。もしヴァヒドが「興味深い知らせ」を選んでいたら、ある狩人が遺跡に行き当たって森の民の印に気づき——それからクリンウィンに追われながら、その知らせを持ってストーントップへ逃げ帰るのかもしれない。


「貴重な洞察」を選んだなら、脅威が姿を現すか悪化するが、それへの対処法やその原因について何か役に立つことを明かす形で起こる。


もしヴァヒドがこの選択肢を選んでいたら、クリンウィンはさらに大胆になり、ついには昼間に襲ってきて、小川から子どもたちを引きずっていこうとするかもしれない。そして子どもたちの親が彼らを撃退し、クリンウィンを1匹捕まえるかもしれない——PCに、彼らが何を求めているのか、どこに住んでいるのか、何が彼らを駆り立てているのかを知る機会を与えるのだ。


「思いがけない恵み」を選んだなら、その恵みを集める過程で脅威が明らかになるべきだ。村人(あるいは彼らが取引する誰か)を脅威の通り道に置くような恵み——交易、豊富な獲物、森で見つかる貴重品など——を選ぼう。


クリンウィンがいるにもかかわらず村人を森へ誘い出す恵みが必要だ。私は、春が暖かく早く訪れ、獲物が豊富で、罠猟師たちが罠を仕掛けて毛皮と肉を集めるのに忙しいことにする。罠猟師の一人がクリンウィンにさらわれるのかもしれない。


「交易の機会」を選んだなら、脅威の影響を受けるか、ストーントップへ旅する途中で脅威に気づく近隣の共同体を特定する。取引を持ちかけるのはこの隣人だ。PCが欲しがる、彼らの持っている何かを選ぼう。できれば、隣人の申し出を脅威に結びつけるようにしよう。そうでなければ、交易の一行が取引をしながら脅威について知らせるだけでよい。


クリンウィン(とその主人のスウィン)は大森林に住んでいて、彼らに出くわしうる「隣人」はフェイか、野の精霊や獣だけだ。ブロドウェンは精霊や獣と話せるが、彼らが交易で欲しがりそうなものは思いつかない。だがフェイなら……フェイはしょっちゅう取引をする。もしヴァヒドがこの選択肢を選んでいたら、スウィンがスプリガンから何かを盗み、スプリガンはそれを取り戻したがっている、ということにできる。スプリガンはPCに申し出をしてくるかもしれない—造り手の遺跡から失われた品を取り戻してくれたら、フュルニグの強壮薬1瓶か、真実の種の作り方の秘密と交換しよう、と。


あるいは、プレイヤーに手に入れたい高価な(価値3の)特別な品を選ばせよう。それを提供できる隣人を選ぶ。ただし、その隣人が見返りに求めるのは、村人を脅威の通り道に置く何かだ。

フェイを登場させたくなければ、プレイヤーに価値3の品を選ぶよう頼めばいい。彼らがラバを選んだとしよう。マーシュエッジ(Marshedge)の商人が、大森林の竜の羽根と引き換えに喜んでラバを2頭提供してくれる—リアナの狩人たちなら手に入れられるが、そうするとクリンウィン(とスウィン)の縄張りに入ることになる。


「トルの祝福」を選んだなら、好天を口実にして村人を脅威の通り道に置こう。


もしヴァヒドがトルの祝福を選んでいたら、若い恋人たちが早春の逢い引きのためにある晩こっそり古き壁(the Old Wall)へ抜け出す、ということにできる。クリンウィンが彼らに襲いかかり、一人を森へ引きずっていくかもしれない!


「人口の急増」を選んだなら、脅威を新たな到着者か、最近成人した1人以上の若者に結びつけよう。


もしヴァヒドがこの選択肢を選んでいたら、カラドックの同年代の若者たちが自分たちで行方不明の子どもたちを探しに行き、スウィンそのものとクリンウィンの手下に出くわす、ということにできる。1人か2人の若者がスウィンの支配下に落ち、ほかの者たちは傷を負い、動揺して村に戻ってくるのだ。


6以下なら、脅威がはびこる

事態は悪い状態で始まり、さらに悪くなっていく。

自己紹介で出てきた脅威から始めよう。脅威が確立されていないか、どれも差し迫っていない、あるいは十分に悪く感じられないなら、地誌から何かを選ぶか、何かをでっち上げよう。

複数の脅威が確立されている、あるいはさらに案があるなら、冒険の中心となる主な脅威をひとつ選ぼう。ほかの脅威は手触りと切迫感と破滅の予感(脅威がはびこる!)を加えるのに使うが、たいていは背景でくすぶらせておこう。

主な脅威を設計するときは、必ず次のようにしよう……

  • PCを集落の外へ出すために、外部にある。だが……
  • 近くにある。ストーントップから数日以内で、そこそこの量の物資で行って帰ってこられる。
  • ストーントップの問題である。村人を直接脅かし、ほかの誰も対処しないもの。そして
  • 急を要する。対処しなければ悪化するもの。

自問しよう。脅威は何を望んでいるのか?

なぜその脅威はストーントップにとってそれほどの問題なのか? 以前は問題でなかったのに、なぜ今問題になったのか?

何が変わったのか? 答えを自己紹介で出てきた細部に結びつけるようにしよう。

次に、脅威がすでにどう現れ、町にどう影響したかを考えよう。

脅威が自己紹介で確立されたなら、確立された出来事以降に何が起きたか? 脅威が新しいものなら、最初はどう始まったのか? いずれにせよ、どれほど悪くなっているかを自問しよう。かなり悪くあるべきだ。細部はまだ気にしなくていい。それは導入のときにプレイヤーに尋ねる。

こうした最近の出来事——あるいは(投じたときの)フック——は、ほぼ確実に

災難に見舞われるを誘発し、村の命運を1減らす(+1から+0へ)。


クリンウィンが数週間前に町を襲い、ウィンヴォル(カラドックの甥)が行方不明になったことはすでに確立している。リアナは何かがクリンウィンを統率しているのではないかと心配していて、私はそれをスウィン(大きく傲慢で、催眠術を使う、猿の頭の大蛇)にすることにした。スウィンは最近、近くの造り手の遺跡に移り住んだ(あるいはそこから現れた?)。

スウィンは収集家なので、私はこう考える。クリンウィンは主人のために子どもたちを集めている。襲撃以来、捜索隊は子どもを見つけられず、自分たちも襲われた。捜索者のうち少なくとも1人が殺された。さらに襲撃が起き、大森林にいちばん近い家々が狙われた。罠猟師や狩人が襲われ、森へ出るのを拒んでいる。そして最近では、夜明け直前に集落からまた1人子どもがさらわれたことになる。


脅威を書き起こす

最初の冒険に脅威が関わるなら、脅威の章(277ページ)の指針を使って肉付けしよう。差し迫る破滅を考え出し、最初の不吉な前兆を最初の冒険のフックにしよう。

関連する脅威も書き起こすか、少なくとも脅威の種類と本能を割り当てよう。

自己紹介で見極めたほかの脅威のうち、この冒険と重なったり交差したり、単に手触りを加えたりしうるものについても考えよう。ほかに迫りくる危険はあるか?

町の中に、PCの問題を増やす個人、組織、苦難はあるか? それらも書き起こそう——少なくとも脅威の種類と本能は。


ヴァヒドは季節の移ろいで7~9を出し、私の中心となる脅威は、クリンウィンを駆り立てて子どもたちを盗ませているスウィンだ。私はそれを次のように書き起こす:

スウィンのサジュラ(悪漢)

本能:自尊心を満たすこと。

最近、町から約1日半のところにある、廃墟となった緑の君の墓に移り住んだ(なぜ???)。クリンウィンの巣をいくつか支配下に置き(烏合の衆、本能:欲しがること)、彼らに子どもを集めさせている。すでにウィンヴォル(カラドックの甥)ともう1人の子ども(誰???)を手に入れている。

O さらに子どもたちが行方不明になる

O (魅了された)子どもたちの一部が戻ってくる

O 子どもたちが従う者を募る

O 正体を現し、隷従を要求する

O 差し迫る破滅:町を支配し、反対する者を殺すか魅了する

賭けられているもの:ウィンヴォルの両親は

カラドックを許すか? 誰がサジュラの支配下に落ちるか? サジュラの支配下に置かれた盗まれた子どもたちはどうなるのか?

クリンウィン自体も脅威で、烏合の衆だ(本能:欲しがること)。だがこれ以上は詳しくしない。本当の脅威はスウィンなのだ。


フックを練り上げる

冒険の中心となる好機か脅威を見極めた。最初の季節の移ろいのムーブの結果に基づいて、その脅威がどう現れるかもある程度わかっている。

さて、細部を固めよう。具体的に何が起こるのか? いつ起こるのか?

どこで? 誰が関わるのか? 誰がそれを目撃し、何を報告するのか? まだあまり具体的にしなくていいが、大まかにはこれらの質問に答えられるべきだ。

フックを練り上げるときは、必ず次のようにしよう……

  • 行動に移せる。PCが実際にそれについて何かをする機会を与え、最初に取るべき明白な一歩を示唆する。
  • PC全員を巻き込む。全員にそれに反応し、意見を出す機会を与える。そして
  • 切迫感を伝える。PCがただ手をこまねいていれば、何か悪いことが起こる、そして/または好機が失われることをはっきりさせる。

フックの細部は、尋ねる必要のある導入の質問や、最初の場面をいつどこで組み立てるかを見極める助けになる。


ヴァヒドは最初の季節の移ろいのムーブで7~9を出し、「思いがけない恵み」を選んだ。私は、春が暖かく早く訪れ、小さな獲物が豊富だということにした。罠猟師たちはクリンウィンの脅威にもかかわらず、森を忙しく行き来している。その罠猟師の一人がクリンウィンにさらわれることになる。

だが待てよ……それだけでは行動に移せない。それに、クリンウィンは子どもたちをさらっている。なぜ一人前の大人の罠猟師をつかまえる?

そうだ! 罠猟師をつかまえるのではなく、その息子(父親と一緒に罠を見回っている)をさらうのだ。罠猟師の息子はほかの子どもより大きく、罠猟師はクリンウィンの1匹を刺して、PCに追える跡を残す。これなら行動に移せる!

罠猟師に何かの合図の笛を使わせて助けを呼び、PCを襲撃の現場へ引き寄せることも考える。だがそれは却下する。リアナと部隊が助けに駆けつけ、ほかの皆を村に置き去りにするのがあまりにも簡単になってしまうからだ。

いや、罠猟師は助けを求めて叫びながら町へ駆け戻ってくることにしよう。そうすればPC全員に関わる機会ができる。そしてこれはすべて朝に起こるので、明るいうちに少年を追跡する機会がある。すばやく行動すれば、彼を救えるかもしれない!


導入の質問

最初の場面を設定する前に、含みのある質問をたくさんしよう。ここでの目標は:

  • 重要な細部を確立する
  • 関係する設定の要素を際立たせる
  • 伏線を張る
  • 物事を個人的なものにする

時間があれば、準備の一部としてこれらの質問を書き留めておこう。今は鉛筆で書くこと! 進めながら何度か書き直すことになるだろう。

質問の一部の代わりに、あるいはそれに加えて、「ラブレター」を1~2通書くことになるかもしれない。

重要な細部を確立する

プレイを始める前に、どんな細部を確立しておく必要があるか? フックが筋の通ったものになるには、何が真実である必要があるか? そうしたことを考えると、どんな明白な疑問が浮かぶか? それらを確立する誘導的な質問をしよう。ただし同時に、プレイヤーにいくらか創造の主導権を与えること。

なぜそうするのか? 真実である必要があることを、ただプレイヤーに告げればいいのでは?

主な理由は、そのほうが双方向的だからだ。誰かに質問について考えさせ答えを作らせると、その人は質問の細部をより深く処理する。質問がかなり日常的で取るに足らないことについてであっても、それは変わらない。答えることで、皆で作っている世界に関わりやすくなり、その世界への当事者意識も少し高まる。

それに、プレイヤーはあなたが決して思いつかない細部を考え出す。予想外のものを思いつかなかったとしても、あなたではなく彼らが考え出したという事実が、全体に本物らしい手触りを与える。世界がより現実的に感じられ、一人の人間がでっち上げているものらしさが薄れるのだ。


私のフックは、春が暖かく早く訪れ、罠猟師たちが森に出て獲物を捕っていることを前提にしている。そこから次の質問が生まれる:

  • 前回、春がこれほど早く、これほど暖かく訪れたのはいつか?
  • 罠猟師たちが忙しく捕っているのはどんな獲物か?

最近クリンウィンは盛んに襲撃しているので、罠猟師たちが少なくともいくらかは安全だと感じられる何かがあるはずだと思う。そこから次の質問が生まれる:

  • 罠猟師たちはどうやってクリンウィンを寄せつけないのか? それは本当に効くと思うか?

最後に、私の中心となる脅威はスウィンで、クリンウィンはそのために子どもたちを集めている。ウィンヴォル(カラドックの甥)が前回のクリンウィンの襲撃で行方不明になったことはわかっているが、「集めている」というからには、もっと一定の型があることになる。以前にも行方不明になった子どもがいて、村はその子の捜索をあきらめたに違いない。その細部を確立するために、私はこう尋ねる:

  • クリンウィンの夜襲の数週間前に森で行方不明になった若者は誰か?
  • なぜあなたたちは皆、彼女の捜索をあきらめたのか?

設定の要素を際立たせる

次に、フックで大きな役割を果たす、あるいはフックへのPCの反応に直接影響するような、独特の設定の要素(造り手、街道の結界、蒼ざめた狩人、広く行き渡った水への恐れなど)を特定しよう。そうした要素それぞれについて質問を書き、プレイヤーがよく知っているものになるようにしよう。


クリンウィンはストーントップ独特の設定の要素で、明らかにここで大きな役割を果たす。自己紹介で何度も出てきたが、クリンウィンについての「常識」的な細部のいくつか——子どもほどの大きさで、樹上に住み、木の上の紙のような大きな巣に住み、音をまねること——はまだ出てきていない。だから、そのいくつかについて尋ねるのはいい考えかもしれない。私は次の質問を書き留める:

  • クリンウィンの襲撃のあと、彼らの小さく毛のない、子どものような体のどんな特徴がいちばん不気味だったか?
  • クリンウィンが森の樹冠をすばやく移動するのを見たとき、彼らはどんな自然の生き物にいちばん似ていたか?
  • クリンウィンに森へおびき出されたときのことを覚えているか? あなたが後を追ってしまったのは、彼らが誰の声をまねていたからか?

きっと出てくるとは思うが、フックそのものには直接関係しない設定の要素があるなら……まだそれについて尋ねてはならない。プレイ中にその設定の要素に出会うか、少なくともそれがほのめかされるまで、質問するのは待とう。


さらに考えてみると、「クリンウィンは音や声をまねる」という件は、フックにも、フックへのPCの反応にも関係ない。その質問は外すことにする。

同様に、スウィンがミイラ化した緑の君の墓に隠れていることはわかっているので、緑の君や森の中の彼らの遺跡について質問することも考える。だが考え直すと、それはまだ関係ない——それに、それについて尋ねるのは筋が通らないだろう。


伏線を張る

伏線を張りたいもの——脅威、動機、結果、発見など——がないか自問しよう。あまり露骨にならずに、その方向を指し示す質問を1つか2つ書こう。

伏線の質問は難しい! さりげなくする方法が思いつかなければ、伏線は省いてしまおう!


スウィンは子どもたちを集めているんだよね? それをほのめかしたい。だからこの子どもたちには何か共通点、スウィンの収集品にふさわしいとされる何かがあってほしい。とはいえ、それが何かは特にこだわらないので、それを質問にする(襲撃の前に行方不明になった少女について)

  • この少女には、ウィンヴォルやクリンウィンがさらおうとしたほかの子どもたちと、どんな共通点があったか?

スウィンそのものもほのめかしたいが、「そう、スウィンが黒幕だ」とばればれにならずにそれについて尋ねる方法が思いつかない。だからそれは外す。


物事を個人的なものにする

プレイヤー全員が関われるよう、各キャラクターに質問しよう。それぞれに尋ねる質問の数の釣り合いを取るようにしよう。偏りがあるなら、あるキャラクターに、別のキャラクターの答えや過去の振る舞いについてどう思うかを尋ねてみよう——遠慮なく、たっぷり含みを持たせていい。

たとえば:「ヴァヒド、最初に行方不明になった少女の捜索を

リアナが打ち切ったのは間違いだったと、なぜ思う?」

前もって質問を準備するときは、書いた質問をひとつずつ見直して個人的なものにしよう。各質問を誰に尋ねるかを決める。キャラクターの視点から筋が通るように、各質問を微調整する(覚えておこう:これらの質問はプレイヤーではなくキャラクターに向けるものだ)。そのキャラクターに現れ始めたテーマを活かそう。キャラクターが直接関わっていることを前提とするような尋ね方をしよう。あるいは、キャラクターが知っていることではなく、信じていることや聞いたことをプレイヤーに語らせるような形で質問を組み立てよう。

要は、出発時の状況全体をキャラクターに直接関わるものにし、動機と個人的な利害を与えることだ。これらの質問がうまくいけば、プレイヤーはほとんど促さなくてもあなたのフックに食いつく。

質問を見直すときは、それを尋ねる順番も考えよう。

これには本当に技術が要り、厳密な決まりはない。一般には時系列に沿おう。より過去に起きたことを先に尋ね、それからより最近起きていること(あるいはまだ続いていること)を尋ねる。削ることも恐れてはならない! ある質問をいつ尋ねればいいかわからないなら、それが本当に必要か自問しよう!


まずは行方不明の少女、襲撃の前にさらわれた子について尋ねたい。カラドックなら彼女に共感すると思うので、この質問は彼に回す。こうなる:

  • カラドック、あのクリンウィンの夜襲の数週間前に行方不明になった少女は誰だった? なぜ彼女は晩冬に一人で森にいた?」

次に、なぜ少女の捜索をやめたのかをリアナに尋ねる。彼女は統率者で、部隊は皆森の者だからだ。捜索をやめたのは彼女の決定だったことにし、罪悪感でナイフをねじ込むよう調整する:

  • リアナ、この少女の捜索を手ぶらのまま打ち切ったのはなぜだ? なぜ彼女の両親はいまだにあなたを責めている?」

次の論理的な質問は、この行方不明の少女とウィンヴォルの共通点についてだろう。ヴァヒドの賢さと秘密主義を活かす機会に思える。彼が突き止めたが、ほかの皆にはまだ話していないかもしれないこととして言い回す:

  • ヴァヒド、君はこの少女が、ウィンヴォルや、クリンウィンがさらおうとしたほかの子どもたちと、ある特徴を共有していることに気づいた。その共通の特徴とは何だ?」

時系列で次に来るのは、死んだクリンウィンについての質問だ。自然なものと不自然なものとのつながりを考えて、これはブロドウェンに尋ねたい。自己紹介で彼女に現れた「心優しい」というテーマを活かすよう、少しだけ調整する。こうなる:

  • ブロドウェン、クリンウィンの襲撃のあと、彼らの小さく毛のない、子どものような体を調べたとき……どんな不自然な特徴がそれほど痛ましく思えた?」

クリンウィンについてのもうひとつの質問(木々の間をどう移動するか)を今尋ねることもできるが、あまりしっくりこないし、正直、考えれば考えるほど入れたくなくなる。削ることにする!

早い春と豊富な獲物についてはやはり尋ねたい。これはブロドウェンを選ぶが、彼女はとても若いので、ほかの人が何を言い、何をしているかを尋ねる形に言い換える。2つをまとめもする:

  • ブロドウェン、最長老のセレンは、前回これほど暖かく早い春が来たのはいつだと言っている? 罠猟師たちがあんなに森で過ごすほど、特に豊富なのはどんな獲物だ?」

罠猟師がクリンウィンを寄せつけない方法についての質問は、リアナと部隊が森で過ごす時間の長さからして、彼女が知っていそうなことに思える。だがヴァヒドを巻き込み、彼の物知りぶりと、彼とリアナの間でくすぶる緊張を活かすのもいい。そこで質問を次のように分ける:

  • リアナ、森を行き来する者たち——あなたや部隊のような——がクリンウィンを遠ざけるためにいつも身につけているものは何だ?」
  • 「ヴァヒド、なぜ君はこのクリンウィン除けのお守りの効き目を疑っている?」

よし! いい感じだが、カラドックにもう1つ回したい。これで希望と切迫感を促そう:

  • カラドック、なぜ君は行方不明の子どもたちが生きていると確信している?」

これらの質問に添えて、「ラブレター」を1通以上書くことを考えよう。

そうしたラブレターはそれぞれ……

  • 特定のPCに宛てる
  • そのPCが経験した(あるいはまだ経験している)何らかの経験を確立する
  • その経験について何かを描写するよう求める
  • ロールをさせ、その結果に基づいてプレイヤーに与える……
  • 出発時の状況への洞察や影響力、そして/または……
  • 来たる冒険で使える何らかの資源

老婆セレンは森の不自然な生き物の話を数えきれないほど聞かせてくれた。だが最近、親愛なるブロドウェン、彼女は子どもをさらうものの話をよく持ち出す。たとえば:

* フェイ。白い子ヤギたち(永遠の酒宴の徒)、暁の紅(崇拝を求める者)、ソロウおばさん(無垢な者を「守る」者)など* グラスブレン。見目麗しい人間を魅了することで知られる美しい木の精霊

* スウィン。猿のような顔、催眠の目、魅惑の声を持つ大蛇

* フォモライ(Fomoraij)。彼女がかろうじてささやくだけの、大地に潜む太古の悪 セレン婆さんは長々と話すし、同じ話を二度同じように語ることはめったにない。だから、あなたがどれだけちゃんと聞いていたか見てみよう。+INTでロールせよ。10以上なら、物語2をホールドする。7~9なら、物語1をホールドする。

物語を1消費してセレンの話の名前をひとつ告げたとき、上に挙げた生き物の1つについてGMに質問せよ。GMはその話から明らかになる、何か興味深く、役に立つ、6以下なら、物語1をホールドするが、それを消費したとき、GMはその話の2つの版を告げる。関係のあることを告げる。

食い違う情報を含み、そのうち1つだけが真実だ。

愛をこめて——あなたのGMより

ラブレター

ラブレターはインデックスカードに書くか、プレイ前に印刷するか、オンラインでプレイヤーに送ろう。導入のうち適切なところで、プレイヤーに声に出して読ませよう。


スウィンの伏線を張りたいが、直接尋ねるのは露骨すぎる。代わりに、ブロドウェンにこのラブレターを書く。これで何人かの容疑者(スウィンを含む)が確立され、彼女にはプレイ中にもっと知る選択肢が与えられる。


詳しい指針についてはラブレターの書き方(568ページ)を参照。

場面を設定する

導入の質問に答えが出たら、ストーントップでプレイを始めよう。目標は日常の暮らしがどんなものかを確立し、そのただ中にフックを投じられるようにすることだ。

フックから逆算しよう。フックは一日のいつ起こるのか? 町では何が起きていてほしいか?

フックはどこで投じられるのか? そのときPCはどこにいるべきか?

そのすべてを支える場面を組み立てよう。プレイヤーに時刻、何が起きているか、天気はどうかを告げる。村の中かそのすぐ外の特定の場所にズームインする。場所を指定するか、PCにどこにいるかを尋ねよう。

次に、細部を確立し日常の暮らしを掘り下げる質問をしよう。何をしている? 誰と一緒にいる? 何を食べている? 何を楽しみにしている? 誰の目に留まりたい? できれば、導入を補強する、そして/またはフックの伏線となる質問を織り込もう。「前回のクリンウィンの襲撃で失われた、ここで痛感される何かとは?」といった具合だ。

場面が設定できたら、しばらく故郷のムーブを行い、PCがどう反応するかを見よう。これらのGMムーブについては故郷の章(483ページ)で詳しく論じているが、今は次のリストをもとにしよう:

  • 興味深い人物を登場させる
  • くすぶる緊張を明かす
  • 欲求や必要を提示する
  • ほかの者が本当はどう感じているかを見せる
  • 彼らの気持ちを引き出す
  • 関係を変える
  • 彼らの望みに逆らう
  • 彼らの義務を思い出させる
  • 対立や危機を始める
  • 彼らを互いに対立させる 深刻な対立や劇的な暴露は避けよう。

PCが配偶者としょっちゅう言い争うなら、そうさせてもかまわないが、たとえば配偶者が浮気していたという事実をいきなり突きつけてはならない! あなたは日常の暮らし(日常のいざこざも含めて)を確立しているのであって、火をつけているのではない。まだ。

準備として、次のことを書き留めておこう:

  • 場面を描写する1~2文。
  • 尋ねるつもりの質問。
  • 行うつもりの故郷のムーブと、役に立ちそうな細部。

言ったり尋ねたりすることはこれだけではないし、必要に応じて調整してかまわないが、しっかりした出発点になる。


罠猟師は朝によろめきながら町に戻ってくるべきだ。そうすればPCは日の光の下で動ける。罠猟師と息子は夜明けとともに出発し、襲撃はその2時間ほど後に起きただろう。だから罠猟師が町に戻るのは午前の半ばだ。そこで場面を設定しよう:

「午前の半ばだ。農夫たちは畑を耕し、人々はそれぞれの仕事にいそしんでいる。今日もよく晴れた日で、まだ涼しいが、暖かくなりそうだ」

「思いがけない恵み」を活かすため、カラドックにズームインする——彼は皮なめし職人の弟子だ。

「カラドック、君は仕事中で、あたり一面に皮と毛皮がある。

  • 「今朝、ソーウィルは君にどんな嫌な仕事をさせている?
  • 「罠猟師たちが持ち込む仕事が山ほどあることを、喜んでいる? それともうんざりしている?
  • 「血や臓物や有毒な臭気は別として、この仕事でいちばん嫌なのは何だ?」

ここでいくつかムーブを行い、ソーウィルとのやり取りを演じるかもしれない。その場の勢いでやろう。


次に、ほかのPCに次のことを尋ねる:

  • 「今朝、君たちはそれぞれどこにいる? どんな仕事や雑用をしている?」
  • 「誰と一緒にいて、何を話している?」
  • あたりを見回すと、それぞれ何千回も見てきた何が見える?」
  • 「行方不明の子どもたちと最近のクリンウィンの襲撃を思い出させる誰か、あるいは何に出会う?」

彼らの答えに基づいて追加の質問をし、即興するが、次のGMムーブは必ず行いたい:

義務を思い出させる:テグウェン(ブロドウェンの母)が、何かの日常の用事をやっていないと彼女に小言を言う。

互いに対立させる:リアナの副官エイラが、ヴァヒドに気味悪くつきまとわれていると彼女に訴える。

挑発的な質問をする::

  • 「クリンウィンに森へおびき出されたときのことを覚えているか? 君が後を追ってしまったのは、彼らが誰の声をまねていたからだ?」

フックを投じる

最初の場面が設定できたら、フックを投じる時だ。冒険の核となる脅威や好機を持ち込み、PCに行動を促すGMムーブを行おう。

フックを投じたあとも質問を続けられるし、続けるべきだ。フックを十分に魅力的なものにするために、そうした質問が必要になることもある。とはいえ、質問はキャラクターがすでに答えを知っているはずのこと(「ゴーラスとはどういう関係だ? なぜ皆は彼をすぐに相手にしなくなる?」)に限り、プレイヤーにまったく新しい要素を考え出させる(「クリンウィンの巣のことをぶつぶつ言いながら飛び込んでくるのは誰?」)のは避けよう。

準備として、行うつもりのムーブとそれがどう現れるか、それに尋ねるつもりの質問を書き留めよう。これまで頭の中であいまいだった具体的なことを考え出す必要があるかもしれない。正確には誰が、クリンウィンの巣の知らせを持って飛び込んできたのか? なぜPCは彼を信用すべきなのか?

彼は正確に何を見たのか? これらを今決めるか、プレイ中にキャラクターに答えを尋ねると決めておこう。

この準備はどれも確定ではない! 導入と最初の場面で確立した細部に基づいて、適応し即興する必要がしばしばある。柔軟でいよう!

反応

フックを投じたら、皆の反応を掘り下げる時だ。フックが魅力的なら、PCはおそらく事態に対処しに出かける。だが準備を整える前に(あるいは整えながら)、ほかの者たちがフックとPCの予定している行動にどう反応するかを見せよう。

これはPCと関係のあるNPCについて考えるのに絶好の機会だ。用心棒の配偶者は、彼がまた現地へ出かけることにどう反応する? 英雄志願の父親は何と言う? 遠征を愚かだと思うのは誰? 一緒に来たがるのは誰? この部分では故郷のムーブを大いに頼りにしよう。

これはただNPCを見せるためにやっているのではない。PCがフックとNPCの両方にどう反応するかを見たいのだ。

PCがムーブを誘発するのに目を配ろう。特に説得する、洞察を求める、知識を

語る、そして危険に抗う(危険とは、誰かが気分を害する、嘘を信じてもらえない、など)だ。PCが誰の神経を逆なでし、誰が邪魔をし、誰が味方であることを明かすかをメモしておこう。そのうち何人かは、最初の冒険のあとで脅威になるだろう。

冒険を準備するときは、次のようなメモを書き留めておこう:

  • その場にいると思われるNPC。
  • 行うと思われるムーブと、それを行うのに使うと思われるNPC。
  • 尋ねるつもりの質問。

繰り返すが、どれも確定ではない! プレイ中の出来事に合わせて、必要に応じて適応しよう。


フックをどう投じるかを考え始めて、罠猟師とその息子に名前をつけていなかったことに気づく。今つけよう。集落プレイブックを手に取り、住人の欄に目を通す。新しいNPCをランダムに作ることもできるが、ブロドウェンが女神に愛され、自分が守る務めがあると言った若者プライダーが目に入る。完璧だ、彼を息子にしよう。父親にはラインアルという名前をつけ、住人のリストに加える。

さて、フックのためのムーブを計画し、具体的な細部を埋め始める。フックをPCにとってより個人的で動機づけになるものにするため、各ムーブで尋ねるかもしれない質問も考え始める。メモは最終的にこうなる:

厄介事を予告する:誰かが森の下のほうから叫んでいる。声は町に近づいてくる。

興味深い人物を登場させる:ラインアルだ。誰か、そうだな、モルウェンナ(カラドックの想い人)が、森から崖の小道を上る彼に手を貸している。彼はかろうじて立っていて、錯乱し、血まみれだ。

  • 「ブロドウェン、ラインアルはプライダーの父親で、罠猟師の一人だ。家族への献身以外で、彼のいちばん目立つ特徴は何だ?」

歓迎されない真実を明かす:プライダーはクリンウィンに引きずられていった。二人は今朝早く罠を見回りに出ていて、ある空き地ではぐれた。ラインアルはプライダーの叫び声を聞いた。プライダーがクリンウィンともみ合っているのを見つけたところで、彼自身も襲われた。ラインアルはクリンウィンを1匹刺したが、頭を殴られて気を失った。気がつくと、プライダーもクリンウィンもいなくなっていた。誰かに尋ねられたら:そう、プライダーはほかの行方不明の子どもたちと同じ特徴を持っている。

含みのある質問をする:「ヴァヒド、ラインアルがまだクリンウィン除けのお守りを身につけているのに気づく。何の役にも立たなかったのにね。何か言う?」

好機を差し出す:襲撃は1、2時間前に起きたばかりで、プライダーはさらわれたほかの子どもたちよりかなり大きい。クリンウィンは彼を引きずっていかなければならなかったはずで、かなり明白な跡が残っている。それに、ラインアルは1匹に傷を負わせた——血が滴っているはずだ。

  • リアナ、部隊でいちばん腕のいい追跡者は誰だ?」
  • ブロドウェン、いちばん鼻の利く猟犬は誰の犬だ? その嗅覚を貸してもらえそうか?」

フックは町のはずれ、森へ下りる小道の上で起こる。次のNPCがそこにいそうだ:

  • 当然、ラインアル
  • 崖の小道を上るラインアルに手を貸している、モルウェンナ(カラドックの想い人)
  • 寮母グウェンドル(ブロドウェンの師の一人で、村の治療師)もすぐにやってくる
  • 皮なめし職人のソーウィル(カラドックの親方)。皮なめし場はすぐそこだ
  • エイラ(リアナの副官で、ヴァヒドがひそかに見つめている)はおそらくリアナと話していて、たぶんついて来る

最初の場面にはこれで十分なNPCがいるが、次の者たちとのやり取りもあると予想している:

  • グレニス(カラドックの叔母で、ウィンヴォルの母)と、もう一人の行方不明の子どもの両親。
  • ブロドウェンのやや過干渉な母、テグウェン。

この人たちが行いそうなムーブのいくつかを考え始める:


欲求や必要を提示する:ラインアルは、ろくに立てもしないのに、すぐに捜索隊を集めて息子を救いに一緒に行くと言い張る。

人や計画の欠点を指摘する(グウェンドルのムーブのひとつ):グウェンドルは、そんなけがでラインアルがどこかへ行くなんてとんでもないと言い張る。襲われた場所への道順ならリアナたちに教えられるだろう、と。

ほかの者が本当はどう感じているかを見せる:カラドックが遠征に加わるつもりだと言えば、モルウェンナは彼に憧れのまなざしを向ける。

くすぶる緊張を明かす:グレニスはカラドックに当てこすりを言い、ウィンヴォルがさらわれたのは彼のせいだと責める(「もう十分やってくれたでしょう?」)。行方不明の少女の両親は恨みがましく、リアナに「今度はあきらめないでね」などと言う。

彼らの望みに逆らう:テグウェンはブロドウェンに行くことを禁じるが、そうする権限はない。

互いに対立させる:「リアナ、本当にブロドウェンとカラドックを連れていくつもり?

彼らがフックを無視したら

たいていの場合、PCはあなたのフックに食いつき、脅威に対処しに、そして/または好機をつかみに行く。だがそうしなかったら?

フックに従って行動するよう強制してはならない。

あらかじめ計画した物語へ彼らを導くのはあなたの仕事ではない。あなたの仕事は豊かで神秘的な世界を描き出し彼らの暮らしに冒険を差し挟み何が起こるかを確かめるために遊ぶことだ。キャラクターを演じるのはプレイヤーの仕事だ。それを彼らから取り上げてはならない。

何かがおかしいと感じたら——たとえばプレイヤーが途方に暮れたり、無力に振る舞ったり、気にかけていないように見えたりしたら——タイムアウトを取り、プレイヤーどうしとして確認しよう。選択肢を見極める手助けが必要なのかもしれない。関心や期待に食い違いがあって、話し合う必要があるのかもしれない。

だが同時に、フックが思ったほど魅力的でないだけかもしれない。プレイヤーが心から、危険に見合う報酬ではないと考えているのかもしれない。そのときはどうする?

休息期間(496ページ)に移ろう。PCが春の残りに何をするかを尋ねる。GMムーブを行ったりPCの行動を解決したりするために、必要に応じて、あるいは望むように場面を組み立てよう。時の流れを見せよう。

だがそうしながら、PCが何もしなかった結果を見せる場面を組み立て、GMムーブを行おう。フックを無視したことでプレイヤーを罰してはならないが、NPCと脅威は誠実に描写しよう。

PCが好機を見送った? よし、それでかまわない。だがNPCはどう反応する? 誰が動揺する? NPCが自分でそれを追いかけて、どんな厄介事に巻き込まれる?

PCが脅威を無視した? よし、それでかまわない。だが不吉な前兆を進め始めよう。

NPCの反応を見せよう。事態がそこまで至ったら、村を

災難に見舞わせよう。

やがて何かがPCを遠征へ駆り立てるか、さもなければ町で危機が勃発する(「次の冒険」、498ページを参照)。あるいは、これは自分たちに合うゲームではないと判断して、プレイをやめることになる。

最初の冒険を準備するときは、PCが何もしなかったら何が起こるかを考えよう。中心となる脅威があるなら、その不吉な前兆を大いに頼りにしよう。何もしなかった結果を見せるために行うムーブをいくつか書き留めておこう。


PCがプライダーを追わないなら、おそらく次のムーブを行う:

くすぶる緊張を明かす:町の人々がリアナを冷たくあしらう。彼女は部隊の何人かがエイラに不満を漏らしているのを耳にする。

欲求や必要を提示する:ラインアル、グレニス、ほかの親たちが、何か、何でもいいから手を打ってくれとリアナに懇願する。

脅威や危機を早める:また一人子どもが行方不明になる。町のはずれの家から盗まれたのだ。

彼らの望みに逆らう:ラインアルが子どもたちを探しに行く自警団をまとめる。

彼らを傷つける:自警団が襲われ、多くがクリンウィンに殺される。

不吉な前兆を進める:ウィンヴォルと行方不明の少女が町のはずれに現れる。汚れてやせ細っているが、奇妙な内なる喜びに輝いている。


出発

やがて、彼らは冒険に出かける!

たいていは次のように展開する。

準備

PCが出発して好機を追う、あるいは脅威に対処するつもりだと宣言したら、しばしば次のムーブが誘発される:

  • 進路を定める。どこへ行くつもりかを彼らが告げ、そこへ行くのに何が必要かをあなたが告げる。
  • 装備を整える。遠征のために「身支度」をする。
  • 徴発する。町の資産(馬や荷車など)を借りるかもしれない。

彼らがこれらのムーブを行うあいだ、適宜さまざまな故郷のムーブやほかのGMムーブを織り交ぜよう。たとえば、進路を定めるときに、出くわしうる危険について野伏に挑発的な質問をする。装備を整えるときに、旅のためにウイスキーを持たせてくれる酒場の主人のような興味深い人物を登場させる

PCは交易と物々交換、知識を

語る、洞察を求める、説得するを行うかもしれない。従者(460ページ)を募ったり、同行すると言い張る人々が現れたりするかもしれない。

留守中に町の人々に仕事を任せて力を合わせさせたり(536ページ)、町の防備を招集したり(534ページ)するかもしれない。

詳しくは遠征の章(301ページ)を参照。

準備を終えたら、彼らは脅威や好機へ向かう。そこであなたは……

  • 旅の区間と注目地点を提示し、環境と天候を描写する。
  • たくさん質問する。「この丘をとぼとぼ越えていくのでいちばんつらいのは何だ?」「古老たちはこの場所について何と言っている?」など。
  • GMムーブを行う。従者に厄介事を起こさせたり巻き込ませたり、道の選択肢を示したり、進路を定めたときに書き出した試練を提示したり、ほかの危険や発見を登場させたりする。
  • 「どうする?」と尋ねる。そして
  • PCの行動を解決する

GMムーブを行い、プレイヤーが自分たちのムーブを行うのに合わせてズームイン・ズームアウトしながら、必要なだけこれらを繰り返す。主な目標から気をそらす何かに出くわすかもしれないし、道に迷わせる何かや、ひどく痛めつけられて引き返し、敗れて故郷へ戻るような何かに出くわすかもしれない。あるいはすんなりと目的地にたどり着くかもしれない。どれでも構わない!

旅(とそのためにできる準備)については遠征の章で詳しく説明している(301ページを参照)。

決着

やがて、おそらく、PCは目的地に着いて、脅威に対処するか好機をつかもうとする。

あなたは行動にズームインし、状況を描写し、GMムーブを行う。PCは応じてムーブを誘発する。何が起こるかを皆で一緒に確かめよう。

冒険を準備するときは、決着に登場すると予想される遺跡、危険、発見を書き出そう。それぞれについて、価値があると思うだけ準備しよう。これらの準備の仕方の指針については、次の章を参照:

  • 遺跡(345ページ)
  • 危険(379ページ)
  • 発見(421ページ)
  • NPCと従者(449ページ)

事後処理

ある時点で、PCは切り上げて故郷へ帰ることにする。好機をつかんだか、脅威を退けたのかもしれない。そうでなく、機会を逃したか、疲れ果てて続けられないのかもしれない。これが事後処理だ。

事後処理のあいだ、PCはやり残したことを片づけて故郷へ帰る。あなたはメモ——特に脅威——を更新して世界がどう変わったかを反映し、PCが対処しなければならないかもしれない新たな問題を見極める。

冒険を準備するとき、事後処理のために準備できること——あるいは準備すべきこと——はあまりない。多くは冒険そのものの出来事しだいで、PCがいつ故郷へ向かうか、どんな未解決の糸口が残るか、どんな問題に対処することになるかなどを予測する方法はほとんどない。

たいていは、その場の成り行きでやることになる。

冒険の終わりに何をすべきかの指針については、遠征の章の「帰郷」の節(338ページ)と故郷の章(483ページ)を参照。