ゲームの運営

ロールプレイングゲームのGMのやり方は何十通りもある。Stonetopには独自の運営法がある。それがこれである。ゲームの他のすべては、このやり方の上に築かれている。

忘れないこと:ゲームは会話である

あなたが何かを言い、他のプレイヤーも何かを言う。互いに質問し、話に割り込み、言葉をかぶせ合う。ゲームのルールは特定の瞬間に働き出し、会話がどこへ向かうかを示す。

GMであるあなたは、この会話で特別な役割を担う。世界を描写し、何が起きるかを告げ、怪物とNPCを演じるのがあなたの仕事である。進行を助け、裁定を下す。意見を求める。場面を設定し、スポットライトを向ける。ゲームはGMであるあなたに大きな力を与える――そして大きな責任も。

あなたのアジェンダ

Stonetopを運営するときのあなたの目標は以下のとおりである:

  • 豊かで謎に満ちた世界を描く
  • キャラクターたちの暮らしに冒険の句読点を打つ
  • 何が起きるかを知るために遊ぶ

GMとしてあなたが言うこと、することはすべて、この三つの目標を支えるためのものであり、それ以外のためではない。たとえば、プレイヤーの腕前を試すことも、「公平な」戦闘を用意することも、キャラクターを罰することも、あなたのアジェンダではない

プレイヤーを支配したり、「あなたの」物語をあなたの思う方向へ無理に進めたりすることは、断じてあなたのアジェンダではない。迷ったら自問すること:今しようとしているこのことは、三つの目標のどれを支えるのか? 答えが「どれでもない」なら、それはしないこと。別のことをすること。

あなたの第一の目標は豊かで謎に満ちた世界を描くことである:生きて呼吸し、細部と人間味と奥行きに満ちた世界を。

日々の関心事――作物、交易、天候、隣人の意見――は大切である。幻想的な要素も大切だが、それらは奇妙で恐ろしく、よく理解されていない。過去は安らかに眠ってはいない。謎はいくらでもある。

あなたの第二の目標はキャラクターたちの暮らしに冒険の句読点を打つことである。PCたちには送るべき暮らしがあり、守るべき家があり、養うべき家族がいる。彼らの時間には求めるものが多い。

あなたの仕事はそうした事柄を意味あるものにすることだが、同時に、PCたちにしか対処できない(あるいはPCたちしか対処しようとしない)脅威や好機でそれを中断させることでもある。冒険はプレイヤーの時間の大半を占めるだろうが、キャラクターの時間の大半を占めるべきではない。

最後に、そして最も重要なのは、何が起きるかを知るために遊ぶことである。豊かで謎に満ちた世界を描き、PCたちが大切にするものを脅かしたり好機をちらつかせたりし、そこから物事がどう転ぶかを見るのがあなたの仕事である。計画は立てる。準備もする。だが、いったんプレイが始まったら、プレイヤーの導くところ、ダイスの導くところ、フィクションの導くところについていくのがあなたの仕事である。

その報酬はこれである:自然に、有機的に、魔法のように展開する物語に心から驚かされること。あなた一人では決して紡げなかった物語に。

基本の流れ

このゲームを運営するとき、あなたがするのはこれである。もちろんそれだけではないが、これがあなたとプレイヤーとの会話の根底にある構造である。

1)状況を確立する

  • 行動の枠を定める
  • 環境を描写する
  • 細部と具体的な事柄を伝える
  • 質問し、意見を求める
  • NPCと怪物を演じる
  • 質問に答え、明確にする

2)ソフトなGMムーブを行う

行動を促す、あるいは緊張を高める(またはその両方)。

3)「どうする?」と尋ねる

4)彼らの行動を解決する

  • プレイヤーのムーブが誘発されたら、ムーブの指示に従う。
  • 6以下を出したか、厄介事を無視したら、ハードなGMムーブを行う(悪い事態を確立する)。
  • それ以外なら、何が起きるかを告げる。

5)繰り返す

  • 状況は明確で、引きつけるものがあるか? PCたちは行動できるか? 手順3に戻る。
  • 状況は明確だが、PCたちが行動する前に悪化していくか? 手順2に戻る。
  • 状況は明確だが、ひと押しが必要か? 手順2に戻る。
  • 状況は不明確か? まとめ直しや更新が必要か? 手順1に戻る。
  • 現在の場面や状況は終わったか? まとめて、次を探す。手順1に戻る。

実際には、会話は流動的で、雑然としていて、混沌としている。ルールやフィクションの細部についての質問で中断される。プレイヤーたちは口を挟み、冗談を言い、選択肢を話し合い、キャラクターとして互いに場面を演じる。あなたはしばしば二つ以上の会話の「流れ」を同時に扱い、それぞれ別のことをしているキャラクターのプレイヤーの間を行き来することになる。

だが、そのすべての下にはこの構造、この流れがある。

途方に暮れて、次に何をすべきか、何を言うべきかわからなくなったら、自分がこの流れのどこにいるかを見極め、そこから進めること。

では、各手順を詳しく見ていこう。

1 状況を確立する

PCたちが置かれる状況を確立するのはあなたの仕事である。必要に応じて、以下のいずれか、あるいはすべてを、筋の通る順番で行うこと。

行動の枠を定める

誰が、どこで、いつかを定める。

一人以上のPCに向かって、彼らがどこにいるかを告げる(あるいは尋ねる)。他に誰がいるかを告げる(あるいは尋ねる)。それがいつ起きているかを告げる(あるいは尋ねる)(季節、時刻、前の場面や状況からどれだけ経ったか)。

環境を描写する

これまで「カメラに映って」いない場所なら、それがどんな場所かを告げる(あるいは尋ねる)。以前に見た場所なら、それがどう変わったか(変わっていれば)を告げる(あるいは尋ねる)。

異なる感覚からの強い印象を3つまで含める――雪の上の血の衝撃的な赤、炉で爆ぜる火、雨と濡れた土の匂い。

ときには感情的な印象(部屋の緊張、彼らの顔の悲しみ)や道徳的な印象(汚れて必死な物乞いと、身なりがよく満ち足りた郷士たちの対比)も含める。

重要なことに焦点を当てる。酒場にいるなら、そこにいる人々、喧騒、雰囲気に焦点を当てる。廃墟を探索しているなら、空間、足場、視覚、音に焦点を当てる。手短に、最初は3つの印象までにとどめる。与えすぎるとプレイヤーは上の空になるし、必要なところや欲しいところでは自分から詳しく尋ねてくる。求めるのは華美さではなく、鋭さと喚起力である。トールキンではなく、ヘミングウェイ。

細部と具体的な事柄を伝える

何が起きているかを告げる(あるいは尋ねる)。誰が何をしているか? 互いの位置関係はどうか? キャラクターたちには何が見え、聞こえ、感じ取れるか?

ここでも、重要なことに焦点を当てる。社交的な状況では人々に焦点を当てる:誰がいて、どんな様子で、どう振る舞っているか。廃墟を探索しているなら、環境に焦点を当てる。

アクションの場面では、地形と戦う者たち、その位置と勢いに焦点を当てる。

ときには本筋に関係ない細部も含める。

社交の場面では、食べ物の味や部屋の感じに触れる。戦闘の場面では、匂いや、敵が身につけている何かを放り込む。こうした余分な細部が、状況に本物の手触りを加えることがある。

地図、小道具、比喩を使って空間と位置関係を伝える。部屋を略図に描く。トークンやミープルを使う。現実の空間を引き合いに出す(「きみから見て、ボブがいるあたりに彼はいる」)。直喩と隠喩はあなたの味方である!

即興と準備

そう、あなたはこれらすべてをでっち上げている(あるいはプレイヤーにでっち上げてもらっている)。事前に準備をしたり(204ページ参照)、設定ガイドから引いてきたりはするが、プレイ中は具体的な事柄の多くを即興で作ることになる。

ある細部がいったん確立されたら、それがずっと前から真実だったかのように扱う。それを土台にし、膨らませる。つながりを探す。

自分に当然の問いを投げかけ、(おそらく当然の)答えを決める。それらすべてを織り合わせ、豊かで謎に満ちた世界にする。

質問する

細部をすべて自分で用意する必要はない。あなたの原則(192ページ)の一つは質問し、その答えを土台にすることである。キャラクターが知っていること、感じていること、経験したことについて尋ねて、プレイヤーを場面づくりに招き入れる。「カラドック、なめし場でいちばん強烈な匂いは何だ?」あるいは「ヴァヒド、きみは前にもこの池に来たことがある。

どんな様子だ? みんなに説明してくれ」

キャラクターが今まさに体験していることについても尋ねる。重要な細部をでっち上げさせるのではなく、テーマに合う細部を促す程度にする。

「リアンナ、この山賊のどんな特徴が目につく? ほかの連中と何が違う?」あるいは「ブロドウェン、ここの何がこの場所を居心地よく安全に感じさせる?」

彼らが何をしているか、何を企んでいるか、どう時間を過ごし、誰とつるんでいるか、などについて尋ねる。

遠征中なら、隊列を尋ねる。野営するなら、何を食べているか、野営地はどんな様子か、誰がどの見張りにつくか、などを尋ねる。

彼らが何を考え、何を感じているかを尋ねる。「ヴァヒド、何を考えている?」「リアンナ、今いちばん心配なことは何だ?」

NPCと怪物を演じる

ノンプレイヤーキャラクター(NPC)が関わっているなら、彼らを描写する。何をしているかを告げる。PCたちが彼らと関われば、NPCがどう応じるかを告げる。彼らの声で話し、彼らの言うことを言う。それが気後れするなら、あるいは単に話を早く進めたいなら、実際に台詞を言うかわりに、彼らの言うことを説明すればよい。

状況に怪物――獣、精霊、クリンウィンなど――が含まれるなら、それらも演じる。描写する:どれほど大きいか、どう動くか、どんな音や匂いがするか。何をするか、何に気を向けているかを告げる。PCたちにどう反応するかを告げる。

質問に答え、明確にする

プレイヤーはあなたの話を遮って質問してくる。真実と細部を正直に、惜しみなく伝えること。答えがPCたちにとって明らかでないなら、そう言い、それを突き止めるには何が必要かを伝える。あなたの仕事は豊かで謎に満ちた世界を描くことであり、彼らに輪くぐりをさせてあなたの考えを当てさせることではない。

ときには、プレイヤーが状況を誤解していることを示すことを言う。「おれはそいつの脚の裏を切りつける」と狐が言うが、あなたはその暴力が酒場の反対側で起きていて、PCたちはそれを見ていると思い描いていた。そういうことが起きたら、プレイヤーと状況を明確にする。あなたがどう見ているかを説明し、同時に、自分の状況の捉え方を彼らのものに合わせる柔軟さも持つこと。

「え? いや、これは酒場の反対側で起きているんだ。きみがすぐそばにいたら、ここまで事態を放っておかなかっただろう?」

2 ソフトなGMムーブを行う

状況は明確か? よろしい。では、ソフトなGMムーブを行う――行動を促す、あるいは緊張を高める(またはその両方の)ことを言う。

GMムーブ(178ページ)から一つ選んで、それを行う。

行動を促すには:何か悪いことが起きようとしている、あるいは起きつつあると告げ、しかしPCたちにそれに対処する機会を与える。「きみの手がナイフの柄に触れたとたん、クリンウィンが『シャアアアッ』と飛びかかってくる。指がきみの喉を狙っている。どうする?」

好機を差し出すことや、選択肢を示して選ぶよう促すことでも行動を促せる。

「よし、そいつはきみの横を転がっていった。驚いていて、きみには一瞬の隙がある。背中に飛び乗って刺そうとしてもいい。あるいはそこから逃げ出してもいい。どうする?」

社交の場面では、NPCが何かを頼んだり要求したりするかもしれない。弱みや感情をさらけ出すことを言い、それからPCを見て、反応を待つかもしれない。

ソフトなムーブが常に行動を促すとは限らない。

ときには、ただ緊張を高めるだけである。

彼らの持ち物を消耗させたり、厄介事を予兆させたり、すぐには手を打てない形で場面に厄介事を加えたりする。「ここに降りてきてしばらく経つ。松明が尽きかけている」あるいは「また揺れが来る。天井から土がぱらぱらと落ちてくる。

どうする?」

3 「どうする?」

ソフトなGMムーブを行ったら、「どうする?」と尋ねる。これで会話がプレイヤーに戻り、彼らが何かを言うよう促される。

文字どおり「どうする?」と言う必要はない。あなたのムーブに質問が含まれていることもある。NPCを演じているなら、ムーブを行ってから、ただ期待するようにプレイヤーを見つめてもよい。だが、迷ったら尋ねること:「どうする?」

筋の通らないこと――不可能、無効、あるいは不合理だと思えること――を言ったら、そう伝える。フィクションを明確にする。それでも押し通そうとするなら、結果や必要条件を伝える。それでもやりたいかを尋ねる。

質問されたら答える。答えが明らかでないなら、必要条件を伝える。「少し調べ回って、洞察を求める必要があるな」そしてボールを彼らに返す:「どうする?」

割り込むプレイヤー

プレイヤーは、あなたが「どうする?」と尋ねる前に、あるいはソフトなGMムーブを行う前にさえ、主導権を握って行動を宣言するかもしれない。素晴らしい!

それは彼らが入り込んでいて、状況が行動したくなるほど引きつけるものだということである。そのまま彼らの行動の解決に移ってよい。

とはいえ、プレイヤーに会話を独占させないこと。ムーブを行っている最中なら、あるいは彼らが行動する前に何かが起きると思うなら、あるいは他の誰かに行動の機会を与えたいなら、ちょっと待てと伝えること!

4 彼らの行動を解決する

プレイヤーは自分のキャラクターが何をするかを言う。状況がどう変わるか、そして/あるいは、その行動が状況について何を明らかにするかを確立する。

プレイヤーのムーブを誘発したか? したなら、どれか? そのムーブを解決する。ムーブを誘発したか定かでない、あるいは解決する前にもっと情報が必要なら、質問する。彼らの意図や、どうやってそれをしようとしているかを明確にする。卓で話し合う。

プレイヤーがムーブを誘発したら、ムーブの手順に従う。ムーブによって得られる情報を明かす。プレイヤーと協力して、状況がどう変わったかを確立する。(詳しくはプレイヤーのムーブ、207ページを参照。)

プレイヤーのムーブによってフィクションに何かを加えるよう求められ、何を言えばいいかわからないときは、GMムーブに着想を求める(178ページ)。

ムーブを誘発して6以下を出したら、彼らはXPに印をつけ、あなたはハードなGMムーブを行う(ムーブに特に別の指示がない限り)。

プレイヤーのムーブを誘発しないことをしたなら、彼らは何が起きるかをあなたに委ねている。以前に警告した脅威や厄介事を無視したか? ならばハードなGMムーブを行う。

それ以外なら、何が起きて、それが状況をどう変えるかを告げる。単に「わかった」と言ってから、スポットライトを移す(175ページ)か、「それで、どうする?」と言えばよいこともある。

ハードなGMムーブ

PCが以下のときにハードなGMムーブを行う……

  • 脅威や厄介事を完全に無視した。あるいは
  • ムーブを誘発したが6以下を出した(そしてムーブに別の指示がない)。

ハードなGMムーブを行うとは、悪い事態を確立することである。PCの行動の結果を描写する。物事がどう悪い方へ転ぶかを告げる。状況を著しく悪化させる。リスト(178ページ)からGMムーブを選ぶか、単に当然の悪いことを言う。「おっと、5か。そいつは速すぎる!

ナイフが鞘から抜けきる前に、そいつがきみに飛びかかる。ドスン、ダメージを受けて仰向けに倒れる。鉤爪の一本がきみの喉に、もう一本がナイフを握る手首を押さえつけている。どうする?」

6以下が出たとき、ハードなムーブはPCの行動の失敗を伴うことが多い。どう失敗するか、そして/あるいは、どんな結果になるかを告げる(あるいは尋ねる)。だが、6以下は必ずしもPCの行動が失敗することを意味しない。悪い事態を確立するということである。彼らが事を成す前に何か悪いことが起きるのかもしれない。やろうとしたことはやり遂げたが、それが何か非常に悪いことを引き起こす(あるいは明らかにする)のかもしれない。悪い事態は彼らの行動と直接つながってさえいないかもしれない――単にそのすぐ後に続くだけかもしれない。

ハードなムーブは常に悪い事態を確立すべきだが、それがどれほど悪いかはあなたが決める。状況、フィクション、プレイヤーの行動の描写などをもとにハードなムーブを形づくる。ときには、ハードなムーブがソフトなものとたいして変わらないこともある。

5 繰り返す

PCの行動を解決した。状況は変わったか、さらに明らかになり、そこからプレイは雪だるま式に転がっていく。

状況が明確で、引きつけるものがあり、

一人以上のPCが行動できる位置にいるなら、すぐに手順3に戻り、「どうする?」と尋ねる。

状況は明確だが、PCたちが行動できる前に事態が悪化するなら、手順2に戻る。ソフトなGMムーブを行い、物事がどう変わっていくかを示す。

それから「どうする?」と尋ねる。

同様に、状況は明確だが停滞気味で、プレイヤーにひと押しが必要なら、手順2に戻る。ソフトなGMムーブを行い、「どうする?」と尋ねる。

状況が不明確なら、あるいはまとめ直しや更新が必要なら、手順1に戻る。状況を確立し直す。それからソフトなGMムーブを行い、「どうする?」と尋ねる。

現在の場面や状況が終わったなら、まとめに入る。段取り、記録、その他のメタゲーム的な事柄を片づける。

次の状況や場面を何にするか、プレイヤーと一緒に見極める。はっきりしないなら、はっきりするまで質問する。

手順1に戻る。(新しい)状況を確立し、ソフトなGMムーブを行い、「どうする?」と尋ねる。彼らの行動を解決する。

状況がどう変わるかを見る。繰り返す。

これがゲームの基本の流れである。

スポットライト

ゲームを遊ぶうちに、あなたは話しかける相手を刻一刻と変えていく。

今あなたが話しかけている相手がスポットライトの中にいる。

ときにはスポットライトを絞らず、グループ全体に話しかける。

多くの場合、一人のキャラクターだけに当てる。多くの行動が同時に起きているときは、個人とグループの間でスポットライトを行き来させる。

スポットライトの管理に正式な手順はない。スポットライトを移すいちばん自然なタイミングは、PCの行動を解決した後である。別のキャラクターに話しかけ、そのキャラクターに状況を描写する。そのキャラクターに向けてソフトなムーブを行う。そのキャラクターに「どうする?」と尋ねる。

とはいえ、筋が通るならいつでもスポットライトを移してよい。たとえば「どうする?」と尋ねて……

  • プレイヤーが固まったり言いよどんだりしたなら、別の誰かに移り、最初のプレイヤーに考える時間を与える。後で戻ってくる。あるいは……
  • PCが時間のかかることをするなら、別の誰かに移る。最初のPCがそれを終えるころ(あるいは何かに邪魔されるころ)に戻ってくる。あるいは……
  • ムーブを行ったが、どう解決すればいいか定かでないなら、別の誰かに移って考える時間を稼ぐ。最初のプレイヤーのムーブは後で戻って解決する。

スポットライトを使って、よい進行役になること。

全員を巻き込み続ける。誰もがしっかり出番を得て、貢献する機会を持てるようにする。

プレイヤーが互いに割り込んだり、口を挟んだり、キャラクターを「順番を無視して」行動させたりしてもかまわない。一部のムーブ(守り抜くなど)は、それをはっきり認めている!

とはいえ、はやりすぎたり押しが強すぎたりするプレイヤーを、丁寧だが断固とした注意で制することを恐れないこと。「アンドリュー、失礼だぞ。今はジェイミーと話している」

パーティを分ける

それは必ず起きる。PCたちは分かれる――意図的に、あるいはあなたが彼らを引き離す誰かを捕らえることで――そして今や二つの小さなグループができる。それでかまわない。パーティが分かれるのはとても楽しいことがある。

パーティが分かれるということは、複数の会話と場面を同時に扱うということである。映画の編集者が場面をばっさり切り替えるように、異なる場面の間でスポットライトを行き来させる。

一つのグループに長く留まりすぎないこと。

全員が他の場面で起きていることにも関わり、関心を持ち続けられるようにする。「行動」やプレイヤーのムーブのたびに場面を切り替えてもよいし、切り替えの間に会話の「流れ」を何度か解決してもよい。これにはリズムと技があり、場面の種類によって向いたやり方が違う。探索や対話には長めの切り替えが向いている。

緊張が高くアクションの激しい場面には、短く素早い切り替えと、たくさんの引きが向いている。

場面とゆるやかなプレイ

プレイ中、会話は自然と場面とゆるやかなプレイの間を行き来する。これは正式な区別ではなく、常に意識的なものでさえない。多くの場合、あなたは自然に、本能的に両者を行き来する。

場面はズームインしている。特定の時間、特定の場所にいる特定のキャラクターを描く。行動を一瞬一瞬追う。細部は豊富で具体的である。プレイヤーはキャラクターとして話し、あなたもNPCをキャラクターとして演じる。

あなたもプレイヤーも実際にキャラクターの声で話さないとしても、ズームインした詳細なレベルで会話を進めることに変わりはない。

場面では、PCたちがいる森の空き地、ほとばしる小川の音、熊が鼻をひくつかせ、耳を動かし、木立の縁に危険がないか見回す様子を描写するかもしれない。「リアンナ、まだ見つかってはいないと思う。どうする?」

場面は映画的で没入感があり、ときに緊迫し、しばしば興奮に満ちる。プレイヤーはキャラクターに入り込み、起きていることに本物の感情を抱くかもしれない。

よい場面には目的がある。この場面をこのキャラクターたちでこの場所に設定したのには理由があるはずだろう? PCたちは何を成し遂げようとしているのか? あなたは何を伝えようとしているのか? どんな問いの答えを得たいのか? どんな対立が解決されようとしているのか? 場面の目的がわかっていれば、細部や描写やGMムーブの焦点が定まる。そして場面の目的が見つからないなら、その場面は要らないのかもしれない!

場面の目的が果たされたら、あるいは場面が尻すぼみになったら、まとめに入る。

次の当然の場面へ移る(「きみたちは次の部屋に入り、目にするのは……」)か、ゆるやかなプレイに移る。

ゆるやかなプレイは場面と場面の間に起きるものである。基本の流れには従うが、ズームアウトしている。今ここで起きることを描写するかわりに、数分、数時間、数日、数週間の間に起きることを語る。要約し、圧縮し、些事を飛ばし、時間の流れをざっと流す。

キャラクターを演じるよりも、キャラクターについて語ることが多くなる。

ゆるやかなプレイでは、PCたちが大森林(the Great Wood)を進んでいく様子、人目を避けようとする静かな緊張、日が進むにつれてひどくなる暑さと刺す虫を描写するかもしれない。「カラドック、きみの心はずっと何のことに向かってしまう?」とか、「リアンナ、野営するまでどれくらい進むつもりだ?」といった質問をするかもしれない。

ゆるやかなプレイでもプレイヤーのムーブは働くが、ズームアウトした尺度で働く。日暮れまでに家に着くために一丸となって挑むかもしれないし、数日かけて新参者たちを観察して洞察を求めるかもしれない。

ゆるやかなプレイでは、時間は流動的になりがちである。

「よし、みんな出発して、昼には辻に着いた」「あ、そうだ。出発する前に、交易と物々交換でベンディスの根を手に入れていたことにしてもいい?」もちろんいいとも。

ゆるやかなプレイはよりくつろいでいて、緊張が少ない。

場面の合間に記録と段取りを片づける。メモを確認し、更新し、ランダムな発見(421ページ)を振ってもよい。メタな話し合いをする。キャラクターの計画や目標について話す(「おれたち、何をしようとしてたんだっけ?」)。プレイヤーに要望がないか確かめる(「アンドラスとの場面が欲しい」)。休憩を取り、現実の話をし、互いの仲間づきあいを楽しむ。

ゆるやかなプレイの間にはフィクション内の時間が多く流れる。特にPCたちが旅をしているときや、冒険の合間に家で過ごすときはそうである。だが、現実の時間の大半は場面に使いたい。場面中心のプレイのほうがはるかに生々しく、豊かで、刺激的である。ゆるやかなプレイを場面へと押し進める。次の場面が見えたらすぐにそれを設定し、詳細で一瞬一瞬のプレイにズームインし直す。

あなたのGMムーブ

GMムーブを行う時が来て、何を言えばいいかわからないときは、これらから一つ選んで行う。これがあなたの基本のGMムーブである

  • 厄介事を告げる(未来の、あるいは画面外の)
  • 歓迎されない真実を明かす
  • 挑発的な質問をする
  • 誰かを窮地に立たせる
  • 彼らの資源を消耗させる
  • 彼らのムーブを逆手に取る
  • 欠点を示す
  • 誰かを傷つける
  • 彼らを引き離す
  • 誰かを捕らえる
  • 好機を差し出す(代償の有無は問わない)
  • 結果や必要条件を伝える(そして尋ねる)
  • 迫りくる破滅へと進める これらは専門用語ではない。歓迎されない真実を明かすときは、ただそれをするだけである。キャラクターたちが真実でなければよかったと思う何かを、フィクションの中で確立する。誰かを傷つけるときは、誰かがどう傷つくかを告げる。

GMムーブはあなたに着想と力を与えるものであり、縛るものではない。何をすればいいかわからないとき、あるいはマンネリに陥って流れを変えたいときに使う。行うムーブがすべてこのリストのどれかに当てはまるかどうかを気に病まないこと。

ムーブを行う

状況が明確で、行動を先へ押し進めたいときはいつでも、ソフトなムーブを行う。PCたちに行動を促す、あるいは緊張を高める(またはその両方の)ことを言う。

ゲームの基本の流れの一部として、ソフトなムーブは常に行う。

PCたちが以前に確立した厄介事を無視したとき、あるいはプレイヤーのムーブで6以下を出したときは、ハードなGMムーブを行う。悪い事態を確立する。PCたちが望まないことを起こすか、PCたちが望むことを不可能にする。

プレイヤーのムーブによってフィクションに何かを加えるよう求められたときにもGMムーブを行える。たとえば危険に抗うで7〜9を出したら、あなたは劣った成功、代価、あるいは結果を提示するよう指示される。代価として彼らの資源を消耗させる(「できるが、物資を捨てなければならない」)かもしれないし、結果として彼らを窮地に立たせる(「跳び移れたが、着地した地面がずれて崩れはじめる」)かもしれないし、劣った成功として欠点を示す(「きみは抜け出せたが、アンドラスはまだ足を引きずっていて遅れる。怪物が迫っている!」)かもしれない。

常に確立された状況や、あなたの準備から自然に導かれるムーブを行う。森の中でクリンウィンを追跡していて6以下を出したなら、道に迷ったと明かすのはまったく問題ないムーブである。

だが、「空から岩が降ってきてきみたちを押しつぶす。全員ダメージ!」と言うのは奇妙だし、よろしくない。

同じように、あなたのムーブは状況の具体的な事柄を反映すべきである

PCが突進してくるオーロックスに立ち向かい、斬り結ぶを誘発して6以下を出したとする。PCが突進に対して槍を構えた筋骨たくましい用心棒なのか、闘牛士のように突進をかわして刺そうとしたしなやかな狐なのかで、あなたのハードなムーブはまったく違ったものになるはずである。

ムーブの名前は口にしない。フィクションの中で何が起きるかを告げるだけにする。「4を出したから、きみたちを引き離す」とは言わないこと。

「リアンナ、きみは目を覚まし、カラドックが見張りについていないことに気づく。しばらく待っても戻ってこない。焚き火の明かりの端に、彼の毛布が放り出されている」と言う。

その他のGMムーブ

あなたには他のGMムーブのリストもある。

PCたちが遠征(317ページ)に出ているときや遺跡を探索しているとき(352ページ参照)は、探索ムーブを使う。

脅威やその影響を場面に持ち込むとき、あるいはすでに関わっているときは、脅威ムーブを使う(284ページ)。

PCたちが家にいるときや別の集落で過ごしているときは、そこで面白いことを起こすために故郷ムーブを使う(502ページ参照)。

危険(386、401ページ)やNPC(449ページ)が関わっているときは、それら固有のムーブを使う。

GMムーブの例

厄介事を告げる

(未来の、あるいは画面外の)

これは最も用途の広いムーブの一つである。

厄介事はほぼ必ず反応を引き出すか、少なくとも皆を不安にさせ、緊張を高める。

ハードなムーブとしては、それまで平和だった場面を戦いや対立に変えたり、PCたちの行動が後で結果をもたらすことをはっきりさせたりできる。


「ドン! ドン! ドン!リアンナ、戸を叩く音がして、ようやくありつけた眠りから起こされる。ロウリがきみの名を呼んでいて、見張りの鐘が鳴り響いている。どうする?」


「カラドックとブロドウェンが出ていくと、このたちの悪い男が二人を目で追う。顔は傷だらけで、残忍な薄笑いを浮かべ、腰にはナイフ。彼は隣の男を小突き、戸口に顎をしゃくると、二人は立ち上がって出ていく。どうする?」


「グレニスはしばらくきみを険しい目で見つめ、それから『いいわよ』と言う。そして鼻を鳴らし、足音荒く去っていく。当面は煩わされずに済むが、このことには後で向き合わなければならないと、きみにはわかっている」


歓迎されない真実を明かす

何かを真実として確立する。彼らが真実でなければよかったと心から願うことを。ずっと真実だったことを今明かすだけかもしれない。あるいは(特にハードなムーブとして)この悪いことが真実だと今決めて、それを知らせるのかもしれない。どちらのやり方でもよい。

これは彼らが知識を語るや洞察を求めるを行うときに使うのにうってつけのムーブである。7以上なら、あなたは正直な答えか興味深い(おそらく役立つ)情報を与えなければならないが、彼らが知ったことを喜ばなければならない理由はない。そして6以下なら、思いきり締め上げることができる。


「『ヴヴヴァシル? とんでもない。ヴヴヴァシルはこの秋に町を出ていったよ。リュゴスに戻ったと聞いたね』彼は笑みを浮かべる。歯が多すぎるような笑みだ。『だがききっと何かしらの……取り決めができるのでは?』」


「最近ここで何があったか? そうだな、泥の上に十人分ほどの足跡があって、争いがあったみたいにかき乱されている。葉には血しぶきもいくつか飛んでいる。ロウリがクリンウィンに襲われたのは明らかだ」


「うわ、6以下? じゃあ、きみは丘をその日いっぱい探し回って……彼女は見つからない、かな? いや、待った。こうしよう。カディは見つかる。伐採小屋から半マイルほどのところで、彼女の亡骸を見つける。何かに刺されている。腹をまっすぐ貫かれている」


挑発的な質問をする

決断や反応を促す質問をする。それが感情的な反応や、行動しないという決断にすぎないとしても。質問は自分でしてもよいし、NPCの口に言わせてもよい。あるいは:

悪い事態を断定しつつ、その中身をプレイヤーに作らせる質問をする。


「リアンナ、エイラが厳しい顔で言う。『ガレットの出血がひどい。助からないと思う。それに、ひどく足手まといになる。わたしが、やるべきことをやろうか?』」


「カラドック、きみがやって来たのはこの一部始終のまさに最後だと思う。きみはヴァヒドの口からもくもくと煙が噴き出すのを見た。そしてヴァヒドは、何もかもまったく普通のように振る舞っている。今きみの頭の中には何がよぎっている?」


「うわ、4? じゃあ、きみは彼女を怒らせてしまうと思う。本気で傷つけてしまう。そうなるような何を言った、あるいはした?」


誰かを窮地に立たせる

これは厄介事を告げるのより攻撃的な形である――今すぐ何かをしなければ、ひどいことになる。

「誰か」はPCでもNPCでもよく、スポットライトを使って遊べる。窮地に立たされた者が、それに対処する者とは限らない。


「惜しい! 跳んだが、枝に激突する。滑り落ちかけ、かろうじてしがみつく。きみはこんなふうに枝からぶら下がり、息をあえがせている。高さは80フィートほど、そして握力が抜けはじめている。どうする?」


「大男が立ち上がってきみを見下ろし、にらみつける。『今なんて呼んだ、この痩せっぽちのドブネズミが?』リアンナ、きみはそれを見て、さらに三人ほど、たくましい鉱夫風の男たちも立ち上がるのに気づく。誰も笑っていない。どうする?」


「というわけで、きみの言ったとおり、ドレイクはきみが鼻面に手を置くと落ち着き、まるで鳴く子猫のようになる。だがカラドック、きみは茂みから見ていて、ブロドウェンがそいつをなだめている間に、もう一匹のドレイクが彼女の右後ろから忍び寄ってくるのを見つける。今にも彼女に飛びかかろうとしている、間違いない。どうする?」


彼らの資源を消耗させる

彼らの持ち物をすり減らす、あるいは完全に奪い去る何かが起きる。ここでいう「資源」は……

  • 具体的で特定のもの(盾、松明、ランプの油)
  • 具体的だが抽象化されたもの(物資、矢玉)
  • 形のないもの(評判、誰かの信頼)、そして/あるいは
  • 完全にルール上の抽象物(HP、命運、忠誠など)。

抽象的なもの、形のないもの、純粋にルール上のものを失うときは、必ずそれをフィクションに引き戻し、どう表れるかを示すこと。「彼は少しにらみ、それから幻滅したように首を振る。忠誠を保っていたなら、それが1減る」

ソフトなムーブとしては、このムーブで緊張をじわじわと高める。その4HPは今はたいしたことがないかもしれないが、あと数発受ければプレイヤーは不安になりはじめる。

特定の資源を消耗させるとき、その損失は一時的なもの(「彼がきみの手からナイフを払い落とし、それは部屋の向こうへ飛んでいく」)でも、永続的なもの(「その一撃できみの盾が砕ける」)でもよい。

このムーブを他のムーブと一緒に行うことはよくあるが、それでかまわない。

特にHPは、他のムーブと一緒に当然のように消耗していく(ダメージを与え、衰えを負わせるのコラム、185ページ参照)。


「ここに降りてきて1時間ほど経った。松明が尽きかけていると思う。明かりはあと10分くらいかな?どうする?」


「うん、それで手が滑って、きみは転がり落ちる。枝にぶつかりながらずっと、バキッ、ガツッ、ドスン。きみは仰向けに落ちて、背負い袋の中で何かが壊れた感触が確かにあった。物資の使用を2失い、アーマーを無視してダメージを受ける。どうする?」


「そう、きみが最後のところを言ったとき、彼はまさにきみの真後ろに立っていた。きみが振り返ると、彼は真っ赤になっていて、泣き出すのか怒鳴り出すのか、わからない。だが彼はただ背を向け、足音荒く畑へ去っていく。保っていた忠誠はすべて失われたと思う。どうする?」


欠点を示す

彼らのムーブの限界や、(たとえば)用心棒であることに伴う重荷を示す。粗雑な武器が鉄の剣や盾に対してどうなるかを見せつける。

照りつける太陽の下で暖かい鎧を着るのがなぜまずいかを示す。背が低いこと、高いこと、若いこと、年老いていることなどが、なぜ難しいのかを示す。


「カラドック、リアンナ、きみたちが茂みからクリンウィンを見張っていると、ガチャン、ガチャン、ガチャンと音がする。間違いなくヴァヒドの背負い袋だ。クリンウィンにも聞こえている。どうする?」


「カラドック、きみが二度目に口を挟もうとすると、ブレナンが『大人が話しているんだ、坊主』と言う。そしてリアンナに向き直る。『さて、何の話だったかな……?』」


「きみの槍が突き刺さり、オーロックスが吠える。だがそいつは後ろ脚で立ち上がって身をよじり、槍の柄がぽきりと折れる。きみの手には棒切れの半分が残るだけだ」


彼らのムーブを逆手に取る

これは6以下で使うのによいムーブである。彼らが行っていたムーブを取り上げ、何らかの形でひっくり返す。敵に有利を与えるのかもしれないし、あなたが使える悪いことを彼らに考えさせるのかもしれないし、彼らのムーブが選択肢を広げるかわりに狭めるのかもしれない。創意工夫すること。


「ああ、この邪悪な水銀のことは、きみはよく知っていると思うよ、ヴァヒド。南にいたころにそれと遭った恐ろしい体験について、話してくれないか。そして、それが今日まできみを震え上がらせていることも」


「失敗か。じゃあこうしよう、洞察を求めるの質問を一つしてもいい。ただし、その答えに従って行動すること以外は、何をするにも不利になる」


「うん、彼女はまったく信じていない。ムトラのことを密告するよう説得するなんてとても無理だ。それどころか、彼女は話の向きをねじ曲げ、きみに質問し、言葉尻を捕らえ、きみをうろたえさせる。ヴァヒドが心臓をどこに隠しているか、きみに口を割らせるには、彼女は何をすればいいと思う?」


誰かを傷つける

PCや、彼らが大切にするNPCに、具体的で厄介な負傷や傷を負わせる。単にHPを失う以上のものを。痛ましく、血なまぐさく、後を引くもの、あるいはその三つすべてを。

このムーブを使うということは、犠牲者は必ずダメージを受けるということであり、PCに対してなら衰えに印をつけることにもなるかもしれない。

そして必ず、彼らは今や厄介な傷(243ページ参照)を負ったということである。それはフィクションの一部であり、彼らが対処しなければならないものであり、あなたがGMムーブの土台に使えるものである。

どれほどひどく傷つけるかは、フィクション、そのダメージが7以上から来たか6以下から来たか、振られたダメージ、ダメージのタグ(凄惨強打など)によって決まる。棍棒を持った男と斬り結ぶで7〜9を出して2ダメージしか受けなかったときの傷は、12点の凄惨ダメージを与える怒りのドレイク相手に6以下を出したときとは、まったく違って見えるはずである。

傷のおおまかな性質を描写し(「彼はきみの太ももを刺し、脚が崩れるのを感じる」)、それからプレイヤーにダメージを振らせ(「ダメージを受けろ」)、与えたダメージに応じて負傷の具合を調整してかまわない(「3ダメージ? よし、きみは片膝をつき、脚は燃えるようだが、まだ体重は支えられる」と「うわ、8ダメージ? まだ立ってる? じゃあ、脚が崩れ落ちて、血がどくどく噴き出している」)。

原則として、永続的で身体の機能を奪うような負傷を負わせるのは、それがありうると警告してあり(はっきりと、あるいは危険を予告して/示して)、かつ彼らが6以下を出したか、承知の上で危険を無視したときだけにすること。不意打ちでそれを浴びせないこと。

たとえば:あなたが「そいつには

6インチもある牙と木をへし折る顎がある……捕まったら体の一部がなくなるぞ。本当にそこに突っ立って斬りかかるのか?」と言い、彼らが「ああ、虎穴に入らずんば虎子を得ずだ!」と答え、斬り結ぶで7〜9を出したなら……

まあ、警告はした。その腕とはお別れで、血の噴水とこんにちはである。

一方、それを脅威として示してはいたが、腕を食いちぎるほどの脅威としては示していなかったなら、7〜9では「そいつが噛みつく。あたり一面血だらけで、きみを振り回しはじめる。

頭のどこか奇妙に冷静な部分が『あ、腕がちぎれそう』と考えているが、それ以外のきみはただ、うわああああ。ダメージを受けて衰弱に印をつけろ。どうする?」と言うかもしれない。これでもかなりハードなムーブだと思うが、回復の見込みはある。警告なしに腕を奪う? よろしくない。

とはいえ、NPCはPCよりも積極的かつ残酷に傷つけてかまわない。(たとえば)従者の腕を奪うのは、この怪物の攻撃が凄惨で恐ろしいものだと示し、PCたちから主役の座を奪うことなく危険の度合いを上げる素晴らしい方法である。(ただし一つ助言を:動物の相棒を警告なしに痛めつけないこと。プレイヤーはペットをものすごく大切にする。)

いったん負わせた傷や負傷はフィクションの一部である。それによって、本来なら危険でないことを試みるのにPCが危険に抗う必要が出るかもしれない。あなたが行う別のムーブのフィクション上の根拠になるかもしれない。負傷を悪化させるムーブを行うきっかけになるかもしれない。

HP、ダメージ、衰え、厄介な傷について詳しくは、ダメージと治癒の章(237ページ)を参照。


「そいつはエイラに手を伸ばす。その手は霧のように広がり、彼女の胸をわしづかみにする。彼女はうめき声を上げて痙攣しはじめ、肌のところどころが黒ずんでいくのが見える。彼女はダメージを受ける。アーマーは無視だ。まだ立っている? だめ?そうか、そいつが彼女を放すと、彼女はただ地面にくずおれる。どうする?」


「そいつがぎゅうっと締めつけてきて、きみは息もできず、動けない。そしてボキッと肋骨が一本いく。なんてこった、痛い。アーマーを無視してダメージを受け、印をつけろ――衰弱に。ヴァヒド、これが起きる間にきみはナフサに火をつけ終え、カラドックがそいつのとぐろの中で青ざめていくのを見る。どうする?」


「ああ、なんてこと。9ダメージ? それでまだ立ってる?ええと……きみが腕を振りほどこうとすると、そいつは、その……くそ、たぶん思いきり噛みついて、焼けつくような痛みが走り、きみはよろめき下がる。自由にはなったが、見下ろすと右腕がなくなっている。血が噴き出し、寒気がして、気を失いそうだ。どうする?」


ダメージを与え、衰えを負わせる

「ダメージを与える」はそれ自体がGMムーブではない。別のGMムーブの一部として起きることである。キャラクターが打ちのめされたり、傷ついたり、殴り倒されたり、負傷したりするムーブを行うときは、そのムーブの一部として彼らにダメージを与える。

プレイヤーに、受けるダメージの量を伝える(通常はダイスの出目で、それを与えた怪物や周囲の状況に基づく)。彼らはその分のHPを失う。0になったら行動から脱落し、おそらく死の淵にある。

同様に、「衰えを負わせる」というムーブもない。誰かを傷つけるときや彼らの資源を消耗させるとき、その他彼らを衰弱朦朧消沈させる結果になるムーブを行うときに、衰えを負わせることができる(「手が震え、脚がふらついていることに気づく……衰弱に印をつけろ」)。

ダメージと衰えについて詳しくは、ダメージと治癒の章(237ページ)を参照。

彼らを引き離す

パーティを分ける。彼らの間に敵や障害物を置く。誰かを遅れさせる。

従者や他のNPCを行方不明にする。

誰かを斜面から転げ落とし、戦いから脱落させる。そういった類のことである。

このムーブは彼らを窮地に立たせると組み合わせるとよく合う。窮地にいるより悪いことは何か? 窮地に一人きりでいることである。


「ブロドウェン、背の高い草をかき分けて二十分ほど進むうちに、みんな少しずつばらけてしまい、ふと気づくと誰の姿も見えない。最初は声が聞こえるからたいしたことはないが、やがて彼らが草を分けて進む音は、絶え間ない風の中にかき消えてしまう。どうする?」


「うわ。うん、きみが熱弁をふるう間、彼女は石のような顔で、何も答えない。それから間があって、彼女は息をのみ、しゃくり上げ、涙があふれ出す。『もう、カラドックったら』そして彼女は背を向けて戸を叩きつけるように閉め、すすり泣く声が聞こえる。どうする?」


「よし、それでヴァヒド、きみは廊下の少し奥にいるんだったな? ロウリがランタンを掲げてくれていて。さて、ルーンが読み取れはじめる――何か『門』とか『戸口』とか、あるいは『道』とかについて――そのとき、ガコンという響きを胸に感じる。全員が感じる。そして金属と金属がこすれる甲高い音がして、鋼の幕が天井から落ち、廊下を断ち切る。ドオン。ヴァヒド、きみとロウリはその向こう側に、二人きりでいる。あたり一面に土埃が舞っている。どうする?」


誰かを捕らえる

このムーブのソフトな形では、捕らえはするがその場面に留まり、彼らに逃げる機会(あるいは他の者に救い出す機会)を与える。ハードな形では、次の場面へ直行してもよい――捕らえられ、縛られ、どこへともなく引きずられていく――そこに至った経緯の細部はざっと流す。


「ブレナンが口笛を吹くと、ラガンが、何でもないことのように落ち着いて素早くブロドウェンをつかみ、くるりと回して喉にナイフを突きつける。ブレナンはため息をつき、彼らの後ろに下がる。『こうならないことを願っていたが、きみらは選択の余地を残してくれない。我々は行かせてもらう。このお嬢さんも、きっときみらが手を見えるところに置いておいてくれればありがたいと思うだろう』彼らは後ずさりしはじめる。どうする?」

「カラドック、きみが球体に触れると、ヒュウッと。きみは宙に浮かび、自分の体を見下ろしている。世界は灰色にかすみ、色褪せていて、足の感覚がほとんどない。ヴァヒド、きみは数時間後に帰ってきて、カラドックが氷の球体の上にぐったりと覆いかぶさり、指を触れたまま真っ青になっているのを見つける。彼は反応しない。どうする?」


「そうだな、ヴァヒド、ロウリは暗闇の中で松明を振り回していて、きみたちは二人とも目を凝らし、あの物音を立てたものを探している。そして観客であるおれたちには、長く細い指をした影のような姿がきみたちの背後にぬっと現れるのが見える。その指がきみの口をふさぐ、ヴァヒド。そして別の影がロウリをつかむ。短いもみ合いがあって、カメラは床に転がったランタンへと下がっていく。横倒しになり、ひびが入って、明かりが揺らめいている。きみたち二人が引きずられていく音が聞こえる。リアンナ、これが起きている間……」


好機を差し出す

(代償の有無は問わない)

彼らに隙を、行動する機会を与える。

好機は具体的なもの(「今動けば、先手を取れる」)でも、漠然としたもの(「彼らはきみに気づいていないようだ。どうする?」)でもよい。確実な代償を伴ってもよいし(「……だが、大きな音がして警報が鳴るだろう」)、代償の可能性を伴ってもよいし(「……だが、間に合わせるには急がなければならない」)、まったく代償がなくてもよい。

このムーブは知らず知らずのうちに行っていることが多い。緊迫した動きのある状況で、まず厄介事を告げることも窮地に立たせることも、その他彼らに反応を強いることもなく「どうする?」と尋ね、単にプレイヤーに主導権を渡すとき、あなたは好機を差し出している。


「3ダメージ? 彼のアーマーを考えると、倒すには足りない。彼はびくりと身を引き、きみの刃は彼の頬をすっと切り裂く。だが彼は体勢を崩している。どうする?」


「彼らは餌に食いつかないな、リアンナ。だが、きみがわざと目立つように野営地を出ていき、アンドラスとブロドウェンをそこに二人きりにしたら? それなら食いつくだろう。どうする?」


「ここで役に立つもの、価値あるものは何か?壁にはめ込まれたあの青く光る水晶だ。それを叩き割れば、ありとあらゆる混乱が解き放たれる。まさにきみに必要な陽動だ」


結果や必要条件を伝える(そして尋ねる)

このムーブは割り込みとして使う。彼らが何かをしたいと言ったときに、フィクションを明確にし、懸かっているものを定める方法として。「それをするなら、__だとわかってるよな?」

道がふさがれているときに、先へ進む道筋を示すためにもこのムーブを使う。意味のある決断を迫るために使う。ある行動方針を取りたいなら(時間、資源、機会などで)代価を払わせるために使う。


「ガレットの遺体はどうする、リアンナ?置いていけば、残りの作業班が不平を言う――彼らがどれほど迷信深いかは知っているだろう。焼くこともできるが、それには時間がかかるし、居場所を知られてしまう。どうする?」

「そうするのはいいが、逃げ出す余裕はないぞ。確実に爆発に巻き込まれる。やるか?」


「いや、無理だ。手は震え、口は渇き、あの悪意に満ちた憎々しい目のことしか考えられない。一矢放ちたいなら、まずは気を取り直さなきゃならない。どうする?」


「ヴァヒド、このルーンはさっぱりわからない。少なくとも今すぐには。拓本を取って、家に帰ってから本やらメモやら何やらを全部使ってじっくり調べる時間があればわかるかもしれない。だがここではだめだ。どうする?」


「そいつは硬い石でできている。きみの矢なんか屁でもないぞ、リアンナ。そいつを傷つけたい、あるいは足止めするだけでも、何か大きくて重いものでぶん殴る必要がある」


迫りくる破滅へと進める

脅威(277ページ)と危害(381ページ)には迫りくる破滅があることがあり、それぞれそこへ至る一連の不吉な前兆を伴う。このムーブを行うとき、あなたはそうした不吉な前兆の一つが現実になったと決め、それをキャラクターたちに示す。

実際には、このムーブはほぼ必ず別のムーブとして表れる。不吉な前兆が現実になったことを示す形で、厄介事を告げる歓迎されない真実を明かす誰かを窮地に立たせる(など)のである。

まれに、邪悪にくっくと笑ってボックスに印をつけ、前兆をまだ明かさずに、嫌な予感がするとか冷たい風が吹くとだけ言うこともあるかもしれない。そうするなら、その前兆が画面外で現実になったことに必ず責任を持つこと。そうしないなら、実際には何のムーブも行っていないことになる。


「きみは町外れの崩れた家でニアを見つける。体をねじ込むようにして中に入り、目が暗闇に慣れるのを待たなければならないが、慣れたとたん、胃がずしりと沈む。壁一面にチョークで描いた蜘蛛の絵があり、そして……祭壇? そこには棒切れと毛皮と蜘蛛の巣の塊があって、それが大きな蜘蛛の偶像だと気づく。ニアはにこにこして『こんにちは、ブロドウェン。わたしの絵、好き?』どうする?」


「それで、きみは肩越しにそいつを刺そうとしているが、そうしながらよろめき回っている。そして、うん、そいつは仕留めるが、きみは後ろによろけて古い柱の一本にぶつかる。バキッと大きな音がして、きしむ音が続き、天井から土埃が降り注ぎはじめる。ヴァヒド、きみはこれを見ている。どうする?」


「カラドック、眠りに落ちていくと、きみは夢を見る。とても奇妙で、鮮やかな夢だ。あの古い造り手の墓にいて、上を見上げていたときのようだが、……違う。もっと息苦しい。土の中に埋もれているようで、それも永遠にそうだったようで、はるか上に光がある。だが、それで……十分なんだ、わかるか?向かっていくべき何かが。だからきみは体を伸ばし、土をかきむしって光へと進み、そしてはっと目覚める。なんてこった、何もかもが揺れていて、人々は叫び、子どもたちは泣いている。地震だ! どうする?」


プレイ例

全員がそろった。おしゃべりをして、くつろいで、始める準備ができた。セッションはゆるやかなプレイから始まる。誰かあらすじを話したい人はいるかと尋ねる。リアンナのプレイヤーが話す。

「山麓(the Foothills)に伐採の作業班を送った。でも何か山羊の悪魔みたいなものが彼らを怯えさせて、そいつが――あるいは何かが――アンドラスを傷つけた。彼らはアンドラスを送り返してきた。わたしたちは調べに登ってきた。出発前に、アンドラスから何か役に立つことは聞き出せた?」

ブロドウェンが言う。「かなり朦朧としてた。容体は安定させたけど、ずっと『あの目が!』ってうめいてた。それと、わたしを口説こうとしたと思う」

「そうそう! きみたちはもう装備を整えて、山麓へと登りはじめていたんだった」とわたしは言う。

ウォーミングアップのために、わたしはいくつか質問をする「でも始める前に――カラドック、また冒険に出かけることについて、誰に文句を言われたと思う? それとヴァヒド、なぜ少しの間町を離れられるのがそんなに嬉しいんだ?」

なめし職人のソウィルが新しい弟子を探していて、カラドックがそのことにひどく後ろめたさを感じていることがわかる。また、ヴァヒドが未亡人のマイレから離れて一息つきたいこともわかる。彼女が彼の「筋金入りの独身者」ぶりを窮屈にしているのだ。わたしはメモを取る!

よし、始めよう。わたしは行動の枠を定めそれから環境を描写する。「きみたち四人は出発して二日目の午後に山麓に入る。丘は平原(the Flats)からせり上がり、道はその間を縫って続く。若くて細い木々が斜面に点在し、丘の奥へ進むにつれて大きく、古くなっていく。日が傾くころ、ようやくありがたい木陰に入る」(これらの細部の一部は年鑑から取り、残りはわたしがでっち上げた)。


ゲーム内で山麓が描かれるのは初めてなので、わたしは質問をする。たとえば「この丘と大森林(the Great Wood)の間に、どんな際立った違いを感じる?」

彼らが質問に答えたら、わたしはズームインして実際の場面を設定し、細部と具体的な事柄を伝える。「日が沈んだ直後、きみたちは野営地に着く。道端にあるが、それでも彼らは切り倒した丸太でバリケードのようなものを築いている。みんな弱々しい煮炊きの火を囲んで身を寄せ合っている。誰もが押し黙り、張り詰め、手斧を握りしめている。きみたちが現れると少しびくっとするが、きみたち四人だとわかると、安堵のざわめきが起きる。『リアンナだ』『祝福されし者だ』『トルに感謝を』」(わたしが戦術的な配置よりも感情や振る舞いに焦点を当てていることに注目してほしい。そうした細部こそが重要だからだ。わたしはNPCを演じてもいる。)「なあ、リアンナ、誰を責任者にしたんだっけ?」(さらに質問!)

「うーん。エリオス、かな」

わたしはソフトなムーブを行い、挑発的な質問をする。「よし。彼は言う。『あんたたち四人だけか? それで、何だ、もう終わりか? 家に帰れるのか?』他の者たちも期待してうなずく。どうする?

リアンナは、プレイヤーからGMへ、わたしに尋ねる。「待って、ちょっと待って。わたしの作業班はここにいるの?」わたしは彼女の質問に答え、ここにはいないと伝え、それから改めて彼女がどうするかを尋ねる。

リアンナは(彼女のあの厳しい声で)答える。「わたしの作業班はどこ、エリオス?」ここで彼女の行動を解決する。彼女はエリオスに詰め寄っている(説得する、かな?)が、彼が抵抗する理由はないので、ムーブは誘発されない。わたしは何が起きるかを告げ、エリオスの声で答える。「まだ外にいる。狩りに出てるんだ」

(次ページに続く)


(前ページから続く)

状況は明確だが、ひと押しが要りそうなので、わたしはエリオスとして話し続け、もう一つソフトなムーブを行う(厄介事を告げる)。「『なあ、もうとっくに戻ってていいはずなんだが』どうする?」

PCたちは作業班を探しに行くことを話し合うが、その場に留まってもっと情報を得ることにする。彼らはまだムーブを誘発していない(伐採人たちが進んで答える質問をしている)ので、わたしはただNPCを演じる。エリオスとテリウィンは、アンドラスが襲われる前の一週間前に、二人ともその悪魔を見たと話す。「大きな山羊みたいで、人間の頭蓋骨に、三つの目と、巨大な角が一本」

わたしは好機を差し出すつもりだったが、ヴァヒドが割り込む。「こういうものについて聞いたことはあるか?」これは知識を語るを誘発するので、彼は+INTで振って8を出す。

わたしは準備から、この悪魔山羊が実は守護の精霊で、本当の脅威はハグルだと知っているので、探索ムーブの一つを使い、見かけ以上のものがあることをほのめかす。「シャクサのようだな。北方の人々が信じる精霊か悪魔だ。墓場の守護者のようなもの? あるいはそれは比喩で、死者の王のようなものかもしれない。どうしてこれを知っている?」

「ああ、彼らの宗教書からだ。南の図書館で読んだ。今のところは黙っておくよ」

わたしは状況を更新する。「もうすっかり夜で、作業班はまだ戻らない」わたしはスポットライトを絞り、好機を差し出す。「なあ、カラドック、みんながエリオスとテリウィンと話している間、きみは他の者たちの間で交わされる視線に気づいた。怯えている。だが何かを隠してもいる? どうする?」


「おお、注意深く観察して、何が起きているのか探ってみる。洞察を求める?」残念、彼は4を出す。ハードなムーブの時間だ!

わたしは厄介事を告げる。「イワンとカディが口にしている以上のことを知っているのは確かだが、それについて動く前に、丘の上から恐ろしい咆哮と何かが砕ける音がして、それから小さな叫び声――人々が戦っているような。全員に聞こえる。どうする?」

彼らは質問し、わたしは状況を少し明確にする(暗い、戦いの音はかなり近い、誰もこの丘をよく知らない)。そしてリアンナが言う。「行こう。丘の中へ」

これで場面は終わる! 段取りを話し合う少しのゆるやかなプレイがある。ヴァヒドとブロドウェンはそれぞれ煮炊きの火から点けた松明を持つ。「出発するか?」とわたしは尋ねる。彼らは出発する。

わたしはズームアウトして状況をおおまかに描写する。「暗く、丘は険しく木々に覆われ、きみたちは音を頼りに進む。戦いの物音を追って」わたしはソフトなムーブを行い、必要条件を伝える「急いでたどり着こうとするなら、一丸となって挑むが誘発される――危険は、道に迷うか、はぐれるか、途中で怪我をすることだ。時間をかけて慎重に進むなら、ムーブは誘発されない――だがおそらく戦いに加勢するのには間に合わない。どうする?」

彼らは一丸となって挑むことにする。ムーブを解決すると、全員がよい出目を出したので、次の場面へ移る。「必死の、半ば目の見えない疾走で森を抜けると、空き地に飛び出す。揺らめく松明の明かりの中に、エイラとロウリが巨大で図体のでかい怪物と対峙しているのが見える。背丈は12フィート、幅はその半分ほどもある」


わたしはほとんど息もつかずにソフトなムーブを行う(誰かを窮地に立たせる)。「そいつは小さな木を棍棒のように振り上げて吼え、二人をまとめて叩き潰そうとしている。二人ともぽかんと口を開けて、そいつを見つめているだけだ」わたしはグループに話しかけていて、スポットライトは絞っていなかった。そこで今度はそれを絞る。「リアンナ、ブロドウェン、きみたちが最初に着いた――どうする?」

リアンナのプレイヤーはためらわない。「射る。頭を。射放つ?」そうだ。だが、ブロドウェンが何をするか見るまで待つよう伝える。

ブロドウェンが質問する。「じゃあこれは人間みたいなもの? ただすごく大きいだけ?」そうだ。「それで、まだこっちに気づいてない?」そうだ、今のところは。彼らは今着いたばかりだ。「見覚えはある? たとえばうちの伐採人の誰かが変異したとか?」

「うーん」とわたしは言う。「松明の明かりでちらっと見ただけでは、わからないと思う。少し時間をかけて洞察を求めてもいい。そうする?」

「いや。大声を出して松明を振り回して、気をそらせたりできる?」と彼女は尋ねる。カラドックのプレイヤーが、それは守り抜くの誘発条件(「他者を守るために割って入る」)のようだと指摘し、全員が同意する。だが、それが起きる前にリアンナが矢を放つということにも同意する。

リアンナは射放つで8を出し、狙いやすい位置へ移動することを選ぶ。与えたのは3ダメージで、アーマー1を引く。ほとんど傷ついていないうえ、リアンナは危険に身をさらしてしまった。

「射線を通すには空き地に踏み出さないといけないと思う、いいね? 矢はそいつの肩をかすめ、そして――よい知らせだ――そいつは振りかぶるのをやめ、うなってきみの方を向き、エイラとロウリにはかまわなくなる。だが悪い知らせは、そいつが大きく飛び出したおぞましい目できみを見据え、頭の中が真っ白になり、膝ががくがくしはじめ、何も考えられなくなることだ」


これでリアンナのムーブが解決したので、わたしはスポットライトを移し、好機を差し出す。「ブロドウェン、まだ守り抜くをしたいか?」

彼女はそうし、9を出す。すぐに備えを使って、守る相手(今はリアンナ)から自分へとすべての注意を引きつける。「よし、それはどんな感じ?」とわたしは尋ねる。

「リアンナの前に踏み出して、松明を振り回しながら叫ぶ。『やあああああ!』って」

もちろんうまくいく。わたしは、ハグルがその目を彼女に向け、リアンナが感じたのと同じ恐怖で彼女を満たす様子を告げる。

わたしはスポットライトをカラドックとヴァヒドに移す。二人がちょうど着いたところだと伝え、手早く状況をまとめ、それから好機を差し出す。「そいつは今ブロドウェンに気を取られている。どうする?」

ヴァヒドは洞察を求めて状況を把握する。それは後で解決することにする。カラドックが盾を構え、槍を低く突き出して突進するからだ。ブロドウェンが注意を引いていたので、カラドックは攻撃できるほど近づけるということで全員が同意するが、そいつはまだ十分に反撃する力も意志もある。これは斬り結ぶを誘発するが、カラドックは4を出す。

ハードなムーブを行う必要があり、当然なのは彼を傷つけることだ。「そいつはきみが来るのを見ていたんだろうな、カラドック。きみが間合いを詰める前にその木の枝を振るう。きみは頭を殴られ、目の前が真っ白になり、耳鳴りがして、いったい何が起きているんだ?

ダメージを受けて印をつけろ――朦朧に。

リアンナ、きみは我に返り、そいつがカラドックの頭を殴りつけるのを見る。彼は吹っ飛んで地面にくずおれた。どうする?」

そしてそこから続けていく。

あなたの原則

これらの原則は、Stonetopを運営するうえでの指針であり、最良の実践であり、振る舞いのルールである。これに従うよう努めること。

それがアジェンダを達成する最も確かな道である。

  • ルールに従う
  • フィクションに始まり、フィクションに終わる
  • プレイヤーではなく、キャラクターに語りかける
  • 質問し、その答えを土台にする
  • プレイヤーキャラクターのファンであれ
  • 幻想と日常をともに受け入れる
  • 設定ガイドを活用する
  • 準備を尊重する
  • キャラクターに命を吹き込む
  • 画面外のことも考える
  • 故郷に結びつける
  • 物事に息をつかせる
  • 燃えるものは燃やす

原則に従うのはいつも簡単とは限らない。

ある原則がその瞬間にどういう形をとるのか、はっきりしないこともある。原則同士がぶつかることもある。これらの原則を解釈し、最善と思う形で適用するのが、あなたの仕事の大きな部分である。多くの場合は本能的にそうすることになるし、原則にどう従うかは、あなた自身のGMスタイルの大きな部分でもある。

ルールに従う

ルールはたくさんあり、特にプレイヤーのムーブという形をとる:基本ムーブと従者ムーブ、特殊ムーブ、探索ムーブ、集落ムーブ。どのプレイブックにもムーブがある。別紙にもムーブがある。アルカナにもムーブがある。危険、発見、脅威、場所も、プレイヤー向けのムーブを持ちうる。

言うまでもないことだと思うが:ムーブが誘発されたら、ムーブの手順に従い、ムーブがあなたに求めることを

言う。ルールは会話とフィクションを特定の方向へ押し進め、不確かな瞬間に何が起きるかを明確にするためにある。

プレイヤーには、ムーブと出目の恩恵を余さず与えること。ムーブを誘発できるかどうかを試すのはかまわないし、確立されたフィクションや準備に基づいて結果を加減するのもかまわない。だが、物事は特定の方向へ進むべきだと思うから、あるいは「簡単すぎる」「難しすぎる」ことを心配して、ムーブの結果をごまかさないこと。それはあなたの仕事ではない。あなたは何が起きるかを知るために遊んでいるのだろう?

誘発条件が実際に満たされない限り、プレイヤーのムーブを持ち出してはならない。「クリンウィンが襲いかかる。+DEXで危険に抗うを振れ!」と言ってはならない。とんでもない。クリンウィンが飛びかかってくると告げ、「どうする?」と尋ねるのである。彼らがムーブを誘発することをしたら、そのときそれを行う。

他の原則のために、ルールの文言どおりではなくルールの精神に沿った何かを提案するのはかまわないが、それは率直に伝え、同意を得ること。「斬り結ぶで7〜9? ダメージを振って。9!? うわ。で、ムーブでは敵の攻撃に身をさらすってなってるけど、この場合の『攻撃』は、きみの斧が彼の頭蓋骨に食い込んで、抜くのにちょっとかかるってことにしようと思う。それでいい?」

フィクションに始まり、フィクションに終わる

忘れないこと:「フィクション」とは、あなたとプレイヤーが会話を通じて確立する共有の想像上の空間であり、その想像上の空間の中でのさまざまなキャラクターの行動と相対的な位置のことである。

ルールが持ち出されるとき――プレイヤーがムーブを誘発したり、ダメージを振ったり、資源を使ったりするとき――ルールをフィクションに根づかせること。キャラクターが実際に何をしているのか、どうやっているのかが思い描けないなら、ダイスに行く前に質問してフィクションを明確にする。ダイスが振られ、ルールが何が起きるかを告げたら、それがフィクションの中でどう見えるかを描写する(あるいはプレイヤーに描写してもらう)。フィクション、次にルール、そしてフィクションに戻る。常に。

同様に、GMムーブを行うときは、確立されたフィクションから流れ出るムーブを行う。ムーブの名前は口にせず――それは胸にしまっておき――それがフィクションの中でどう表れるかを描写する。語るのではなく、見せること。

フィクションに始まりフィクションに終わることは、豊かで謎に満ちた世界を描くうえで欠かせない。フィクションを出し惜しみしてルールの仕組みばかりに注目すると、世界が味気なく、退屈で、生気のないものになってしまう。


悪い例:「ハグルを攻撃する? よし、斬り結ぶを振って。10? 攻撃をかわすか、追加ダメージを与えるか? よし、ダメージ+を振って。7ダメージ? まだ倒れず、反撃してきて強打ダメージ、きみは倒される。またこっちに来るぞ、どうする?」

よい例:「ハグルを攻撃する? よし、それはどんな感じ? 腹に突き上げるように刺す? うん、いいね、斬り結ぶを振って。10?攻撃をかわすか、追加ダメージを与えるか? よし、ダメージ+を振って。7ダメージ? じゃあきみの言ったとおり、きみはそいつの腹を刺し、ハグルは体を折り曲げ、苦痛に吠える。だがきみが離れる前に、そいつはぐっと身を起こし、手の甲できみの顔をはたく。ダメージを受けて、きみは吹っ飛び、地面にくずおれる。頭がくらくらする。そいつが苦痛と怒りにうなりながら、どすどすと近づいてくる音が聞こえる。どうする?」


プレイヤーではなく、キャラクターに語りかける

キャラクターに何をするかを尋ねる。キャラクターに何が見え、何が聞こえるかを告げる。キャラクターにとって明らかなことを告げる。「ブライアン、ヴァヒドは眠らないように何をしてる?」とは言わない。かわりに「ヴァヒド、眠らないように何をしている?」と言う。ジェイミーに「リアンナには彼が嘘をついているとわかる」とは言わない。(イワンの情けない声で)「まさか、リアンナ、おれがそんなことするわけないって知ってるだろ」と言い、それから(自分の声で)「だが彼は目をそらし、でたらめを言っているのが丸わかりだ」と言う。

このように話すことで、ゲームの焦点をフィクションに保てる。プレイヤーがキャラクターとして考え、話し、反応するよう促せる。キャラクターが知覚するとおりにフィクションを確立できる。語りかけている相手がキャラクターだからである。

質問し、その答えを土台にする

いつでも、どこでも質問すること。

意図を確かめるために質問する。「朝に出発する前に、他に何かしたい人はいるか?」

意図を明確にし、プレイヤーと認識を合わせるために質問する。

「うん、彼を回り込むことはできると思う。でも、ここで何を成し遂げたいんだ?」

フィクションを明確にするために質問する。「もちろん、洞察を求めていい。それはどんな感じ?」

キャラクターに何を考えているか、何を感じているかを尋ねる。「カラドック、きみはそこに立ち、ウィンフォーに刺されたところから血を流している。そして彼の目つき――ほとんど彼だとわからない。今、きみの頭の中には何がよぎっている?」

キャラクターに過去や日々の暮らしについて尋ねる。「リアンナ、狩りと追跡を誰に教わった?」「ブロドウェン、きみは母親と暮らしているんだよな? 他にきょうだいは?

家の中はどんな様子だ?」

キャラクターに知っているはずのことについて尋ねる。「リアンナ、きみは前にブレナンに会ったことがある。

彼のいちばんの特徴は何だ?」

キャラクターに聞いたことや信じていることについて尋ねる。その答えは必ずしも真実とは限らない。「ブロドウェン、静かな双子について、そして彼らがどうして小川(the Stream)に取り憑くようになったかについて、どんな話を聞いたことがある? 本当のところはどうだと思う?」

細部を断定しつつ意見を求める質問をする。「ヴァヒド、いなくなった子どもたち全員に共通することで、きみが気づいたことは何だ?」「リアンナ、小川を渡るときに人々がいつもするちょっとした儀式は何だ?」

テーマに沿った細部を尋ねて、キャラクターに場面を描いてもらう

「ここの何が、ここはフェイ(Fae)に触れられた場所だときみたち一人ひとりに告げている?」「ここで、これまで何千回も見てきたものとして何が目に入る?」「早春の平原でいちばん目を引くものは何だ?」

上のいくつかを兼ねる質問をする。「カラドック、みんなで町に戻ったとき、誰の反応にいちばん驚いた? その人はどう反応して、きみはそれをどう感じた?」

彼らの答えを、すぐに、あるいは後で、フィクションに組み込む。矛盾を指摘するためでない限り、彼らの答えを却下しないこと。追加の質問をする。

彼らの答えが何を意味するかを考え、そこから推し広げる。答えに驚かされることもある――それも楽しみのうちである――が、その答えがずっと前から確立された世界の真実で自明な一部だったかのように続けること。

プレイヤーにフィクションへの貢献を求めることは、何が起きるかを知るために遊ぶ助けになる。プレイヤーはいつも、あなたが思いつかない細部を考え出し、みんなで作る世界を少しだけ驚きに満ちたものにしてくれる。プレイヤーが確立した細部を土台にすることは、豊かで謎に満ちた世界を描く助けになる。人は自分が作るのを手伝ったものに思い入れを持ちやすく、四セッション前に彼らが持ち込んだキャラクターや細部を持ち出し、それが重要な意味を持つと、世界は本当に生き生きとする。

プレイヤーキャラクターのファンであれ

PCたちは物語の主人公である。

ゲームの焦点を彼らに置き続ける。彼らを応援する。彼らの勝利を祝う。彼らの喪失を嘆く。彼らについてあれこれ思いを巡らせ、プレイを通じてその答えを得る方法を見つける。彼らを大切に思う。彼らのファンであること。

プレイヤーキャラクターのファンであることは、彼らに何でも好きにさせることではない。

あなたは彼らの逆境の作者である。彼らの暮らしに冒険の句読点を打つ必要がある。彼らを脅かす。傷つける。彼らが大切にするものを狙う。あらゆる種類の難しい選択を突きつける。

だが同時に:好機も与えること。その場で輝く好機と、長い目で見て物事をよくする好機の両方を。彼らが努力して得たものを楽しませること。

Stonetopはプレイヤーキャラクターに大きな主体性を与える。それを尊重すること。彼らのムーブや出目の恩恵を削らないこと。彼らが自分の力、地位、能力で何をするかを見届ける。何が起きるかを知るために遊ぶ。

境界線

Stonetopやそれに類するゲームには、プレイヤーが責任を持つものと、GMであるあなたが責任を持つものとの間に境界線がある。プレイヤーは自分のキャラクターを受け持つ:何をし、何を言うか。何を感じ、何を考えるか。どう生きるか。過去の経験。GMであるあなたは世界を受け持つ:環境、NPC、危険と発見。

ここで述べた質問のいくつかは、この境界線をぼやけさせる。いなくなった子どもたち全員に共通することをヴァヒドに尋ねるとき、あなたは実際にはヴァヒドのプレイヤーに、通常はGMの責任であることをさせている:

世界についての細部をでっち上げることである。

こつはプレイヤーではなく、キャラクターに語りかけることである。次の部屋で何を見つけるか、NPCがどう反応するか、罠がどう彼らを傷つけるかをプレイヤーにでっち上げさせないこと。キャラクターが知っていること、聞いたことがあること、経験したことについて尋ねる。そうすれば、その依頼は境界線の彼らの側に戻る。頭の中の手品だが、効果的な手品である。

それでも、境界線をぼやけさせることを居心地悪く感じたり、嫌がったりするプレイヤーもいる。世界の細部をでっち上げることにまったく抵抗のないプレイヤーもいれば、没入感が損なわれる、世界が空虚で作り物めいて感じられる、と思うプレイヤーもいる。あなたとプレイヤーの好みに合わせて、尋ねる質問とその尋ね方を調整すること。

幻想と日常をともに受け入れる

世界は幻想的な要素に満ちている:

精霊、怪物、気まぐれなフェイ、造り手(the Makers)の古の業、下なるもの(the Things Below)の闇。これらの要素を際立たせる。それらを使って世界を謎めいたものにする。

だが同時に、ゲームを人間的な関心事に根づかせる:季節の巡り、来たる収穫、友人と隣人。

現実の危険でPCたちを脅かす:

厳しい天候、野生の獣、飢え、寒さや暑さへの露出。持ってきた食料や、その外套をどうやって手に入れたかを尋ねる。世界を日常的な細部で豊かにする。

幻想と日常を互いに対比させる。冒険が超自然的な脅威や好機を中心に展開するなら、まったく日常的な試練、危険、発見も必ず含める。セッションが主に日常的な関心事(マーシュエッジ(Marshedge)への交易行や、オーロックス狩りなど)に関わるなら、幻想的な要素を少し振りかける。両者の相互作用が、世界をいっそう豊かで謎めいたものにする。

設定ガイドを活用する

Stonetopには多くの確立された設定があるが、あなたとプレイヤーがプレイ中に埋めるべき空白も多く残されている。設定はあなたの創造力の踏み台となることを意図している。雰囲気を定め、みんなに共通の出発点を与える。

膨らませるための細部を提供する。答えをほのめかすが、いつも与えるわけではない。確立された設定を使って豊かで謎に満ちた世界を描く

設定ガイドを着想の源として使うこと。だが、それに縛られていると感じる必要はない。プレイヤーが確立された設定と矛盾することを持ち込んでも、本にそう書いてあるからというだけで彼らの意見を否定しないこと。本は権威ではなく、あなたが活用するための資源である。

とはいえ:何を変え、何を捨てるかはよく考えること。大きなテーマを変えるより、具体的な細部を変えるほうが安全である。狐が、ブレナンはかつてマーシュエッジでならず者の一味を率い、殺しを重ねて権力を握ったのだと言っても(設定ガイドの、評議会が保安官として雇った元山賊だという話とは違っても)、たいした問題ではない。だが、あなたと探求者が、造り手は計り知れない巨人ではなくノームほどの大きさの鋳掛け屋だったと決めたなら、あらゆる設定の細部(街道の大きさ、廃塔の規模、造り手の各種族に結びついたテーマなど)を考え直す必要がある。

準備を尊重する

セッションの合間に、あなたは準備(つまり「プレップ」)をする。脅威やNPCを書き出す。危険や発見を作ったり選んだりする。遭遇を考え、探索する場所を設計する。

準備の中には可能性に関わるものがある:PCたちが発見するかもしれないもの、直面するかもしれない危険、起きるかもしれない問題。

この種の準備は量子的な状態にある。実際にそのアイデアを使ってフィクションに持ち込むまでは、それは真実ではない。単なるアイデア――キャラクターたちの暮らしに冒険の句読点を打つ助けになるアイデアにすぎない。

だが、準備の多くは決定を下すことである――世界がどうあるかについての、本物の、拘束力のある決定。怪物の本能、ムーブ、HP、ある場所がどうして今のようになったか、誰が未亡人マイレを殺したか、といったものがこれに含まれる。PCたちが介入しなければ何が起きるだろうか、あるNPCがXやYにどう反応するか、といった決定も含まれるかもしれない。この種の準備は、まだプレイヤーに明かしていなくても、すでにフィクションの一部である。

これらの決定は慎重に、よく考えて下すこと。時間をかけること。この後の章の指針に従うこと。

そしてプレイ中は、準備を尊重する。それをフィクションの真実として扱う。これらの決定を念頭に置いて、世界を描写し、キャラクターを演じ、GMムーブを行う。準備をうまくやっていれば、それを守ることは豊かで謎に満ちた世界を描く助けになるだけでなく、(逆説的に)何が起きるかを知るために遊ぶ助けにもなることがわかるだろう。

準備について詳しくは204ページを参照。

キャラクターに命を吹き込む

NPCに名前をつける。はっきりした個性を与える。欲求、必要、癖を。

意見と信念を。できれば、はっきりした声や身振りで演じる。彼らに命を吹き込み、本物の人間であるかのように演じる。

NPCを印象に残る特徴で描写する。プレイヤーは鍛冶屋の名前がタリエセンだと覚えるのに苦労しがちだが、鍛冶屋が白髪を逆立てた大声の大男だということは覚えている。

PCたちにNPCを踏みにじらせないこと。

プレイヤーキャラクターのファンであれ、もちろん。だが、それはNPCにPCの望むことを何でもさせるべきだという意味ではない。PCたちが、NPCがしたくないことをするよう圧力をかけたり誘ったりしていると感じたら、それこそ説得するのムーブの出番である。

人間でないキャラクターにも命を吹き込む。

見た目はもちろん、どう動くか、どんな音や匂いがするか、どう振る舞うかも描写する。

獣、精霊、まったく異質な下なるものでさえ――どれにも個性がある。彼らの動機や、追い詰められたときの振る舞いについての感覚を育てる。獣なら、その生態を考える。不死の者なら、何が彼らを最後の扉(the Last Door)の向こうへ行かせないのか?

魔法的な存在なら、彼らが従う奇妙なルールを考える。そしてそのすべてについて:その細部を画面に映すか、少なくともほのめかす。それは豊かで謎に満ちた世界を描くうえで大いに役立つ。

画面外のことも考える

状況を確立するとき、質問に答えるとき、ムーブを行うときは、画面外の出来事について考える。NPCや怪物は何をしているか? 何をしてきたか? どんな痕跡を残したか? 彼らのしてきたことで、何が明らかになるか? 今していることで、後に関わってくるかもしれないことは何か? その答えを、あなたが言うことに織り込む。

PCたちが何をしていて、それが画面外の出来事をどう形づくるかも考える。大森林を進むときに大きな音を立てたら、誰がその接近を聞きつけ、どう反応するか? ゴルディン鉱山(Gordin's Delve)と同盟を結んだら、鉱山の者たちと揉めている丘の民(the Hillfolk)はどう応じるか?

町の人々に五日で戻ると言ったのに二週間戻らなかったら、誰が彼らは死んだと思い込むか? 誰が名乗り出て仕切ろうとするか? 誰がその機会に乗じて自分のしたいことをするか?

画面外のことを考えるのは豊かで謎に満ちた世界を描く助けになる。世界がPCたちよりも大きく感じられるからである。キャラクターたちの暮らしに冒険の句読点を打つ助けになる。画面外の脅威や好機はすぐにPCたちが対処すべきものになるからである。そして何が起きるかを知るために遊ぶ助けになる。より広い尺度で結果と因果について考えるようになるからである。

故郷に結びつける

ストーントップ(Stonetop)村そのものをゲームの土台に、PCたちの冒険の始まりと終わりにする。町を、その暮らしの糧を、住人を脅かす。改良に向けて前進する機会や、長引く脅威にようやく片をつける機会を与える。

PCたちが冒険に出発するときは、隣人たちがどう反応するかを示す。誰が見送りに出てくるか? 誰が彼らが戻らないのではと気を揉んでいるか? 誰がこれは愚行だとぼやくか? 一人で行くのは危険だからと、誰が何かを持たせてくれるか?

冒険の間は、ストーントップでのPCたちの暮らしに結びつく質問をする。狩りを誰に教わった? 何年も前に一緒にここへ来たのは誰で、その人はどうなった? どの古老がかつてこの生き物たちと出くわしたことがある?

この宝で誰の人生がいちばん変わるか? ここで、星空の下で、ふと思い浮かべてしまうのは誰の笑顔か?

PCたちが帰郷したら、彼らの留守中に何が起きたかを考え、町の人々が彼らをどう迎えるかを描写する。誰がいちばん喜ぶか? 誰が彼らの帰還を疎ましく思うか? 物事を正したことはさておき、そもそもこの騒ぎを引き起こしたのは彼らだと責めるのは誰か?

冒険の合間には、キャラクターに日々の暮らしや人間関係について尋ねる。町が困難に応じて、またPCたちがつかんだ好機に応じてどう変わっていくかを示す。NPCが年を取り、子をもうけ、より多くを望み、あるいはより少なくに甘んじる様子を描写する。PCたちの冒険が彼らにどう影響したかを示す。

故郷に結びつける。

物事に息をつかせる

冒険と冒険の間、あるいは個々のムーブの間にさえ、まとまった時間を経過させる。外の世界は広く、PCたちには日々の日常的な務めがある。PCたちの暮らしを一日一日、一時間一時間追いたくなる誘惑を避ける。一言で数週間や数か月を過ぎさせる:「次の三週間は収穫でみんな手一杯になり、そして……」

脅威が迫るとき、それが差し迫った深刻なものである必要はない。それが動き出している兆しを見せつつ、遠く離れたものにしておける。PCたちにそれに対して何をするかを尋ねるが、その対応は数日や数週間かけて解決してよい。

フィクションが即座の具体的な行動を求めるときにだけズームインして場面を設定し、それが終わったらすぐにズームアウトする。脅威が煮えたぎって吹きこぼれ、PCたちが対処しなければならないものになるまで、とろ火で煮させておく。

燃えるものは燃やす

どれほど自分の計画が気に入っていても、どれほどNPCの何人かを愛するようになっても、どれほどプレイヤーが愛着を持つようになっても:

誰も、何も守らないこと。

多くのGMには、ごく自然な傾向として、PCたちを甘やかし、自分が大切にするNPCをかばう傾向がある。現状を守ろうとする。PCたちのムーブや出目や大胆な行動によって当然葬られるべき悪役を、将来の対決のために取っておこうとする。

その傾向? 焼き払うこと。そして他のものもすべて燃えるに任せること。あなたはお気に入りを守るために遊んでいるのではない。何が起きるかを知るために遊んでいるのである。

これは、キャラクターたちが愛するものをわざわざ壊しにいくべきだという意味ではない。それらを脅かすべきであり、キャラクターたちがそれを救えなければ、最後までやり通すべきだという意味である。厳しく、取り返しのつかない結果を受け入れること。火遊びをすること。燃えるものは燃やすこと。

その他にすべきこと

メモを取る。多くの細部を生み出すことになり、そのすべてを把握し続けるのは難しい。自分に合う最良の道具と細かさを見つける必要があるが、書き留めておきたいものには次のようなものがある:

  • NPCの名前(と特徴、関連する人間関係)
  • あなたとプレイヤーが確立した歴史上の出来事(といつ/どこで/誰が)
  • 忘れたくない興味深い細部
  • 各セッションの出来事の要約。プレイヤーと共有するための正式なセッションのまとめを書いてもよいが、たいていこれらのメモはあなた自身のためのものである。役に立つと思う分だけ書くこと。

地図を描く。たくさんの地図を。準備の一部としてだけでなく、プレイ中の小道具や参照点としても。戦闘が起きて多くのことが同時に起きているときは、ホワイトボードや紙に地形をさっと描く(ミニチュアがあれば出してもよい)。廃墟を探索するときは、物理的な空間を確立する助けに、おおまかな地図を描く(あるいは彼らに描くよう勧める)。新しい集落に行くときは、町のさまざまな地区や区画の地図を渡す。

既存の地図にも書き加える。集落の地図にPCたちの家を書き込む。プレイ中に出てきた興味深い場所を加える。近隣や世界の果て(the World's End)の地図に彼らの旅路を描き込む。

地図や準備には空白を残す。プレイ中や後で埋めるために。自分が思いを巡らせる余地を残しておく。疑問が浮かんでも、今すぐ答える(あるいはプレイヤーに答えてもらう)必要はない。空白のままにし、メモに書き留めておいて、今後のセッションで戻ってくればよい。

物事を動かし続ける。ゲームの勢いを失速させないこと。場面を積極的に設定し、(あなたとプレイヤーの)関心の度合いに合わせてズームイン・ズームアウトする。

何も起きていないときは、GMムーブを行うか、何か面白いことが起きているところまで時間を飛ばす。

全員を巻き込む。卓の周りでスポットライトを動かし続ける。誰もがしっかり出番を得られるようにする。誰に話しかけているかをはっきりさせ、割り込むプレイヤーを待たせることを恐れないこと。

「ブロドウェン、きみには見える……ブライアン、ちょっと待って、今ホッブズと話してるんだ」

休憩を取る。休憩によって、全員が起きたことを振り返り、次に何をしたいかを考えられる。休憩によって、あなたたち――一緒に過ごしている現実の人々――は互いをよく知り、現実の近況を話し、ただ冗談を言い合える。そういうことも大切である。

プレイヤーを世界づくりに参加させ、設定があなたのものであるのと同じくらい彼らのものでもあると気づかせる。彼らに世界について何か尋ねられ、すぐに答えが出ないときは、それを彼らに返す。「いい質問だ。ブロドウェン、ストーントップの人々は死者をどうするんだ?」

ときには決定を手放す。結果をキャラクターの手に委ねる(「彼は血まみれだが、死んではいない。まだ救える。救うか?」)。結果をプレイヤーと話し合う(「どう思う? アンドラスは生きてる? 死んでる?」)。ダイスに決めさせる(「よし、彼のために死の淵を振って」)。

NPCの本能、欲求と必要、あなたのメモ、彼らの内なる論理についてのあなた自身の感覚に基づいて、NPCに決めさせる。

(「いや、彼は幽霊になって戻ってくるタイプじゃない。だから……うん、死んだ」)

運命のダイス

決定を手放す方法の一つは、ダイスに決めさせることである。多くの場合、それはプレイヤーのムーブの結果に何が起きるかを決めさせることを意味する。だが、運命のダイスを使うこともできる。

運命のダイスは単なるダイスロールで、たいていを使い、低い出目は悪く、高い出目はよいことを意味する。何が起きるべきか、物事がどう進むべきかについて特に意見がないとき、あるいは単に運の問題であるときに、プレイヤーに運命のダイスを振らせる。今日の天気は? 道中で何に出会うか? 物資の使用をいくつ略奪できるか? 一般に、1〜2は悪く、3〜4はどちらでもないか入り混じり、5〜6はかなりよい。

ときには、運命のダイスの結果表を準備しておくこともある。たとえば、彼らが野営したら何が起きるか?

1クリンウィンが野営地を襲う!
2-3クリンウィンが誰かを野営地の外へおびき出そうとする。
4-5彼らはそこにいて、ただきみたちを見ている。
6きみたちは彼らに気づかれずに済む。

に限られると思わないこと。特に結果表を事前に用意してあるならなおさらである。興味深い結果が12あるなら、を振らせる。

してはならないこと

筋書きやプロットを計画しない。PCたちのキャラクターの成長の軌跡を計画しない。PCたちが(そこに着くまでにどれだけかかったか、その前に何をしたかにかかわらず)ちょうどある出来事が起きる瞬間に到着するような、劇的な瞬間を計画しない。PCたちがある行動方針を取るとか、ある課題に成功する、あるいは失敗すると決めつけない。そうしたことはすべて何が起きるかを知るために遊ぶことに真っ向から反する。それは、何が起きるかをあなたが一人で前もって決めることである。断じてあなたがここにいる目的ではない。

かわりに:状況を、ありうる遭遇を、探索する場所を準備する。行動に移しやすいよい本能を持った脅威とNPCを、そしておそらくいくつかの不吉な前兆と迫りくる破滅を準備する。そのやり方は準備の節(204ページ)を参照。

彼らが何をするかを言う前に、何を振るかを告げない。決して「山賊が襲ってくる、DEXで危険に

抗え」などとふざけたことを言ってはならない。なぜなら、1)そういう仕組みではないし、2)彼らが素早く、あるいは巧みに(DEXで危険に抗うの誘発条件)行動しなかったらどうする? 攻撃を払いのけて盾で殴りつけたら? 一撃を受け止めて相手を刺し貫いたら? 目に土をかけて股間を蹴り上げたら? ムーブを誘発する何かをしたと先にプレイヤーから聞かずにムーブをするよう告げるとき、あなたは彼らのキャラクターを支配し、何をするかを指図している。

あなたはゲームのルールを破っている。

かわりに:ソフトなGMムーブを行い、「どうする?」と尋ねる。そしてその答えに基づいて、ムーブが誘発されたか、どのムーブが誘発されたかを一緒に決める。それから彼らはそのムーブを振り、あなたはそこから解決する。

「なんとなく」振らせない。「もしかしたら気づかないかも」とか、そういうたわごとで振らせない。ほら、他のゲームでは、怪物が野営地に忍び寄っていると決めて、PCに知覚判定を求めたりするだろう? Stonetopにそんなものはない。

かわりに、怪物の存在をほのめかすソフトなGMムーブ、たとえば厄介事を告げるを行う。「コオロギがみんな鳴きやんでいることに気づく。それから、気のせいかもしれない。だが何かが聞こえた気がする……笑い声? 森の奥で。どうする?」

そして彼らは他の者を起こすかもしれないし、声を上げるかもしれないし、首をかしげて注意深く森の奥をうかがい、洞察を求めるを誘発するかもしれない。どう応じるにせよ、そこからゲームを進める。

GMムーブを行うのをやめない。特にプレイヤーが10以上を出したときに。何が起きるかを描写し、彼らが勝ち取った成功を与えるのはもちろんである。ときにはプレイヤーが主導権をつかんで追撃することもある(それは素晴らしい、そのまま進めればよい)。だがたいていは、プレイヤーはまだ何が起きるかとあなたを見ている。フィクションは進み続け、悪者は悪事を続ける。

だから、用心棒が斬り結ぶで10以上を出してダメージを与え、敵はまだ立っていて、近くに悪者があと二人ほどいるなら、ただ「よし、彼はまだ立っている。どうする?」と言わないこと。

かわりに:最初の敵が打たれてどう反応するか、他の二人の敵が何をしているかを考える。そのすべてを踏まえたムーブを行い、それから「どうする?」と尋ねる。

GMは修練である

どんなRPGを運営することも、ヨガや音楽や武術のような修練である。極めきれるものではない。常に向上の余地があり、常に学ぶことがある。

とりわけStonetopを運営することは、それ自体が一つの技能、一つの修練である。似たゲーム(Dungeon WorldApocalypse Worldなど)を運営した経験があっても、習得の坂はある。他のゲームを運営したことがあればStonetopは身につけやすいが、その経験が逆にあだになることもある! 習慣を捨て、新しいやり方に慣れなければならず、それは難しいことがある。

要するに:Stonetopの運営はそう簡単ではないが、実際にやってみることで、どうだったかを振り返ることで、そして次はもっとうまくやろうとすることで上達する

最初の冒険では、アジェンダ(168ページ)、基本の流れ(169ページ)に従うこと、基本のプレイヤームーブ(208ページ)の誘発条件を見分けることに集中する。準備に頼り――そのためにあるのだから――じっくり時間をかける。あなたとプレイヤーがルールを覚える間、少しぎくしゃくするのは覚悟しておく。鋭い描写やNPCの声色や、すべての原則を守ることは気にしなくてよい。

最初の「キャラクターとしての」セッションの後、プレイヤーに感想を求める。何が楽しかったか? 何がぎくしゃくしていたか? 今後のセッションでもっと見たいものは何か? 必要なら詳しく尋ねるが、身構えたり、弁解しようとしたりしないこと。

謙虚に、素直に受け止めるよう努めること。

時間があるときに、アジェンダに照らしてセッションを振り返る。豊かで謎に満ちた世界を描けたか、それとも世界は平板で、空虚で、恣意的に感じられたか?

彼らの暮らしに冒険の句読点を打てたか、それとも物事をだらだらと長引かせたか? 何が起きるかを知るために遊んだか、それとも自分が進むべきだと思った道に物事を押し込んだか? アジェンダを追求しなかったなら、自問する:「アジェンダを追求していたら、どうなっていただろう?」次はそれをする。

原則を見直す。従えなかったことはあったか? それはゲームにどう影響したか? その原則に従っていたら、どうなっていたか?

行き詰まり、どうすればいいかわからなかった瞬間を思い返す。それから基本の流れを見る。行き詰まったとき、流れのどこにいたか? 何を違うふうにできたか? どんな準備が役立っただろうか? 次のセッションの前に、そういうものを準備しておくとよいかもしれない。

プレイヤーのムーブ(基本、特殊、遠征など)を見直す。誘発されたのに見逃したムーブはなかったか? 誘発条件が実際には満たされていないのにプレイヤーのムーブを求めなかったか? 使われたムーブについて、手順に正しく従ったか?

次のセッションでは、もっとうまくやろうとする。したいこと、集中したいことを2〜3個書き出す。見えるところに置いておく。セッション中、それを実践しようとする。

この過程を繰り返す。感想を求める。

アジェンダ、原則、ルール、基本の流れに照らしてセッションを振り返る。弱点を補うために準備する。目標を立てる。再挑戦する。繰り返す。

上手になる。それからもっと上手になる。それから名人になる。

準備

準備とは、セッションの合間にすることであり、次のゲームに備える孤独な楽しみ(人によってはストレスの多い作業)である。準備には、前回までのセッションのメモを見直すこと、次のセッションで何が起きるかもしれないかを考えること、プレイ中にはしたくないことをしておくことが含まれる。

なぜ準備するのか? 理由はいくつかある:

言うべき面白いことを手に入れるため。

プレイを速めるため。何が起きるかを決めたり、怪物のデータを作ったり、地図を描いたりする間、全員を待たせないように。

弱点を補うため。たとえば、いつもPCたちの従者のことを忘れて背景に埋もれさせてしまうなら、その従者たちが言ったりしたりする面白いことを準備しておくとよい。

腕を磨くため。考える時間があったほうがよくなるものもある――一貫性やテーマ性が増し、流れがよくなり、以前に出てきたことを土台にできる、など。

厳しく遊び、PCたちに悪い事態を浴びせることを自分に許すため。手加減してしまう傾向があるなら(誰にでもあるだろう?)、迫りくる破滅を確立しておいたり、悪役に「腕を引きちぎる」のようなムーブを与えておいたりすることが本当に助けになる。

役に立ち、価値があると思う分だけ準備すること。他のGMが使うものを作っているのでない限り、自分にとって自明な細部を書き留める意味はない。忘れてしまいそうだと思うか、プレイ中に特に注意を向けたいものでない限り、ニアの見た目を書き留めないこと。

以下のいくつか、あるいはすべてを準備することを検討する:

脅威

PCたちに厄介事をもたらす、継続的で繰り返し現れる問題。放っておけば悪化するもの、あるいはプレイの中でもっと掘り下げたい複雑な関係。脅威の準備と使い方については丸々一章がある(277ページ)。

フック

脅威や好機によってPCたちを外の世界へ押し出したいときは、フックを準備しておくと報われる。フックには以下が含まれる:

導入の質問、最初の場面を設定する計画、行うつもりの具体的なGMムーブ、そしてありうる反応。フックの準備の指針については最初の冒険の章(251ページ)を参照。

遠征

PCたちが町を離れるとわかっている(あるいはそう思う)なら、進路を定めるムーブ(302ページ)の選択肢を準備しておくとよい。

地図を描き、興味深い場所を準備し、道中で起こりうる遭遇をいくつかおおまかに思い描いておくことを検討する。

詳しくは遠征の章の「何を準備するか」の節(340ページ)を参照。

遺跡

セッション中にPCたちが探索したり出会ったりすると思われる重要な場所それぞれについて考える。どんな場所か? どう描写するか? それについてどんな質問をするか? その来歴は? 地図や視覚資料は必要か? 中に危険や発見はあるか? アイデアについては345ページを参照。

危険

PCたちが出会うかもしれない危害や怪物や敵対的なNPC。

設定ガイドから使える項目を探すか、自分で作る。もちろんその場で作ることもできるが、卓の時間を取られるので、前もって済ませておくのがいちばんである。指針については危険の章(379ページ)を参照。

発見

謎解き、手がかり、謎、財宝、アルカナ……これらはすべて発見である。その場で即興で済ませるものもある。いくらかメモを取っておきたいものもある。詳しく書き出しておきたいもの(特にアルカナ)もある。詳しくは421ページを参照。

NPC

プレイ中に出会うと思われるNPCがいるなら、その名前、彼らについてする質問、決定的な特徴、どう描写しどう演じるかを考える。本能、つながり、動機を与えてもよい。NPCが従者になるかもしれないなら、能力値、タグ、ムーブ、代価、本能をプレイ前に書き出しておくことを検討する。指針については449ページを参照。

こうした準備はすべて何が起きるかを知るために遊ぶことに反するように思えるかもしれないが、実際はそうではない。あなたが準備しているのは、物語やプロットや、次々と続く避けられない一連の場面ではない。

あなたが準備しているのは、言うべき面白いことを与え、プレイを速め、弱点を補って腕を磨き、厳しく遊ぶことを自分に許すためのものである。よい準備とは、すべてを台本に書き出すことではなく、即興の助けとなる土台を築くことである。