故郷
故郷とは、冒険の前、後、そして合間に起こることである。ストーントップ(Stonetop)村とそのすぐ周辺で起こることだ。PCたちが自分の暮らしを生きる姿と、PCたちの努力がもたらす影響を目にできる場である。
故郷のプレイは、PCたちが遠征に出ているときに起こることより、焦点が緩く、緊張感も低いことが多い。今ここで、まさに今起きていることではなく、数日、数週間、数か月にわたって起こることを語りながら、ゆるやかなプレイ(176ページ)に多くの時間を費やすことになる。そして故郷の場面にズームインしても、懸かっているものはたいていごく小さい。
だからといって故郷が重要でないわけではない。むしろ逆で、故郷はゲームの心臓である。ストーントップのPCたちは、村のために冒険に出る。村を脅威から守り、そこに住む人々のために資源を確保するのだ。故郷は、PCたちのすることすべてに文脈を与える。
ゲームが機能するには、プレイヤーたちが村を大切に思う必要がある。PCだけではない、プレイヤーがである。つまり、卓の時間を使って村を知り、村に思い入れを持ってもらうということだ。プレイヤーたちに村づくりを手伝ってもらおう。彼らと協力して、村に命を吹き込もう。
時の流れとともに村がどう変わるかを見せよう。彼らの決断と行動がどれほど重要か、それがよくも悪くもどのように村を形作るかを示そう。
村に命を吹き込む
PCたちに村を大切に思ってほしいなら、村は本物らしく感じられなければならない。生きていると感じられなければならない。
あなたの原則(192ページ)に従えば、村に命を吹き込む助けになる。改めて挙げると、次のとおりだ。
- ルールに従う
- フィクションで始め、フィクションで終える
- プレイヤーではなくキャラクターに語りかける
- 質問し、その答えを土台にする
- プレイヤーキャラクターのファンであれ
- 幻想的なものと日常的なものを受け入れる
- 設定ガイドを活用する
- 準備を尊重する
- キャラクターたちに命を与える
- 画面の外のことも考える
- 故郷に引き寄せる
- 物事に息をつかせる
- 物事を燃えるに任せる
ルールに従う
プレイヤーのムーブ――とりわけ故郷のプレイヤームーブ(524ページ)――は、思いがけない好機や試練、事態の急転をもたらす。そうした驚きで村を照らし出し、本物らしく感じさせよう。
人生は驚きに満ちている。あなたのストーントップもそうあるべきだ!
フィクションで始め、フィクションで終える
プレイヤーが故郷のムーブを誘発したら、どうやってそれをするのか尋ねよう。馬を徴発する? いいね、誰と話して、どう持ちかける? 村を招集する?
それはどんな様子だろう? 村の寄り合い? 酒場での演説? それとも何?
プレイヤーのムーブの結果を、あなたの描写やNPCの演じ方に表そう。PCたちが馬を徴発した?
それなら、人々が自分で荷車を引き、村を出ていくPCたちをにらみつける様子を描写しよう。招集の後、あるPCが姉妹を訪ねる? それなら姉妹を疲れて気が立った様子に演じ、盾と槍が壁に掛けられず戸口に置かれていると伝えよう。
集落プレイブックが変化したら、その変化もフィクションに反映させよう。命運が上がったら、村の明るい雰囲気を描写しよう。疲弊に印をつけたら、仕事が片付かない様子を見せよう。人口が増えたら、新参者たちがどう落ち着きつつあるかを話し合おう。
ゲームのメカニクスが村をどう変えるかをプレイヤーに見せれば、村は動的で生き生きと感じられる。プレイヤーのムーブと決断が村にどう影響するかを見せれば、彼らは村に責任を感じ始めるだろう。
プレイヤーではなくキャラクターに語りかける
物事をキャラクターの視点から描写しよう。質問はプレイヤーではなくキャラクターに向けよう。ブライアンに「みんなヴァーヒドを怖がっている」と告げるのではなく、「ヴァーヒド、君はみんなを不安にさせているのがわかる――どんなふうに?」と言おう。PCたちが村をどう体験するかに焦点を当てれば、村はそれだけ生き生きと見えてくる。
質問し、その答えを土台にする
村や日々の暮らしについて何か疑問に思ったら、それをPCたちに尋ねることを考えよう。
場面を設定するときは何をしているのか尋ねよう。「カラドック、どんな仕事や家事に取り組んでいる?」
場面を描く助けとして細部を尋ねよう。
「炉では何が煮えている?」「ヴァーヒド、この場所が我が家だと感じさせるものは何?」
意見を言ってもらおう。「この家事で一番嫌なところは?」「春のストーントップで一番好きなものは?」
彼らの暮らしについて尋ねよう。「リアンナ、朝の日課はどんな感じ?」「いつもは一人で食事をする? それとも?」
NPCについて尋ねよう。「ブロドウェン、機織りを教えてくれたのは誰?」「リアンナ、農夫たちはたいてい誰の言うことを聞く?」
伝統や慣習について尋ねよう。「カラドック、村では成人をどのように祝う?」「ブロドウェン、ストーントップでは冬の訪れをどう迎え、祝う?」
噂話、物語、言い伝えについて尋ねよう。「ヴァーヒド、みんなは陰でゴーラスのことを何と言っている?」「リアンナ、最後に誰かが盟約を破って森の木を切り倒したのはいつ? 何が起きた?」
プレイヤーが村について何か尋ねてきたら、その質問を本人に返すか、別のPCに振ってもいいだろう。「わからないな! カラドック、材木が乏しいなかで、人々は扉にいったい何を使っている?」
答えを土台にしよう、今すぐでも後でも。追加の質問をしよう。答えを最初から真実だったものとして扱おう。後の場面でそれに立ち返ろう。答えが重要で、それが村を形作るのだとプレイヤーに示せば、彼らは村を大切に思わずにいられなくなる。
プレイヤーキャラクターのファンであれ
プレイヤーに村を大切に思ってほしいなら、あなたが彼らのキャラクターを、その私生活や人間関係を大切に思う必要がある。狐の秘めた片思い、用心棒の張り詰めた家庭、探求者の嘘の網に入れ込もう。PCたちのドラマを画面に載せ、何が起こるか確かめるために遊ぼう。
幻想的なものと日常的なものを受け入れる
ストーントップでの暮らしがどんなものかを確立するのに時間を使おう。奇妙なことについて話そう:巨石の静かな力、造り手の遺跡の色褪せた壮麗さ、大森林(the Great Wood)の陰鬱な脅威。だが日常的なことについても話そう! 作物。
天気。家畜。食べ物と衣服。
家事、手仕事、娯楽。
村の文化と社会の織り目について話そう。このゲームは、ストーントップが平等な村で、誰もが貢献し誰もが分かち合うと定めている。だがそれがどんな姿をしているかは、あなたたちのグループ次第だ。村の暮らしのあらゆる細部もそうである。親族関係。子育て。
性別による役割。制度と伝統。
祝日と祭り。神話と伝説。などなど。
もちろん、取るべき均衡はある。グループが関心を持つことに焦点を当てよう。だが、日常的なことが重要でないと決めつけてはならない。
謎めいただけの世界ではなく、謎めいて豊かな世界を描こう。
設定ガイドを活用する
設定概要の配布資料とストーントップ村の項目(第II巻、
12ページ)には、共同体に命を吹き込む助けとなる細部がたっぷりある。
故郷の場面を設定するときは、印象の節にざっと目を通そう。1つか2つ選んで場面に取り入れよう。春なら? 場面を畑に置き、豆を植えるPCたちを冷たく湿った泥まみれにしよう。PCがきょうだいを訪ねる? 炉で脂を溶かす匂いや、乾かすために吊るされた灯心草のろうそくに触れよう。2人のPCが二人きりの時間を望む? 夜の場面を設定し、一人が見張り塔に立ち、もう一人が立ち寄るようにしよう。
確立されたことから推し量ろう。特に、あなたやプレイヤーが奇妙だとか時代錯誤だと感じることについてはそうだ。村人たちは大森林の生きた木を切り倒さない。それは建築や道具にどう影響する? 家に扉はあるのか? 槍や弓や矢の木材はどこから手に入れる? 木を切り倒すことはできないが、萌芽更新ならできるのか? 自分で決めるか、(もっといいのは)PCたちに尋ねよう!
変えたり無視したりしてもかまわない。設定ガイドを活用しよう、縛られていると感じる必要はない。とはいえ、何を変えるのか、その変更がどんな波及効果を持ちうるかは考えよう。小さな細部(ストーントップのウイスキーを蜂蜜酒に替えるなど)は、根本的な前提(村の平等な文化など)より安全に変えられる。
誤解への対処
ストーントップの設定の要素は、より伝統的なファンタジーRPGのお約束に慣れたプレイヤーにとって直感に反することがある。たとえば、プレイヤーたちがこう思い込んでいることに気づくかもしれない……
- 地元の人々は硬貨で支払い合う(硬貨はよそ者のためのものだ。地元の人々は品物や好意を交換し、贈り物をし、互いに借りを作り、助け合う)。
- 人々は暮らしていくために職が要る(自分の分の働きは期待されるが、人々は助け合う。皆が飢えているのでない限り、誰も飢えない)。
- 村にはさまざまな職人がいる(専業の職人はほんの数人だけだ。たいていの手仕事は、家を切り盛りする者やほかの人々が手の空いたときにする)。
- 店がある(ない)、製粉所がある(とんでもない)、宿屋がある(ない)、酒場がいくつもある(まさか)、などなど。
そうした誤解に気をつけよう。
プレイヤーが「硬貨が要る」と口にしたり、店を営んでいると言ったり、そのほか自分の前提と既定の設定とのずれを表したりしたら、そこに注意を向けよう。単に間違いだと告げるのではなく、話し合おう!
「えっと、ストーントップには店がないんだ。
塩や香辛料が欲しい人は君のところに来るだろうけど、たぶん家を訪ねてくるだけだと思う。望むなら店のような作りにしたことにしてもいいけど、ここで店というものを知っている人はほとんどいないよ」
準備を尊重する
特に、脅威(282ページ)を書き出し、それをプレイで使おう。村のおせっかい焼きは組織かもしれない。
探求者を崇拝する利発な子供は?
ワイルドカードだ。巨石そのものは? おそらくマクガフィンだろう。こうした脅威について拘束力のある決定を下そう。村を巻き込み、村に消えない傷跡を残す差し迫る破滅を書こう。あなたとプレイヤーが大切に思うNPCを巻き込む懸案を書こう。そしてその脅威を画面に載せよう。PCたちがどう反応するかを見よう。最後までやり通そう。
キャラクターたちに命を与える
村を、個性的で記憶に残り、信じられて心惹かれるNPCたちで満たそう(手引きはNPCの作成、453ページを参照)。確立したNPCを記録しておき、時とともに彼らをプレイに呼び戻そう。彼らがどう変わり成長するか、PCたちの行動にどう影響されるかを示そう。
PCたちが村の全員を好いたり、全員とうまくやったりする必要はない。村人の中には脅威であるべき者もいる! だが厄介な隣人にも陰影を与え、PCたちが彼らを無視したり村から追い出したりできない理由を持たせよう。たとえば:
- 共感できる動機
- 救いとなる長所
- 村が必要とする技能
- その人を愛する家族
- 指導者・有力者の地位
- ほかのNPCからの尊敬・忠誠
- PCに対する弱み(誓い、秘密、家族の絆など)
画面の外のことも考える
遠征の終わりにPCたちが帰路につくとき、村で何が起きていたかを考えよう。人々は何をしていた? 士気はどうだった? どんな噂や陰口が広まった? PCたちの留守中に、どの脅威が進展した?
どんな事業が進んだ?
PCたちが帰り着いたら、何が起きていたかをプレイヤーに見せよう。PCたちが近づくときの見張りの声の緊張や、人々の目のやつれた色を描写しよう。畑がすべて植え付けを終え、今は馬鍬がかけられていることに触れよう。
マクセンの具合が悪化したことや、木柵ができあがりつつあることを伝えよう。
PCたちがいない間にも村は変わるのだとプレイヤーに示せば、村はずっと本物らしく、ずっと生き生きと感じられるだろう。
故郷に引き寄せる
村をゲームの土台にしよう。村とそこに住むNPCたちを作り、定めるのをプレイヤーに手伝ってもらおう。大切に思う機会を与えよう。それから村を脅かし、物事をよくする好機を差し出し、PCたちの決断と努力が村をどう変えるかを示そう。よくも悪くも。
そのうえで、PCたちが村にとって重要であることだけを示すのではない。村がPCたちにとって重要であることを示そう。PCたちと彼らが大切に思うNPCとの関係を掘り下げよう。そうしたNPCにPCたちを支え、気遣わせよう。NPCにPCたちの努力への感謝を述べさせよう。力及ばなかったことをNPCに詫びさせ、もっとうまくやろうとさせよう。
ストーントップ村が単なる拠点ではなく、我が家なのだとはっきりさせよう。そして守る価値のある、戦う価値のある我が家にしよう。
物事に息をつかせる
あなたの仕事は、PCたちの暮らしに句読点を打つように冒険を差し挟むことだ。ほとんど何も起こらない期間があるべきだ。数日、数週間、数か月を流そう。PCたちに長期の事業に取り組ませたり、ただ暮らしを生きさせたりしよう。ちょっとした描写と少しの質疑応答だけで季節が過ぎてもいい。ストーントップは、季節が移ろい、キャラクターが歳を取り、長期的なメカニクスが効き始めるにつれて、時間をかけて生きてくる。
プレイヤーたちは、意図的にせよそうでないにせよ、これに抗うかもしれない。すぐにまた冒険に出たがったり、何かの謎や問題に執拗に取り組んだりするかもしれない。気をつけないと、一つの季節に何十セッションも費やすことになる。
ズームアウトし、彼らの務めを思い出させ、時の流れを見せることを恐れてはならない。次の季節に進みたいなら、夏の残りに何をするかを尋ねてはならない。代わりにこう言おう。「次の数週間は何事もなく過ぎ、やがて日が短くなり、木の葉が色づき始める。
この数週間、どんな仕事に時間を取られていた?」
物事を燃えるに任せる
あなたが仕事をこなせば、プレイヤーが大切に思う村とたくさんのNPCができあがる。あなたも大切に思う村とNPCが。
彼らを守ってはならない。
村や愛されたNPCに悪いことが起きるのを許す覚悟がなければならない。グループの内容のガイドライン(66ページ)の範囲にはとどまろう。だがそれ以外は、手加減をやめよう。懸かっているものが本物でなければ、PCたちの英雄的行為も本物ではない。
故郷の運営
故郷のプレイはとてもゆるやかだ。PCたちはしばしば互いに離れ、それぞれの暮らしを生き、それぞれのことをしている。
何を流し、
どの場面を演じるかを決める必要がある。
最初の冒険の前には、村の暮らしを確立する場面を設定する。
それから冒険の導入を投げ込み、PCたちがそれに反応し、遠征の準備をし、出発するのについていく。
冒険の後始末では、故郷のプレイに戻る。最近の出来事とPCたちの帰還に村人たちがどう反応するかを見せる。各PCに冒険を消化し、NPCたちとのつながりを取り戻す機会を与える。自然に続く場面を演じ、それから休息期間へと移る。
休息期間には、大きくズームアウトする。
時の経過を描写し、必要なときだけ場面に入る。PCたちは鼓舞する、静養する、レベルアップといった故郷のムーブを行う。長期の事業に取り組んだり、そのために計画を立てるかもしれない。十分な時間が過ぎれば、季節が移ろう。
やがて何かが次の冒険を促す。PCたちが外の世界でしたいことを見つけるか、あなたが彼らの対処せずにいられない脅威を持ち込むのだ。
その間ずっと、あなたは中核のループ(169ページ)に従い、GMムーブ――とりわけ故郷のムーブ(502ページ)――を行う。
最初の冒険の前
実際のプレイの最初のセッションは、村の我が家から始めよう。各PCの日々の暮らしを描き出す日常的な場面を設定しよう。PC同士の、そして重要なNPCとのPCたちの関係を掘り下げよう。
これらの場面を使って、最近の出来事と目下の関心事を確立しよう。日々のちょっとしたドラマを演じよう、ただし、それを解決してしまってはいけない。
それから、冒険の導入を投げ込もう。
PCたちがそれにどう対処するかを決めるのについていこう。彼らにとって何が重要かを見極め、彼らを外へと押し出そう。導入とPCたちの計画の両方にNPCたちがどう反応するかを演じよう。
最初の冒険の章(251ページ)全体が、このための準備を整えてくれる。その章に示された手順に従おう!
後始末
遠征のたびに、時間を取って次のことをしよう:
1)何が起きたかを決める
2)帰還を演じる
3)何が続くかを見る
この部分を飛ばしてはならない! PCたちは村のために不自由に耐え、身を危険にさらしてきた。彼らの帰郷を使って、その努力が意味あるものだと示し、自分たちが誰と何のために戦ってきたのかを思い出させよう。故郷に引き寄せよう。
同じ構造は、故郷での危機(499ページ)が収まった後にも当てはまる。何が起き、誰が影響を受けたかを見極め、危機の直後の場面を演じ、それから自然に続く場面を見よう。
1 何が起きたかを決める
PCたちが帰路につくとき、数分取って、PCたちの留守中に物事がどう進んでいたかを考えよう。次のことを考えよう。
PCたちはどれくらい留守にしていたか?人々は何をし、何に対処していたか? 士気はどうだったか? PCたちの留守中、誰がひどく心配し、誰が恨みを抱き、誰が奮起したか? PCたちの留守が予定より長かったなら、人々はその遅れにどう反応したか?
遠征に出た誰かが負傷したか、帰らなかったなら、それに最も心を乱され、影響を受けるのは誰か?
どんな仕事が進められていたか?
ストーントップの印象(第
II巻、14ページ)を参考にしよう。
PCたちは村の資産を徴発したか?
その資産が村になかったことは、人々の暮らしにどう影響したか(影響があったとして)?
出発前に、PCたちは解決に時間のかかるムーブを誘発したか(力を合わせるなど)? 今それを解決して結果をどう見せるかを考えるか、後でいつどのように解決するかを書き留めておこう。
差し迫る破滅に向かって進展した脅威はあったか?あったなら、その不吉な前兆をPCたちにどう明かすか?
メモを取ろう! 帰郷がセッションの途中で起こるなら、休憩を取って考えをまとめよう。これからの場面で確立したい細部のリストを作ろう。
PCたちの最初の冒険の後の夏だ。彼らは緑の君の墓を探索しに戻った。帰り道、ガレト(リアンナの部隊の一人)がドレイクに襲われた。彼らはクリンウィンを避けつつ進み続けたが、ガレトは助からなかった。彼は死んだ。
PCたちが故郷に近づいたところで、休憩を取り、私は何が起きたかを考える。
彼らは4日間留守にしていた。彼らが発ったとき村は平穏だった。ただリアンナが民兵に備えの訓練をしていて、留守中に何度か見回りをするよう命じていた。帰り道でその一つに出くわすだろう、と私は考える。それ以外は、人々はいつもの夏の仕事をしていたはずだ。
PCたちは村の資産を徴発しておらず、差し迫る破滅を抱えた故郷の脅威もない。だが出発前に、ブロドウェンはセレンにテグウェンを説得して目を覚まさせるよう頼み、従者に命じるを誘発していた(セレンはブロドウェンのために説得していた)。そのときは解決しなかったので、今ブロドウェンにロールしてもらう。結果は4。テグウェンは結局、目を覚ましはしない。
私は手早くリストを作る:
- ガレトには姉妹がいた:ケリス(寡婦、子供はウィニとヒューエル、12歳と9歳)
- 森の小川沿いで見回り • 干し草作り、草取り、休閑地の耕起 • テグウェンを説得するセレンの4
2 帰還を演じる
PCたちが村に帰り着くところ、あるいは少なくとも旅路の最後の行程にいるところで場面を設定しよう。何時か、どの方角から近づいているか、近づくにつれて何が目に入るかを伝えよう。
質問しよう! それぞれ何を考え、何を心配し、何を楽しみにしている? 遠征で起きたことについて何か秘密にしておくつもりか、あるいは話を何らかの形で脚色するつもりか? ただとぼとぼと帰るのか、少し見せ場を作るのか、それとも?
村そのものに着く前にNPCと出会わせてもいい。そうした出会いは、皆が故郷のプレイに戻る助けとなり、PCたちの帰還への村の反応を予感させることができる。
「夕暮れ時、君たちが発ってから4日後だ。日は低く、森に長い影を落としている。もうすぐ我が家だ。さて、何を考えている? みんな何を思っている?」皆の答えは少し沈んでいる。ガレトの死があったのだから。
次に、小川の近くで場面を設定する。見回りの一隊がPCたちを「待ち伏せ」しようとしている。リアンナが彼らを見つけ、開けた場所に呼び出し、一人にケリスを呼びに行かせる。
ケリスが到着し、彼らが何が起きたかを伝える感情的な場面になる。彼女は泣き崩れるが、やがて気を取り直す。葬儀や通夜について話があり、彼らはつづら折りの道を登ってストーントップへ向かうことにする。ガレトの屍衣に包まれた亡骸を担ぎ、英雄の弔いの歌を歌いながら進むのだ。
PCたちが村に戻ったら、ストーントップの印象(第II巻、14ページ)を使って場面を設定しよう。画面の外のことも考えよう。PCたちの留守中に起きたことを示す細部を盛り込もう。
PCたちが凱旋する(339ページ)なら、それがどんな様子かに入っていこう。知らせが広まり、人だかりができ、乾杯し、祝う様子を描写しよう! だが同時に、誰が後ろに下がってにらみ、ぶつぶつ言い、まだ不満だったり単に取り残されていたりするかも伝えよう。
PCたちの帰還が恐慌を引き起こしたり災厄を明らかにしたりするなら(たとえば、村の馬を連れ出して失ったなど)、村は災難に見舞われる(532ページ)。
悪い知らせを聞きに人々が集まる様子、その怯えた目、心配そうなつぶやきや悲嘆の叫びを描写しよう。だが同時に、誰が進み出るか、誰がPCたちを支えるか、誰が理を説こうとするかも伝えよう。
PCたちの帰還が凱旋になりうる、あるいは恐慌を引き起こしうるが、どちらとも決まっていないなら、それを場面として用意しよう。場面を設定し、NPCを演じ、GMムーブを行おう。必要条件を告げる(「これを凱旋にするには、みんなの話の辻褄を合わせておく必要があるぞ」)か、窮地に立たせる(「人々はぶつぶつ言っていて、恐慌寸前だ」)かもしれない。「どうする?」と尋ね、PCたちがうまくやり遂げられるか見よう。
そうでなければ、彼らの帰郷と人々の反応を、筋が通るように描写すればよい。必要に応じて質問し、その答えを土台にしよう。
そこから「どうする?」と尋ねよう。PCたちが皆それぞれの道に分かれるまで状況を演じよう。
ガレトの死と、弔いの歌を歌う一行のことを考えれば、これが凱旋にあたるはずはない。だが同時に、ガレトの死が恐慌を広げることもない――彼は大森林(the Great Wood)でドレイクに殺された狩人であり、悲しいがありふれた死だ。だから私は場面を設定し、人々の反応を描写するだけにする。
「君たちがつづら折りの道を登りきったとき、日はまさに沈もうとしている。古き壁(the Old Wall)の上にいくつかの干し草の山が影絵のように見え、人々が村へとぼとぼ戻っていく。だが道の上には、すでに小さな人だかりができている。最長老のセレンがそこにいて、人々を率いて哀悼の歌を歌っている。セイウルとモルウェンナもいて、明らかにほっとしている――
カラドックが生きているのを見て。リアンナ、君はほかの者たちにも気づく。プリデルとレイナルは厳かに歌っていて、グレニスはウィンヴォルの手を握り、君をにらんでいる。君たちが村の中へ、東屋へ向かって進むにつれ、ほかの人々も加わり、歌を歌い継いでいく」
私は弔いの儀式についてさらに質問する。ブロドウェンによれば、亡骸は神々の東屋に運ばれ、誰かが夜通しそばで寝ずの番をし、翌朝にきちんとした火葬の薪が組まれるという。リアンナは寝ずの番を買って出る。ケリスが子供たちの世話をできるように。ヴァーヒドは家に帰る前に、死者のための美しいリュゴス(Lygos)の歌を捧げる。ほかのPCたちも散っていく。
3 何が続くかを見る
PCたちがそれぞれの道に分かれたら、休息期間へ移る前に、その後数日の間に展開する場面や状況をいくつか設定しよう。特に、次のことを演じよう:
- 明らかなこと。対処すべき危機、すぐに下すべき決断、山場を迎える対立など
- 各PCとその家族との場面を少なくとも1つ。あるいはそのPCにとって大切なほかの誰かとの
- 画面に載せたいものすべて(特定の細部を確立するため、GMムーブを行うためなど)
- プレイヤーが演じたいほかの場面すべて。NPCとの場面でも、PC同士の場面でも。
これらのいくつかは交わったり重なったりする。用心棒が遠征に出る前に配偶者と大喧嘩をしていたなら、それは明らかな場面でもあり、彼女の「家族」の場面でもある。
これを行う間は、PCからPCへ、場面から場面へと飛び移りながら、スポットライトを積極的に管理しよう。場面の途中で切り替えることになっても、全員の関心を保つために15分かそこらごとにスポットライトを移すようにしよう。おおむね順番どおりに進めるようにしよう、ただしそれにこだわりすぎないこと。プレイヤーの関与は時系列より重要だ。
こうした状況のいくつかは本格的な場面になる。ズームインし、一瞬一瞬を、キャラクターとして話す。ほかはズームアウトしたもので、実際の場面というよりゆるやかなプレイに近く、質疑応答が多く、会話を演じるより描写する。どちらでもかまわない!
全員が、家族か大切に思うNPCとの場面を少なくとも1つ持つべきだ。こうした場面は、PCたちとストーントップとの絆を強める。PCたちが冒険を消化し、自分がどう変わり成長したかを見せる余地を作る。
幸せな場面や肯定的な場面である必要はない。あらゆる形で張り詰めていてかまわない。ただ、「家族」の場面がとりわけ辛いものなら、誰かがそのPCを本当に支えるか、少なくとも優しくする追加の場面を用意してもいいだろう。
ほかのPCたちはリアンナをガレトの亡骸とともに東屋に残し、私たちはズームアウトして次に何が起こるかを話す。
リアンナの部隊と多くの村人が酒場に向かい、思い出話をしてガレトに乾杯すると私は言う。ブロドウェンとカラドックも加わる。ヴァーヒドは家に帰る。
カラドックは酒場を出るときにモルウェンナとの場面を得る。私はくすぶる緊張を明かす。彼女は少し控えめで、やがてカラドックが気づく。彼は彼女に話をさせ、彼女はどれほど心配したか、夫が帰ってくるかどうかいつもわからないことに耐えられるかどうかわからないと打ち明け、彼は「夫?」となって、ついに勇気を出して彼女にキスし、彼女もキスを返して、何とも甘い場面なのだが、実のところ問題そのものには向き合っていない。
ブロドウェンはできるだけ帰宅を先延ばしにする。母テグウェンとの間に何か嫌なことが起こると思っているのだ(そしてそれは正しい。従者に母を説得させて少しはましにしようとして4を出したのだから)。とはいえその対立は朝まで待つだろうと思うので、ヴァーヒドに切り替える。
ヴァーヒドは家に帰った。彼は静かで小さな場面を演じる。荷をほどき、落ち着き、あれこれ片付けながら猫たちに話しかける。彼は地元のNPCと親しい絆をまだ築いていないので、私は興味深い人物を登場させる。寡婦のメールがシチューを持って立ち寄り、猫たちを撫で、あまりさりげなくない誘いをかける。
寝ずの番をするリアンナの場面に戻る。ケリスがやがて子供たちを連れて戻ってくる。父親のようだった叔父に別れを告げるためだ。子供たちは泣き、なぜと尋ね、彼の顔を見たがるが、よくわかってはいない。彼らが去るとき、リアンナが口を開く。「ケリス、あたし……本当にすまない。あんたたちが何ひとつ困らないようにするよ。慰めにもならないのはわかってる。でもガレトはあたしたちの仲間だった。あんたたちは家族だ」ケリスはぼんやりとそれを受け止め、去っていく。
辛い場面だったので、後で(リアンナの部隊の)エイラを立ち寄らせる。感傷的に酔っていて、一杯酌み交わし、ガレトの死はリアンナのせいではないと請け合う。それがどれほどの慰めになるかはともかく。
次の場面の前に、私は内容のガイドラインを確認し、必要ならタイムを宣言するよう皆に念を押す。理由はすぐわかる。
ブロドウェンはシチューの匂いで遅くに目を覚まし、母が料理をしていて、妙に礼儀正しいのに気づく。テグウェンに「裏を片付けて」と頼まれて、ブロドウェンはお気に入りの老いたヤギが屠られたことを悟る。彼女が問い詰めると、母テグウェンは罪悪感を武器のように振るう。「だって、かわいそうなケリスに何か持っていかなきゃならないでしょう。あんたが面倒を見ていて兄さんが死んだんだから。それにあんたは休みが要りそうだったし。だから乳の出なくなったヤギを一頭選んだのよ」そして母は呆然と戦慄するブロドウェンを残して去り、ブロドウェンはペットの亡骸を片付けることになる。
そこから、ガレトの葬儀へと飛ぶ。私たちはその様子を描写し、互いのアイデアに乗って場面を描き出し、皆がどう関わっているかを語る。
ブロドウェンはかなり傷ついているので、葬儀の後に場面を設定する。彼女がグウェンディルとセレン(ほかのダヌの入信者)に胸の内を吐き出す機会だ。彼女はそうし、最後に私は好機を差し出す。セレンは、年寄りの骨には家のことを手伝ってくれる人がありがたいし、ヤギたちの居場所もたっぷりあると言う。涙ぐんだブロドウェンは、真剣に考えてみると約束する。
休息期間
PCたちの帰還にすぐ続く場面と状況をすべて演じ終えたら、休息期間へ移ろう。
事務的なことを片付けよう。集落プレイブックを更新しよう。戦利品をどうするか話し合おう。
所持品をリセットしよう。できる者にはレベルアップを促そう。静養する必要がある者がいれば、今それを処理しよう。
目標と意図を確立しよう。プレイヤーたちがプレイで何を見たいかを見極めよう。この休息期間に各PCが何をするつもりかを見極めよう。
必要に応じて場面や状況を演じよう。
あなたの直感、準備、そしてプレイヤーたちのムーブと関心に従おう。次のようなときに状況を確立し、場面を設定しよう……
- プレイヤーのムーブや行動を解決するために、そうする必要があるとき。または
- GMムーブを行ったり、脅威(277ページ)の懸案を解決したりするために、あなたがそうしたいとき。または
- プレイヤーたちがそうしたいとき(スポットライトを独占したり、ほかの誰かの楽しみを妨げたりしていない限り)。
各場面や状況には、複数のPCを含めるようにしよう。それから、終わるまで――あるいは別の場面、状況、冒険へと雪だるま式に膨らむまで――演じよう!
これらすべてを行う間、時の経過を描写しよう。天気がどう変わるか、ほかの人々が何をしているか、人々がどんな伝統や祭りを守っているかといった細部を盛り込もう。この時期が自分にとってどんな様子かを、PCたちにも尋ねよう!
十分な時間が過ぎたら、季節の移ろい(517ページ)を行おう。
ブロドウェンとほかのダヌの入信者たちとの場面の後、私たちは休息期間へとズームアウトする。全員が所持品とHPをリセットし、衰えを消す。PCたちは全員レベルアップに十分なXPを持っているので、今それを行う。
PCたちは緑の君の墓からすてきな戦利品を持ち帰り、次のように分ける:
- ヴァーヒドはひびの入った笛を取る(小アルカナム)
- ヴァーヒドは未裁断のテーブル(?)絹の糸巻きも手元に置く。何か使い道を探すつもりだ
- 古い青銅の手斧は修復のため鍛冶屋のタリエシンのもとへ行く。カラドック、リアンナ、リアンナの部隊が、仕上がったら個人の持ち物として受け取る
- リアンナは銀の透かし細工の球をひとまず手元に置いておくが、それは村の資産だと考えている
「それから数週間、」と私は言う。「君たちは皆、日々の暮らしに戻っていく。日々は暑く蒸していて、にわか雨が降ってもかえって蒸し暑くなるだけだ。ケリスと子供たちはもちろん悲しんでいるが、なんとかやっている。それで……今、君たちそれぞれの暮らしはどんな様子だ?以前とどう違う?」
カラドックは、自分とモルウェンナが今では公然と付き合っていると言う。手をつなぎ、夕方には散歩し、キスしたり、などなど。
リアンナは初夏に始めた備えの訓練を続けている。彼女の部隊はまた狩りに出ていて、クリンウィンの気配に目を光らせている。だが交代でケリスと子供たちの家事や食べ物やらの手伝いもしている。
ブロドウェンは家を出てはいないが、母を避けている。ヤギを放牧し、食事はグウェンディルやセレンととる、などなど。
ヴァーヒドはたいてい畑を手伝い、数晩おきに寡婦のメールと夕食をともにする。「でもほとんどの夜は、古き壁に出かけてこの笛を使いこなせるよう練習するんだ!」
「ひびの入った笛」の小アルカナムには特別なムーブがある。「あなたが数日かけて練習するとき……」ヴァーヒドはどのようにどこでそれをしているかをすでに話しているので、私は(ムーブに従って)+CHAでロールするよう言う。10が出たので、彼は進展に印をつける(3つ必要だ)。私はそれがどんな様子かを尋ね、彼は手短な場面を演じる。月明かりの下で笛を吹き、最後の夜、草の中に風が見え、自分の調べに合わせて踊っていたと彼は誓う。
「ほんの数日しかかからなかったな」とヴァーヒドは言う。「もう一度やってもいい?」だめな理由は見当たらないが、その間にほかの誰かがしたいことはあるかと尋ねる。
リアンナは、銀の球を何か役に立つもの――荷車の予備部品やロバなど――と交換してみたいと言う。これで交易と物々交換が誘発され、彼女は7を出す(「今売ることはできるが、本来の価値は得られない」)。私は、ゴルディン鉱山(Gordin's Delve)へ向かう途中で村にいる商人ウルナとの場面を設定する。リアンナは値を吊り上げる掛け合いに失敗し、取引をやめることにする。「いっそ自分たちでゴルディン鉱山まで行こうか」と彼女は言う。「でも今じゃない」
ほかの2人のPCは何をしているのか尋ねる。カラドックはモルウェンナと過ごすことに満足していて、ブロドウェンはただ母を避けたいだけだ。了解!
ヴァーヒドに戻る。彼はさらに数晩笛の練習をし、今度は8を出す。つまり進展はするが、怒れる風の精を呼び出してしまう。精霊とヴァーヒドが、月明かりの下で「散歩」中のカラドックとモルウェンナの邪魔をするという愉快な場面になる。
ヴァーヒドはアルカナムの解放を終えるため、もう一度挑む。賢明にも、精霊と話せるブロドウェンに手伝いを頼む。彼女が助力し、案の定、11が出る。ヴァーヒドは今や風の精、アンダラウを呼び出せる。そしてブロドウェンが星空の下で風と踊る楽しい場面になる。
私たちはズームアウトし、私は日々が短く涼しくなり、畑が作物で重たげになっていると言う。夏が終わりに近づいている。ヴァーヒドは、もう一つのアルカナム、豪華に織られた敷物に取り組めないかと尋ねる。それには彼がひどい火傷を負い、それから何週間も研究することが必要になる。フィクションの上では可能だが、ほかのプレイヤーたちはそわそわし始めていて、セッションの終わりも近い。私は押し返す。「それは待とう。画面に載せる価値があるし、もう遅い。それに、君には家事や書き物があって畑も手伝っているんだ。気まぐれで自分の体を傷つけに行くわけにはいかないだろ、な?」ヴァーヒドは今のところ引き下がる。
この夏にしたいことはほかに誰もないので、季節の移ろいのムーブを行う。皆の目にヴァーヒドが一番意志が固そうに映るので、彼がロールする。8が出た。つまり季節の恵みと脅威だ。次のセッションはその脅威を登場させ、次の冒険を用意するところから始めるつもりだ。
次の冒険
休息期間は次の冒険で終わる。それは遠征かもしれないし危機かもしれず、自然発生的なものかもしれないし、前もって準備したものかもしれない。
遠征
遠征(301ページ)では、PCたちが準備をし、目的地へ向かって旅をし、遭遇を重ね、試練に立ち向かい、やがて帰郷する。
PCたちはいつでも遠征に出ることを選べるが、たいていは導入――あなたが提示する何らかの脅威、好機、必要――に応じて出発する。それはプレイヤーのムーブの結果であったり、単にあなたがそのGMムーブを選んだからであったりする。
PCたちが無謀な遠征を提案したら、押し返そう。彼らの務めを思い出させよう。彼らには家事があり、村での務めがある。代償や必要条件を告げよう。導入を待つか、自分から探しに行くよう促そう。
PCたちの最初の冒険の後、リアンナはスウィンに仕えていたクリンウィンを狩りたがる。「魅了されていたのはわかってる」と彼女は言う。「でもあたしたちにとって危険なのは変わらない」
スウィンの死後、クリンウィンは散り散りになった。そんな狩りが成功するとは思えない。「墓に戻ったとしても、」と私は言う。「やつらを追跡するのは無理だ――樹上に住んでいるからね。数日か数週間、森で痕跡を探し回ることはできるけど、確かな手がかりがなければ時間を無駄にするだけだ」
遠征にはPC全員が関わるべきだ。あるいは少なくとも、その場にいるプレイヤー全員の了承を得るべきだ。グループの一部だけが遠征に出たがるなら、次のようにするといいかもしれない……
- パーティを分け、一部のPCが遠征に出て、ほかのPCは故郷で事業に取り組む。
- キャラクターとして話し合う。PCが互いに説得し合うのもいいだろう。
- ゲームの時間をどう使いたいか、何が一番楽しいかをプレイヤー同士で話し合い、合意を目指す。または
- 上記のいくつかを組み合わせる。
パーティを分けるなら、残るPCたちにも画面上で面白く意味のあることがあるようにしよう。あるいは、彼らが欠席するセッションに旅を予定しよう。
前回のセッションの終わりに、季節が秋へと移ろい、ヴァーヒドは7〜9を出し、私は次の冒険の口火を切ると見込んだ脅威を用意した。
ところが、リアンナのプレイヤーが直前になって次のセッションを欠席することになる。日程を組み直す代わりに、ヴァーヒドのプレイヤーが初秋に廃塔(the Ruined Tower)へ手早く出かけることを提案する。「上の階を探索するだけ、戦利品が見つかるか見てみよう」短い旅で、私の計画を少しも乱さないので、私は乗り気だ。カラドックもそうだ。ブロドウェンは興味がないが、家に残るのはかまわない。問い詰めるべき母がいるのだから。
ヴァーヒドとカラドックは準備をする。私はカラドックに、このことをモルウェンナにどう伝えるのか尋ね、それが場面につながる。彼女は喜んでいないのに、カラドックは気づきさえしない。それから2人のPCは出発する!
危機
危機とは、村に今ここで起きている、差し迫った災いである。怪物が襲ってくる。家が火事になる。誰かが殺される。何であれ、それは悪いことで、さらに悪くなるおそれがある。
危機はたいてい強いGMムーブであり、プレイヤーが6以下を出したときや、PCたちが厄介事を無視したときに行うものだ。だが、7以上でも危機を生み出しうるプレイヤームーブもいくつかある。たとえば、季節の移ろいで春か秋になるとき、7〜9では「集落への脅威が姿を現すか、悪化する」とあり、これは危機として表れうる。
危機はほかの状況と同じように解決しよう。場面を設定しよう。環境を描写しよう。必要に応じて細部を加えよう。質問し、質問に答えよう。NPCを演じよう。GMムーブを行って危機を画面に載せよう。「どうする?」と尋ねよう。彼らの行動を解決しよう。繰り返そう。何が起こるか確かめるために遊ぼう。
村は災難に見舞われるかもしれない。
PCたちが災厄と恐慌を防ぐかもしれないし、防げないかもしれない。そもそも防ぎようがないこともある。2人の農夫が畑で惨殺されたところから危機が始まるなら、災厄はすでに起きている。
危機の後、PCたちはそれに応じてすぐに遠征に出るかもしれない(前ページのとおり)。
すぐに出発しないなら、故郷のプレイに戻り、後始末(490ページ)に対処しよう。何が起きたか、誰がどう影響を受けたかを見極めよう。
人々が被害を確かめる、危機の直後の場面を演じよう。続く場面をいくつか演じよう。各PCとその家族やほかの親しいNPCとの場面も含めて。それから休息期間に戻ろう。
このセッションにはリアンナのプレイヤーが戻ってきていて、私はまだ季節の移ろいのムーブの7〜9の結果に続きをつける必要がある。
私は初秋、カラドックとヴァーヒドが廃塔から戻って数日後に場面を設定する。「涼しく暗い夜で、曇っていて風がある。君たちはそれぞれ何をしている?」
それぞれと手短な場面を演じ、最後は見張り塔の番をするカラドックだ。さらに質問すると、モルウェンナがまだ怒っていることがわかる。彼は仲直りの贈り物に革の腕輪を編んでいる。
私は怪物のムーブで危機の口火を切る。クリンウィンの物音、言葉、助けを求める叫びを真似るだ。「声が……聞こえる?風に乗って、なんだか森の方から? でもそれはおかしい。どうする?」
カラドックは洞察を求め、やはりクリンウィンが村に忍び込んでいると悟る。彼は警鐘を鳴らす! レイナルは戦いで命を落とすが、皆は多くのクリンウィンを倒し、残りを追い払う。PCたちは恐慌が広がるのを食い止めたので、村は災難に見舞われない。
戦いが終わる頃には夜明けが近く、人々は疲れ果てている。私たちは故郷のプレイに移る。私は後始末を描写する――泣く子供たち、手当てを受ける傷、父の亡骸にすがって泣くプリデル。各PCが短い場面を得て、翌朝、リアンナと部隊はクリンウィンの追跡を試みる。ところが、洞察を求めるで6を出し、私は歓迎されない真実を明かす。傷がもとで死んだ死体がいくつか見つかるが、巣は見つからず、はっきりした痕跡もない。「くそっ」とリアンナが言い、私たちは休息期間に戻る。
自然発生的な冒険
冒険はセッションの途中で、準備する機会もなく始まることがある。これは次のようなときに起こりうる……
- プレイヤーたちが自ら進んで遠征に出る(集落の改良を目指して、アルカナムを解放するために、遺跡を調べるために、など)。
- プレイヤーのムーブによって脅威、好機、必要を提示することになり、遠征を促すものを提示する。
- GMムーブを行うときで、あなたが厄介事を告げるか好機を差し出すか、そのほか導入を投げ込み、PCたちがそれに乗る。または
- プレイヤーが6以下を出すか、承知の上で厄介事を招き、あなたの強いGMムーブが危機として表れるか、遠征の口火を切る。
慌てることはない。ゲームを運営しよう。場面を設定しよう。スポットライトを管理しよう。中核のループに従おう。ゆるやかなプレイへとズームアウトし、次の場面や状況を見極めよう。質問し、その答えを土台にしよう。必要なら少し休憩して考えをまとめよう。準備を尊重しよう、特に脅威を。設定ガイドを活用しよう、即興に使おう。
あなたとプレイヤーたちが一気に本題に入りたいなら、PCたちがすでに冒険に出ているところで次の場面を設定しよう。それから質問して、何が彼らをここに導いたのか、すでに何が起きたのかを確立しよう。彼らに
さかのぼって装備を整えさせ、出発だ!
自然発生的な冒険がセッションの終わりまでに片付かなくても、かまわない。これで準備する時間ができた! 575ページの「セッションの合間に」を参照。
ヴァーヒドとカラドックは廃塔への旅で私を驚かせるが、問題ない。彼らは進路を定めるを行い、私はそのムーブと第II巻の平原(the Flats)の項目を使って旅を組み立てる。彼らは出発し、私は第II巻の印象や質問を使う。たとえば「賢い旅人は荷運びのドレイクを寄せつけないために何をする?」彼らが到着し、少し休憩を取る。私は廃塔の項目を調べ、メモを取り、そこから冒険の残りを運営する。
ゲームの2度目の春、ある「家族」の「労働者たち」がゴルディン鉱山からストーントップに移ってくる。ヴァーヒドは彼らが歯のムトラの手先ではないかと疑う。カラドックは彼らを探りに行くが、2を出し、私は彼を捕らえることにする。「君はムトラが不機嫌だという話を耳にする。そして背後で物音がして、ドスン、すべてが真っ暗になる」
遅くなってきたので、次の場面を強引に設定する。「リアンナ、ヴァーヒド、ブロドウェン……翌朝だ。君たちは大森林の中をとぼとぼ進んでいる。ブロドウェン、カラドックとモルウェンナがいなくなったのにいつ気づいた? リアンナ、労働者たちが2人を連れ去ったとどうやって突き止めた? ヴァーヒド、彼らが墓に向かっていると、どうしてわかる?」
彼らは私の質問に答え、さかのぼって装備を整え、計画を練る。ヴァーヒドは風の精にカラドックへの伝言を運ばせる。「古い温室で野営しろ。見つけに行く」場面はカラドックが伝言を受け取り、モルウェンナを殺されないように捕らえた者たちを出し抜こうとするところに切り替わる。
そこでセッションを終え、次のセッションまでに冒険の残りを準備する。
準備された冒険
次の(あるいは近いうちの)セッションで冒険を始めるつもりなら、時間を取ってそれを準備しよう。
たとえば、プレイヤーたちが遠征に出たいと言ったなら、進路を定め、注目すべき地点や旅の行程などを選ぼう。冒険の導入を投げ込むつもりなら、中核となる脅威や好機を見極め、それをプレイヤーにどう提示するかを考え、遠征そのものを準備しよう。危機を投げ込むつもりなら、それが何か、なぜ今起こるのか、正確にいつどこで始まるのか、誰が巻き込まれるのかなどを考えよう。手引きはセッションの合間に(575ページ)を参照。
セッションの始まりの準備にも時間を使おう。鋭い質問やラブレター(568ページ)で幕を開けたいか? 本題に飛び込む前に演じておきたい場面や状況はあるか?
1つの季節に冒険はいくつ?
筋が通るだけいくつでも! フィクション、ムーブ、プレイヤーたちの望みに従おう。季節の移ろいのムーブの結果、脅威があふれるなら、PCたちは村を救おうと何度も遠征に出るかもしれない。季節の移ろいのムーブが脅威も導入も生まないなら、故郷で静かな数か月を過ごすかもしれない。
ゲームで何を見たいか、何に焦点を当てたいかをプレイヤーたちに尋ねよう。セッションの終わりに彼らの望みを書き留め、それに沿って判断しよう。
ただし忘れないこと:準備するのは、あなたにとって役に立ち価値のあるものだけだ。PCたちがそこへ向かうと確信するまで、詳細な遺跡の地図作りに時間を費やしてはならない。次のセッションに必要なものを準備し、残りは進めながら肉付けしよう。
季節が秋へと移ろい、ヴァーヒドが7を出したとき、それは脅威が姿を現すか悪化することを意味した。そのロールはセッションの終わりに行われたので、私は時間をかけて危機を準備した。クリンウィンによる村の襲撃だ。
季節の移ろいのその結果は、季節の恵みも得られることを意味した。彼らは「交易の機会」を選び、これはゴルディン鉱山への遠征につながると私は考えている。だが迫り来るクリンウィンの襲撃が次のセッションの大半(あるいは全部)を占めるだろう。だから私は導入だけを準備する――あのマーシュエッジ(Marshedge)への商人ウルナが、ストーントップを再び通りかかり、鉱山が食料に窮しているという知らせを持ってくるのだ。
たとえば、プレイヤーが力を合わせるで7を出し
(木柵を築く)、「代価、必要条件、試練」を選んだなら、それは単に働き手たちの間の揉め事だと決めてもいい。だがグループが冒険を待ちきれずにいるなら、現場監督がふらりと大森林に迷い込んだことにしてもいい。
同様に、グループが改良に集中するために休息期間を望んでいるのに、季節の移ろいで脅威が姿を現すとなったなら、その脅威を特に差し迫ったものや手を出せるものにしないこともできる。物事に息をつかせる、だろう?
ムーブ
PCたちがストーントップにいるとき(あるいは故郷のNPCたちと遠征に出ているとき)、次のものをGMムーブのリストに加えよう:
- 興味深い人物を登場させる
- くすぶる緊張を明かす
- 望みや必要を提示する
- 他人の本当の気持ちを示す
- 彼らの気持ちを引き出す
- 関係を変える
- 彼らの望みに逆らう
- 彼らの務めを思い出させる
- 対立や危機を始める
- 彼らを互いに対立させる
目の下にくまがある。服の裾はたくし上げて結ばれ、膝には泥がついている。まるで庭仕事を
「君が言い終える前に、ちょっとした騒ぎが起こる。見知らぬ者たちの小さな一団が西の道から小道を下ってくる。4人で、荷物を山積みにした手押し車を2台押している。鉱山の者のような風体で……ああ神よ、あれがきっと彼らの全財産なのだ。フィオンはもうそちらへ向かっている。どうする?」
興味深い人物を登場させる
PCたちの前に新しい誰かを置こう。
村の外から来たよそ者でも、PCの過去から現れた誰かでも、単にまだプレイで会っていない地元の者でもいい。
新しい人物に注意を向けるだけにして、プレイヤーたちが関わるかどうか見てもいい。あるいは、PCが無視するのは妙だったり無礼だったりするような形で登場させてもいい。このムーブで今の場面を中断したり終わらせたりすることもできる。
新しいキャラクターを集落プレイブックか、NPCを記録している場所に書き加えるのを忘れずに。
「30分後、ケリスが小川に下りてくる。30代前半くらいで、黒髪、していたみたいだ。目が不安げにきょろきょろしていて、ガレトを探しているように思える。リアンナ、どうする?」
くすぶる緊張を明かす
このムーブを使って、NPC同士、あるいはNPCとPCの間の、将来の対立の種をまこう。
「緊張」は、人々が互いを嫌っているという意味とは限らない。惹かれ合い、張り合い、意思疎通の不足、意見の違い、期待のすれ違い……どれも緊張をくすぶらせうる。
強いムーブとしては、緊張が存在すると今ここで決めるか、くすぶりが沸騰寸前であることをはっきりさせるか、その両方を行おう。
「彼女の表情が作り笑いに変わる。『は……廃塔、なんて……わくわくするの』でも、なんというか、声が冷たい。彼女は喜んでいないが、それを見せまいとしている。君は気づくと思う?」
「テグウェンはセレンを射殺さんばかりににらみつけているんだ、わかるだろ? そしてセレンは平然とそれを無視して、気づいていないふりをしている。君は、彼女がテグウェンを苛立たせるためだけに、必要以上に時間をかけていると思う。君が見ているのに気づくと、彼女は実際にウインクしてくる。どうする?」
望みや必要を提示する
誰かが助けを求める、あるいは明らかに助けを必要としている、あるいは自分の望みを明かす。誰かが苦境にあるのに、助けの求め方がわからない。誰かがPCたちに詰め寄り、要求を突きつける。
このムーブを使って、キャラクターたちに命を与え、集落の不調をフィクションに反映させ、故郷に引き寄せよう。NPCを説得するのに何が必要かを明かすのに使おう。難しい選択を促すのに使おう。冒険の口火を切るのに使おう。
「『お、俺たちもやつらを追わなきゃ! 今すぐ!槍を取ってくるから』だがレイナルが立ち上がろうとすると、足元はふらつき、目の焦点も合っていない。どうする?」
「中もたいして暖かくない。ケリスと子供たちは皆毛布にくるまっていて、炉の火は小さく埋められている。皆やつれた顔つきで、幼いヒューエルは嫌な音の咳をしている。どうする?」
「ニアは遊びに駆けていき、レウェラが言う。『母さんが寄ったの。いつもながら楽しかったわ。あなたのことを聞いてた。あなたに顔を見せに寄るよう勧めるって約束させられたの。だから勧めてるわけ』彼女は肩をすくめ、お茶をすする。どうする?」
他人の本当の気持ちを示す
NPCの内面を、反応を引き出すか場面に緊張を加えるような形で明かそう。誰かが怒っている、失望している、悲しんでいる、怯えている、心配している、あるいはそのすべてだとはっきりさせよう。誰かに愛を告白させよう。NPCにPCへの心からの好意、感謝、敬意を示させよう。
強いムーブとしては、その気持ちを醜く、強く、手に負えないものにしよう。新しく生まれたものかもしれないし、PCたちが知らなかっただけかもしれないが、それは問題だ。
「君が振り返ると、アンドラスはぽかんと口を開けて、去っていくブロドウェンを見つめている。それから君が見ているのに気づいて顔を赤らめる。どうする?」
「彼女は何も言わない。ただ腕を組んで戸口に立っている。君の腕の包帯と顔の引っかき傷にちらりと目をやり、ただため息をついて首を振る。君にさえ、彼女が不満なのがわかる。どうする?」
「レイナルは君が終えるのを待って、こう言う。『あ……あんたが向こうで息子のためにしてくれたこと、聞いたよ』彼は見事なオコジョの毛皮を取り出し、差し出す。『大したもんじゃないが……礼を言いたくてな』どうする?」
「ロウリの目は揺るがない。『あんたは賢いよ、ヴァーヒド、時には役にも立つ。でもあんたは厄介の種だ。それにあたしたちの仲間じゃない。あんたのために死ぬ気はない。それにもしエイラに手を出したら、寝てる間に喉をかっ切ってやる。わかった?』」
彼らの気持ちを引き出す
NPCにPCを誘ったり促したりさせ、心を開かせ、話をさせ、抱えているものを消化させよう。あるいはNPCに優しさや気遣いを示させ、PCがどうするかを尋ねよう。プレイヤーに魅力的なキャラクターを演じるよう誘い、NPCが本当にPCたちを大切に思っていると示すことでキャラクターたちに命を与えよう。
このムーブの強い形は、対決や介入のようなものだ。NPCが彼らを座らせ、傷から毒を吸い出すように気持ちを引き出す。あるいは少なくともそうしようとし、PCがどう反応するかを見る。
「エイラは角杯を掲げ、ろれつの回らない声で言う。『ガレトに、かわいそうなやろう。さみしくなるよ』数分が過ぎる。それから彼女は君の方へ頭をぐらりと傾ける。『ねえ。リアアンナ。ねえ。わかってるよね、あんたのせいじゃないって、ね? ね? あんたのせいじゃない』彼女は君をまっすぐ見つめて待っている。どうする?」
「グウェンディルは君の顔を一目見るなり、していたことを放り出して、君を大きく抱きしめる。『しーっ、大丈夫、大丈夫よ』どうする?」
「6? ふむ、了解! マクセンは、なんというか、数秒じっと見つめて、ついにこう言う。『娘はじきに帰ってくるだろう』そして彼は脇へ寄り、君を招き入れる。入る? いいね。君が中に入ると、彼は振り返って腕を組み、またあのまなざしを向ける。『それで、カラドック。うちの娘に対して、いったいどういうつもりなんだ?』」
関係を変える
愛する者が遠ざかる。友情が失われる。仲間が好敵手になる。恋人たちが別れる。などなど。
関わる関係は、PCとNPCの間でも、NPC同士でもいい。変化は大きく劇的でも、微妙でも、その中間のどこでもいい。
その変化によってNPCが今後も厄介事の種になるなら、そのNPCを脅威(282ページ)として書き出そう。
「実はね、ブロドウェン……それから数週間、テグウェンとエリオスがよく話しているのに気づく。まあ、話しているのはほとんどテグウェンで、エリオスはしきりにうなずいているんだけど。妙な話だ。あの2人は何ひとつ意見が合ったことがないのに」
「『あたし……もう無理。もう待っていられない。あなたが帰ってくるのを待って。あなたが出ていくのを待って。願ってしまうの、ああ神様、あなたが大怪我をしてもうこんなことができなくなればって。だってあなたはできる限りずっとこれを続けるから。2人ともわかってる。やめてなんて言えない。でも……あたしにはもう無理。ごめんなさい、そんなのはあたしの人生にできない』そして彼女は腕輪を君の手に押しつけ、泣きながら走り去る」
彼らの望みに逆らう
NPCにPCたちの計画に反対させたり、邪魔をさせたり、説得が必要な相手にしたりしよう。
あるいは、NPCに自分たちで何か、PCたちが望まないことをさせ、PCたちがどう応じるかを見よう。
強いムーブとしては、本当に発言力のある誰かに断固として譲らず、考えを変えないようにさせよう。PCたちはその決定を受け入れるか、その人物を出し抜こうとするかだ。
「『トルの名にかけて、いったい何をしているつもりだい?』グレニスだ。聖別された石の一つを手に、君の方へ足を踏み鳴らしてやってくる。『あんたの妖術を、誰でも出くわすような所に置いておくなんて許さないよ!』」
「『だめ。許さないよ! あんたは狩人なんかじゃない、自分が特別だと思ってるただの馬鹿な娘さ。それに誰があんたのヤギの世話をするんだい?あたしじゃないよ! ほら来な』そして彼女は君の手首をつかむ。おそらく家に引きずって帰るつもりだ。どうする?」
「フィオンが咳払いをし、皆が振り向く。『ほかがどうあれ、この人たちは4日歩いてここまで来た。勇気には事欠かない。もてなしを求め、自分の食い扶持を稼ぐ機会を求めた。あんたが嫌な予感がするってだけで追い返しはしないよ、リアンナ。ティーガンの古い家を直させてやろうじゃないか』そしてほかの者たちもたいていうなずいていて、もう決まったかのようだ。さて、どうする?」
彼らの務めを思い出させる
しなければならないことや、彼らに期待されていることを指摘しよう。NPCに彼らの時間をはっきりと求めさせよう。責任をおろそかにしたら何が起こりうるかを警告しよう。おろそかにしたなら、その結果を見せよう。
このムーブを使って、PCたちが自分の食い扶持を稼ぎ、共同体の中で活動し続けるようにしよう。彼らの選択肢を制限し、物事に息をつかせ、冒険の間に時が過ぎるようにするのに使おう。日々の暮らしの関心事に光を当てることで、日常的なものを受け入れ、世界の豊かさを描くのに使おう。
「ソーウィルは溜まった仕事の山を抱えていて、ひどく疲れた様子だ。『おお、よかった、起きたか。これを手伝ってくれないか、な?』彼は君の装備にも旅装にも気づいていない。どうする?」
「いや、できるよ。でも収穫が迫っていて、畑にはやることが山ほどある。次の数週間をあの銘板の研究に費やしたら、君がいないことは気づかれる。それに、みんなもう君のことでぶつぶつ言っている。どうする?」
対立や危機を始める
くすぶる緊張を沸騰させよう。2人のNPCに互いに怒鳴り合わせたり、殴り合わせたりしよう。誰かに人前で大声でPCを非難させよう。恐慌を広げよう。
あるいは、家を火事にし、怪物に村を襲わせ、死体を出現させ、穀物倉を崩れさせるなどしよう。
弱いムーブとしては、PCたちに対立や危機の始まりを見せ、それに対して何かする機会を与えよう。強いムーブとしては、事態が悪化するまでPCたちにそれを知らせず、あるいはほかの形でも行動できないようにしよう。
「隅の方で騒ぎが起こる。『この野郎……』そして、リアンナ、君の部隊がグラウを押さえつけてイワンから引き離していて、イワンは新しい仲間たちを周りに従え、グラウにかかってこいと言わんばかりにせせら笑い返している。どうする?」
「ヴァーヒド、みんな聞く耳を持たない。パドリグの死体を見た者が多すぎるし、それがかなり凄惨なうえに、十ほどの会話が一度に飛び交っている。子供たちは泣き、人々は恐慌をきたし、君の声はまったく届かない。みんな、これは災難に見舞われたってことだと思う」
彼らを互いに対立させる
2人のPCと1人のNPCの間に三角関係を作ろう。鍛冶屋に裁き手へ、狐について何とかしてくれと頼ませよう。探求者の妻に、探求者が何をしているかを祝福されし者へ話させよう。産婆に狐と一緒に用心棒の噂話をさせよう。
あるいは、あるPCの疑わしい行動を別のPCに指摘し、どう思うか、どうするかを尋ねよう。彼らに互いに妨害(あるいは助力または妨害)する機会を与えよう。
強いムーブとしては、NPCにあるPCについて最後通告を突きつけさせよう。あるいはその瞬間を選んで、NPCに
あるPCの信頼をほかの者たちに売り渡させよう。
「ブロドウェン……あなたが彼を好きなのは知ってる。いいの、気にしないで。いえ、もちろん少しは気になるけど、あたしは自分で選んだの。ただ、ひとつ助言。カラドックに気持ちを伝えなさい。あの子にはいいところがたくさんあるけど、気が利くってことだけはないから」
「エリオスがあの悲しげな目で君を見据える。『あんたの役目なんてごめんだよ、リアンナ。でもヴァーヒドとカラドックを何とかして、あの若いのたちを従わせないと、みんなあんたの言うことを聞かなくなる。俺も含めてな』どうする?」
ほかのムーブも使おう!
念のため言っておくと、故郷のプレイの間も標準のGMムーブを使えるし、使うべきだ。厄介事を告げる(「イワンが、なんというか、愛想がよくなって友達までできたのは妙じゃないか?」)、挑発的な質問をする(「この計画に一番反対するのは誰だと思う?」)、彼らの資源を使い果たさせる(「蓄えを食いつぶしている。余剰を1失う」)、好機を差し出す(「数か月ある。それぞれ何をする?」)など。
脅威のムーブも使おう! 疫病(苦難)があるなら、それを悪化または加速させてもいい(「病人小屋はすぐに満杯になり、毎日さらに多くの人が病に倒れる」)。巨石がマクガフィンになっているなら、自らに注意を引きつけさせてもいい(「数夜にわたって光り、やがて晴れた夏空に十ほどの稲妻を放つ……ゴルディン鉱山からも、ひょっとすると防壁峠からさえ見えただろう」)。
集落プレイブック
ストーントップ村には専用のプレイブックがあり、
154ページから掲載している。この書類を使って
ストーントップの次のものを記録する:
- 能力値とタグ
- 資源と防御施設
- 現在の不調
- 改良(とその進展)
- 共有の資産
- 重要なNPC
集落プレイブックは、グループで共有され、ゲームを通じて変化していく生きた書類である。
ほかの集落
ほかの集落にもストーントップと同様の能力値と詳細があり、第II巻で見つけられる。PCたちがほかの集落で交易と物々交換をしたり、その住民を招集したり派遣したり、力を合わせてもらったりすることになったら、それらの能力値を使おう。
とはいえ、命運と余剰を記録するのは、PCたちの故郷であるストーントップについてだけだ。PCたちが数季節の間ほかの集落を故郷とすることになったら、そこで命運と余剰を記録するとよい。
命運
命運の能力値は、村の士気と社会の結束、神々の恩寵、そして単に「物事がうまくいっているか」を反映する。
命運は+1から始まり、-1から+3までの範囲をとる。
命運が高いとき、人々は(おおむね)幸せで、互いに気前がいい。
未来は明るく見える。
命運が低いとき、人々は(おおむね)不機嫌だったり絶望していたりする。暗い時代が来ると語り合う。共同体全体より、自分や身内のことを考え始める。
命運は、PCたちが凱旋する(339ページ)か、特定の改良を完成させる(514ページ)と上がる。村が災難に見舞われる(532ページ)と下がる。PCたちが招集する(534ページ)、徴発する(308ページ)、あるいは村に力を合わせる(536ページ)をさせると、命運が下がることがある。
プレイヤーは徴発する(308ページ)ために+命運でロールする。さらに重要なことに、
季節の移ろい(517ページ)のときにも+命運でロールし、その季節が村とPCたちに何をもたらすかを見る。
プレイヤーが季節の移ろいのロールをした後、命運は+1に戻る(集落が不満なら+0)。つまり命運そのものの変化は一時的なもので、次の季節にだけ適用される。
余剰
余剰は食料と交易品の蓄えを反映する。穀物倉や各家の食料庫にある作物、屠る準備のできた家畜、飲み頃のウイスキー、交易や衣服作りに回せる毛皮を表す。
余剰はロールする能力値ではない。ストーントップが蓄え、消費し、使う資源である。村は余剰1から始まり、上限はない。
集落は毎年夏と秋に余剰を生み出し、冬に余剰を消費する。PCたちは交易や、大型の獲物を狩る遠征や、季節の恵み(518ページ)によって、さらに余剰を得られる。PCたちは余剰を使って、ほかの資産と交換したり、ある事業のために人々に力を合わせる(536ページ)をしてもらったりできる。
PCたちが余剰で、あるいは余剰を求めて交易と物々交換をしたいなら、余剰1は価値2である(価値と硬貨、542ページを参照)。
規模
各集落には規模のタグがあり、そのインフラの規模――常設の建物、畑の広さ、無理なく養える住民の数――を表す。
このタグはおおむね描写のためのものだが、毎年冬(518ページ参照)に消費される余剰の量と、招集する(534ページ)、力を合わせる(536ページ)、交易と物々交換(540ページ)のムーブに影響する。
規模のとりうる値は次のとおり:
小村(<50人):毎年冬に1d2
+人口の余剰を消費する。招集する、力を合わせる、交易と物々交換に不利
村(150〜350人):毎年冬に
+人口の余剰を消費する
町(500〜1500人):毎年冬に
+人口の余剰を消費する。招集する、力を合わせる、交易と物々交換に有利
都市(2,500人以上):これほど大きな場所では余剰の記録は扱う範囲を超える。招集する、力を合わせる、交易と物々交換に有利
ストーントップは村として始まり、約
300人が暮らしている。プレイで物事がひどく悪く進めば、縮小して小村になることもある。PCたちが十分な改良を完成させれば、町になれる。都市になるのは、ゲームの既定の範囲を超える。
人口
集落の人口は、その規模に対して、そこに住む働ける者の数を反映する。
人口はプレイ開始時に+0で、-1から+3までの範囲をとる。
人口が-1のとき、建物は空き家になり、重要な仕事が手つかずになる。労働力も自由な時間も足りない。
人口が+0を超えて増えると、住まいは手狭になり、人々は間に合わせの家に住み始める。何もせずに座り込み、意味のある仕事を探す者も出てくる。
人口は次のときに減ることがある:
- 集落が災難に見舞われる(532ページ)
- 集落が冬に余剰を切らす(518ページ参照)。
- フィクション上の出来事がそう定める(たとえば、疫病で数十人が死ぬなど)。
人口は季節の恵み(518ページ)の結果として、あるいはフィクション上の出来事(難民が村に住み着くなど)を反映して増えることがある。
プレイヤーは招集する(534ページ)や力を合わせる(536ページ)のために+人口でロールする。だが集落は、その人口に応じて毎年冬に余剰を余分に消費する。
繁栄
繁栄は、集落に流通する品物、職人の数と多様さ、商人が村を通る頻度を表す。
余剰が村にある食料と交易品の量を表すのに対し、繁栄は食べ物や家財道具、道具や武器、晴れ着やささやかな贅沢品の質と多様さを反映する。
ストーントップの繁栄はプレイ開始時に+0で、-1から+3までの範囲をとる。
繁栄が低いとき、欠かせない職人仕事が欠けていたり、出来が悪かったりする。屋根は雨漏りする。品物や道具はみすぼらしく、古く、あるいはまったく手に入らない。商人が立ち寄るのは、せいぜい季節に一度だ。
繁栄が上がるにつれ、専業の職人が増え、商人の訪れが増え、専門的な道具が増える。家は居心地よくなる。品物は上質になり、薬草はよく効き、鉄は強くなる。
PCたちは職人の拡充や市場の改良を完成させることで繁栄を上げられる。さらに高く上げたいか、ほかの方法で上げたいなら、彼らと腰を据えて計画を立てよう(530ページ)。
プレイヤーは特別な品物を手に入れたり売ったりするために交易と物々交換(540ページ)をするとき、+繁栄でロールする。繁栄はPCたちの装備と所持品(86ページ)にも影響し、次のものを左右する:
- 装備を整える(306ページ)ときに得る小物の数
- ◇物資(89ページ)から得る使用の数
- 野外で療養する(328ページ)ときに回復するHPの量
- 鉄の武器のx貫通の値(94ページ)
資源
集落の繁栄は、その資源と密接に結びついている。集落プレイブックでは、資源は現在の
繁栄の右側に記されている。プレイ開始時のストーントップの資源は次のとおり:
- 農業(豆、じゃがいも、燕麦、大麦)
- 狩猟・罠猟(毛皮、肉、皮)
- 蒸留(ウイスキー)
- 石(古き壁から集める)
- 貯水槽(雨と雪で満たす)
- 職人(産婆、陶工、酒場の主人、鍛冶屋、革なめし職人)
- ゴルディン鉱山との交易(金属、道具)
- マーシュエッジとの交易(織物、薬草、ガラス)
ストーントップが1季節ほどの間、これらの資源の1つ以上を利用できなくなったら、欠乏の不調(513ページ)に印をつけよう。ストーントップがこれらの資源の1つ以上を永久に失ったら、繁栄も下がる。
防備
防備は集落の武勇と備えを表す。住民がどれほどよく訓練され、よく武装しているか、熟練の戦士が何人住んでいるか、どれほどよく組織されているか。外からの脅威に対して集落がどれほど素早く効果的に対応するかを決める助けとして、集落の防備を参照しよう。
防備はプレイ開始時に+0で、-1から+3までの範囲をとる。
防備が低いとき、集落には有能な戦士がほとんどいない。武器や防具は乏しく、手入れも悪い。人々は恐慌をきたしやすく、不意を突かれやすい。
集落の防備が上がるにつれ、より訓練を積み、経験豊富で、よりよい武器や防具を持つ有能な戦士が増えていく。人々はより勇敢で油断がなくなる。
PCが集落の人々を危険に送り出したり、攻撃に対して彼らを奮い立たせたりするとき、プレイヤーは+防備でロールしてその成り行きを見る(派遣する、526ページを参照)。
ストーントップでは、健康な大人は皆、民兵として訓練し、槍と盾を手入れし、見張り塔の当番に就くことが期待されている。ストーントップの民兵が大きな損害を被ったら、疲弊の不調に印をつけよう。その損害が永続的なもの(単なる負傷ではなく、死や手足の喪失など)なら、防備も下がる。
防備を上げるには、PCたちは戦の武器か、よく訓練された民兵の改良を完成させるとよい。ほかの改良も特定の状況でボーナスを与える。PCたちが防備をさらに高く上げたいか、ほかの方法で上げたいなら、計画を立てる(530ページ)ことができる。
防御施設
各集落には、その防備に寄与する防御施設やその他の資源のリストがある。集落プレイブックでは、これらは現在の
防備の右側に記されている。プレイ開始時のストーントップの防御施設(など)は次のとおり:
- 村の民兵
- 環状壁(Ringwall)(低い、石造り)
- 3基の見張り塔
- 各家にある鉄の穂先の槍と木の盾
- いくらかの弓
不調
プレイ中、集落はPCと同じように不調を被ることがある(241ページ)。集落の不調は3つある:
- 疲弊:負傷、病、疑念による。プレイヤーは派遣する、招集する、力を合わせるに不利を受ける
- 欠乏:品不足、買い占め、不信による。繁栄を実際より1低いものとして扱う。
- 不満:恐れ、怒り、絶望による。命運は各季節に+1ではなく+0に戻り(517ページ)、人々はいつもより説得を必要とする
集落プレイブックには、各不調に印をつける欄がある。
不調はフィクションを反映もし、フィクションを定めもする。負傷、病、疑念によって村の力が削がれる出来事が起きたら、プレイヤーに疲弊に印をつけさせてそれを反映しよう。ムーブの指示でプレイヤーが疲弊に印をつけたなら、それは負傷、病、疑念のいずれかが集落を苦しめているということだ。
集落の不調は、凱旋する(339ページ)のようなムーブが消すよう指示するまで、あるいはその不調がもう当てはまらないようにフィクションが変わるまで続く。
集落の改良
集落プレイブックには、プレイ中に解放できる改良の候補がいくつも載っている。それぞれに必要条件のリストと、完成時に集落が得る恩恵がある。
必要条件
各改良の必要条件は、明快でわかりやすいもの(「丘の民(Hillfolk)の一団に感銘を与える」)から、一見不可能なもの(「水を上へ流す何らかの方法」)までさまざまだ。プレイヤーたちがそうした必要条件をどう満たせばいいかわからないなら、彼らと計画を立てよう(530ページ)。
PCたちは改良の必要条件を、筋が通る順番でいつでも満たしてよい。改良に特に順番どおりと書かれていない限り、順番どおりに進める必要はない。
改良の中には、「並外れた技師・現場監督」や「群衆を指揮できる熟練の戦士」のように、特定の技能を持つ人物を必要とするものもある。これはPCでもいいし、すでにストーントップに住むNPCでもいい。
そうでなければ、外から誰かを招き入れるか、そうした人物が村に移ってくるのを待つ必要がある。
改良に余剰やその他の物資が必要なとき、それは使い果たされるか、何らかの形で改良に充てられる。木柵の改良には「大量の材木……(価値3)」が必要だ。木柵の一部または全部を解体しない限り、その材木をほかの事業に使うことはできない!
多くの改良には、1回以上の力を
合わせるが含まれる。詳しくは
536ページを参照。
恩恵
PCたちが改良の必要条件をすべて満たしたら、集落は記載された恩恵を得る。
多くの改良には「命運を1上げる」という恩恵がある。これは一度きりの増加であり、季節の移ろいで命運が戻ると(517ページ)、この恩恵はもう意味を持たない。
改良の中には、繁栄や防備などの能力値に、常時継続するボーナスを与えるものもある。
ほかの改良は、特定の行動や出来事によって誘発される新しいプレイヤームーブを与える。そうしたムーブの多くは季節の移ろい(全般、または特定の季節への移ろい)で誘発される。覚え書きとして、集落プレイブックの表面に書き留めておくといいだろう。
各改良の恩恵はおおむねメカニクス上のものだが、フィクションへの影響も忘れずに! PCたちが丘の民と協力してオーロックス狩りの改良を解放したなら、新しいムーブと資源を得ただけでなく、丘の民との関係も改善したのだ!
改良の喪失
改良が完成したら、基本的な維持管理は共同体全体が行うものとしよう。たとえば、木柵が築かれたら、集落がそれをきちんと手入れしているものとする。
改良の中には、追加の継続的な代価があるものもある。たとえば戦の武器を維持するには
毎年春に余剰1を使う必要がある。PCたちがその代価を払えなければ、その改良を失う。取り戻したいなら、PCたちと計画を立てよう。
PCたちが大切にしているほかのものと同じように、改良も脅かしたり損なったりできるし、そうすべきだ。彼らが守るために何かしなければ、それは失われ、その恩恵も失う。繰り返すが、取り戻したいなら、PCたちと計画を立てよう。
ほかの改良
集落プレイブックに載っている改良が、ありうる改良のすべてではない。第II巻のさまざまな項目にほかの改良があり、適切なときにプレイヤーたちに明かせる。同様に、あなた自身が追加の改良を思いつくかもしれないし、PCたちが提案するかもしれない。計画を立てて必要条件を確立し、プレイヤーたちと協力してふさわしい恩恵と継続的な代価を決めよう。
集落プレイブックには追加の改良のための欄がある。そこに記録しよう。
資産
集落プレイブックには、ストーントップの住民が共同で所有する資産を記録する節がある。プレイ開始時には、次のものが含まれる:
- 頑健な荷馬2頭
- 馬に引かせる犂2台(鉄製)
- 荷車2台(馬具付き)
- 荷馬車1台(馬具付き)
PCたちがこれらの資産を遠征に持ち出したいなら、まずそれを徴発する(308ページ)必要がある。
PCたちが村のために手に入れた新しい資産を書き加えられる空欄もある。たとえば、PCたちが村人が冬に使えるそり(価値2)を余剰1と交換する手はずを整えたなら、ここに書き加える。
この節には銀貨や金貨を記録する枠もある。最初は空白だが、PCたちがプレイ中に硬貨を手に入れて村全体に引き渡したなら、ここに記録する。
硬貨について詳しくは542ページを参照。
住民と隣人
集落プレイブックの最後の2ページはNPCを記録するためのものだ。あなたかプレイヤーが新しいNPCを登場させたら、ここに書き留めよう。名前、代名詞、職業、そして目立つ特徴や関係を。手引きは453ページのNPCの作成を参照。
ストーントップのゲームには、たちまち何十人ものNPCが関わりうるし、集落プレイブックの欄は限られている。そのため、NPCの記録には次のようなデジタルツールを使ってもいい:
- PC、NPC、そして彼らが互いにどうつながっているかを視覚的に整理する相関図
- PCやNPCごとに行を、特徴や関係ごとに列を設けた表計算シート
- PCとNPCごとに項目があり、項目間のリンクで関係を記録するウィキやデータベース
確立されたNPCをすべて集落プレイブックで記録するとしても、各NPCについては――特にそのNPCが脅威なら――おそらく別の場所に自分のメモを取っておく必要があるだろう。
季節の移ろい
季節の移ろいのムーブは、ゲームの長期的なリズムを生み出す。休息期間に区切りをつける。PCたちに集落の命運(508ページ)と余剰(509ページ)を気にかけさせる。集落の改良の多くを、追い求める重要で価値あるものにする。
ムーブを行う
季節は休息期間の間に移ろう。
あなたとプレイヤーたちが興味を持つ活動、場面、状況を演じ終えたら、時間を先へ飛ばしてこのムーブを解決しよう。
できればセッションの終わり近くにムーブを解決するようにしよう。そうすれば結果をもとに次のセッションを準備できる。できなくてもかまわない、即興する心構えさえあればいい!
ロール
各季節は、誰がこのムーブのロールをするかを示している(春には最も希望に満ちた者が、夏には最も満ち足りた者がロールする、など)。「者」はプレイヤーではなくPCを指す。どうしても決められないなら、無作為に選ぼう。
ロールする者は、ムーブが求める選択も行う。意見を求めてもいいが、最終的な決定はその者が下す。
どの季節も+命運でロールし、その結果、季節の恵み、脅威、そして(冬には)余剰の追加消費の必要が、何らかの組み合わせで生じる。詳しくは後述する。
ロールの後、命運を+1に戻す(村が現在不満なら+0)。
余剰の生産
夏には、村はの余剰を生み出す(春野菜の漬物、冬のじゃがいもの余り、夏の果物、熟成するウイスキー、獲物などから)。季節の恵みも得るなら、プレイヤーはどれだけ余剰が生まれたかを見てから選んでよい。
秋の収穫が終わると、村はさらにの余剰を得る(作物、菜園の収穫、獲物、育った家畜など)。収穫は秋の大半をかけて行われる。何かがそれを大きく妨げたら、プレイヤーに余剰のロールを不利で、または-1のペナルティを付けて(あるいはその両方で)行わせよう。収穫が完全に失敗したら、余剰はまったく得られない(そして災難に見舞われる)。
ロールを改善する
PCたちは、+命運のロールでも余剰を生み出すロールでも、互いに助力することはできない。このムーブは、全員がすでに自分の役割を果たしていることを前提としている。
PCたちは来たる季節に向けて鼓舞することができ、その準備をロールに使えるが、そのためには神々への大きな捧げ物(少なくとも余剰1など)や、特別な準備のために村に力を合わせてもらうことが必要となるべきだ。
ほかのムーブは、フィクションと、グループ全体が正しく公平だと感じることに基づいて、個別に扱おう。
Seasons Change
春が大地に芽吹くとき、最も希望に満ちた者が+命運でロールする:10以上なら、季節の恵みを1つ選ぶ。7〜9なら、季節の恵みを1つ選ぶが、集落への脅威が姿を現すか、悪化する。6以下なら、脅威があふれる(そしてXPに印をつけない)。 結果がどうあれ、命運を+1に戻す。 夏の暑い日々が大地に落ち着くとき、最も満ち足りた者が+命運でロールする: 10以上なら、季節の恵みを2つ選ぶ。7〜9なら、季節の恵みを1つ選ぶ。6以下なら、集落への脅威が姿を現すか、悪化する(そしてXPに印をつけない)。 結果がどうあれ、集落はの余剰を生み出す。それから、命運を+1に戻す。 秋が訪れ、大地が収穫の時を迎えるとき、最も意志の固い者が +命運でロールする:10以上なら、季節の恵みを1つ選ぶ。7〜9なら、季節の恵みを1つ選ぶが、集落への脅威が姿を現すか、悪化する。6以下なら、脅威があふれる(そしてXPに印をつけない)。 結果がどうあれ、命運を+1に戻す。 収穫が終わったとき、をロールする。集落はその分の余剰を生み出す。 冬が大地をつかむとき、最も疲れ果てた者が +人口(最低0)をロールする。集落はその分の余剰を消費する。足りなければ、余剰を0にし、命運を1下げ、1つ選ぶ:
- 死、衰え、離散によって人口を1下げる(最低-1)
- 重要な資源(馬の1頭、貯水槽など)が失われるか、維持されなくなる
- 重要なNPCが死に、その役割は空いたままになる
- あなたのPCが死ぬ、去る、あるいはプレイから引退する
それから、+命運でロールする:10以上なら、冬は比較的穏やかで、各プレイヤーは関係が少なくともいくらか改善する地元のNPCを1人挙げられる(どのようにかは皆で考える)。7〜9なら、集落は冬が終わるまでに追加で
+人口の余剰を消費しなければならず、さもなければ上記の結果を被る。6以下なら、7〜9と同様だが、さらに脅威があふれる(そしてXPに印をつけない)。
結果がどうあれ、命運を+1に戻す。
冬
冬には、村は+
人口の余剰を消費する。ストーントップが小村に縮小していれば、消費するのは1d2
+人口だけだ。町に成長していれば、+人口を消費する。足りなければ、余剰は0になり、村は災難に見舞われ、プレイヤーは結果を1つ選ぶ。
そうした結果をフィクションに反映させよう。
死ぬ者、去る者、弱っていく者を具体的に名指ししよう。穀物倉の屋根が落ちる場面を演じよう。鍛冶屋の死が村にどう響くかをはっきりさせよう。
(注:村はすでに災難に見舞われている。これらの結果がそれを再び誘発することはない。)
プレイヤーが自分のPCを死なせる、去らせる、引退させることを選んだら、このセッションか次のセッションでエピローグ(584ページ)を演じさせよう。セッションの合間に新しいPCを作るようプレイヤーに頼もう。
余剰を消費した(そしてその余波に対処した)後、命運のロールが季節の残りがどう展開するかを示す。
10以上なら、各プレイヤーにNPCを1人選ばせ、それからグループで、そのNPCとPCとの関係がどのように、なぜ改善したかを考えよう。これらの変化を場面として演じるか、手短に描写しよう(ほかの休息期間の活動や場面に加えて)。
9以下なら、村は冬の終わりまでにさらに余剰を消費しなければならず、さもなければ上記の結果を被る。PCたちはおそらくこれを防ごうとするだろう(余剰を生み出す方法は98ページを参照)。6以下なら、村への脅威にも対処しなければならない。波乱の季節を覚悟しよう。
季節の恵み
春か秋に7以上、または夏に7〜9なら、ロールしたプレイヤーは季節の恵みを1つ選べる。夏に10以上なら、2つ選べる。選択肢は次のとおり:
- 人口の急増:何人もの若者が成人するか、よそ者が住み着く。人口を1上げる(最大+3)。
- トルの祝福:好天に恵まれる。この季節の力を合わせるに+1し、天気のために運命のダイスを振るときはいつでも、2回振って好きな方を取る。
- 思いがけない恵み:野生の獲物の急な増加、交易の利益、あるいはほかの何らかの資源によって、ただちに余剰1を生み出す。
- 交易の機会:この季節のどこかで、誰かが価値あるものを好条件で、あるいは他にない珍しいものを手頃な値で交換しようと申し出る。求められるものを払えば、それはあなたのものだ。
- 興味深い知らせ:命運、知識、関係を改善する機会、あるいは集落の改良に向けて前進する機会がある。
- 貴重な洞察:集落を苦しめてきた脅威に対処する機会を与える何かを知る。
「人口の急増」を選んだら、その急増の源は何かを尋ねるか決めよう。若者が成長しているなら、来たる季節に結婚や成人の儀式を盛り込もう。よそ者が移ってきているなら、彼らがどこから来たのか、なぜ来たのか、今どこに住んでいるのか、どれほどなじんでいるのかを考えよう。手狭な住まい、若者の野心、古いやり方と新しいやり方の対立から生じる緊張を見せよう。目立つ新顔を何人か名指しし、これからの場面に登場させよう。
「トルの祝福」を選んだら、この季節の天気を意識して描写しよう。
PCたちや隣人たちがその天気をどう生かしているかを尋ねよう。トル(Tor)にどんな捧げ物や感謝の儀式を行っているかを尋ねよう。「2回振る」恩恵を忘れないよう、GMプレイブックの無作為の天気表に付箋を貼っておくのもいいだろう。
「思いがけない恵み」を選んだら、村はすでに余剰1を得ている。PCたちがプレイで積極的に手に入れる必要はない。
その余剰がどこから来たのか(獲物、交易、幸運な発見など)をプレイヤーに尋ねよう。追加の質問をして具体的な内容(獲物の種類、交易の性質とそれを行った商人、何をどこで見つけたかなど)を肉付けしよう。季節を通じてこれらの細部に立ち返るか、より大きな出来事に結びつけよう。
「交易の機会」を選んだら、この選択で何を得たいかをプレイヤーに尋ねよう。それを念頭に、次のどちらかを行おう……
- PCが欲しがっているもの(さらなる余剰、特別な品物、アルカナムなど)を見極め、それを誰が申し出そうかを考える。または……
- 取り上げたい共同体(防壁峠(Barrier Pass)、丘の民など)を選び、第II巻のその項目を調べ、その集団について記載された交易の機会の1つを選ぶ。
その機会がどのように現れるかを決めよう。
誰かが品物を携えて村にやってくるのか? それとも誰かがストーントップにその機会の知らせをもたらすのか? 伴う労力や危険が大きいほど、取引は有利になるべきだ。
「興味深い知らせ」を選んだら、PCたちにとって価値あるもの――手に入れたいもの、あるいは目標(集落の改良など)の達成に近づけるもの――を見極めよう。何か考えがあるかプレイヤーに尋ねよう。
次に、その価値あるものや目標を手の届くところに置く何かと、PCたちがその機会をどう知りうるかを考えよう。
「貴重な洞察」を選んだら、村への確立された脅威を1つ選ぼう。PCたちはなぜまだそれに何もしていないのか? どんな情報があれば対処できるのか(弱点、ねぐらの場所、動機など)? その情報をPCたちにどう明かしうるかを考えよう。
「集落への脅威が……」
春か秋に7〜9、または夏に6以下なら、集落への新しい脅威を登場させるか、既存の脅威を差し迫る破滅に向けて進展させよう。
選ぶ脅威は、内からでも外からでも、目前でも遠くでも、無関心でも積極的に悪意あるものでもいい。超自然的なものでも日常的なものでもいい。だが、今か、あるいは放っておけば将来、ストーントップへの脅威となるものでなければならない。
その脅威(またはその悪化)をPCたちにどう知らせるかを決めよう。村での危機として表れるのか? 狩人が森でそれに出くわすのか? 誰かが不吉な幻視や夢を見るのか?
春か秋には、脅威を季節の恵みに結びつけることを考えよう。たとえば、穀物や薬草や織物の思いがけない恵みをもたらした商人が、赤のダエドラの一味が廃塔に居座ったという知らせも持ってくるのかもしれない。あるいは、あの厄介なハグルが小川のそばで誰かを襲うが、ねぐらまで続くはっきりとした泥の跡を残していくのかもしれない(貴重な洞察)。
脅威があふれる
春、秋、冬に6以下なら、「脅威があふれる」。事態を悪くしよう。怪物がほとんど、あるいはまったく前触れなく村を襲う。複数の脅威が差し迫る破滅に向けて進展する。くすぶる緊張が沸騰する。天気が悪く、作物が実らず、設備が崩れる、などなど。
これらすべてを行う必要はないが、行ってもいい。その季節は危機と危難の季節となるべきだ。
結果をプレイに持ち込む
季節の移ろいのムーブの結果、確立されたフィクション、ゲームの必要、グループの望みに基づいて、脅威と好機を選ぼう。
決定を下すときは、次のことを考えよう:
- 差し迫る破滅へと突き進んでいる脅威はあるか?
- ゲームにもっと脅威が必要か、それともすでに十分か?
- 季節の恵みがあるなら、プレイヤーはどれを選び、それはなぜか?
- PCたちが対処したい特定の脅威や、目指したい目標はあるか?
- プレイヤーたちは遠征を楽しみにしているか、それとも故郷で比較的静かな季節を過ごしたいか?
たとえば、季節が夏に移ろい、プレイヤーが6以下(脅威)を出したとしよう。春に複数の冒険があり、プレイヤーたちがこの夏は休息期間が欲しいと言うなら、現実的だがすぐには差し迫っておらず手も出せない脅威――狩人の縄張りの北の端に出る巨大蜘蛛など――を選ぼう。あるいは、アラティスの使徒と新たに到着した丘の民の難民との対立のような、内部の脅威を選ぼう。
それから、秋に10以上(季節の恵み)を出し、「交易の機会」を選んだとしよう。グループが冒険をしたくてうずうずしているなら、PCたちが子供たちを廃塔から救い出せば馬を数頭やろうと、丘の民が申し出るのかもしれない。だがグループが故郷のことにこつこつ取り組み続けたいなら、余剰と交換してもいいという荷車数台分の材木を携えた商人が通りかかるのかもしれない。
トルの祝福は季節全体に及び、思いがけない恵みはすでに起きている。だが脅威とほかの季節の恵みについては、いつどのように提示するかはあなたが決めることだ。
たとえば、次のようにしてもいい……
- 季節の移ろいのロールの直後に脅威や恵みを描写する。または
- 新しい季節の場面をいくつか演じ、そのうちの1つに脅威や恵みを持ち込む。または
- 初秋に興味深い知らせを持ち込んでPCたちを冒険に促し、帰郷したときに脅威を明かす。または
- 春の大半をPCたちに事業に費やさせ、終わりに貴重な洞察を明かす。または
- 脅威があふれてすべてがめちゃくちゃになる前に、冬のある良い一日をプレイヤーそれぞれに描写してもらう。または
- 何かそれに類すること。
あなたとグループが満足できるペースを裁量で決めよう。ただしプレイヤーの選択を損なわないよう気をつけよう。たとえば、夏に10以上を出し、ある事業のために力を合わせたいからと「トルの祝福」と「人口の急増」を選んだとする。その人口の急増を、もう役に立たない夏の終わりまで遅らせてはならない。プレイヤーたちが何を期待し、ゲームで何を見たいかを話し合い、その望みを尊重しよう。
最初のセッションの終わりで、キャラクターの作成と紹介を終えたところだ。グループは最近のクリンウィンの襲撃、さらわれた子供たち、それが村に与えた影響にずっと注目していた。村は余剰1、命運+1で始まる。
グループは、ヴァーヒドが最も希望に満ちていると決める(彼は最近、聖別の印のアルカナムで大きな進展を得たのだ)。彼は7を出し、恵みに「思いがけない恵み」を選ぶ。だが同時に脅威も姿を現すか悪化することになる。
最初の冒険の章(251ページ)の手順に従い、私は真の脅威をスウィンと決める。それはクリンウィンを支配し、子供たちを「集め」させている。私は冒険の導入を準備する。罠猟師(レイナル)とその息子(プリデル)が豊富な獲物(思いがけない恵み)を罠で獲りに出ていると、クリンウィンが襲いかかり、プリデルを引きずっていく。
最初のプレイのセッションで、私はいくつか準備の質問をし(ブロドウェンへのラブレターも含む)、皆の普段の暮らしを確立する場面をいくつか演じ、それから導入を投げ込む。大森林から登るつづら折りの道から、誰かが助けを求めて叫んでいる……
PCたちは実際にクリンウィンを追い、緑の君の墓までたどる。彼らはスウィンを倒し、クリンウィンを敗走させ、子供たちを連れて凱旋する。小さな村らしいいざこざはあるが、春の残りはおおむね平穏だ。彼らは余剰2、命運+2で季節を終える。
季節の移ろいの例
夏の長く暑い日々が
大地に落ち着き、グループは(よりによって)リアンナが最も満ち足りていると決める。彼女は11を出し、グループはどの2つの恵みを選ぶか話し合う。
「余剰がどれだけ得られるか先にロールしてもいい?」とリアンナが尋ねる。もちろんだ。彼女はを振って1を出す。「うーん。じゃあ思いがけない恵みをもう1つと、トルの祝福にする。この季節は民兵の訓練を始めたいから」
命運を+1に戻し、村は余剰4で夏を迎える。
夏のストーントップでの暮らしがどんな様子か、好天について、それが人々の暮らしにどう影響しているかを話し合う。リアンナは備えに重点を置いた、よく訓練された民兵の集落の改良を目指すよう人々を説得する。これには余剰1がかかり、この季節の村の(そしてリアンナのほとんどの)自由な時間を事実上食いつぶす。
ヴァーヒドはリアンナに、緑の君の墓に戻ってもっと探索するという約束を思い出させる。彼らは出かける! 洞察を求めるのロールに失敗したので、私は差し迫る破滅に向けて進展させる。彼らはクリンウィンがまだいて、その数が増えている兆しを見つける。墓にたどり着き、貴重品をいくつか見つけ、守護者のフェイ(Fae)に遭遇し、帰路につく。帰り道、ガレトがドレイクに襲われて死ぬ。
彼らは余剰3、命運+1で夏を終える。
秋が来て、ヴァーヒドが
最も意志が固いとされる。彼は8を出す。恵みと脅威だ。「選ぶ前に余剰のロールをしてもいい?」と彼は尋ねる。いや、そのロールは季節の終わりに来る。「どのみち余剰はそこそこあるし、戦利品もある。交易の機会にしよう!」
脅威としてはクリンウィンが当然の選択だが、また大森林に入る旅は気が進まない。セッションの終わりに、何人かのプレイヤーが世界をもっと見たいと望んでいた。そこで、脅威はクリンウィンによる村の襲撃とし、機会はゴルディン鉱山に置く。
ところが、リアンナのプレイヤーが次のセッションを欠席する。クリンウィンの襲撃の代わりに、廃塔への短い旅と、ブロドウェンの家族のいざこざをさらに演じる。
その次のセッションはクリンウィンの襲撃から始まる。最近の訓練が実を結び、彼らはクリンウィンを追い払う。そのセッションの終わりに、商人ウルナが再び村を通りかかり、鉱山がいつも以上に食料に窮しているという知らせをもたらす。PCたちは余剰1と戦利品をいくらか交易に持っていくことにする。
リアンナは出発前に村を招集し、命運を+0に下げる。だが旅は成功し、彼らは道具、部品、鉱石などを抱えて凱旋する。命運は+1に戻る。
休息期間が少しあり、収穫はじきに終わる。ヴァーヒドはを振って1を出す。うわあ。彼らは余剰4で冬を迎える。
冬が大地をつかみ、グループは、モルウェンナに別れを告げられて心を病んでいるカラドックが最も疲れ果てていると決める。彼は+人口(+0)を振り、うっ、4を出す。これで余剰をすべて使い果たす。
なぜそれほど失ったと思うかグループに尋ねると、冬の初めに激しい嵐と深い深い雪が村を襲い、その後に厳しい寒さが続いたことにする。「でも大丈夫なんだよね?」とブロドウェンが尋ねる。「余剰はなくなったけど足りてるんでしょ?」
今のところはそうだが、カラドックはまだ+命運でロールする必要がある。10以上なら、そう、彼らは大丈夫だ。冬の残りは穏やかで、各PCは関係を1つ改善できる(カラドックとモルウェンナがよりを戻すかもしれないし、ブロドウェンがテグウェンとの問題を解決するかもしれないし、何でもいい)。6以下なら、彼らは苦境に陥る――さらに余剰が必要になるだけでなく、脅威があふれる。私ならおそらく、クリンウィンに村への襲撃を続けさせつつ、ゴルディン鉱山のならず者たちを下ってこさせ、ストーントップにありもしない食料をゆすらせるだろう。
実際には、カラドックは9を出す。村はさらにの余剰を消費しなければならず、さもなければ災難に見舞われ、追加の結果を被る。「でもなんでわざわざロールするの?」とカラドックが尋ねる。「もう0なのに」ああ、だが冬の終わりまでに追加の余剰を工面すればいいのだ。「そうか!」彼は2を出す。
「それで、どこで余剰を手に入れる? 冬に?」さて、村からそう遠くないところにねぐらを構えた洞窟熊がいるのだが……
プレイヤーのムーブ
これらのムーブは、故郷のプレイの間、あるいは少なくともPCたちが故郷の多くの人々と関わっているときに関係してくる。
PCたちがほかの共同体へ旅するときに当てはまるものもある。
Bolster
来たるものに備えるか、神々の恩寵を求めるとき、どのようにするかを言い、GMの質問に答える。 それから、費やす時間に応じて準備をホールドする:
- 1週間ほど:準備1
- 1か月ほど:準備2
- 1季節の大半:準備3
自分の努力が関わりうるロールをするとき、ロールの後で準備を1使ってそのロールに+1できる(1回のロールにつき最大+1)。
このムーブは休息期間に行われる。PCが将来の試練や企てに備えて、訓練や研究、計画作り、あるいは宗教的な儀式や捧げ物に時間と労力を捧げるときだ。
記載された期間は、PCがほかの事業や遠征、日々の責任さえ脇に置いて鼓舞することに専念していることを前提としている。それは目につく、ちょっとした大ごとであるべきだ。望むなら片手間の鼓舞を許してもいいが、その場合は準備1を得るだけで1季節の大半がかかるべきだ。
鼓舞することに費やした時間は、ほかの事業には数えられず、その逆も同じだ。
統率者がよく訓練された民兵の改良を達成するために訓練を行うとき、それは力を合わせるであって、鼓舞するではない。
だが集落がすでによく訓練された民兵の改良を持っていて、統率者がすでに習得した戦術を人々にさらに1週間訓練するなら、それは
鼓舞するである。
プレイヤーは、どのように鼓舞しているかを描写しなければならない。正確に何に備えているのかをはっきりさせよう。その努力が課題に見合わないと思うなら、押し返して必要条件を告げよう。長老たちから物語を聞き集めて過ごす1週間は、フェイの間への旅に向けて鼓舞するにはよい方法かもしれないが、秋の収穫をよくする助けにはならない。
大規模な準備には、PCたちの時間と努力だけでは足りない。PCたちが来たる季節の移ろいのロールや迫る戦いに向けて鼓舞したいなら、村全体を巻き込む必要がある。重要なNPCを説得したり、力を合わせてもらったり、余剰1以上や同様の資源を使ったりする必要があるかもしれない。
プレイヤーとの間で、どのように、何のために鼓舞するかが決まったら、そうすることの影響を話し合おう。どれくらいの期間を費やすつもりか? どんな仕事が手つかずになるか? 誰に穴埋めを頼む、あるいは期待するのか?
PCが鼓舞している間に1つか2つ場面を設定し、故郷に引き寄せ、その選択が家や家族や隣人たちにどう影響するかを見せよう。PCが費やす時間が長く、巻き込む人が多いほど、大ごとになるべきだ。
プレイヤーに準備とその源を記録させよう。たとえば「準備2(冬に向けて余分な蓄えをする)」のように。準備は使われるまで、もう当てはまらないか意味をなさなくなるまで、あるいはPCが再び鼓舞するまで続く。
プレイヤーはたいていムーブののロールに準備を使うが、ダメージのロール、余剰のロール、さらには運命のダイスのロールにも使える――鼓舞に伴う努力がそのロールに当てはまると全員が同意する限りは。
PCたちは冬の間村を養うために熊狩りを計画している。出発前に、ブロドウェンは儀式を行い、ダヌに守護を願い、熊を殺すことへの赦しを乞いたいと言う。彼女はただ彩りを添えるつもりだったが、リアンナが言う。「神々の恩寵を求める?それって鼓舞するだよね?」
ブロドウェンが1週間ほど儀式に専念するなら、それは鼓舞するだ。ヴァーヒドは、1週間の遅れは大して違いを生まないと指摘する。「それに、みんながこの儀式を恨みに思うわけでもないし。食べたいならなおさらね」もっともだ。
私はブロドウェンに、その儀式がどんな様子か尋ねる。「私たちは数日間、沈黙と断食のうちに身を隔てる。狩りの前の晩に、小川へ下りて、冷たい水で罪を洗い流すの」いいね! そして私は、参加する各PC(とリアンナの部隊全体)が準備1をホールドし、来たる狩りで好きなように使えると言う。
ひどい火傷を負った後、ヴァーヒドは数週間かけて、「豪華に織られた敷物」のアルカナムに今や見えるようになったルーンを研究し、それについて瞑想する。
プレイヤーの努力があるロールに当てはまるかどうかはっきりしないなら、卓で話し合おう。寛大であれ、プレイヤーから努力の恩恵をだまし取ろうとしてはならない。だが同時に、誰にもずるをさせてはならない。1週間組み手と運動をして鼓舞したなら、「トルは私の努力を喜ぶと思う」と言われても、天気のための運命のダイスのロールにその準備を使わせてはならない。迷ったら、卓に意見を聞こう。誰かが反対したら、その準備は使えない。
敷物を解放する最後の段階は、叫び声を上げずに恐ろしい炎に身を焼かれることだ。彼は間違いなく危険に抗うことになる。
「このために1か月くらい準備してきたんだ」とヴァーヒドは言う。「それって鼓舞するじゃない?」いいや。その時間はアルカナムの必要条件の1つを満たすのに費やされた。鼓舞するにはさらに1週間の準備が必要だ。「ああ、わかった、そうしよう」
彼はブロドウェンに話し、彼女は彼がそれをするときに立ち会って傷の手当てをすることに同意する。それから彼は数日かけて炉の火で自制の練習をし、小さな火傷をたくさん負う。メールが立ち寄ってひどく心配するが、彼は今のところ彼女の懸念をかわす。
週の終わりに、ヴァーヒドは準備1を持っている。彼とブロドウェンは小川のそばでかがり火を焚き、ヴァーヒドは叫ばないようにしながらその中を歩いて抜ける。彼は危険に抗うために+CONでロールし、6を出し、喜んで準備を使って7にする。彼はひどい火傷を負い、消えない傷跡も残るだろうが、恐怖を克服し、アルカナムを解放する。
Convalesce
安全で快適な場所で数日休むとき、HPをすべて回復し、衰えをすべて消す。 治療師の世話を受けて数週間休むとき、治りうる厄介な傷をすべて治す。永続的な負傷や障害を負っているなら、引退するか、それに適応するための計画を立てる。 このムーブについては、249ページのダメージと治癒の章で詳しく扱っている。
Deploy
集落の人々を危険に送り出すか、攻撃に対して彼らを奮い立たせるとき、+防備でロールする:10以上なら、期待できる限りうまくいく。7〜9なら、うまくいくが、誰かが下のリストから1つ選ぶ。集落が有利な立場から行動しているなら、あなたが選ぶ。そうでなければ、GMが選ぶ。
- 期待したほど効果がない
- 負傷者が続出する。集落は疲弊に印をつける(派遣する、招集する、力を合わせるに不利)
- GMが行動に関わった名前のあるNPCを1人選ぶ。その者は死ぬ
集落の人々を危険に送り出すとは、襲撃、見回り、会戦、あるいは危険な土地を通る旅を意味しうる。
攻撃に対して彼らを奮い立たせるとは、警鐘を鳴らすこと、対応を組織すること、あるいは血しぶきを浴びて疲れ果てながら盾を並べて立ち、隣人たちに持ちこたえるよう促すことを意味しうる。
派遣するは、PCたちが指揮を執るときにだけ誘発される。村人たちが自ら危険に向かうときや、奮い立たせるPCのいないまま攻撃を受けるときは、このムーブは誘発されない――あなたの原則、準備、確立されたフィクションに基づいて、何が起こるかをあなたが決める。
プレイヤーがロールする前に、10以上がどんな様子かを伝えよう。戦いに勝つことなのか、それとも一つの捨て身の策をやってのけることなのか? 「最小限の犠牲で敵を敗走させる」のか、「大きな損害を出して引き分けに持ち込む」のか、それとも何なのか? 避けられない代価があるなら、代償を告げ、本当にいいのか尋ねよう。
7〜9での「有利な立場」とは、フィクション上の確かな位置取りを意味する。高所、数の優位、奇襲、魔法などだ。
あるいは、村が(よく訓練された民兵の改良によって)訓練を積んだ、敵に対して優位を与える戦術を使うことを意味する。烏合の衆に対して「陣形」を使うのは有利な立場にあたるが、精鋭の軍団兵に対しては、虐殺を互角の戦いに変えるにすぎない。
6以下なら、村人たちはPCの命令を拒むかもしれない。あるいは打ち負かされたり側面を突かれたりして大きな損害を被るかもしれない(疲弊に印をつける)。あるいはあなたが彼らを窮地に立たせ、PCたちが割って入って窮地を救わない限り、惨事になるのかもしれない。
PC(統率者など)が従者の一団を危険に送り出すなら、従者に命じるで解決するか、派遣するで解決するか、あるいは両者を組み合わせるかを決めよう。従者に命じるを使うことにしたら、集団同士のやり取りを抽象化できることを思い出そう(416ページ)。
カラドックは警鐘を打ち鳴らし、叫ぶ。「クリンウィンだ! 東の壁に! 起きろ! 東からクリンウィンだ!」彼は攻撃に対して村を奮い立たせているので、派遣するのために+防備でロールする。クリンウィンの侵入を防ぐにはもう遅いが、10以上なら、人々は起き出して武装し、家の戸を閉ざし、子供たちを隠し、戦士たちはカラドックの選んだ場所に集まっている。
ところが、彼は7を出す。集落は(よく訓練された民兵による)「備え」の戦術を持っていて、カラドックは警鐘を鳴らしているので、これは有利な立場にあたる。カラドックが結果を選ぶ。彼は「期待したほど効果がない」を選ぶ。
「村中に叫び声が上がる。人々は寝間着のまま、槍と盾を手によろめき出てくる。それでよかった、なぜならクリンウィンがもう彼らの間にいるからだ。小競り合いがいくつも始まり、1匹のクリンウィンが塔を君の方へよじ登ってくる。カラドック、どうする?」
「リアンナ、オドリンが家の戸口で3匹のクリンウィンに追い立てられている。エイラが背後から1匹を斬り倒す。レイナルとプリデルは東屋で数匹を食い止めている。だがこのままでは、じきに犠牲者が出るだろう。どうする?」
彼女はとどろくように叫ぶ。「穀物倉だ! 今すぐ穀物倉に集まれ!」彼女は派遣するを行っている(大音声、127ページ、を使って有利を得る)。10以上なら、民兵は無事に穀物倉に集結し、対応を組織する機会を得る。(そして6以下なら、叫んでいる最中のリアンナにクリンウィンを飛びかからせようと思う!)
だが彼女は8を出したので、うまくいくが結果を伴う。村人たちはもう有利な立場から行動していないので、今回は私が選ぶ。「レイナルは助からない。彼はプリデルをかばって踏みとどまり、4匹ほどのクリンウィンが血しぶきとともに彼に群がる。だが民兵は穀物倉の前で整然と陣を組み、クリンウィンは用心深く周りを回っている。どうする?」
「よし、作戦はこうだ」とリアンナは言う。「半分は残って穀物倉を守る。それぞれ狩人1人と盾4人の組を6つ送り出す。村を掃討する。助けを呼ぶ声が聞こえても、忘れるな、やつらは声を真似る。固まって、用心しろ。誰も英雄気取りはなしだ。いいな?」
これは間違いなく派遣するで、リアンナは狩人の部隊に助力させている。有利と有利な立場のどちらを与えてほしいか尋ねる。彼女は有利を選び、なんと、12を出す!
「長く張り詰めた夜だったが、夜明けが訪れる頃には、クリンウィンはとうに去っている。負傷者は何人かいるが、ひどくはない。レイナルが唯一の本当の犠牲者だ」
翌春、クリンウィンはまだ問題だ。リアンナは村を招集し、見回りを送り出す。これは派遣するで、10以上ならクリンウィンを寄せつけないうえに、PCたちに巣の手がかりも与える。ところが、彼女は5を出し、私は差し迫る破滅に向けて進展させる。
「ロウリが率いる3番目の見回りは、日が沈むまで戻らない。『見つけた』と彼はつぶやく。『でっかい巣だ、見たこともないほどたくさん。でもレウカとパドリグとカロンがやられた。あれは……ひどかったよ、頭。ひどかった』
Level Up
故郷で静かな期間を過ごし、XPが6+現在のレベルの2倍以上あるとき、次の手順に従う: 1)XPから6+現在のレベルの2倍を引く。 2)レベルを1上げる。 3)クラスのプレイブックか、解放した別紙から新しいムーブを1つ選ぶ。 4)あなたが祝福されし者(または聖なる袋を持つ者)で、新しいレベルが偶数なら、最大ストックを1上げる。 5)あなたが光を掲げる者(または太陽神への祈願を持つ者)で、新しいレベルが偶数なら、新しい祈願を1つ選ぶ。 6)本能と外見(プレイブックの表面)を見直す。もう当てはまらないものは変える。新しい選択肢を自由に作ってよい。 PCたちは「野外で」レベルアップできない。故郷に戻る必要がある。レベルアップに必要な以上のXPを貯めたなら、機会があればいつでも燃え盛る(231ページ)よう促そう――遠征の残りがより順調に進むだろう。 「静かな期間」とは、たいてい危機も冒険も大きな危険もない数日を意味する。だが杓子定規になってはならない。全員が十分なXPを持っていて、再び出発する前に静かな夜が一晩だけあるなら、レベルアップさせよう。そしてセッションが故郷で終わるなら、セッションの終わりのムーブで十分なXPを得たPCは、たとえセッションが山場で終わったとしても、セッションの合間にレベルアップすべきだ。 PCが2回レベルアップできるだけのXPを持っているなら、すぐに2回レベルアップする。別の静かな期間を待つ必要はない。 どのムーブもそうだが、それをするなら、それをしなければならない。プレイヤーは、たとえば季節の移ろいのロールで燃え盛るために、レベルアップを遅らせることはできない。とはいえ、プレイヤーは新しいムーブの選択に頭を悩ませることもある。それはかまわない! システムの抜け道を突くためにレベルアップを遅らせることはできないが、考える時間を取ることはできる。次のセッションまでに選ぶよう促そう。だがどうしても決められないなら、プレイ中に新しいムーブを選んでもいい。 プレイヤーは、必要条件を満たしている限り、自分のプレイブックのどのムーブでも選べる。 許可を求めたり、選択を正当化したりする必要はない。その選択がフィクション上の変化を主張するなら(探求者が秘術の入門者を取って聖なる袋を得るなど)、それがどんな様子で、どのようにそうなったのかをプレイヤーに尋ねよう――異議を唱えるためではなく、フィクションをはっきりさせるためだ。 プレイヤーが別のプレイブックのムーブを欲しがっているのに、それを明示的に許す選択肢を持っていないなら、卓にその案を出してみるのは歓迎だ。全員が(あなただけでなく)同意するなら、それでいい。だが、その選択がそのキャラクターにとって筋が通るか、奇妙なルールの相互作用を生まないか、ほかのPCの持ち味を侵さないかなどを考えよう。 特定のプレイブックを必要とするムーブは、ほかのプレイブックでは決して取れない。用心棒以外の誰も危険人物を取れないし、英雄志願以外の誰も 偉大さの素質を持てない。 特定のレベルを必要とするムーブは、そのレベルに達した時点で取れる。たとえば、レベル6にレベルアップするときに優れた能力値を取れる。 ムーブが別のムーブを置き換えるなら、そのムーブは 置き換える元のムーブを必要とする。プレイヤーがそうしたムーブを取ったら、元のムーブと それがもたらしていた恩恵を失う。 最大レベルはないが、プレイヤーたちが取りたいと思うプレイブックのムーブが尽きてくることがあるかもしれない。そうなったら、使われていないプレイブックから筋の通りそうなムーブを探し、グループに提案するよう促そう。あるいは、時間と意欲があるなら、取りうるプレイブックのムーブのリストを広げるプレイブックの別紙(57ページ)を作ろう。 最後の手順は、プレイヤーが 本能と外見を見直し、もうしっくりこないなら変えることだ。はっきりさせておくと、プレイヤーはこれらを、筋が通るならほぼいつでも変えられる。レベルアップのムーブは、それを検討するよう正式に思い出させるにすぎない。
ハグルを倒してリアンナの部隊を救い出した後、PCたちはよろめきながら伐採小屋に戻る。見張りの順番を決めて休み、セッションを終える。
カラドックは現在レベル5だ。セッションの終わりのムーブの後、彼は16XPを持っている――ちょうどレベルアップできる量だ。「そうだけど、」と私は言う。「ここは故郷じゃないし、とても休息期間とは言えない。レベルアップする前にストーントップに戻る必要があるよ」
PCたちは伐採小屋での用事を片付ける。帰郷と続くいくつかの場面を演じる。それから休息期間に移る。全員がレベルアップに十分なXPを持っているので、今それを行う。
ブロドウェンはレベル5で19XPだ。彼女は16XP(5×2、+6)を失い、レベル6で3XPになる。新しいムーブに、彼女は「毒を吸い出す」(「レベル6以上が必要」なムーブ)を取る。レベル6は偶数なので、聖なる袋の最大ストックも1上げる(今は6だ)。本能(「保全」)には満足しているが、外見を「初々しい顔」から「健やかでたくましい」に変える。この1年の冒険と苦難が、彼女から柔らかさをいくらか削ぎ落としたのだ。
Make a Plan
何かの事業を成し遂げたいが、どう取りかかればいいかわからないとき、何を成し遂げたいかをGMに伝える。GMは何が必要かを告げる。必要条件の1つをどう達成すればいいか行き詰まったら、GMに伝え、それについて計画を立てる。 計画を立てるは、プレイヤーが「Xを成し遂げたい」と言い、あなたがそれを成し遂げるための必要条件を告げる正式な方法だ。プレイヤーが新しい長期の事業を追い求めたいときや、アルカナムの解放や集落の改良の完成の仕方がわからないときは、このムーブに導こう。 PCが正確に何を成し遂げたいのか、それで何を得たいのか、どのように取りかかろうと考えているのか(何か考えがあるなら)をはっきりさせよう。 そこから、筋が通るだけ次のものを告げよう。適宜「かつ」や「または」でつなごう。
事業の性質、PCたちの現在の知識、能力、村での立場、季節、最近の出来事、活発な脅威などに基づいて、必要条件を選び、空欄を埋めよう。合うように言い回しを変えたり調整したりしよう。筋が通るなら、まったく新しい必要条件を作ろう。必要に応じてプレイヤーたちに意見を求めよう。
プレイヤーたちの質問にはすべて答えよう。
あなたの言ったことをはっきりさせよう。交渉したり考えを変えたりすることを恐れてはならない。
必要条件そのものが、独自の必要条件を複数持つ事業であるなら、その段階について(今でも後でも)計画を立てられるとプレイヤーたちに伝えよう。
必要条件を書き出し、その横にチェック欄を付けよう。そのリストを計画を立てているプレイヤーに渡すか、皆に見える公の場所に置こう。進展するにつれて、チェック欄に印をつけさせよう。
プレイヤーたちがある必要条件にどう取りかかればいいかわからないなら、次のようにできる……
- はっきりさせる、単に告げる(「つまりエリオスを説得しなければならないということだ」)。または
- 尋ねる(「ゴルディン鉱山で助けになりそうな知り合いは誰だ?」)。または
- 知識を語るか、ほかのムーブを使うよう提案する。または
- 季節の恵みを得たときに「興味深い知らせ」か「貴重な洞察」を選ぶよう導く。または
- その特定の必要条件について計画を立てるよう提案する。
プレイヤーたちが必要条件を回避する巧妙な方法を思いついたら、素晴らしい! 目標を達成する実現可能な別の方法を思いついたら、計画を更新しよう!
早春の悲惨な見回りの後、リアンナは、クリンウィンから身を守る助けとして村に木柵(集落の改良)が必要だと決める。必要条件の1つは「大量の材木、荷馬車20〜25台分(価値3)」だ。彼女は山麓(the Foothills)からそれほどの材木をどうやって運ぶのかと尋ね、私たちは計画を立てる。
山麓の第II巻の項目には、実はこのための既製の計画が144ページに載っている。私はそれを索引カードにまとめ、リアンナに渡し、夏まで待つ必要を付け加える(春には畑から働ける者を20人も割けないからだ)。
O 夏まで待つ必要がある O 働ける者約20人、荷馬車1台、馬2頭を1季節働かせる必要がある O 村の指導者数人と話し、支持を得る必要がある O 事故や襲撃の危険を冒す O 力を合わせる必要があり、1季節、余剰1、命運1がかかる 「指導者たちと話すのも夏まで待つ必要がある?」いや、もちろんそんなことはない。「よし。具体的に誰と話せばいい?」私は卓に振り、誰を説得する必要があるか尋ねる。皆はフィオン、グウェンディルとセレン、オワイン(ごくり)、エリオス、タリエシン、テクラを挙げる。
リアンナは全員との話し合いの場を設け、案を売り込み、説得するで8を出す。彼らは計画を支持するが、それは彼女が自ら働き手を集め、かつ多くの戦士が不在の間に村を守る計画を示す場合に限る。リアンナはうなずく。「もっともだ。じっくり考えてみるよ」
ヴァーヒドは、クリンウィンを寄せつけない助けとして、村の周りに聖別の印の境界を巡らせたい。「畑の石20個ほどに印を刻んで、環状壁に加えるんだ」賢い!
聖別の印のアルカナムは、それ自体ではロールを必要としないが、印を1つ作るたびにヴァーヒドの体の一部が青白くなる。それに人々は彼の奇妙な魔法をいくらか信用していない。そこで私は次の必要条件を書き出す:
O 良い石を20個ほど手に入れる必要がある O 仕上げるのに1か月ほどかかる
O (さらなる)疑いと不信、妖術の非難を受ける危険を冒す O 体の目立つ一部(選んでよい)が青白くなり、やがて衝撃的な白になる
ヴァーヒドはうなずく。「最初のは、本当に難しいかな? 村に石ならいくらでもある。子供たちに何を探しているか伝えて、遊びにしちゃえばいい」そうだね、それは筋が通る。私はその必要条件を達成済みとして印をつけるよう言う。
彼は、その1か月の作業の間に両手が衝撃的な白へと褪せていくと言う。そして疑いを避けるため、毎朝夜明けに環状壁を歩く習慣を始め、そのたびに新しく守りを施した石をそっと1つ置いていく。「それは知力で危険に抗うことだと思う」彼は同意するが、6を出す。この新しい日課を始めてほんの数日で、私は彼の望みに逆らい、グレニスに彼を問い詰めさせる。彼女は聖別された石の1つを振り回し、妖術についてわめき、明らかに不満そうだ。
Meet with Disaster
集落に災厄が降りかかるか、恐慌が広がるとき、命運を1下げる(最低-1)。 何らかの理由で命運が-1を下回ることになるとき(災厄や恐慌に限らず)、代わりにGMが1つ選ぶ:
- 集落は負傷/病/疑念により疲弊に印をつける(派遣する、招集する、力を合わせるに不利)
- 集落は品不足/買い占め/不信により欠乏に印をつける(繁栄を1低いものとして扱う)
- 集落は恐れ/怒り/絶望により不満に印をつける(命運は各季節に+1ではなく+0に戻る。人々はいつもより説得を必要とする)
- 人々が去り始める。人口を1下げる
このムーブは、集落に明らかで否定しようのない悪いことが起きたときに誘発される。建物が焼け落ちる、村の食料が尽きる、複数の人が突然死ぬ、誰かが恐ろしい、あるいは不気味な形で殺されるか行方不明になる、などだ。
災難に見舞われるは、単なる噂や外からの悪い知らせでは誘発されないし、日々の暮らしの苦労でも誘発されない。ゴーラスが罠の見回りから帰ってこないときや、誰かが森で影のような人影を見たと報告するときも誘発されない。
災難に見舞われるが誘発されるのは、脅威が迫り、人々がうろたえ、PCたちがそれに何もできないときだ。だから、ベトリスが小川のすぐ向こうで気の毒なゴーラス老人の亡骸――干からび、皮膚はたるみ、手は我が家の方へ伸ばされ、周囲5歩以内の草木はすべて枯れて茶色く脆くなっている――を見つけたなら、PCたちは恐慌が広がるのを防ぐために動いたほうがいい。
この種のことは決して不意打ちであってはならない。他人の本当の気持ちを示し、厄介事を告げよう。PCたちに指揮を執って人々を落ち着かせる機会を与えよう。だが彼らがそうしないか、失敗したなら、集落は災難に見舞われる。
命運は-1を下回らない。何かが命運を-1より下げることになるなら、集落は災難に見舞われ、あなたが結果を選ぶ。これは命運の減少そのものが特に悲惨なものでなくても適用される。たとえば、命運がすでに-1でPCたちが村を招集したなら、「皆が進んで協力する。結局命運を下げない」を選ばない限り、災難に見舞われるが誘発される。
どんな災厄も、このムーブを超えて集落に影響を与えうる。たとえば、赤のダエドラとその山賊たちが村を襲い、何人もの人を殺したり傷つけたりしたなら、疲弊に印をつける。何軒もの家を略奪したなら、欠乏に印をつける。そして穀物倉に火を放ったなら、村の余剰はなくなる。ああ、それに加えて、村は災難に見舞われる。
襲撃の翌朝で、人々は疲れ果て、怯え、気が立っている。クリンウィンの死骸を北向きの断崖から放り捨て、レイナルのための火葬の薪を組んでいる。私は厄介事を告げ、彼の寡婦シアンナが膝をつき、泣き叫び始めると言う。「何が起きたのかという現実が身に染みるにつれて、人々の目に恐怖と絶望が宿るのがわかる。どうする?」
ブロドウェンはシアンナ(と彼女のそばに来たプリデル)を慰めに行く。リアンナはこれにどう対処するか考え始める。だが進み出たのはカラドックだ。彼は心を動かす演説をし、レイナルは無駄死にしたのではない、彼は皆が恐怖の中で生きることを望まないだろう、などと皆に請け合う。それは私には魅力による危険に抗うに思える(危険は恐慌が広がること)。するとなんと、彼は見事に決める。12だ!
人々はうなずき、つぶやき、やがてガレトの葬儀で歌ったのと同じ英雄の歌を歌い始め、火葬の薪を組み、村は結局、災難に見舞われない。
翌春、リアンナは村を招集する(命運を+1から+0に下げるが、防備を+1に上げる)。それから彼女は部隊の助力を得て見回りを送り出す。それでも、彼女は5を出す! 見回りの1つ、ロウリの率いる組が、クリンウィンの巨大な巣の群れを見つけるが、辛うじて逃げ延びる――そして3人の村人は逃げられなかった。「あれは……ひどかったよ、頭。ひどかった」
リアンナは被害を抑えようと動き始め、生き残りたちを脇に呼んで内密に話を聞く。「もちろん、どうぞ」と私は言う。「でも村は災難に見舞われた。彼らは3人の隣人の亡骸を置いてきたし、何人もの人が彼らが足を引きずって帰ってくるのを見た。知らせは広まるよ」命運は+0から-1になり、私はプレイヤーたちに見回りの顛末をズームアウトして語る。
彼らがリアンナの家を出ると、私は望みや必要を提示し、集まった人だかりを描写する。レウカとパドリグの家族もいて、顔はやつれて怯え、不安げにささやき合い、最悪の事態を覚悟している。「どうする?」
「巣の場所はわかってる」とカラドックが言う。「民兵を集めて、乗り込んで、焼き払えばいいんじゃないか?」
「できるけど、派遣するを2回することになる――民兵をそこへ連れていくのに1回、実際の攻撃に1回。どちらかで6以下を出したら、ひどいことになる。『疲弊に印をつけ、さらに災難に見舞われる』くらいひどい。
それに命運はもう-1だから、私が結果を選ぶことになる。たぶん人口-1だね、その、死者が出るから」
「だめ」とリアンナが言う。「危なすぎる。あたしたちでやるしかない。ヴァーヒド……助けになる手はある?」
Muster
働ける者すべてを集落の防衛に駆り出すとき、命運を1下げ、+人口でロールする:7以上なら、脅威が去るか、季節が移ろうか、あなたが招集の監督をやめるまで、集落は警戒し、行動の備えができている。10以上なら、さらに2つ選ぶ。7〜9なら、さらに1つ選ぶ。
- 招集が続く限り、防備を1上げる
- 皆が進んで協力する。結局命運を下げない
- あなたがいなくても招集は保たれる
- 1人か2人が本物の素質を示す。誰がどのようにかをGMに尋ねる
PCが村を招集するとき、皆を防衛と備えに集中させている。定期的な訓練、昼夜を問わぬ武装した見張り、菜園で働いているときでさえ手元に置いた武器を意味する。ほかの仕事や長期の事業を保留にすることを意味し、それが集落の命運を下げ、人々に不満を言わせる。集落は招集を長くは続けられない。
差し迫った明白な危険――攻撃が予想されるときや、自分たちで襲撃をかけるつもりのとき――を前にすれば、人々は喜んで招集に応じる。だが危険が目に見えなかったり、理屈の上のものだったりするなら、招集にはいくらか説得が要る。
PCたちが小村を招集するなら、不利でロールする。町や都市を招集できたなら、有利でロールする。
先頭に立つ者がこのムーブのロールをする。7〜9なら、ほかのプレイヤーと相談してもいいが、最終的な選択はその者が下す。
7以上なら、集落は警戒し備えができていて、不意を突かれることはまずない。これをあなたが行うGMムーブに反映させよう。たとえば、ネイラッドがストーントップの周りをうろついているとする。村が招集していれば、蜘蛛たちは襲ってこないかもしれない。襲ってきたとしても、村人たちに早々と見つけさせたり、あっさり撃退させたりすべきだ。だが招集がなければ、誰も気づかないうちに蜘蛛たちが村の中にいるかもしれない。
いったん確立された招集は、脅威が去るか、季節が移ろうか、指揮を執るPCが1日かそこら以上自ら監督するのをやめるまで続く。PCたちが招集を残して遠征に出たいなら、「あなたがいなくても招集は保たれる」を選ぶ必要がある。
「1人か2人が本物の素質を示す」なら、それは新しいNPC――これまで画面に出てこなかったが、今の状況に役立つ才能や資質を持つ者――かもしれない。
あるいは既存のNPCが進み出るのかもしれない。誰も思い浮かばないなら、プレイヤーに何を望んでいるかを尋ねよう。それからそれに合うNPCを選ぶか作ろう。手引きは「NPCの作成」(453ページ)と「従者の作成」(474ページ)を参照。
6以下なら、あなたの脅威と故郷のムーブを見よう。彼らの望みに逆らい、人々にPCの命令を無視させてもいい。村の(武装した)2人の好敵手の間で対立を始めてもいい。あるいは数週間先へ早送りして、ある夜、烏合の衆に陣地を蹂躙させ、見張り塔や見回りのすぐ脇を抜けて森からあふれ出させてもいい。
PCたちはゴルディン鉱山への交易の旅を計画しているが、ほんの数週間前にクリンウィンが襲ってきたばかりで、リアンナと部隊はやつらを狩り出せていない。
「村を無防備のままにはしておけない」とリアンナは言う。「訓練を増やし、見張りを倍にして、あたしたちの留守中は毎晩武装した警備隊に見回らせようと思う」それは招集のように聞こえると私は指摘する。「そう!それに、そのための特別なムーブがあったよね?」確かにある。兵站によって招集に有利を得る。「部隊にも助力させていい?森を見回らせるとか?」
「ああ、いいよ」と私は言う。「でももう有利があるから、こうしよう。少なくとも7を出して『招集は保たれる』を選んだら、君たちの留守中、村はクリンウィンから安全だ」リアンナはそれが気に入る。彼女は村の命運を+0に下げ、有利を得て+人口(+0)でロールする。
10が出た! 彼女は「あなたがいなくても招集は保たれる」(もちろん)と、「1人か2人が本物の素質を示す」を選ぶ。彼女は、留守の間に取り仕切る者と、できれば部隊の新しい一員を探していると言う。
確立された人物で思い当たる者がいないので、ストーントップの名前のリストを見て言う。「えーと……善良なガレトの後釜としてアンドラスが目に留まったことにしよう。それと、ああ、エリオス。留守の間、彼に任せておけるよ」
「もっと大きな見回りを送り出さなきゃ」とリアンナは言う。「クリンウィンを村から遠ざけておく。できれば巣を見つけて、焼き払う」そうするなら派遣するが誘発されるし、何人かを説得して協力させる必要があるかもしれないと私は伝える。
「うん、筋が通る。それに派遣するをするなら、先に招集しておくべきだね。防備に+1をもらえるから。あちこち回ってエリオス、エイラと部隊、たぶんフィオンとも話す。うえ、オワインとも。作戦を説明するよ。また訓練と夜の見回りを始めて、2週間ほどしたら森の見回りを始められる」
私はうなずき、村の招集に成功すれば、派遣するのために人々を説得する必要はないと言う。彼女は命運を+0に下げ、(兵站による)有利を得て招集するのロールをする。8が出る。「まあ、そもそもの狙いは防備の+1だから、それを選ぶよ」そして、そう、彼女が話した相手は皆乗り気で、オワインでさえそうだと私は言う。やがて見回りを送り出す準備が整う。
Pull Together
共同体を改良の仕事に就かせるとき、あるいは新しい資源を確保したり大規模な修繕をしたりするとき、GMが必要と言うもの(時間、物資、余剰など)を費やし、+人口でロールする:10以上なら、仕事は成し遂げられる。7〜9なら、1つ選ぶ:
- 成し遂げられるが、ほかの仕事が片付かない。命運を1下げる
- 成し遂げられるが、仕事はお粗末で雑だ
- 成し遂げられるが、結果が伴う(わだかまり、負傷、掘り起こされた脅威など)
- 予期せぬ代価、必要条件、試練がある。それに対処すれば仕事は成し遂げられる
PCたちは次のために村に力を合わせてもらうかもしれない:
- 集落の改良を完成させる
- ほかの何らかの事業を完成させる(計画を立てるによる)
- 集落規模のほかのムーブ(派遣するや季節の移ろいなど)に先立って村全体を鼓舞する
- 重要な資源や防御施設の損傷を修繕する
- 新しい建物を建てる、新しい資源を確保する、大きな公共事業に新たに取りかかる、など
村は、畑を耕したり作物を植えたり収穫を取り込んだり、穀物倉の屋根の雨漏りを直したりするのに、力を合わせる必要はない。だが冬の激しい嵐で穀物倉の屋根が崩れ落ちたなら、それを直すには力を合わせる必要がある。
共同体の人々は、目の前の事業に進んで取り組む気でなければならない。人々は穀物倉の屋根の建て直しには喜んで協力するだろう。だが(呪われた)小川のそばに貯水池を掘るとなると? PCたちはいくらか説得する必要がある。
PCたちが小村に力を合わせてもらうなら、不利でロールする。町や都市に力を合わせてもらえるなら、有利でロールする。
各事業には時間(数日、1週間、1か月、1季節、あるいは複数の季節)がかかり、その間、村は再び招集することも力を合わせることもできない。事業に複数の季節がかかるなら、村は季節ごとに1回力を合わせる(そしてロールする)必要がある。
事業には余剰(本来なら食料を生産しているはずの人々を養うため)や物資(材木、織物など)も必要になるかもしれない。村がまだそれらを持っていないなら、PCたちは、たとえば交易と物々交換によって、それを手に入れなければならない。そうした資源は事業が完成するにつれて使い果たされる。
必要条件の例は、集落の改良を参照しよう。
先頭に立つ者がこのムーブのロールをする。一般的には、事業が始まるときにロールさせ、その結果で物事の進み方を決めよう。だがPCたちが村に力を合わせてもらってから遠征に出るなら、彼らが結果を知ることになるまでロールを待とう。
10以上なら、仕事は成し遂げられる! 関わった各PCに過程の一部を描写してもらうのもいい。あるいは、作業しながら共に過ごすをしたいかプレイヤーたちに尋ねよう。
7〜9なら、ロールしたプレイヤーが選択を行う。ほかのプレイヤーと相談してもいいが、最終的な選択はその者が下す。
「成し遂げられるが、ほかの仕事が片付かない」なら、命運を下げ、何がおろそかにされているかを尋ねよう。NPCたちがそれに不満を募らせる様子を演じよう。
「成し遂げられるが、仕事はお粗末で雑だ」なら、それを書き留めておこう。その粗悪な仕事を、あなたの描写や行うGMムーブに織り込もう。脅威(マクガフィンや、ひょっとすると苦難など)として書き出してもいい。
「成し遂げられるが、結果が伴う」なら、関わったNPC、事業に内在する危険、それがもたらす影響(意図したものとそうでないものの両方)を考えよう。新しい脅威を書き出すか、既存の脅威を差し迫る破滅に向けて進展させよう。
ただしはっきりさせておくと、この選択で事業が成し遂げられなくなるわけではない。そしてPCたちは結果を和らげることはできても、防ぐことはできない。
「予期せぬ代価、必要条件、試練がある」なら、仕事が成し遂げられるのを妨げる問題をPCたちに提示しよう。それはかなり的を絞ったもので、少しの駆け引き、工夫、出費、せいぜい短い遠征で解決できるものであるべきだ(本物の危機や冒険は6以下のために取っておこう)。PCたちが問題を解決すれば、仕事は成し遂げられる。
6以下なら、あなたの脅威と故郷のムーブを見よう。悪いことを確立しよう。おそらく仕事を中断させ、成し遂げられなくする何かだ。PCたちがその中断に対処すれば作業を再開できるかもしれないし、仕事は頓挫して進展が失われるかもしれない。
リアンナは夏の間材木を切りに行く者を20人ほど集めたが、彼らは彼女が部隊を一緒に送るという条件でしか同意しなかった。「よし、作戦はこうだ」と彼女は言う。「皆は道端の休み場を野営地にして、荷馬車をいっぱいにし、村へ送り返す。荷馬車が村に着いて戻ってくる頃には、次の積み荷の準備ができている。これを繰り返す。そしてあたしの部隊は2人1組で動く。2人が狩りに出て、2人が休み、2人が見張りか見回りだ」
私は、これには余剰1と命運1がかかる(大勢の人が長い間家を離れるからだ)と念を押す。彼女は集落プレイブックを更新し、トルの祝福による+1のボーナスと兵站による有利を得て、+人口でロールする。ところが、それでも5が出る。
私は厄介事を告げることにする。「数週間が過ぎる。最初の数回の積み荷は滞りなく届く。だが4回目の積み荷が早々に戻ってくる。材木は少なく、リース――ほら、ルウェリンのところの子――と、ほかに3人ほどが乗っていて、皆恥じ入って怯えた様子だ。そしてアンドラスが
荷台の後ろで、意識を失って青ざめ、ひどい傷に雑な包帯を巻かれている」
リアンナがいったい何があったのか尋ねると、私はリースの震える声で答える。「何かが……あそこにいるんだ。丘の中に。おれは自分では見てないけど、テルウィンは見た。エリオスも! 目が3つあって、大きな角がある獣で……それで、みんなもう働こうとしない。エイラとあんたの仲間が追ってたけど、その、アンドラスがやられた。エイラがくじを引かせて、誰がアンドラスを連れて帰るか決めたんだ。で、おれたちが当たったってわけ」
PCたちは伐採小屋の件を片付ける。彼らはハグルを倒し、シャクサをなだめ、(イワンと一緒にあの忌々しいやつをかき立てた)気の毒なカディが、殺された唯一の者となる。それでも数週間を失い、人々は怯えているので、私は必要条件を告げる。「夏の間残って取り仕切るなら、期限内に終えられるかもしれない。また力を合わせる必要があるけど、追加の余剰や命運はかからない。やる?」
リアンナは同意してロールし、今度は8を出す。「うーん……とにかくこれを終わらせたいし、命運はもう+0だし。なら結果が伴うのにするよ。何?」
私は、彼女は気づかないが、イワンの様子がおかしいと伝える。「妙なくらいだ。なんというか、自分の関わったことに少しも動揺も後悔もしていない。むしろ、なんだろう、嬉しそう?わくわくしてる? いずれにせよ、君は忙しすぎて気づかないし、そもそも誰がイワンのことなんか気にかける?」(そして私は、イワンを脅威にするとメモしておく。まずはワイルドカードとして、だがいずれ悪党にまで発展するかもしれない。)
季節が秋に移ろい、リアンナは木柵を建てたくてたまらない。材木は(夏の伐採小屋から)あり、有能な技師(ヴァーヒド)がいて、昨年のゴルディン鉱山への旅で得た物資もたっぷりある。残る手順は力を合わせることだけだ。
「1か月ほどと、余剰1がかかる」と私は伝える。ちょうど思いがけない恵みを得たところなので、彼らはその余剰を使う。そして「1か月ほど」は収穫に食い込まない。ただ人々がほかの事業に取り組んだり招集したりできなくなるだけだ。
リアンナがロールしようとするが、技師はヴァーヒドで、ムーブを行うのは彼であるべきだと私は思う。「でも助力はできるよね? 技師はヴァーヒドかもしれないけど、人に指図するのはあたしの得意分野だよ」確かにそうだし、確かにできる。ヴァーヒドは有利を得てロールする。
10以上なら、共に過ごすを使って木柵が立ち上がっていく様子をモンタージュにしたかもしれない。6以下なら、おそらくクリンウィンに襲わせ、物資や道具を盗ませて大混乱に陥れただろう。
だがヴァーヒドは7を出し、「予期せぬ代価、必要条件、試練」を選ぶ。クリンウィンの襲撃も考えるが、それは試練というより危機だ。代わりに、私は故郷の脅威から「PCたちへの不信」(苦難)を使い、それに頑固さを引き起こさせる。
「人々は作業に取りかかり、たった1週間で木柵が形になり始める。そのときグレニスが、オワインとテグウェンほか数人を引き連れて現れる。『つまり世間から壁で閉じこもろうってのかい?何のために? クリンウィンは木に登るんだろう?こんなものでどうやって締め出すんだい?馬鹿げてるよ!』ほかの者たちもぶつぶつ言いながらうなずき、作業は止まり、人々は成り行きを見守っている。どうする?」
Trade & Barter
ありふれた品物を手に入れるか売りたいとき、そうできる。特別な品物を手に入れるか売ろうとするとき、+繁栄でロールし、その品物の価値を引く。冬には不利を受ける。10以上なら、それを公正な値で手に入れるか売れる。7〜9なら、買おうとしているときは、GMが1つ選ぶ:
- 手に入るが、いつもより高くつく
- ___が持っているが、手放したがらない
- 近いものは手に入るが、まさにそれではない
売ろうとしていて7〜9なら、今売ることはできるが、本来の価値は得られない。
どちらの場合も6以下なら、XPに印をつけない。
手に入れたり売ったりしたいなら、___へ旅するか、次の季節まで待ってから、もう一度試す必要がある。
唯一無二の品や本当に並外れた品については、交易と物々交換をしない。GMと計画を立てるか、季節が
移ろうときの交易の機会を待つ。
「ありふれた」品物には、所持品の別紙に載っているものや、どの家にもありそうなもの(桶や挽き臼など)が含まれる。例のリストは95ページを参照。人々はこうした品物をいつも交換し、貸し、贈り合っている。手に入れるのにロールは不要だ(そしてそれを「売る」意味も実際にはない)。望むなら、PCがそれをどのように、誰から、何と引き換えに手に入れたかなどを尋ねよう。
唯一無二の品や本当に並外れた品――アルカナムや「ムトラの宝物庫の鍵」など――は、このムーブの範囲を超える。PCたちがそうした品物を手に入れたいか、本来の価値に近い値で売りたいなら、計画を立てるか、交易の機会(518ページ)を待たなければならない。
「特別な品物」とは、品薄のものである。
必ずしも価値が高いとは限らないが、自由には手に入らない。特別な品物の例のリストは96ページを参照。
PCたちは、すでに所有しているか利用できる特別な品物を手に入れるのにロールする必要はない――「鍛冶場」の特別な所有物を持つPCは、釘や金属の道具などを常識的な数だけ持っていてよい。だがPCがまだ持っていない特別な品物を手に入れたいか、何らかの特別な品物を売りたいなら、ロールが必要だ。
プレイヤーはロールから特別な品物の価値(542ページ参照)を引く。そのため価値の高い品物はこのムーブでは手に入れるのも売るのも難しい。価値0の特別な品物でさえ手に入らないことが多い。それは意図的なものだ。
10以上なら、誰が交易できてその気があるかを伝え、そのNPCが何を差し出すか、何なら受け取るかを確立しよう。地元のNPCなら、価値の低い品物をPCに貸したり、ただでくれたりするかもしれない。そうでなければ、同じ価値の段階内での公正な取引であるべきだ(542ページ参照)。
PCが売ろうとしていて7〜9なら、より価値の低いものしか出す気のないNPCを提示しよう。たとえば、PCが価値2の品物を売ろうとしているなら、NPCは価値1の品物をいくつか――あるいはたった1つ!――差し出すかもしれない。PCが売ろうとしているものを本当は欲しくないのかもしれないし、うまい取引を狙っているのかもしれない。
PCが買おうとしていて7〜9なら……
- 「いつもより高くつく」を選ぶと、NPCはより価値の高いもの、とても有利な交換比率、あるいは追加の頼み事、貸し、奉仕を求める。何を求めているかを確立し、NPCが取引から手を引く気もあることをはっきりさせよう。
- 「___が持っているが、手放したがらない」を選ぶと、今村にいる誰かがPCの求めるものを持っているが、交換したがらない(あるいは少なくとも、そのPCには渡したがらない)。それが誰かを伝え、その反対の理由を確立しよう。
- 「近いものは手に入るが、まさにそれではない」を選ぶと、PCが欲しいものは手に入らないが、劣った代わりのものがある。たとえば良い追跡犬が欲しいなら、半ば野良の雑種犬なら手に入るかもしれない。銀貨の財布が欲しいなら、ひとつかみだけなら手に入るかもしれない。
7〜9のとき、プレイヤーに選択肢を差し出すのもいいだろう。「そうだな、グンターの目の見えない老犬を借りられる。あるいはオワインにいい犬を1頭頼んでもいい。ただ、彼は君をひどく嫌っているけどね。どうする?」
誰に交易の気があり、最初にどんな立場を取るかを確立したら、PCがどうするかを尋ねよう。値切ろうとするなら、場面を演じよう。説得したり、ほかの形で納得させたりして、NPCにより良い条件を受け入れさせられるかもしれない。あるいは取引を断るかもしれない。
あるいは求めるものを盗もうとするかもしれない。何が起こるか確かめるために遊ぼう、だろう?
交易と物々交換で6以下なら、強いGMムーブを行うことはできない(そしてPCはXPに印をつけない)。代わりに、村の誰もその品物を交換に出せない、あるいはPCが売ろうとしているものに興味がないと伝えるだけだ。どこへ行けばもう一度試せるかを伝えよう。旅をしたくないなら、次の季節にもう一度試せる。
PCたちがほかの共同体を訪れたときも交易と物々交換のムーブは適用されるが、何がありふれているかは変わる。たとえばゴルディン鉱山では、青銅や鋼の武器はありふれていて、戦の武器もそうだ。だが丘の民の間では、鉄の穂先の槍や矢でさえ特別な品物で、手に入れたり売ったりするには交易と物々交換のロールが必要だ。
PCたちがほかの集落で交易と物々交換のロールをするときは、その共同体の繁栄でロールする。その集落が小村なら、不利でロールする。町か都市なら、有利でロールする。
ストーントップの世界には中央政府も、共通の通貨も、標準的な交換比率もない。では、何が公正な取引なのか?
どの品物にも0から4(まれにそれ以上)の価値がある。価値は直線的ではなく、段階である。価値2の品物1つは、価値1の品物およそ12個に相当する。価値1の品物を3つ合わせても価値3にはならない。価値1の品物が3つあるだけだ。
とは限らない。ありふれた地元の資源を、輸入品や望まれる品や専門的な品と交換するとき(あるいはその逆のとき)は、2対1や3対1にさえなるかもしれない。
交換比率は標準などとは程遠いが……
価値0の品物は、おおむね次のものに相当する:
- 銅貨の◇財布1つ
- 銀貨1枚
- 頼み事1つ
- 未熟練の労働数日分
- ありふれた日用品1つ
価値1の品物は、おおむね次のものに相当する:
- 銀貨ひとつかみ
- 未熟練の労働1季節(ほど)分
- 熟練の労働数日分
- 交易品1単位*(穀物1袋、塩の◇小袋1つ、毛皮の◇◇束1つなど)
- ちょっとした晴れ着(豪華な刺繍の◇外套、絹のスカーフ、銀の櫛など)
価値2の品物は、おおむね次のものに相当する:
- 銀貨の◇財布1つ
- 金貨1枚
- 余剰1(509ページ)
- 未熟練の労働1年(ほど)分
- 熟練の労働1季節(ほど)分
- ありふれた交易品を荷車1台分*
- 贅沢品や地位を示す品(金の指輪、見事な銀のトルク、宝石など)
価値と硬貨
「公正な値」とは同じ価値のものを交換することだが、1対1
価値3の品物は、おおむね次のものに相当する:
- 金貨ひとつかみ
- 熟練の労働1年(ほど)分
- よく訓練された良い馬かラバ1頭
- 貴重な品(ルビーの指輪、金のトルクなど)
価値4の品物は、おおむね次のものに相当する:
- 金貨の◇財布1つ
- 良い馬12頭ほど
- 「値のつけられない」品(傷ひとつない巨大な宝石、金の◇小像、宝石をちりばめた◇王笏など)
*異国の交易品は価値+1
◇硬貨の財布には、およそ10つかみ分が入っている。硬貨ひとつかみはおよそ10枚なので、財布1つにはおよそ100枚が入っている。
銀貨1枚は、おおよそ銅貨の財布1つ(銅貨およそ100枚)に相当する。
そして金貨1枚は、おおよそ銀貨の財布1つ(銀貨およそ100枚、あるいは途方もない山の銅貨)に相当する。
ストーントップの住民同士で硬貨が使われることはめったにない。硬貨はおもによそ者との交易に使われる。
「なあ、出発する前に、その、ランタンをもらえる?」とカラドックが尋ねる。「価値0だから、そのままもらえるよね?」
いや、もらえない。それは所持品のシートに載っていない特別な品物なので、交易と物々交換のロールをしなければならない。彼は+繁栄(+0)でロールし、価値の0を引いて、11を出す。「ソーウィルが店にランタンをいくつか置いていると思う。1つくれと頼む?」頼む。「持っていけ」とソーウィルは言う。「あの子たちを救ってこい」
スウィンと対峙した後、リアンナは青銅の矢(価値0)がいくらか欲しい。彼女は交易と物々交換のロールをして9を出す。私は「近いものは手に入るが、まさにそれではない」を選ぶ。
「青銅の鏃は見つからないが、人々が要らない青銅の鍋をいくつかかき集められる。タリエシンならそれを鋳直して鏃にできるが、彼はいつも忙しいから、手をつけるのは次の季節になる。あるいは説得して君の仕事を優先させてもいい」彼女は喜んで待つ。「いいね。青銅の屑とタリエシンの時間と引き換えに、結局どんなちょっとした頼み事や約束をすることになる?」
ブロドウェンは緑の君の墓に戻る前に、ベンディスの根をもっと欲しがる。「あんたの菜園で育ててるんじゃないの?」とリアンナが尋ねる。育ててはいるが、毎年春に使用分しか採れない。もう使い切ってしまった。
彼女はベンディスの根の価値1を引いて交易と物々交換のロールをし、8を出す。「グレニスがいくらか持っている」と私は言う。「でも手放したがらない。村に残る最後のひと束で、無駄にしたくないんだ。それに墓へ戻るこの旅を後押ししたくもない。考えを変えるよう彼女を説得してみる? するなら、引き換えに何を差し出す?」
ブロドウェンは事情を訴え、交換に胃石(これも価値1)を差し出す。説得するで7を出したので、グレニスは彼女を納得させうる高くつく、厄介な、あるいは気の進まない何かを明かす。「彼女はこの旅をただの愚かな好奇心だと思っている。実際そうだよね? でももし向こうに何か不自然な悪が残っていて、君たちがひそかにそれに対処しに戻るのだと思えば、きっとベンディスの根を持っていかせてくれる。胃石さえ要らないと言うと思うよ。どうする?」
PCたちは余剰1分の食料とウイスキー(価値2)をゴルディン鉱山に持ってきた。「これは交易の機会だから、その余剰1で、ここでありふれた価値2の品物を3つ手に入れられる。それに各自ありふれた価値1の品物を1つずつ選んでもいい」私は彼らにリストを渡す(ゴルディン鉱山の第II巻の項目、
193ページより)。
彼らは荷馬車・荷車の予備部品(価値2)を選ぶ。リアンナは、鉄の道具や槍や手斧(価値0)をどっさり、価値2の品物1つ分としてもらえないかと尋ね、私はそれでかまわない。「じゃあロバは?」と彼女は尋ねる。それはやはり特別な品物で、ロールしなければならない。彼女は鉱山の繁栄で+1、ロバの価値で-2、そしてここは町なので有利を得てロールする。
10以上なら、もちろんロバを価値2の品物の1つにしていいと言っただろう。だが彼女は7を出したので、いつもより高くつくことにする。「車大工がロバを持っている。余剰の分の選択としてはもらえないが、あの銀の透かし細工の球となら喜んで交換するだろう。どうする?」
何を準備するか
次のセッションが故郷に関わるとわかっているなら、前もって準備できることはたくさんある。
PCたちが帰路にあるなら、後始末の節(490ページ)を見直そう。時間を取って次のことを考え抜こう:
- PCたちの留守中に何が起きたか?
- 村は彼らの帰還にどう反応しそうか?
- 特定のNPCは彼らの帰還にどう反応するか?
- 各PCとその家族との場面を少なくとも1つ含め、どんな場面や状況が続きそうか?
PCたちが帰り着く前に解決する必要のある未解決のプレイヤームーブ(出発前に誘発した力を合わせるなど)を書き留めておこう。結果を準備に組み込めるよう、セッションの合間にプレイヤーにそのムーブのロールをしてもらってもいい。
休息期間に入るなら、「休息期間」の節(496ページ)を見直そう。次のことを見極めよう:
- 処理すべき事務的なこと
- プレイヤーたちが行いたいと言っていたムーブ
- PCたちが取り組みそうな事業
グループが乗り気なら、これらのことをセッションの合間に詰めておこう。たとえば、皆にメッセージを送り、できるならレベルアップするよう念を押したり、次のセッションで何をしたいかを尋ねたりしよう。そのムーブの結果が準備に影響するなら、特定のムーブ(交易と物々交換や、季節の移ろいさえ)をセッションの合間にプレイヤーに解決してもらおう。
PCたちが長期の事業を追い求めるつもりなら(集落の改良、アルカナムの解放など)、その必要条件に目を通そう。はっきりしないものがあれば、前もって計画を立て、必要条件のリストを起草しておこう。
季節の移ろいのムーブからプレイヤーたちに借りがあるなら――姿を現す脅威や興味深い知らせなど――その具体的な内容を考え、プレイにどう持ち込むかを考えよう。これが遠征を促すと予想するなら、その準備をしよう(340ページ参照)。少なくとも次のセッションで使いそうな分だけでも。
脅威に目を通し、必要なら更新しよう(298ページ)。自問しよう:
- 懸案を解決できる、あるいは解決を試みたいものはあるか? それをどうプレイに持ち込めるか?
- PCたちがほかのことに気を取られている間に、不吉な前兆が現実になったものはあるか? それをプレイでどう明かすか?
- これらの脅威で行いたいGMムーブはあるか? それはプレイでどんな様子になるか?
セッションの終わりのメモを見直そう。特に各プレイヤーが述べた望みを。
「ストーントップ村」の項目にざっと目を通そう(第II巻、12ページ)。取り上げたい印象やほかの細部、尋ねたい質問をいくつか選ぼう。
セッションの幕開けに、前回のセッション以降に起きたことを素早く確立するため、ラブレターを書くことを考えよう(568ページ)。
以上すべてを使って、次のセッションの「やることリスト」を作ろう。次のものを含める:
- 解決すべきプレイヤームーブ(ラブレターも含む)
- プレイヤーたちが下すべき決断
- PCたちに尋ねたい質問
- 確立したい細部
- 設定したい場面
- 行いたいGMムーブ
これらの項目を、出てきそうなおおよその順番に並べ、自分にとってわかりやすいようにまとめよう。各項目の横にチェック欄を付けよう。プレイ中、項目を持ち込んだら印をつけよう。だが肩の力を抜こう! すべてに手が回らないかもしれないし、セッションが進むにつれて意味を失うものもあるかもしれない。
設定しそうな場面や状況については、プレイ中に役立ちそうな細部を書き出しておこう。いつどこで、活動、印象、質問、GMムーブ、台詞などだ。
互いの場面にPCたちをどう巻き込めるか考えよう。あるいは興味深い
PC-PC-NPCの三角関係を作ろう。
新しいNPCを登場させるつもりなら、あなたが役に立つと思う程度の詳しさで今作っておこう(453ページ)。
次のセッションに確立されたNPCが登場しそうなら、彼らについてのメモを見直すか、単に彼らをどう演じるかを考えよう。次のセッションで彼らがどう振る舞うかを考えよう。必要なら描写に細部を加えるか、しっくりくるなら確立された細部を変えよう。彼らを怪物(391ページ)、脅威(282ページ)、従者(474ページ)として能力値を付けてもいい。
最初の冒険は終わった! PCたちはスウィンを倒し、クリンウィンを追い払い、子供たちを救い出した。前回のセッションの終わりに、彼らは帰郷することにした。次のセッションでは彼らの帰還を演じる。
彼らは発ってから5日後に帰り着く。人々は心配し、絶望の瀬戸際にいたが、春の仕事も続けていた。解決すべき未解決のプレイヤームーブはなく、PCたちの留守中に進展した脅威もない。
PCたちは凱旋するが、子供たちのうち2人はスウィンと過ごした時間に蝕まれている。私は村を挙げての祝いを思い描く。グレニスとオワインは、自分たちの子が「おかしい」ことにすぐ気分を害するのだ。
続く場面を考えると、カラドックには選択肢がありすぎる(モルウェンナといちゃつく、ソーウィルと働く、祖母を訪ねる)。ブロドウェンも同じだ(グウェンディルやセレンと話す、プリデルの様子を見る、テグウェンに対処する)。リアンナは村と深い絆を持つが、近しい身内はあまり残っていないので、部隊が家族代わりになると思う(どのみち彼らとの忠誠を築きたいはずだ)。ヴァーヒドには、今気づいたが、近しいNPCが誰もいないので、そこを肉付けする必要がありそうだ。
次のセッションに休息期間はあまりないと思う。もしあれば、単にズームアウトして「普段の」暮らしに戻る様子を皆に尋ね、それから季節を夏へと移ろわせる。レベルアップはセッションの合間にすればいい。
季節の移ろいの前にPCたちが長期の事業に取り組むとは思わないし、前の季節からの借りもない。
私は脅威を更新し、残っているものに目を通す。テグウェン(ブロドウェンの母、ワイルドカード)は、ブロドウェンに身の程をわきまえさせ、夫のことを考え始めるよう言い張るかもしれない(「ガレト爺さんは確かに気があるみたいだよ」)。「PCたちへの不信」という苦難は出てきそうで、その懸案(「リアンナはオワインとグレニスの敬意を取り戻せるか?」と「グレニスはいつかカラドックを許すか?」)に答えを出すのは楽しそうだ。でもこのセッションではないかも?
前回のセッションの終わりに、カラドックはこの大冒険の後で平凡な暮らしに戻ることにどう苛立つかを見たいと言った。リアンナは部隊とその家族を肉付けしたいと言った。ヴァーヒドは精神宝石と、緑の君の墓や学んだことすべてについて交信したいと言った。ブロドウェンは(好んで苦労を背負う性分で)母と向き合いたいが、同時に「プリデルはダヌに愛されている」件も掘り下げたいと言った。
私は第II巻の「ストーントップ」の項目に目を通し、春の印象と活動をいくつか選ぶ。PCたちが日々の暮らしに戻る中で尋ねる良い質問もいくつか書き留める。たとえば「この場所の何が我が家だと感じさせる?」や「ストーントップならではの遊びや娯楽は何?」などだ。
少し考えて、セッションの大まかなやることリストを作る:
帰路
凱旋する
窮地に立たせる
「家族」の場面
GMムーブの候補
> 好機を差し出す:ヴァーヒドに精神宝石と話す時間がある。緑の君などについての情報をどっさり得る
> 彼らの務めを思い出させる:
ソーウィルはカラドックを誇りに思っているが、仕事があるぞ、坊主!
> 彼らを互いに対立させる:
エイラとロウリが「薄気味悪い
ヴァーヒド」について話す。リアンナが漏れ聞く
> 他人の本当の気持ちを示す:ブロドウェンがプリデルの様子を見に来たとき、レイナルが贈り物をする
> 望みを提示する:オワインはブロドウェンとグウェンディルに娘を「治して」ほしい
> 厄介事を告げる:カラドックは
グレニスがウィンヴォルに怒鳴っているのを見る。ひどく苛立っている
> 望まれない(?)助言をする:
テグウェンが、リアンナと話しているガレトに近づき、ブロドウェンに言い寄るよう勧める
ここで新しいNPCはカラドックの祖母だけなので、少し手を入れて準備する(主に、彼女についてカラドックに尋ねる質問だ)。プリデルやウィンヴォルやリアンナの部隊の誰かを演じることはあまり心配していない(彼らはすでにここ数セッションに登場している)が、テグウェン、レイナル、グレニス、オワイン、セレン、グウェンディルについてのメモは見直す。
おそらく1セッションで使う以上のものを用意しているが、それでかまわない。これらのメモのいくつかは、次のセッションや季節にもきっと使えるはずだ!